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「サンドイッチの年」 CINE VIVANT 中期のチョイスの1本

1988年のフランス映画、「サンドイッチの年」。たまたま見つけてきた映画ですが、今となっては、話題に上ることはあまり無い映画の様です。当時は、六本木のシネヴィヴァンで公開されたようです。いろいろといい映画を公開していました。日本ではVHSは出ましたが、DVDは未発売です。さっそく、当時のヨーロッパ映画の雰囲気を味わいたくて、見てみました。

あらすじ
1947年、少年ヴィクトール(トマ・ラングマン)は、両親がナチスに連れ去られて以来、初めてパリに戻ってきた。地理に不案内な彼は地下鉄構内で、伯父さんの仕事を手伝うためにパリに到着したばかりのフェリックス(ニコラ・ジロディ)と出会う。親切に対応するフェリックスに地下鉄の乗り継ぎや、連絡先を教わり、かつて住んでいたアパートを訪ねたが、すでに彼の知る人は誰も住んでいなかった。ヴィクトールは、街を彷徨い歩いているうちに古物商の求人広告を見つけ訪ねると、店主のマックス(ヴォイツェフ・プショニャック)は、屋根裏部屋に住込みで働くことを許される。ユーモラスだが、偏屈物のマックスの元で働きながら、休日にはフェリックスとの友情を温める日々となったが、ある日闇取引をしている少年ブブル(クローヴィス・コルニヤック)と接し、その取引のおかげで、フェリックスが大怪我を負ってしまったことにより、フェリックスの家族から交際を禁じられてしまった。すっかり落ち込んでしまうヴィクトールに、マックスは穏やかに、だれの人生にも、人生の中で最も中味の濃い時期がある。今ちょうどその時なのだと慰めるのだった。



ヴィクトール・ラビンスキーの店が襲われ、その報道を見てヴィクトールから贈られた本を取り出し回想するフェリックス。その場面のあと、舞台は1947年のパリに戻ります。人の流れの中で、目的地に行こうと地下鉄の駅を彷徨うヴィクトールですが、不案内なパリで、行動を起こせない様子です。そこに現れたフェリックスが何かと世話をやき、目的地の近くまで同行してくれることになりました。自分のことを尋ねられても、説明したくない様子のフェリックスですが、お互い読書好きということで意気投合。フェリックスから愛読書と電話番号をもらい、2人は別れます。

ヴィクトールはかつて父母と暮らした家を訪ねますが、住んでいる人も、管理人も、近所の人も昔を知る人はなく、行く当てもない彼は途方にくれます。そんな中で見つけた古物商の求人の看板を見て、主人に声を掛けました。口が悪いが根がよさそうな人情派の主人は、ヴィクトールを見ると色々と境遇を訪ねます。父母がナチスに連れていかれたことや、予めかくまわれた家から、さらに遠く離れた家で年月を過ごしたことなど。主人のマックスもユダヤ人であることを告白し、ヴィクトールは住み込みで古物商で働くこととなりました。

マックスとの生活が落ち着いてくると、ヴィクトールはフェリックスに電話し、日曜日の午後2人は映画を見るなど友情を温めていきます。ある日、腰を痛めてしまい、ベッドから離れられなくなったマックスに変わって、闇取引をしているブブルの手伝いをしていた時、凶悪な相手をみたブブルは、彼らは絶対夜になったら盗みにやってくると見極め、ブブルとヴィクトールは撃退の準備を始めました。そこにフェリックスも参加し、撃退には成功しましたが、フェリックスは足を骨折してしまいます。そんなことをしているとは知らない、フェリックスの一族は、彼を連れて帰り、ヴィクトールとの交際を禁じてしまいました。

失意の中で、ヴィクトールは涙にくれますが、マックスが慰めます。親2人を収容所に連行されたヴィクトールと、妻子をすべて戦争で失い、自分も収容所に入っていたマックスは、お互いの家族の写真を並べ、親子のようにいたわりあい、マックスはヴィクトールに、「人生はサンドイッチのようなもの。パンの間の薄いハムのような年があり、その時は最後まで全部噛みしめないといけない。今がまさにその年だ。」と話し、二人の絆が深まるのでした。

後日談。現在のフェリックスは、ヴィクトールの事件と消息を知ったが、もう彼には助けは要らないはずだと、訪ねて行くことはなかったと…

サンドイッチの年

見終わって、普通にいいお話でした。見ながら、マックスとヴィクトールの2人に、「鉄道員」の親子のイメージが少し重なりました。それで、普通にいいお話ですが、逆に、それほど大きな捻りもないので、佳作というイメージで終わってしまったかとも思います。物語の背景は、重い事実があるのですが、でも、こういう映画なので、それはそれで、いいのかなとも思いました。終戦後のパリの日常を切り取ったような映画でした。

とりあえず、鉄道員を思い出したぐらいですから、1988年製作としては、ちょっと内容が古めかしく、50~60年代の映画と言われても、そうかねと納得してしまうようなところもあると思います。それも郷愁のようなものが感じられていいのですが。

この映画が公開されたのは、シネ・ヴィヴァン六本木。私にとっては、「ミツバチのささやき」とともにある懐かしい映画館です。できてしばらくして東京を離れてしまったので、この映画が公開されるころは見に行くことは無かったということになりますが、ミニシアターが華やかなりしころの公開作です。今考えても、シネ・ヴィヴァンで公開されていた映画は素晴らしい物が多かったので、未見の作品は、この機会に一度おさらいしておきたいと思った次第。(というと、ほとんどになりますが)

そう思って、当時のミニシアターの雰囲気などを思い出してみると、このように過激な展開にもならず、人情劇的ないい話で、軽く機知に富んだ会話で終わるような映画は、確かに、ある意味当時の日本のミニシアターのイメージに当てはまっていたのかもしれないな…。と回想するところでもありました。


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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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