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私の好きな100本の映画⑥ 日本のモノクロ映画から

私の好きな100本の映画第6回

第6回になりました。ひと通りベスト5とそれにまつわる映画を紹介してきましたので、あとはフリーで好きな映画を5つづつ選んでいこうかと思います。一つの視点で5つ選んでいくと、そのうち端数がでてきて収拾できなくなるというのは想像できるのですが、まずは、5本選べるテーマとして、日本のモノクロ映画を選んでみました。1950年代から60年代の作品になります。これもほとんど著名な作品で、感想を書くのも憚られるような作品もありますが、臆せず並べてみました。



26.生きる
  1952年 日本 監督:黒澤明 出演:志村喬 金子信雄

まだ、会社に入ったくらいの時でしょうか、テレビで見て素直に感動した映画です。いろいろと心に残っている部分もあり、その後志村喬の真似をしてみたり、ゴンドラの唄をカラオケで歌ってみたりと、いろいろしたものです。若干不謹慎ではありますが。3日前に食べたものが、胃の中に残っていると、もういけないねぇ、という言葉も印象に残っています。そして、それを聞いている志村喬!余命少ないと宣告されたあとの頑張りが、神々しいまでに描かれ、見る人に人生を考えさせる映画だと思いますが、一方で、小田切みきとの会話で思い当たる、お役所仕事の情けなさ。三十年間退屈さをかみ殺して、事なかれ主義の盲目判を機械的に押していたにすぎないと悟るところ。お役所でなくたって、そういう事は無いとはいえませんね。周囲の声をよく聞いて、常に振り返りたいところです。



27.東京物語
  1953年 日本 監督:小津安二郎 出演:笠智衆 東山千栄子

この映画も、何度か見ています。たぶん最初に見た時はそれほど印象に残らなかったはず。自分の中では、年を経て繰り返し見るたびに、味が出てくる映画だという認識です。普通の生活のにおける家族の心情を、穏やかでかつあからさまに描いた映画と言えるでしょうか。出てくる家族のすべての人物が興味深く描けていると思います。私にとって、この映画で一番印象に残っているのは杉村春子なのですが、なぜでしょう?この映画の名前を聞くと真っ先に思い出してしまいます。この家族の映画、また年を取って見ると感じ方が違うかもしれません。その時は笠智衆に共感してしまうのでしょうか?



28.愛と希望の街
  1959年 日本 監督:大島渚 出演:藤川弘志 望月優子

前半から、格差を前面に押し出し、不穏な空気が流れています。それが終盤にきてエネルギーが爆発します。それは決して暴動とかそういったものではなく、内に押し殺したような爆発に思えます。 鳩の籠を壊すシーンは圧巻でした。少年は籠を壊して決別し、少女は鳩を撃たせて決別する。何からなにへ?それが希望でしょうか?そして、後半は母の表情が多くを語るようになります。子を思う母の物語は普遍的な物です。そして、自分の育った環境が、生きていく上での尺度となり、それは他人には理解しがたいもの。いくら折り合っても、根底はそれほど変わってはいかないでしょう。少年も、少女もこれから自分で生きていかなければなりません。未来に向けてという意味でいい終わり方だと思いました。

愛と希望の街



29.肉弾
  1968年 日本 監督:岡本喜八 出演:寺田農 大谷直子

1968年がどういった時代だったかは、記憶の彼方なのですが、戦後23年でまだまだ戦争を記憶している人が大半という時代です。その中で描かれている、戦争の意義やバカバカしさを強烈に皮肉った作品だと思います。今は戦争から70年を過ぎ、現実に記憶している人は大変少なくなっています。また、戦争は過去のものになってしまっているので、日本ではここまで辛辣な映画は作られようがありません。作っても頭の中で考えたものでは、本当の反戦の魂が入ってこない。見る方も、銀幕の中でそういうもんだと思うだけです。邦画で気骨のある反戦映画を見ようと思えば、この時代以前に遡らないといけないのですね。そういう意味で、戦後30年くらいまでの戦争関連の映画は、今や財産ともなり得る物かもと考えてしまいます。



30.お嬢さん乾杯
  1949年 日本 監督:木下恵介 出演:佐野周二 原節子

こちらは、戦後4年経過。定石通りと言うますか、展開に全くほころびの無い、非の打ちどころのないラブコメだと思いました。見事でした。素直に脱帽します。4年たっての戦後復興をストレートに感じさせ、理屈抜きで楽しく見られる映画になっています。若い2人も素晴らしいし、祖父母の延々と続く嫌味もすごい。お嬢さんの奥ゆかしさは、こんな人いるの?というくらい、壊滅級であると言えます。それをぶち破ったマダムも偉い!周りの恋も成就し、めでたしめでたし。絵にかいたようなラブコメで、感服しました。



さて、私の好きな100本の映画。第6回の6本は、日本映画のモノクロのものを選んでみました。どれも押しも押されぬ名作ですので、一度は見ておきたい映画ですね。やはり、60年代までは映画が娯楽の王様みたいに輝いていた時代なので、形式ばらずいろんな趣向の作品があって面白いと思います。そして技術の進歩も肌で感じられるような気がします。さて次回以降まだまだ続きます。まだ30本なので、しばらく大丈夫です。
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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