fc2ブログ

「狼よさらば」 ヴィジランテ映画として世論を二分した作品

今週は再びテレビのロードショー番組で見た特集です。まずは、第一回。午後のロードショーで、懐かしい名前が出ていましたので、早速録画してみました。1974年の映画で、監督はマイケル・ウィナー。ヴィジランテ映画というジャンルで、悪への私的制裁がテーマとなります。何と言っても、チャールズ・ブロンソンですね。
原題:Death Wish (1974)

あらすじ
建築家のポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)は、妻のジョアンナ(ホープ・ラング)、娘のキャロル(キャスリーン・トーラン)が強盗に襲われ、ジョアンナは亡くなり、キャロルも重度の精神的外傷を負ってしまいます。ポールは警察を訪ねますが、凶悪事件に追われ、容疑者の目途もたたない状態でした。ある夜、ポールは夜道で強盗を返り討ちにすると、奇妙な高揚感を覚えます。上司の図らいでニューヨークを離れ、ツーソンに出張したポールは、現地の開発会社で、ガンマニアの名士エイムス(スチュアート・マーゴリン)の、自分の家族や財産は自分たちで守るという考えに共感。エイムスに誘われて行ったガン・クラブで見事な腕前を披露します。ポールは父の事故死以来、銃を封印していたのでした。そして、開発計画は成立し、帰り際に贈物として銃を渡されました。

ニューヨークに戻ってみると、キャロルの障害が悪化し、精神病院に入院していました。ポールは失意のまま贈物の拳銃を持って夜の街に出ると、自ら思わせぶりな行動をとり、襲ってきた強盗を射殺します。そして、毎夜街に出るようになり、裕福で無防備そうに見せかけ、襲い掛かる強盗を次々と処刑していきました。市警のベテラン刑事のオチョア(ヴィンセント・ガーディニア)は、この連続殺人が自警主義的犯行であると気づき、対象となりそうな人物を割り出しにかかります。一方、市民たちは「幻の狩人」と名付けて称賛。やがてオチョアはポールに辿り着きますが、検察と署長は街頭犯罪が約半分にまで減ったという事実と、警察に対する市民感情の悪化を怖れ、ポールの逮捕状請求を棄却。自主的に引退させるようにオチョアに命令しました。

オチョアは匿名の電話でポールに警告しました。しかし、ポールは犯罪者狩りがやめられず継続。ところが、弾を受けてしまい、失血で失神してしまいます。現場に到着したオチョアは、ポールと彼の拳銃を発見した若いライリー巡査に、見たことをすべて忘れるよう命じ、ポールを病院へ搬送。病室でオチョアはポールの罪を見逃す代わりに、ニューヨークから立ち去るよう命じました。そして、集まった報道陣には、「幻の狩人」ではなく、単なる被害者だと語ります。ポールは回復すると、転職してニューヨークを離れ、シカゴに到着しました。出迎えられた駅で、ポールは若い女性に嫌がらせをするチンピラ集団を見て、不気味な笑顔を見せながら指鉄砲を向けるのでした。



狼よさらば

とにかく、何をおいてもチャールズ・ブロンソンがカッコいい映画です。ストーリーはシンプルで、妻を殺され娘を傷つけられたポールが銃を得て、街のチンピラたちを挑発しながら処刑していくうちに、捜査網が迫ってくるという展開。見どころは、次々と不良どもを始末していくところに感じるカタルシスでしょうか。そして、民衆からはヒーローのように扱われ、人々は自警の意識に目覚めていくというお話でした。警察の活動が追い付かないという状況での自警ですが、ある意味危険な展開でもあります。

ストーリーの中にある通り、かつての西部劇の中でこれをやる分には違和感が無いのですが、現在のニューヨークでやるということがポイント。銃の無い社会では犯罪がはびこるというコメントも、逆に犯罪の性質が凶悪になるということと裏腹です。そんな行ったり来たりが繰り返される社会のように感じます。ナイフを出して襲ってくるところをどんどん射殺していくのは、一見正当防衛のようで、逃げていくチンピラを撃つのは防衛ではありません。でも、見ている方としては爽快感を感じてしまいます。

そうなんですね。実にチャールズ・ブロンソンの活躍に爽快感を感じてしまったのですが、はたと考えると、殺された側にも事情があるメンバーもいたりして、そちらを題材にしたストーリーもあるでしょうし、自警というのは自警する側の論理だけでやっていきますので危険でもあります。ポールも犯人に復讐しているわけではないようですし…。犯罪者を徹底的に民衆の敵という風に表現すると、こうなってしまいますし、チャールズ・ブロンソンがあまりにカッコよくて、そちらに惹かれてしまいますが、実はストーリーには警察の活動や民衆心理、経済格差などの社会構造への批判が込められているのでしょう…。チャールズ・ブロンソンをダークヒーローにしすぎたかもしれません。

2021.10.10 自宅にてテレビ東京午後のロードショーより録画鑑賞
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりでしたが、ベトナム在住時代に、時間があるので映画を集中して見ながら始めたブログ。帰国しても続けています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR