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「ラストタンゴ・イン・パリ 」 演技と映像に良き時代を感じる

買い置きDVD鑑賞ということで、今日は「ラストタンゴ・イン・パリ」を見てみました。これも相当前に買っておいたDVDですが、何やら小難しそうな気がして見ずじまいだったもの。思い切って取り出してきての鑑賞です。ベルナルド・ベルトルッチ監督。1972年の映画で、イタリア製作です。

あらすじ
ある日の冬のパリ。部屋探しをしていたジャンヌ(マリア・シュナイダー)は、アパルトマンの空室で、街角で見かけた中年男のポール(マーロン・ブランド)と出会う。二人はふとしたきっかけから行為に及ぶが、何事もなかったように別れた。ジャンヌには婚約者があったが、アパルトマンのことが頭から離れず、再び部屋を訪れるとポールがいた。ポールは、この部屋の中ではただの男と女、名も語らず、過去も一際明かさないことを提案。ジャンヌとポールはこの部屋で肉欲に身をまかす日々が続く。そして、身分を明かさないポールは、妻の自殺という事態に直面していたのだ…。



冒頭、パリの電車のガード下を歩くジャンヌとポール。ポールはいかにもマーロン・ブランドといった風情で、尋常ではない雰囲気が漂っています。ジャンヌは着飾って目立つ格好で歩いています。ジャンヌは見つけたアパルトマンの管理人に鍵を借り、部屋を訪れますが、そこには先客がいました。先ほどのポールです。お互い気のない言葉を交わしますが、どこからともなくかかってきた電話を撮った時、ポールはジャンヌを抱き留めそのまま行為に及びました。

再びジャンヌが部屋を訪れた時は、ちょうどポールが新しい家具を搬入しているところでした。二人は新しいベッドの上でセックスを楽しみますが、相手のことを知りたがるジャンヌに対し、ポールは一切名前も過去も明かさず過ごそうと提案。時々過去の話に及ぶ場合も、真実ではないというコメントを入れての会話になります。真実に迫ろうとすればポールが遮る。そんな関係が続いていきました。

ジャンヌにはTVプロデューサーの婚約者がいました。彼は、ジャンヌを主人公に小さな映像作品を撮影しており、パリを舞台にいろいろな場面を撮影します。そして、その中でジャンヌに結婚を迫りジャンヌは受け入れます。

一方、ポールは小さなホテルを経営していましたが、妻が自殺。その原因がわからない彼は、妻が不倫していた相手と会って話を聞いたりします。妻はその男にも、ポールに買う衣服と同じものを与え、部屋を同じようにするという行動をとっていたようです。そして、ポールは妻の亡骸の横で、妻の行動を責めながらも、妻の本心が解らず泣き崩れます。

ある日、ジャンヌがポールの部屋を訪れてみると、部屋は撤収されもぬけの殻となっていました。ジャンヌは彼の後を追おうとしましたが、手掛かりはなく、再び電車のガード下を歩いているとポールと出会います。すっかり雰囲気の変わったポールは、初めて自分のことを語り、ジャンヌと関係を続けようとしつこく迫りますが、ジャンヌは拒否。彼女の部屋まで追ってきたポールを拳銃で撃ち、「この人は突然レイプしようとした。名前も何も知らない」と独り言を繰り返すのでした…。

ラストタンゴ・イン・パリ

という内容でした。ストーリーとしては、かなりシンプルなものではありますが、会話や演技によって語られる心理的背景は、明確に示されることは少なく、見る人の解釈や感受性に語り掛けるような内容になっています。そういう意味で、なかなか解釈に難しい映画でもあるのでした。このアパルトマンでのポールとジャンヌのやり取りは、ポールの妻が自殺してから、葬儀が行われる間に起こったこと。ストーリー的には少し長い時間とも感じられるのですが、数日の間のことなのでしょう。そして、その後変貌していわば普通の人になってしまったポールがいますが、ジャンヌはそこに現実を見てしまい、きっと何の魅力も見いだせなかったのではないかと思いました。

マーロン・ブランドの演技。20世紀の名優と言われていますが、その演技は相当に人工的な感じがして、ちょっと鼻につくくらいな感じがしなくもありません。この映画の前半は、正体不明の世捨て人のようなオヤジです。そして、ラストで普通の中年男になる。服装も変化していますが、全く雰囲気の違う男を演じています。この落差は流石と言えるのではないかと思います。やはり徹底して役を作る名優なのですね。メソッド演技法の先駆者である所以でしょうか。

そのような、マーロン・ブランドと、ベルナルド・ベルトルッチの組み合わせ。工夫をこらしたアングルや、鏡を巧みに利用した素晴らしい映像の数々。双方、強いこだわりを持ったいわば最強の役者と監督の組み合わせと言えるのではないかと思います。その最高のコラボと容赦ない展開を味わう一本だと思いました。

やはりこの時代、60~70年代の映画、好きですね。特に、イタリアやフランスの作品。私が普通に映画を見ていた時代より、少しだけ前の時代ですが、映画の創意工夫がいっぱい詰まった、輝かしい時代であったと思います。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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