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「高校生ブルース」 おとなの大映祭その3

今日は、おとなの大映祭の3本目です。「高校生ブルース」は、関根恵子のデビュー作。1970年の作品です。大映は、この頃経営危機に陥っており、荒廃していたということです。その中で、製作された「高校生ブルース」ですが、集客を狙った「ジュニア・セックス・シリーズ」。エロ路線に走っています。

あらすじ
高校生の北原美子(関根恵子) は、恋人の優等生、加藤昇(内田喜郎)と、体育倉庫で関係をもつ。やがて、美子は体調の変化を感じるようになり、ある日、体育の時間に倒れてしまい、自分が妊娠していることは間違いないと悟った。これを美子から聞かされた昇は狼狽し、美子に堕胎すべきだと説得しつつ、友人に相談したり、産婦人科に確認に行ったりして、なんとか堕胎の方向を探る。美子は当初は堕胎を進める昇に対し、愛が無くなったのかと抵抗していたが、母と叔父の若いころの写真を発見し、自分の出生について疑惑を持つにいたり、堕胎の方向に考えを変えていく。昇が、牛乳配達のアルバイトで貯めた中絶費用を美子に渡そうとするがこれを拒み、腹を思いきり踏みつけてるように頼む。昇は混乱しつつも、美子の下腹部を何度も踏みつけ、結果、流産させてしまい、その後元気を取りもどした美子は、自分の過去に別れを告げると、学校で昇にこれからは自分の青春が始まると告げるのだった。



高校生活の一場面。カメラは体育の授業を受ける女子高生の胸をクローズアップしたり、ブルマを中心に下半身をクローズアップしたりと、品の無い場面が続きます。一応、スケベな男子高校生目線として表現されていますが、この見せ方は品が無いですね。なんとなく、観客に媚びるだけで、後の日活ロマンポルノの格調には及ばないと思います。昇役の内田喜郎ですが、これもあまりぱっとしません。よく、美子をものにできたなと…。何を考えているかわからない、陰険かつ優柔不断な優等生という感じです。

さて、美子が倒れ、昇は妊娠を告げられますが、どうしようもない対応。堕ろせという言葉にも説得力がなく、難しい役どころだとは思いますが、なんかもっと演じようがありませんか?という感じ。

美子は、母と叔父の過去を思い返し、写真を見つけて破りますが、これも唐突な感じ。なんかいろいろ繋がりの悪い映画です。そのころから、美子は堕胎の方向に気持ちが向いていきます。

そして、物語はラストに向かい、硫酸の盗難。美子は、最終的に使いはしますが、何の目的で盗んだのか、最後まで分からずじまい。自分の腹を踏ませるのは、昇への復讐と当てつけですか?自分で手を下させて、流産させることで、昇に生涯責任を感じさせるということですか?そして動物愛護団体が抗議しそうな金魚の虐殺と、最後の捨て台詞。で終了です。

高校生ブルース

ということで、ジュニア・セックス・シリーズ。エロス的に楽しめるものかと思っていましたが、これは根性の曲がった人間を並べ立てたような映画で、あまり感心しませんでした。導入と内容のバランスも良くないですね。いやまぁ、妊娠させてしまった動揺は解るのですが、それに対してどう反応するかは、もっと描きようがあるんではないですかね。普通の高校生の話にしては、あまりに歪んでます。それを青春物のように、大真面目に映画にしているので、なおさらタチの悪さを感じました。

あお、この映画、音楽がしつこい。単調なフレーズが繰り返されるだけですが、いつも同じなので、妙に耳に残ってしつこく感じられてきました。

と言う事ばかり書いても、暗くなるので、良かったを並べます。

まず、牛乳配達のシーン。炭塵ですが、直線で頑張って走って、坂道を登っていくシーン。なかなかいい場面、というか撮り方だと思いました。あとは、蒸気機関車のレコードをかけて、腕で蒸気機関車の動輪を表現するシーン。こういう動作って昔よくあったなぁと思って、思わずニヤリとしてしまいます。関根恵子さんの演技は、初めて映画ながら好演だったと思います。硫酸の瓶を持って部屋の中を歩く時の表情など、いいと思いました。

さて、おとなの大映祭ですが、大人路線=エロス路線だと考えると、大映の末期の断末魔を上げている時代になるのですね。そういう意味で、こういった映画が多くなってくるのでしょうか。日活の方は、この後、ロマンポルノに徹して成功を収めていましたが、大映の方は、こういった作品を連続して見ると、滅びの美学を感じそうです。もっとも、それが美であればいいのですが。
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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