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「聖処女縛り」 昭和のエロスを楽しむ

昭和のエロスと言えば、60年代から80年代にかけて。実際は、6~70年代は法的にみられる年代では無かったのではありますが、街角には成人映画の看板もちらちらと見かけました。そして、若者はいろいろと想像するのでありました。もちろん、成人映画の主力は日活ではあったのですが、比較的お手軽にネットで見ることができる新東宝の作品から、久しぶりに1本見てみることにしました。監督は渡辺護、脚本は高橋伴明と、ピンク映画の王道です。

あらすじ
戦時下の山村に住む園(岡尚美)と綾(日野繭子)の姉妹。綾の恋人である宮田(下元史郎)が特高の小西(鶴岡八郎)に追われ、殺害される。一方、姉の園は小西の愛人であり、その夜小西と園が情交を交わしているところを、宮田の復讐の為に綾が小西を襲うが未遂に終わる。小西は、綾を拘留すると称して自宅に幽閉し処女を奪うが、綾の脱走未遂のお仕置に縄で縛ったところ、綾が反応するのを発見、その日より綾とのSMプレイを楽しみ始める。病床の小西の妻は綾を逃がすと息を引き取り、綾は小西への復讐を誓って園の家に戻る。園の家に来た小西を再び襲うつもりであったが、小西が園を縄で攻めているのを見て、体が反応してしまい、綾は小西の家に再び戻ることになったが…。



冒頭は、山奥の小さな駅の情景。その町に住む、園と綾の姉妹の会話からスタートします。綾は、活動家の宮田を追って街を出ることを考えていましたが、姉の園は特高の小西の愛人という立場もあり、妹に思いとどまるよう説得します。しかし、宮田は駅で小西らに射殺され、泣き叫ぶ綾。その夜、小西と園が情交を交わそうとしているところへ、綾が包丁を持って小西を襲撃。撃退した小西は、綾を殺人未遂容疑で拘留する必要があるとし、連れ去ることにしました。しかし、それは綾の体が目的でした。

小西が綾を拘束したのは、特高でもなんでもなく、小西の家でした。そこで小西は綾の処女を奪います。家の二階には、寝たきりの妻がいましたが、彼女は体が自由に動かせず、助けることはできませんでした。 数日後、綾が縄を解いて脱走しようとしているところに、小西が帰宅。小西は罰として綾を縛り、天井から吊るすと、綾は光悦の表情に変わり失禁してしまいました。小西は綾にも淫蕩の血が流れているらしいな、と満足げな表情を浮かべ、綾を攻め立てます。そして、病床の妻の前でも、緊縛された綾を部屋に連れ込み、綾の体を弄ぶのでした。

小西不在の隙に、妻は最後の力を振り絞って綾のところへ行き、縄を解いてやると、綾を解放します。線路を歩き、自宅に戻る綾の頭に去来するのは、在りし日の宮田の言葉。「この町を出るのは逃避ではない。攻撃さ」という言葉。その言葉をかみしめながら、綾は自宅にたどり着きました。

小西が、園の家に現れ、妻が死んだことを告げます。そして綾を弄んだのと同じように、園を縛り始めた小西ですが、園は縛りには反応せず痛がるだけ。小西は「つまらぬ女だ」と吐き捨て、部屋を出ました。そこには包丁を持って様子を伺っているうちに、園への縛りを見て体がうずき始めた綾がいました。 小西は綾を見つけると、綾に家に来るよう命令し、綾はそれに従って、小西の家に行き、2人の倒錯した生活が始まりました。

ある日、園は綾に、小西を取らないでと懇願します。そして、綾はあの人が勝手に私を選んだと嘯き、あの人の子を孕んでやったと言い残して立ち去ります。その後、小西の家でSMプレイをしている時に、園が駆け込んできて、捨てないでと懇願しますが、小西は、園を外にたたき出し、なおもすがる園を何度も地面に突き飛ばしました。それをじっと見つめる綾の手には包丁が握られていました。

綾は包丁を振りかざすと、いきなり自分の腹に突き立て、「お前の子を、殺してやった」と無表情でつぶやき、その場に倒れます。小西は綾の元に駆け寄りますが、園は、綾の前に跪く小西に向かって、綾の体から抜いた出刃包丁を突き立てました。

そして、線路を歩く園。遠くで汽笛が聞こえ、園は振り返ります。そして、望遠レンズで捉えた機関車が、こちらに向かってどんどん大きくなってくるのでした。(終)

聖処女縛り

ピンク映画というと、もちろん色眼鏡で見てしまうのですが、ドラマ度がかなり高い仕上がりです。ラストの愛憎劇は、いささか極端な感じがあると言えなくはないですが、それもピンク映画ならではでしょうか。宮田を殺されてから、縄に反応する時以外は終始無表情の綾。小西や、それを受け入れている園への、恨みの深さが噴出します。しっかりした演出と脚本で、この映画が出来上がっていると思います。

セリフは少ないのですが、時々重いセリフが入ります。瀕死の小西の妻が、綾を解放する時の、「あなたがここにいることを、妻である私が許さない」という言葉。その前後の妻(杉佳代子)の演技も含め、細部までしっかりと作られています。画像も可能な範囲で、細部までこだわっていることは、時代や場所が判明してしまうようなもの、例えば駅名や、機関車の番号、行先のサボなど、余計な映り込みも徹底して避けられています。(最近の映画でも、実情にそぐわないような、細かいところが映り込み、興ざめしてしまうことがままありますので、そのあたり職人的に徹底しているなと感じます)

綾の行動を支配しているのが、話の途中ででてくる宮田の言葉。逃避ではなく、攻撃。それが、小西の子供を妊娠し、それを身を挺して殺すという行動に繋がっているのでしょう。凄まじいまでの怨念です。

お目当てのピンク映画たる場面は、話の陰にかすみがちながら、抑制されてはいますが、非常にエロチックにツボを得た感じで表現されます。鶴岡八郎が前戯で岡尚美の股間を弄る表現も、岡尚美の太ももの内側を映し、間接的に非常に淫靡な感じを醸し出すなど、エロスの表現は流石と思います。いろんなアングルからの体の映し方も、ツボを得てエロスを感じました。主題のSMシーンについては、ちょっと注文ありです。麻縄での縛りも出てきますが、赤いロープを使うのはどうなんでしょう。個人的には、赤いロープを使うと、いかにも家庭で楽しんでいますみたいな感じがして、ちょっと興ざめします。徹底するのであれば、やはり麻縄で統一して欲しかった。(趣味の問題ではありますが…)

2人の女優さん、岡尚美の妖艶な体つきは眼を奪うのですが、日野繭子の若くすらっとした体は対照的でした。この時、日野繭子は20歳。女優経歴の中でも、ポルノ関係の賞を総なめするような絶頂期でした。現在もミュージシャンその他で活躍中のようです。

60分あまりのピンク映画は、あまりにも昭和の色が濃く、演出も脚本も一流のこだわりの詰まった映画なのでした。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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