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「バグダッド・カフェ」 80年代の雰囲気と、Calling You

名画とも言われているこの映画ですが、あまり知識はありませんでした。今回、GYAO!に出ていましたので、この機会に見てみました。ニュー・ディレクターズ・カット版での鑑賞です。元の方は当然見ていないので、どう違うのかは解らないのですが、いろいろと期待大です。

あらすじ
ドイツから観光にやってきたミュンヒシュテットナー夫妻は、道中で夫婦喧嘩となり、妻のジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、重いトランクを引きずり砂漠地帯を歩いて、さびれたモーテルの「バグダッド・カフェ」にたどり着く。ここで部屋を借りることとするが、女主人のブレンダ(CCH・パウンダー)は、亭主のサル(G・スモーキー・キャンベル)を追い出したばかりで、胡散臭げな表情を隠そうとしない。思うに任せない家族や使用人にいつも腹を立てているブレンダは、やがて、この大女ジャスミンを追いだそうとするが、ブレンダの留守中にジャスミンがモーテルの大掃除をしてしまったことから、怒りが爆発してしまう。しかし、それを期に、ブレンダの見る目も変わってきて、ブレンダの子供たちも、母親がいつしか失くしていた包容力を求め、ジャスミンの部屋をしばしば訪ねるようになっており、客のルーディ(ジャック・パランス)も、絵のモデルとしてジャスミンを口説き始める。そしてブレンダは、カフェの客相手に手品を披露し始めたジャスミン目当ての客で「バグダッド・カフェ」は大繁盛、家族同様の付き合いとなっていくが、保安官が現れ、ビザの期限切れと、労働許可証の不所持を理由に、西ドイツへの帰国を命じ、カフェは空虚さに包まれてしまう。そしてその数ヶ月後、ジャスミンは再びカフェに戻り、大歓迎されるのだった。



冒頭導入部の雰囲気は、「パリ・テキサス」を思わせるような、美しい景色から始まります。西部の砂漠地帯の青空というところですが、こういう美しい雰囲気から始まると、やはり映画全体に興味が湧いてきました。さて、ドイツ人夫婦の2人。なにやらやっていることが、ちょっと抜けた感じがしますが、まずは一転コメディに。そして、太ったジャスミンは、喧嘩別れの後荷物を転がして、「バグダッド・カフェにやってきました。

バグダッド・カフェでは、ブレンダが要領を得ない亭主と喧嘩したばかり。ブレンダの激しさに、亭主のサルは切れてしまい家出をしたところです。気性の激しいブレンダの目には涙が。店とモーテルを切り回し、2人のやりたい放題の子供とその孫の世話をしていて、休む暇のないブレンダが亭主に当たり散らしているのは、解らないでもなく、夫が出て行って涙ぐんでたたずむ姿には、ブレンダの人となりを感じさせ、同情を禁じ得ないところです。そこに突如として現れた大女のジャスミン。ブレンダは相当胡散臭げにジャスミンを見つめています。

モーテルの住民となったジャスミンは、モーテルの客やブレンダの子供たちから気に入られ、なつかれてしまいますが、それも面白くないブレンダは、いろいろと難癖をつけて追い出そうとしますが、ジャスミンとて行く所がありません。ブレンダが夫の仕事であった買い物で留守にしている間に、散らかっているオフィスや店をジャスミンは奇麗に掃除してしまいました。帰ってきたブレンダは、瞬間的に爆発し、元に戻せと怒鳴り散らしますが、落ち着いて考え直し、逆に机の上を散らかしてしまった娘に注意します。このあたりから、2人の関係が微妙に変化していくことになります。そして、ジャスミンは荷物に入っていた(旅行のお土産??)手品セットを練習し、バグダッド・カフェで披露したことから、ジャスミンと、ブレンダの家族や店の客と店員の間は急接近。家族の一員になりました。

バグダッド・カフェ


話は、続きますが、ここまでがこの映画の核心。あとは、成り行きでストーリーが流れていく感じです。突然現れた明らかに外見も育ちも違うよそ者のジャスミンと、バグダッド・カフェの面々が打ち解け影響しあう物語。多少ハラハラしながらも、それぞれの素直な人間性が語られ、素晴らしい物語になっていました。ストーリーは極めて単純ですが、映像美と、演技とがとても美しい。その場所に行ってみたくなるような、ある意味良心的な映画でした。

この映画を見ていると、この時代80年代に、こういう雰囲気があったなと、思い起こしてしまいます。最近は、画像もかなりリアルに色んなものを映し出すような感じですが、バグダッド・カフェを見ていると、いいものを美しく描いたような、幸せな映画。冷戦も終結に向かい、日本もバブルに入って浮かれた世相ではありましたが、同時に前向きな時代でもあったと思います。その頃が、私も入社して数年の活動的な時期であったので、懐かしく記憶がよみがえってきます。ラストの「Calling You」も素晴らしいですね。エンドロールで立ち去る観客を釘付けにしそうな名曲です。

さて、登場人物。主役の2人は素晴らしいのですが、脇役にもジャック・パランスが出ている。シェーンの悪役というイメージが私には強いのですが、なかなか面白い役を演じています。それからバッハの平均律を繰り返し練習している息子。顔の雰囲気がオバマ大統領に似ていると思いました。そして、映画としては、全体を通して、見ている間楽しい気分になれるような、記憶にとどめておきたい映画だと思いました。機会があったら、オリジナルも見てみたいと思います。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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