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私の好きな100本の映画③ ヨーロッパの各国から

私の好きな100本の映画第3回

第3回は、3番目に好きな映画として、「ミツバチのささやき」を選定。その関連作品として、ヨーロッパ映画の中心地であり、三大映画祭の開催される、フランス・イタリア・ドイツ以外の地域の作品を選んでみました。その地域の映画ではあっても、ハリウッドの俳優が出ているような映画は極力外し、その国の雰囲気を持ったものにしたつもりです。とはいっても、これ以外にいっぱいあるかと言うと、そういう訳でもないのですが…。それでは、ご紹介します。



11.ミツバチのささやき (El Espiritu de la Colmena)  第3位
  1973年 スペイン 監督:ビクトル・エリセ 出演:アナ・トレント、イサベル・テリェリア

この映画を見たのは、六本木のCINE VIVANT。今はなき映画館ですが、ごく初期の10作品の中に入っていました。他には、「ノスタルジア」、「カオス・シチリア物語」、「エルスール」など錚々たる作品が並びます。そこで見て以来、この幻想的な美しさに魅せられてすっかりファンになってしまいました。ちょうど学生生活を卒業し、社会人になろうとしていた時でした。そして、その後もLDで購入し、最近は、ブルーレイで再購入。家で見ても随分と綺麗な絵で見られるようなったものです。フランケンシュタインとの出会いや、父母の様子、そして活発なイサベルとのやり取り。いろんな場面が思い出されます。この映画が日本で公開されたのは、実に製作から12年経過してからですね。それまでは、こういったヨーロッパ映画を上映する機会が無かったということでしょうか。
そして、お気づきの方はもしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、このブログのIDはこの映画にちなんでいるのでした。



12.戦火の愚かなる英雄 (Condamnat La Viata)
  2013年 ルーマニア 監督:ボグダン・ドレイヤー 出演:ジェラール・ドパルデュー、ハーヴェイ・カイテル

最近無料配信で見た映画。さして期待して見たわけではないですが、戦時下の緊張の中、地方の有力者の身勝手さが浮き彫りになる会話劇でした。主役は、ドパルデューが演じるイプ。そして、ハーヴェイ・カイテルが町のまとめ役として神父を演じます。晩餐会でイプを犯人に仕立てる、偽善者ぶりや滑稽さが秀逸。そして、ラストでイプは裏切られ、緊張感が増します。このあたり、ナチス撤退に湧く民衆と。イプの対比も見どころ。なんとも言えない余韻を残しました。
実はこの映画には、ルーマニア映画の名作「Atunci i-am condamnat pe toti la moarte (Then I Sentenced Them All to Death)」 という1972年制作のセルジウ・ニコラエスク監督作品のリメイクとのこと。元来、シリアスなドラマを、コメディタッチに変え、かつ救いのあるラストにしたものらしく、是非この元となった作品を見てみたいと思っています。字幕なしはYouTubeで発見したのですが、せめて英語字幕が欲しいと思うので、Amazonかな?と思っているところです。
<ブログ内にレビューがあります>
「戦火の愚かなる英雄」 かなりの緊張感のブラックコメディ



13.アンジェリカの微笑み (O Estranho Caso De Angelica)
  2010年 ポルトガル 監督:マノエル・ド・オリヴェイラ 出演:リカルド・トレパ、ピラール・ロペス・デ・アジャラ

これは、日本では2015年末に公開でした。ショパンのピアノの雰囲気が格別で、アンジェリカの美しくも幻想的な映像と美しい街並み。一方では、荒くれた農夫の風景と、窓の外をいつも通るトラックの列。いろいろと一緒になっていますが、写真家が日常から離れ、アンジェリカの世界に向っていく様子など、丁寧に描かれていて、無駄も全く感じさせない作品に脱帽でしました。101歳で、人生の最後にあたって作ったということと合わせて考えると、感動もひとしおです。なかなか、この心境は私には解かりません。
アンジェリカの目を開けたという、ただその一瞬。でもあり得ないようなテーマから、その瞬間の美しさや、周囲の人々の想いを乗せていく映画。101歳の境地ということから慮るに、生と死の境界がだんだん判らなくなってくるような映画とも言えましょうか。

アンジェリカの微笑み



14.バベットの晩餐会 (Babettes Gæstebud)
  1987年 デンマーク 監督:ガブリエル・アクセル 出演:ステファーヌ・オードラン

ここ最近リバイバル上映もされた映画ですが、私も見たのは最近のことです。実は、知りませんでした、この映画を。リバイバルされるほどの映画なので、きっと名作だろうと、NHKの放映で見たわけですが、これがなかなか感動的でした。物語的な背景ももちろん素晴らしいのですが、バベットがいろいろな食材を準備し、晩餐会を始めてからのシーンは圧巻でした。画面に目が釘付けになりました。バベッドの食事を半信半疑で試しながら、緩やかに変化するその場の人々の表情の変化を、食事のフルコースの時間をかけて、じっくりと描かれていく。その丁寧に作りこまれていった映像が、全く過不足を感じさせず、感動しました。 テーマにかけて言えば、職人によってじっくり作りこまれた料理のよう。ストーリーといい、演出と言い、非の打ちどころのない名作だと思います。



15.裁かれるは善人のみ  (Leviathan)
  2014年 ロシア 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ 出演:アレクセイ・セレブリャコフ、エレナ・リャドワ

原題は「レヴィアタン(リヴァイアサン)」で、海の悪魔的怪物。この映画は、海外出張で空港に向かう途中の映画館で見たという稀有な鑑賞でした。さて、これほどに救いのない映画も珍しいくらいに、主人公は徹底的に痛めつけられます。それも、私利私欲の渦巻く、地方の権力者の犠牲になる。その権力機構には教会も入っているという図式。それが、北の荒々しく暗い海を背景に描かれていく。海岸には、かつて打ち上げられたクジラの骨が横たわっている。荒涼として、暴力的にまで見える自然と、階層を幾重にも重ねた権力機構の前に、個人だけでなく、生活や家族すべてを破壊される、圧倒的なものの前での虚しさを感じさせるようなパワーを持った作品でした。最後の方で、家が破壊される場面はなかなか衝撃的な映像でした。かつて、皇帝の圧政に耐え兼ねて抵抗する民衆の映画を量産していたロシアですが、久しぶりにその片鱗を見たような気がしました。



さて、私の好きな100本の映画。第3回の5本は、少し静かな雰囲気を持った5つの映画が並びました。どれも格調の高いドラマが楽しめるえいふぁだと思います。次回はまたまたガラッと雰囲気が変わります。自分の第4位の映画「シカゴ」を中心に5本が登場。一気にメジャーなタイトルが並ぶ予定です。
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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