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「月世界旅行」 世界初のSFX(映画史を辿って)

ネタが尽きると、登場する短い上映時間の映画です。飲み会の機会が多くなると、映画をみる時間が取れなくなっての苦肉の策。毎日更新に密かに挑戦してみたのですが、やはり難しいですね。とりあえず今月は頑張って見て、来月からは気楽に更新します。さて、今回は「月世界旅行」を見てみました。SF映画としても有名な作品です。

あらすじ
天文学学会で、会長は月への探検旅行を提案する。6人の乗り込んだ砲弾型宇宙船は、大砲で発射されて月へ到着。月面を探検するが、寒さに耐えられず、洞窟の中へ避難。そこに月人が現れ、彼らに捕えられてしまうが、逃亡に成功。一行は再び宇宙船に乗り込み、地球の海に落下した。



という内容ですが、少し詳しくみてみますと。

天文学者学会で会長から月世界探検計画が提案され、一人の会員が反対し紛糾し乱闘。会長も物を投げて抑え込み、実行することに決定します。その計画とは、弾丸型宇宙船を巨大な大砲で月に向って撃ち込むという大胆なものでした。多くの職人たちが集まって宇宙船を製造、工場の上からは巨大な大砲を作るために、溶鋼を流し込んでいる光景が見えます。煙があがり、壮観な光景です。

さて、宇宙船も出来上がり、皆に見送られて会長以下6人は宇宙船に搭乗。そのまま大砲に込められて、射出された飛行船は月に到着。宇宙船から降りた隊員たちは、見たことも無い世界を見てはしゃぎます。そして、探索に疲れ果てた一行は仮眠を取りますが、北斗七星が出てきて彼らに悪夢を見せるので寝付かれず、おまけに三日月の精が雪を降らし、探検隊は寒さに耐えかねて洞窟の中に避難しました。洞窟の中にはたくさんのキノコが生え、傘を広げて並べてみると、その傘もすぐにキノコに変わってしまいます。

そこへ月人が現れ、彼らに襲い掛かろうとしますが、1人の学者が傘で叩くと、月人は消えてしまいました。今度は大勢の月人が現れ、6人は傘で応戦しますが捕えられてしまい、月の王様のもとに突きだされます。しかし、会長が王様を投げ飛ばして倒してしまい、その隙に6人は逃亡。月人たちの追っ手を、傘で撃退しながらの逃亡の果てに、月の端の崖の上に乗っかっていた宇宙船を発見。一行は乗り込み、会長が宇宙船の先端のロープにぶら下がると、追いすがる月人もろとも崖から落ちて、地球の海に落下しました。宇宙船は気密性があったため、洋上に浮かんでいたところ、通りかかった蒸気船に救助されて無事に帰還。これを記念して街では盛大なパレードが行われました。

月世界旅行

この映画は、1902年製作。世界で初めて物語構成を持ち、複数のシーンで構成された映画となりました。監督は、世界で最初の職業映画作家となった、ジョルジュ・メリエス。そして、この作品は、初のSF映画でもあり、特撮映画でもあります。砲弾が月の右目に突き刺さるシーンは、いろいろな場面で使われますので、有名ですね。

原作となったのは、ジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」そして、月人との戦いの部分は、H・G・ウェルズの「月世界最初の人間」を元にしており、それらもSF黎明期の傑作のひとつです。今でも読まれているかは解りませんが、私の学生時代はこれらの作品はSFファンにとって避けては通れないものでした。でも、ウェルズの本って、結構雰囲気が固くて読みづらかった記憶があります。

さて、肝心の映画ですが、白黒版と着色版の2つあり、今回両方を見てみたのですが、着色版の色使いが原色が中心で、赤と緑といった補色の利用も多くて新鮮でした。保存状態も大変良いので、ストレスなく鑑賞できます。ストーリー的には、この時代らしいと言えるのかもしれませんが、いろいろとご愛敬な部分もあり、驚く部分もありで楽しかったです。一人だけ反対して、暴力的にやり込められるところや、女性が大砲に宇宙船を込めたりと、大胆な衣装でいろいろな場面で登場していること、そして月人の王様の前に突き出されて、いきなり玉座に襲い掛かり倒してしまうのは、あまりにもあっけないというか、植民地主義的というか、そんな感じがしました。そして、最後の祝賀会で暴れているように見えたのは、一人だけ宇宙船にしがみついて落ちてきた月人なのですね。なかなか細部まで凝っていて、ファンタジー感も満載な冒険SF映画でありました。

メリエスの映画って面白うそうなので、またいい物を見つけたら見てみたいと思います。もちろん、短い映画と思うので、手抜き記事を書きたくなった時に。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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