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「アサイラム・狂人病棟」 ロバート・ブロックとムソルグスキーと…

「アサイラム・狂人病棟」は、確か90年代にレンタルビデオで借りて見た映画です。日本未公開、ビデオ発売、日本ではDVD未発売ということで、一時代前の消えていった映画の一つです。最近、この手の映画も少々気になっていたところで、YouTubeにあったので、再見しました。日本語字幕は無しです。当時はロバート・ブロック原作と言う事で借りてきたという記憶があります。1972年の映画で、監督は、ロイ・ウォード・ベイカーです。
原題:Asylum (1972)

あらすじ
精神病院に新たな医師として面接に来たマーチン(ロバート・パウエル)は、院長のスター氏が、数日前に発狂して患者になってしまったと聞かされる。そして、代理のラザフォード医師(パトリック・マギー)から課せられた採用試験は、患者たちにインタビューして、発狂した元院長を探し出すことだった…



霧立ち込める田舎の道を、車を走らせるマーチンのシーンから。背後に流れるのは、ムソルグスキーの「禿山の一夜」です。この映画、ムソルグスキーの音楽が全編に流れて独特の雰囲気を出しています。そして、病院に着いたマーチンは、院長の不在と採用試験をラザフォード医師から告げられ、レイノルズ(ジェフリー・ベイルドン)の案内で病棟の各部屋をまわり、患者へのインタビューが始まるのでした。

第1話「Frozen Fear」 患者:ボニー(バーバラ・パーキンス
ウォルター(リチャード・トッド)は、愛人のボニーと一緒になるために、妻(シルヴィア・シムズ)を殺害、その死体を四肢と胴体と頭部に分解して梱包し、冷凍庫に入れます。しかし魔術に凝っていた妻の復讐が始まり、ウォルターは殺され、訪ねてきたボニーに、妻の各部位が襲い掛かります…。

第2話「The Weird Tailor」 患者:ブルーノ(バリー・モース)
立ち退きを迫られている仕立屋ブルーノのもとに、スミス(ピーター・カッシング)と名乗る客が現れます。彼は持参した生地で、奇妙な条件のもとに息子の服の仕立てを依頼し、仕立屋は不審に思いながらも、高額の報酬を提示され仕事を引き受けました。約束の日、服を納品にスミスの家に行きますが、報酬は無く息子の死体が。スミスと口論になり殺害してしまった仕立て屋は、魔術の本と共に服を持ち帰ります。そして、妻のアンナ(アン・ファーバンク)が、持ち帰った服をマネキンに掛けると…。

第3話「Lucy Comes to Stay(ルーシーがいるから)」 患者:バーバラ(シャーロット・ランプリング
退院したばかりのバーバラは、兄のジョージ(ジェームズ・ヴィリアーズ)とともに家に帰ります。しかし看護婦(メグス・ジェンキンス)に迎えられ、部屋で静養を命じられました。そして、ベッドで寝ていたバーバラのもとに、突然親友のルーシー(ブリット・エクランド)が現れ、彼女は、一緒に家から抜け出そうと提案、ジョージと看護婦を殺害しますが…。

第4話「Mannikins of Horror(恐怖の粘土人形)」 患者:バイロン博士(ハーバート・ロム
ここで舞台は、精神病院に戻ります。バイロン博士は、過去の同僚たちの人形を作り続けており、今作っている最後の人形は自分のものだ、そして、自分はこの人形に乗り移るのだ、と語ります。マーチンは、彼こそ発狂したスター院長ではないかと疑います。そしてラザフォードとの面接に臨んだマーチンは、自論を述べ始めますが、ラザフォードの背後にバイロン博士の人形が忍び寄り…

そして、ラスト。残ったレイノルズと二人になったマーチンはこの精神病院の秘密を知ることになり…。

アサイラム・狂人病棟

この映画は、意外と数々の名優が出演しています。その中でも出色は、シャーロット・ランプリングと、ホラー映画のスター、ピーター・カッシングでしょうか。写真は見栄えを重視し、若き日のシャーロット・ランプリング(笑)。終始出演するのは主人公のロバート・パウエルと、ジェフリー・ベイルドンですが、ジェフリー・ベイルドンの怪演がなかなか目立ちます。

音楽は、「禿山の一夜」と「展覧会の絵」。基本この2つのムソルグスキーの作品が雰囲気を支配します。まぁ、これはあまりにも主張の強い曲を使ったということで、かなり曲が目立ってしまいましたが、効果的には良くも悪くもと言ったところでしょうか。ストーリーはどれもロバート・ブロックらしいファンタジーホラーという感じで、どの物語も独特の雰囲気があって、結構好きです。映像的には、第1話の梱包された人体のパーツが襲い掛かるシーンがなかなか面白かったと思いました。

映画全体としては、ストーリーの良さの割には、つくりがかなり安っぽいため、B級の凡庸な作品になっていることは否めないと思います。この作品を見た当時は、スピルバーグたちによる「トワイライトゾーン」がヒットし、同じホラー・ファンタジー系のオムニパス形式ということで、この映画が発掘され、ビデオ発売されたのではないかな?と思いますが、さすがにあちらと比べてしまうと相当見栄えが劣ってしまいます。当時は、そういう流れで見ていたので、あまりこの映画にいい印象は持っておらず、冒頭の車で到着するシーンくらいしか記憶に残っていなかったのですが、改めて見直してみて、なかなかセンスのいいホラーストーリーだなと改めて思った次第です。時代を経て再びみてみると、また感じる物があるなと思いました。

2018.6.16 HCMC自宅にて YouTubeでの鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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