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「夜の道」 美しい西部の情景が堪能できる映画

久しぶりに、買い置きのDVDを見るシリーズ。今日は「夜の道」を取り出してみました。ジェームズ・スチュアート主演のウェスタン。1957年の映画です。監督はジェームズ・ニールソン。正直あまりよく知りません。とりあえずジェームズ・スチュアート主演ということで、一定の水準と、人情派的な雰囲気が期待できます。

あらすじ
奥地での鉄道敷設現場に戻ってきたマクレーン(ジェームズ・スチュアート)。以前鉄道会社に勤めていたが、強盗の一味である、ユチカ・キッド(オーディ・マーフィ)を逃がしたことで、首になって5年。今はアコーディオンで音楽を聞かせながら、糊口をしのぐ毎日であった。この作業隊では、給金列車がホワイティ(ダン・デュリエ)を首領とする強盗団に襲われ、給金の支払いが滞り爆発寸前。工事会社の支配人キンブルは給金輸送をマクレーンに依頼することを思いつく。彼は作業員たちの給金1万ドルを持って列車に乗車するが、車中でお約束の強盗団に襲われる。マクレーンは途中で助けた子供ジョーイに金を渡し、その場を逃れるが、強盗団は、キンブルの妻ヴァーナ(エレイン・スチュワート)と少年を人質に荒れ果てた町ペイロードへと去る。マクレーンは単身ペイロードへ向かい、身分を隠して強盗団と接触。自分の弟であったユチカ・キッドを外へ連出し、足を洗うよう説得したが受け入れられない。そこへ、内通者が現れ、マクレーンが給金を輸送していることをばらしてしまうと、射ち合いが始った。キッドは金を持つ少年と逃走、それを追うマクレーンとヴァーナたち。そして、強盗団の一味。廃工場跡での決戦が始まり、キッドは思い直して兄マクレーンとともに戦うが、倒されてしまう。最後にホワイティを倒したマクレーンはキッドを丁重に葬ったあと、無事給金を現場に届けたのだった。



ストーリー的にはあらすじ通りですが、この映画情景描写がとてもきれいで素晴らしいのですが、人物描写が浅く、筋書き通りに話が進みますという感じで、あまり感情移入できないところがあります。敵も味方もなんとなく同じように見えてしまうところが残念でした。兄弟愛や男女の愛を言葉で表現しますが、なんとなくおざなりな感じで、必然性があまり感じられませんでした。

最初の鉄道建設現場のシーンは、突然彼らがコメディタッチに男女入り乱れた乱闘騒ぎを起こしますが、そうなる必然性が感じられず唐突な感じ。山奥の現場の荒くれた様子や、給金滞納への不満を表していることとは思いますが、あまりに唐突です。マクレーンに現金輸送を依頼する場面も、疑心暗鬼で金を渡すのですが、セリフから心情や性格が判断しづらい。

そうこうしながら話は進み、強盗団一味の内部事情が移されますが、細かいエピソードをつなぎますが、それで強盗団の人物の性格描写ができているかというと、ちょっと中途半端。

いろんな登場人物や、細かなエピソードをたくさん詰め込み過ぎて、結果として満足に描き切れていないという感じがしました。

夜の道

これとは対照的に素晴らしいのが情景描写。圧巻は鉄道が山越えをしていく場面です。これには多くの時間が割かれています。美しい青空の中で、森林地帯を抜け、岩山を縫って付けられた鉄路を、カーブを重ねながら超えていく情景は最高です。そして、短いですがキッドの埋葬のシーンも名画のように大変美しく絵になっていました。これはきっと、人物のドラマを見るというよりは、西部の美しい風景や、当時のいろいろな人の人情を感じる映画だったのかなと思いました。

映画の中に、エピソードがたくさん詰め込まれていて、筋立ても面白いので、情景描写が勝った形で終わってしまって大変残念。もっといい作品になったのではという気持ちになる映画でもありました。

ジェームズ・スチュアートはここでも人情派ぶりを発揮して、よく語ってくれます。この感じは、彼の出演するどの西部劇を見ても安定していますね。強烈なガンマンにはならない、実際は強いのですが、普通の人のような風情で登場し、まずは一回叩きのめされて、最後でなんとか苦労して勝利を収めるという図式も健在です。このあたり、安心して見られます。

やはり、50年代のカラーの映画は、まるで絵画のような色使いで美しく、それが新しい技術で復刻されより鮮明に見られることができる。そういう意味で、50年代から60年代の映画を今DVDで見直すことができるのは大変幸せなことだと、改めて思い直す映画でもありました。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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