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「恋に落ちる確率」 は、リコンストラクションという名前の映画です

買い置きDVDからの視聴です。「恋に落ちる確率」って、なんとなく明るいラブコメを想像させるのですが、ヨーロッパのハリウッド風の明るいラブコメというのも、なかなか想像しづらくて、ちょっと見当がつきません。まずは予備知識なく見てみる、2003年制作、デンマークの映画です。

あらすじ
夜のバーで出会った、写真家のアレックス(ニコライ・リー・カース)と、アイメ(マリア・ボネヴィー)。アレックスにはシモーネ(マリア・ボネヴィー、2役)、アイメには、小説家の夫アウグスト(クリスター・ヘンリクソン)がいた。二人の間は、微妙な駆け引きの中で進展していくが、アレックスは自分の日常を失っていく。そんな中でついに二人だけでローマへ行く約束をするが、アレックスにシモーネへの気持ちも残っていた…



思わせぶりな解説を絡めながら、夜のバーで出会う二人のシーンから始まりました。画面はざらついた感じで、モノトーン系の陰影のついた情景が続きます。そもそもスタートから情景を外部から傍観者が見ているような解説で進められ、その中で演じている物語という位置づけの様です。そして登場人物の4人が説明され、夜のバーで会ったのは夢だったという説明がなされます。

次に、アレックスとシモーネ。普通の恋人同士のようですが、シモーネはアレックスに愛していると口に出して言って欲しいようで、普遍的によくある光景です。デートの途中で、アレックスは夢の中?で出会ったアイメを見つけ、シモーネを放っておいて、アイメを追いかけ、昨日のバーに向かい、そのままアイメと夫(外出で不在)の部屋でベッドイン。翌日の朝を迎えます。そしてここで初めて画面が夜から解放され明るくなります。

アイメの夫は人気恋愛小説家といったところでしょうか。今回は妻との関係がうまくいっていないのを修復しようと2人で来ていますが、多忙で結局アイメとの時間が取れず、彼女を苛立たせています。アレックスと入れ替わりに帰ってきたアウグストは直前まで男がいたことを悟り、なんとか妻と会話しようとしますが、また仕事の電話が入ってしまいました。

アレックスは、午後アイメと再会する約束をして自宅に戻りましたが、自宅の部屋はそこになく、友達も周囲の人もシモーネまでもが、誰もアレックスを知らないという状況になっていました。焦りつつも約束のレストランでアイメを待ち、アイメは時間通りに来ますが、彼女は初対面のような感じで振舞っていて、アレックスはさらに違和感が募りました。

そして、冒頭の場面から何度か出てきている、夜のバーで交わしたローマ行きの件がついに約束され、再び夜のバーで落ち合うことになります。アイメは懸命に今までの行動を詫び、引き留めようとするアウグストを振り切ってバーに向かいます。一方でアレックスは、自分を知らなくなってしまったシモーネにサヨナラを告げに別の店に向かいます。シモーネは知らないはずのアレックスが気になるようで、お互いすぐに別れられず、アイメとの約束のバーに遅れて着いた時には、彼女は店を出た後でした…

恋に落ちる確率

原題は、「リコンストラクション」なので、再構築みたいな感じです。邦題の方はつけた意図がちょっと測りかねるというか、内容とは別物と言っていいと思いますが、まぁ、人畜無害で頭に残らないため、邪魔にはならない感じです。出だしから画面がとてもアートで、話の内容や展開が不条理です。ということで、見るのに疲れる映画みたいだなと思ったのですが、意外と集中できました。それは、ひとえにマリア・ボネヴィーがなかなか魅力的だったという事によるのかもしれません。(笑)

この物語は、基本は小説家アウグストの書く小説という位置づけで、いわば劇中劇的な物語。そしてアイメは小説家の妻であり、物語のヒロイン。しかし、現実と小説の中も交錯し、また、時間の前後も交錯しているような感じがして、かなり不条理劇的に仕上がっていました。アレックスは、自分がアイメと出会うために世界が再構築され、旧知の人がすべて知らない人となったという理解なのですが、それよりも、この交錯した物語を、題名の通り、リコンストラクションしてみろという宿題を与えられたような気がしました。

この映画は、2003年のカンヌ映画祭で、カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞した作品となります。そんな訳で、さすがにしっかりした出来栄えの作品で、なかなか面白かったです。シュールな場面の多い割には、音楽がベタなバーバーのアダージョが入ってくるところなど、ほっと一息安心感というのもありますし、一方で、シューベルトのピアノソナタなど、独特の雰囲気を持つ曲が、ストーリーと良くマッチして美しい作品になっていると思いました。最後まで、画面に惹きつけられました。

2018.6.16 HCMC自宅にて、DVD鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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