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「あのバスを止めろ」  しっかりした二転三転のストーリーとロマンス

今日もGYAO!の新着から、「あのバスを止めろ」。イタリアのクライムサスペンスです。新着と言っても、何度も消えたり出たりしていると思うのですが、こういう選び方はあまり主体性が無いと思いますけど、先入観無くスッとみられるのでいいと思っています。中には思いがけず嵌るのに出会えると嬉しい限り。評判もそこそこの映画なようで、ちょっと期待して観ました。

借金の返済を迫られていたバスの運転手フランツ。ある晩、フランツのバスに裸足の美女が飛び込んできた。女はある男から盗んだパスポートに恐喝用のマイクロチップが仕込まれていたとは知らず、シークレットサービスの男たちから追われる身だった。マイクロチップと400万ユーロの札束を巡る争奪戦に二人は巻き込まれる。



冒頭で、マイクロチップが登場、まず会計士からバーテンダーの手にわたり、争奪戦のスタートです。で、タイトルバック。街の風景をぼかして、車や街頭のライトを8角形ににじませた背景に、古き良きヨーロッパのサスペンス映画を感じ、ちょっとワクワクします。このチップは大統領のスキャンダルにつながるようで、シークレットサービス側と敵対勢力の争奪戦が始まりますが、持ち主はこれを大統領側に渡せば、400万ユーロが貰える。敵対勢力はこれを力づくで奪おうという算段です。

バーテンダーは、チップをパスポートの写真の裏に隠し持っているのですが、睡眠薬を飲ませる手口の女に奪われてしまいます。彼女はチップのことは知りませんから、パスポートを転売業者に渡してしまいますが、両陣営は彼女が持っていると思い込み、彼女は狙われる羽目に。
この辺りは、取引が二転三転しながら、両陣営とも振り回される訳ですが、その間に登場人物の立場や性格などを肉付けしていきます。体感的に地味な進捗ながらも、描きこむべきところをしっかりと描いているので、目が離せません。そして、彼女は逃走中に持ち物をすべて失ってしまいバスに乗って悲嘆にくれることになりました。

あらすじでは、冒頭からいきなりバスに彼女が乗り込んで来たように読めますが、それは大分時間がたってから。それまでは結構ネタの仕込みが長いのでした。さて、フランツは裸足の彼女を助けるつもりで家に泊め、プラトニックな一夜を過ごすことになります。ケバい感じの彼女もかつらをとれば普通の美人。その身の上話に耳を傾けながらフランツは少し惹かれるものがあるようです。

彼女は翌朝彼の金を奪って逃走しようとしましたが、追っ手に阻まれ再び彼のところに戻ることに。フランツも嘘で固められた彼女に言動を信用できず、彼女を突き放そうとしますが、フランツの家まで追っ手が迫り、否応なく巻き込まれて二人で逃走する羽目に。追っ手から問いただされて、何のことやら解らなかったチップも、国外脱出をしようと偽造パスポートを作ろうとしたことから、再び彼女の手に戻り、現金を手にして脱出しようと策を練りますが...

あのバスを止めろ

さて、ここからラストへと突き進んでいく訳ですが、まだまだ二転三転して、大変面白く見られました。

ストーリーもあればロマンスもありで、ロマンスの方は一つはシークレットサービス側の男と昔の恋人。女性が強く活動的で一緒になれませんでしたが、彼女が独り身となった今、再び一緒に暮らそうと約束します。彼は自分の経験から、フランツに活動的な女性と付き合うのは難しいと諭しますが、フランツの心は彼の方に向いています。もう一つのロマンスは、もちろんフランツの方です。さんざん騙され利用されているのですが、逃走を重ねるにつれ、お互いに意識して邪険にできない状況となっていきます。この2人のエピソードが最高で、あまりないタイプのハラハラするようなロマンスでした。

敵対勢力側は徹底してデコボココンビのような、情けない描かれ方です。非情で暴力を厭いませんが、携帯電話の着信音とその相手がポイントです。困った家庭事情を抱えているようで、よく電話がかかってきますが、敵のアジトに侵入する時くらいは携帯電話はさすがに切っておくべきでしょう。

全体として、ストーリーは二転三転して面白いし、仕込みもきっちりしていて、登場人物の性格描写もよく描かれており、ロマンスありコメディありで、軽快さや激しさはそれほど感じないのですが、なかなか中身の詰まった一本だと思いました。
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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