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私の好きな100本の映画⑪ 翻弄する女たちの意地

私の好きな100本の映画第11回

11回目となりました。あと10回頑張ります。前回は、男たちの生きざまと題しましたので、今回は女性をテーマに5選です。女性たちの意地と、翻弄される男たちという事で、5つ挙げてみました。が、全部はそうはならず、ある程度はという程度になってしまったかもしれません。後半戦になってくると、だんだん選ぶ範囲も限られてきて、若干苦しいところもあるのです。おまけに、5本中4本が邦画という偏りかた。邦画の方が、日本人として素直に感じ入りやすいのですかね?



51.リップヴァンウィンクルの花嫁
  2016年 日本 監督:岩井俊二 出演:黒木華 綾野剛

上映時間が180分にもなる長い映画。それも、ギリギリの時間に映画館に着いてしまったので、ユーロスペースの前の方の横という、およそいい場所とは言えない場所で鑑賞したという記憶があります。それにもかかわらず、時間の長さをさほど感じなかったのは、やはり画面の中に没頭できていたからでしょう。最後までぶれない、黒木華さんの筋の通った演技が圧巻でした。物語は、結婚の失敗から、代理出席のバイト、そして月100万円も稼げる住み込みのメイド。それは、一緒に死んでくれる人を探しているという…。
そういった、数多くのエピソードが連ねられていき、全てが美しく繋がっていきます。虚構と真実が混沌としていく中で、登場人物の存在が確かな真実だという感じがしました。Coccoさんも素晴らしいし、りりぃさんも存在感が大きかったです。



52.愛のめぐりあい (Al di là delle nuvole)
  1995年 フランス 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 出演:ジョン・マルコヴィッチ イネス・サストレ

アントニオーニの作品は、上質ではありますが見る努力を強いられますので、頻繁にみることは無かったのです。この時は意を決して見たわけですが、この映画のラブシーンは、どれもこれも強烈でした。体に触れることなく、体全体を舐めまわすようにたどるものから、濃いもの、激情型。どれも演技に気品が漂い、いやらしくないというものです。そして、その様な愛の罠に陥り、もがく人々の姿が画面から伝わってきます。人生をも滅ぼしかねない愛の形が、静かな中に強く語られています。最後のお話で、喪失感も強く感じ、4つのオムニパスによる女性のありようと、男性のかかわりが、それぞれの人生の転機という意味も含めて語られている、内容盛りだくさんの一本でした。

<ブログ内にレビューがあります>
「愛のめぐりあい」 アントニオーニだからできること


53.牝猫たち
  2016年 日本 監督:白石和彌 出演:井端珠里 美知枝

2016年末から上映された、ロマンポルノリブートプロジェクト。最初の2作品は、どうも作家性が出すぎたのか、今一つ納得がいかなかったような感じでしたが、この第3弾の、白石和彌監督の作品を見て留飲を下げた次第です。池袋のデリヘルで働く3人の女性と、そのリピーターのお客さんを巡る物語をパラレルに描いていく群像劇スタイルです。3人の女性のそれぞれの生き方と、上手く生きられていない男たちが絡み合うストーリー。そして、日活ロマンポルノの伝統と雰囲気を、そのまま現在に持ってきた感じで、引きこもり、ネット社会、不妊、独居老人、児童虐待など現代の抱える問題も織り込まれています。時代が変わり、当時とは映す対象や問題意識が違っているとは思いますが、今ロマンポルノというと、こうなるのではないかという、まさにお手本のような作品でした。

<ブログ内にレビューがあります>
「牝猫たち」 ロマンポルノはやはりこうでなくっちゃ

牝猫たち(その2)


54.花芯
  2016年 日本 監督:安藤尋 出演:村川絵梨 林遣都

それほど評判が高くなかった映画と思いますが、私的には気に入っている映画です。園子のような女性が好みなのかもしれません。付き合うとかなり面倒なことも起こりそうですが(笑)。いずれにしても、園子のキリッとした立ち姿が最高です。ここの男たちは誰もかなわないですね。格差さえ感じます。ラストの園子の笑み、少し哀れみが入ったような笑みに見えてしまいました。こういうラストの女性の笑みで終る映画というと、「キャロル」と比べてしまいます。あの開放感のある笑みがこの場で出れば、この映画は園子の勝利だと思うのですが、あちらは大女優の「ケイト・ブランシェット」。ちょっとかなわないですかね。日本的ということかもしれませんが、私にとっては惜しいところです。



55.昭和枯れすすき
  1975年 日本 監督:野村芳太郎 出演:秋吉久美子 高橋英樹

昭和50年頃の新宿、ネオンや流れる昭和枯れすすきのメロディー。なんとなくノスタルジアを感じる映画です。そして、穴の無いストーリー展開で、どこをとっても素晴らしい映画でした。秋吉久美子がとてもいい雰囲気です。時々出るあどけなさが、田舎からでてきた感をよく出しています。全体としてもまとまりが良く、見てから思わずBDまで買ってしまいました。この映画の中で、秋吉久美子の典子をはじめ、トシ子、民江と三人三様の個性が絡み合っています。その中で男は何をするのか?原田の愛情は、ここに兄弟愛以上の愛情を感じ取るべきかどうか…。野村芳太郎は数々の大作を撮っていますが、これだけ無駄のない締まった作品は、大作を押しのけての大傑作と言えるのではないかと思います。



さて、私の好きな100本の映画。第11回の5本は、翻弄する女たちの意地ということで選んでみました。邦画が4本という、いささかバランスの悪い結果でしたが、個性のあるいい映画が並んだと思っています。ラインナップは大人しいですが、いささか自信の選択でもあるのですよ、これは。さて次回は第12回。お楽しみに。
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テーマ : お気に入り映画
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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