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「奇跡の丘」 マタイによる福音書の忠実な再現

Gayo!を見ていると、バゾリーニの作品が出ていましたので、早速この機会を逃さず鑑賞してみました。1964年の映画で、聖書の基づく映画です。監督は、ピエル・パオロ・バゾリーニ。イタリア・フランス合作で、ヴェネツィア国際映画祭でノミネートされ、審査員特別賞及び、OCIC賞を受賞。オスカーでは、編曲賞・美術賞 (白黒)・衣裳デザイン賞 (白黒)にノミネートされました。
Il vangelo secondo Matteo (1964)

あらすじ
ベツレヘムのヨセフ(マルチェロ・モランテ)の婚約者マリア(マルゲリータ・カルーソ)は、処女のまま身籠ると、驚いたヨセフの前に天使が現れ、マリアは聖霊によって懐妊したことを告げ、そのまま結婚し、その子をイエスと名付けなさい、と告げました。やがて、イエスが生まれると、神の子誕生を恐れたヘロデ王(アメリゴ・ベヴィラッカ)は、ベツレヘム周辺にいる2歳以下の男の子を全員殺害するよう命じますが、事前に現れた天使により、一家はエジプトに逃れていました。時は流れ、ヘロデ王も亡くなり、天使がイエスに、イスラエルに戻るよう告げると、ガリラヤで成人したイエス(エンリケ・イラソキ)は、洗礼者ヨハネ(マリオ・ソクラテ)の洗礼を受けました。

その後、イエスは40日間の修行を経て、人々に神の教えを説き始め、漁師のペテロ(セティミオ・デ・ポルト)から始まって12人の使徒を連れて、ガリラヤを巡り、教えを広め、数々の奇跡を行っていきます。しかし、長老や司祭、律法学者など、イエスを快く思わない者も少なくありません。ヨハネはヘロデ王の王子ヘロデア(フランカ・クパーネ)の娘サロメ(パオラ・テデスコ)の指示により、処刑されました。そしてイエスは自分もいずれは、彼らに処刑されるであろうと告げ、エルサレムを目指します。エルサレムに着き、使徒と共に食卓についたイエスの元に“ベタニアのマリア”(ナタリア・ギンズブルグ)という女性が現れ、イエスに高級な香油を注ぎ、ユダ(オテロ・セスティリ)は、香油は売れば貧者に施せると咎めますが、イエスは「女は良いことをしている」と諭しました。

イエスは長老や司祭たちの批判を行い、使徒と共に最後の晩餐についたイエスは、この中に裏切り者がいることを告げます。イエスの預言通り、ユダは銀貨30枚でイエスを長老や司祭らに売り、イエスはピラト総督(アレッサンドロ・クレリチ)に引き渡されました。ゴルゴタの丘に連行されたイエスは十字架に磔にされて処刑されました。自らの行いを悔いたユダはその後自殺します。その死を嘆く老母マリア(スザンナ・パゾリーニ)や11人の使徒の前に再び天使が現れ、ガリラヤに行けば会える、と告げました。そして、処刑から3日後、イエスは預言通りに復活し、マリアや11人の使徒の前に姿を現したのでした。



奇跡の丘

「マタイによる福音書」の忠実なの映画化作品という事です。聖書を読もうとトライすると、最初に読むのがだいたいこれになると思うのですが、私の場合はまずいきなり出てくる系図を頭に入れようとして、いつも挫折していたと思います。映画ならすんなり頭に入るだろうと、気合を入れて鑑賞。さすがに、長い人生の中で、どこかでお目にかかったエピソードが続くのですね。美しい映像や、インパクトのある映像が連続します。村の赤子をことごとく殺しに来る場面とか、衝撃的でもあります。聖書の物語が、たいへんリアルに描かれていきました。音楽もしっかりと盛り上げていきます。

素人俳優で制作した映画とのことですが、素晴らしい演技が引き出されていました。そして、素晴らしいリアリズムで、感動を呼びおこしていきます。まずマリアが印象的、そして天使の登場。これは美しく、さらに十二使徒の一人一人が特徴的でした。ユダが執拗に写される回数が多く、印象付けられます。私は大多数の日本人と同じで、宗教とは中途半端な付き合い方しかしていませんし、キリスト教系の幼稚園とか、中学校くらいまでは、英語の勉強のため、教会に通っていた程度の、言わば頭の付き合いで、生活の中に入っていませんが、映画を見ながら、西欧の文化はすべてここからきているのかと考えていました。

キリスト教は、芸術の方面で、歴史と伝統のあるサポートがあり、映画にしろ音楽にしろ、キリスト教の浸透に重要な役割を果たしていると思います。キリスト教徒でなくても、この物語を知っている人がとても多いという状態になっています。このような映画や、古くから作られている音楽や劇など、文化と融合して根付いていることを感じます。それがまた劇的であり、感動的なのですね。ひところアマチュアの演奏会によく通っていましたが、ママさん合唱団が「ヨハネ受難曲」を歌い上げるのを聞いて、なんと感動した事でしょう。などと、長い歴史の重みを映画を見ながらの感じていました。

2021.2.13 HCMC自宅にてGayo!よりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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