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「愛と欲望 ミラノの霧の中で」 ミラノを舞台に漂うような群像劇

買い置きのDVDからの鑑賞。内容も全くわからず買っておいたもので、どんなんかいな?と見始めました。原題は、「A casa nostra」で、「私たちの家で」というlこと。劇中にもセリフとして出てきます私たちの家とはミラノの事。そして、ミラノの街に生活する人々の群像劇なのでした。

あらすじ
イタリアの財界の大物であるミラノの銀行家ウーゴ(ルカ・ジンガレッティ)の不正取引を追う、女性財務警察官のリタ(ヴァレリア・ゴリノ)は、電話を盗聴して不正をつかもうとしている。スーパーマーケットの店員ジェリー(ルカ・アルジェンテロ)は、ウーゴの愛人でモデルのエロディ(ラウラ・キアッティ)と関係を持つが、それがきっかけでウーゴに利用されることになる。ガソリンスタンドの店員オテロ(ジュゼッペ・バッティストン)は、娼婦のビアンカ(クリスティナ・スキーウ)を愛していたが、ある時彼女が強盗に襲われ、昏睡状態に陥ってしまう。それぞれの物語がミラノの街で交錯する…。



ミラノの街の象徴的な風景も取り入れながら、いくつかの生活が交錯する群像劇でした。そういった話なので、前半はなかなかストーリーが捕らえづらかったのですが、いくつかの物語を軸に前提がまとまっていきます。そういった話なので、人物ごとに話をまとめてみます。

ウーゴ
冒頭からでてきますが、ミラノの銀行家。権力を振りかざしつつ、強引な取引をしている様子ですが、財務警察官のリタのグループに付け狙われています。日本でいうと国税庁というところでしょうか。一方で、彼には妻がいましたが、妻は子供を亡くしており、それが彼女の精神を不安定にさせています。ウーゴは彼女の為に子供を手に入れようとしています。

リタ
リタは、盗聴などを駆使しながら、ウーゴを追い詰めるグループのリーダー。一方でマッテオという恋人がいますが、彼は堅苦しいリタの仕事とは正反対の、アングラアートのイベントを主催しています。お互い仕事のことには立ち入らず、時々会っているという状況です。ある日、リタは彼のことをもっと知りたいという要求から、突然マッテオのイベントを見に行きますが、そこから二人の関係が動き出していきます。

ジェリー
看護婦の彼女を持つ、スーパーの店員ジェリーは、彼女とのデートの最中にモデルのエロディに誘惑されます。その後、関係を結んだエロディは、ウーゴの情婦でした。それがもとで、ジェリーはウーゴに利用されるようになります。そして、恋人の看護婦は、急に羽振りがよくなったジェリーをいぶかしむのでした。

エロディ
モデルのエロディは、ウーゴの情婦でしたが、めったに会いに来ないウーゴの代わりにジェリーと一夜を過ごします。そればウーゴに発覚。絶縁され、金策が必要になったエロディは、テレビでウーゴに中絶させられたと暴露します。

マッテオ
リタの恋人マッテオは、大学教授の家庭に育っていました。めったに家に寄り付かないマッテオでしたが、父母はマッテオのことはいつも気にかけている様子。マッテオの父は、納税申告漏れから税務署の勧告により金策に走ります。なんとか完了し家に帰ると、母が倒れており、病院に担ぎ込まれていました。

オテロ
ガソリンスタンドの店員オテロは、街娼のビアンカの元に通ううちに愛するようになり、彼女を食事に誘い親密になります。売春組織から横やりが入る中、愛を温めていきますが、ビアンカが強盗に襲われ、病院に担ぎ込まれます。ベッドはマッテオの母のとなり、看護婦はジェリーの恋人でした。

というストーリーが絡まります。そして、子供の欲しいウーゴは、妊娠していたビアンカの父親に成りすまして、昏睡状態のビアンカから手術によって取り出された赤ん坊を得ようとしますが、オテロに邪魔されて成功せず、この取引を、人身売買組織と交渉していたジェリーは、ウーゴを付け狙っていたリタに、情報から全貌を把握され、警察に追われることとなり…。

愛と欲望 ミラノの霧の中で

ストーリーをまとめると、こんな感じですが、かなり細かなエピソードが盛りだくさんで、それもあって前半はストーリーを追うのに少し苦労しました。あえて言えば、霧の中を行くような物語展開。そして、概して静かに進む物語の中で、徐々に霧が晴れ、いろいろな階層の人々の行動と思惑が交錯し、我々の家であるミラノを形作っていく。そんな映画です。後半の展開は見事だと思います。その中で、時々俯瞰され、象徴的な場所が映し出されるミラノ。これが私たちの家、ということでした。

静かで、何がどう解決したか解らないような群像劇ですが、個々の人々の描き方がとても秀逸です。盛りだくさんの美しい一つ一つのエピソードから、そのパーツが美しく嵌っていく様に、しみじみとした感興を感じました。そして、時折挿入される、ヴェルディの椿姫の旋律。あまり報いのないこの話の展開に大変マッチしていて、心に残りました。

一番の美人役の女優は、エロディ役のラウラ・キアッティで、いくつか日本公開の作品があります。主役のヴァレリア・ゴリノは、数々の出演作のある名女優。ヴェネツィア国際映画祭女優賞をしており、「レインマン」や「あるいは裏切りという名の犬」などへの出演、そして監督としても活躍しているようです。そして、一番印象に残ったのは、この映画が唯一の出演作と思われる、クリスティナ・スキーウなんですが、エピソードが解りやすいということもありますが、五里霧中の中一番オテロとビアンカの筋が追いやすかったからでしょうか。ちょっと崩れた哀感のある演技は良かったと思います。

いや、この手の映画は、好きなんだなと改めて思った次第です。日本では、2007年イタリア映画祭、2007年東京国際女性映画祭でて上映、一般公開は無く、DVDスルーでした。

2018.4.1 DVDにて鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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プロフィール

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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