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「勝手にふるえてろ」 綿矢りさの魅力を再確認

JAL機内での鑑賞です。何があるかな?とパラパラ画面をめくって見た中で、気になった1本。それは、原作「綿矢りさ」の文字でした。ひところ、彼女の小説をいくつか楽しんだことがあったので、懐かしく見始めました。そして、予想以上の出来だったので、満足した次第です。

あらすじ
絶滅した動物を愛するOLのヨシカ(松岡茉優)は、10年間中学時代の同級生「イチ」(北村匠海)に片思いを続けていた。そして、イチとの過去を思い出しては胸をときめかせている日常に、突如会社の同期「ニ」(渡辺大知)から告白され、生まれて初めての経験に舞い上がる。しかし、いつまでも心の中にいる「イチ」のこともあって、「ニ」との関係は一進一退。そして、ある日ヨシカは、現在の「イチ」に会ってみようと思い立ち、同級生の名前を騙って同窓会を計画。ついに「イチ」との再会となったが…。



冒頭から、心の中の語りがセリフで多くを占めますが、その雰囲気がなんとなく小説を読んでいるようで楽しかったと思いました。主人公は、OLのヨシカ。あの「ちはやふる」の松岡茉優です。

ヨシカは、生まれてこのかた彼氏もいず男性経験もない、26歳のOL。彼女には中学生の頃から思いを寄せ続けている“イチ”という男性がいました。ヨシカは当時から、焦点を合わせず、視野の端で彼を見るという方法で見ていたのですが、ほぼ言葉を合わすことなく卒業。以来、良香の頭の中は様々なシチュエーションのイチがいっぱいなのでした。そんあある日、良香は会社の飲み会に参加、会社の同期である“二”に、付き合って欲しいと言われます。

ニへの返事は保留のまま、ヨシカはイチへの思いを絶つこともできず、イチに会うべく同窓会を企画。同窓会当日、ヨシカの頭の中の“イチ”そのままの姿で、彼は現れ、周りからチヤホヤされる“イチ”と懸命に接触。次の少人数での飲み会をセット。そして、再開のその日、偶然にもヨシカを見つけ、しぶとく付きまと“二”を振り切り飲み会に参加。奥手なヨシカは終始浮いた存在ですが、なんとか二人だけの場を確保、絶好のチャンスに、勇気を出して中学時代の思い出を語りはじめ、共通点もみつけ、すっかり打ち解けますが、最後の最後でイチから出た言葉は、「ごめん。名前なんだっけ?」というものでした。

深く傷ついたヨシカは、微妙な表情のままその場をあとにし、家に帰ると一気に泣き崩れてしまいます。その後、ニとのデートを繰り返すヨシカでしたが、奥手なヨシカは肝心なところでうまくいかないうちに、二が親友の来留美(石橋杏奈)から、ヨシカのコンプレックスを聞き出していたことに怒って親友とも二とも破局。自棄になったヨシカは、妊娠したと嘘をついて会社を休み、なにもかも失って、ひとりきりの生活を数日を過ごし、孤独を身に染みて感じることになりました。徐々にニのありがたさが解ってきたヨシカは、大雨の中、ニを呼び出しますが…。

勝手にふるえてろ

最初にも書きましたが、やはり冒頭から綿矢りさの小説を読んでいるような雰囲気が良く伝わってきて、楽しかったです。なんとなく、ふわっとしていて、不条理で。全体を通してこの雰囲気が維持され良かったと思いました。主人公の松岡茉優はなかなかの熱演。中学生時代の眼鏡セーラー服姿はなかなかのものでした(笑)。

圧巻は、イチに名前を憶えられていなかったことが解った時の絶滅の唄と、慟哭ともいえる部屋に戻ってからの主人公の演技。この時に、ハンバーガーショップの店員や、釣りのおじさん、コンビニの店員との今までの会話が、すべてヨシカの妄想の産物であったことが発覚。そして、バーガーショップの店員が突然中国語で話し始めた時の、ひとかたならぬ疎外感は秀逸。そのバックに流れている絶滅の唄は、昔の中島みゆきの歌を思い起こすほど、インパクトが強く、このまま完結してもいいというくらいのクライマックスであったと思います。

綿矢りさの原作がいいと言ってしまえば、身も蓋もないので、さらにその原作をうまく映像化した大九明子監督の熱演の松岡茉優あっての作品。あえてマイナス点として思ったのは、大きなクライマックスが真ん中になっているので、その後が少し冗長に思えたことかな?とりあえず、大九明子監督の映画を見るのは初めてなので、しっかり記憶しておきます。綿矢りさ作品は、今まで「インストール」がありましたが、あちらもなかなか面白かったので、また本でも買ってみようかな??という感じです。

2018..4.2 JAL機内(成田→ホーチミン)にて
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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