FC2ブログ

「ベルリン・シンドローム」 監禁状態の心理をとらえた緊張感

ベトナムでの映画館鑑賞。今回は「ベルリン・シンドローム」。製作国のオーストラリアでは4月公開。アメリカ・ドイツでは、こちらと同様に、今週公開のようです。今年のサンダンス映画祭出品。ベルリン国際映画祭では、コンペティション外で上映された模様。日本公開は今のところ未定のようです。さて、どこまで理解できるかどうか…。

あらすじ
オーストラリアのフォトジャーナリストであるクレア(テレサ・パルマー)は、ベルリンでの休暇中に、アンディ(マックス・リーメルト)と出会い、お互いに惹かれあううちに、2人は情熱的な夜を過ごすこととなった。これは、ロマンスの始まりであると思われたが、翌朝アンディが出勤後、クレアは部屋に閉じ込められてしまう。そして、クレアは彼が解放するつもりの無い事を知ることとなったのだ…。



クレアは、ベルリンに着き、目新しいベルリン風景の中をカメラ片手に彷徨います。それは、決して観光地的な情景では無く、生の町の風景です。建物の屋上で集まっている若者たちと飲み明かしたりと、異国の休暇を楽しむクレア。そんな中のある日街角で、交差点で手にイチゴを持ち、本を落としてしまったアンディと出会いました。(ちょっとわざとらしい出会いでもあります)

アンディは、学校の教師。廃墟のようなアパートに住んでいて、目に映る物が目新しいであろうクレアは誘われるままにアンディの家に入り、情熱的な夜を過ごすこととなりました。そして、翌日目が覚めてみると、アンディは仕事に出かけ、閉じ込められてしまっていました。手持無沙汰なクレアは部屋の中を物色しますが、その中で肩に「私のもの」と書かれた自分自身のポラロイド写真を発見。自分の肩を見てみると、マジックで確かに書かれています。クレアは事態を悟り脱出を試みるべく、暴れまわりますが、頑丈にできている窓やドアはビクともしませんでした。

夜になると、アンディが帰宅。メチャメチャになった部屋を見て、翌日からベッドにクレアを縛り付けて外出するようになります。トイレに行けず、ビニールの敷かれたベッドの上で、用を足さざるを得ないクレア。やがて、落ち着いたクレアは、縛られることは無くなりましたが、監禁は相変わらず。一度は脱出を強行したものの、広大な廃墟を脱出できず連れ戻され…。

その様な中で時が流れ、雪が降る季節になると、アンディが時々通って様子を見ていた、老いた父が老衰で死亡。失意のアンディと慰めるクレア。クレアは、監禁されている状況で、ある程度はアンディとペースを合わして接しているようですが、ずっと機を窺っていることには違いありません。そして、クリスマスが過ぎ、年が変わり…。

ベルリン・シンドローム

ストーリーは単純です。最近見たこういった監禁ものの映画は、「ルーム」とか、「ケイジ」とか、監禁と解放後の両面から語られる映画が多いのですが、これは監禁物語オンリーでした。従って、ポイントは監禁状態におけるクレアの心の動きや、アンディの人物描写ということになります。これはなかなかよく出来ていると思います。表題から、ストックホルム・シンドロームを暗示していると思われ、まさにその過程を描いたようでもあるのですが、一方で、アンディの異常性。外では全くの普通の良い人になっている。その対比も一つのテーマかと思います。最近日本でも、松戸市で小学生が殺害される痛ましい事件を経験したばかりですが、外見ではアンディは信頼のおける人物のように作られています。そして、監禁以降ラストまで、外乱要因が入りつつ、微妙な2人心の動きが見どころで、そのほとんどが、言葉以上に行動や表情で語られています。そして、最後まで緊張感を持続させているのは見事です。

さて、こちらではベトナム語字幕で見ることになるのですが、クレアとの会話はいいのですが、ドイツ人同士の会話は、きっとこれ、ドイツ語ですよね!これは、さすがに解りません。まぁ、雰囲気で感じ取ることしかできません。これは残念。アンディの異常性とか、微妙なところが、完全には理解できなかったような気がしています。

この映画の舞台のベルリン。若者たちの夜の世界では、最近「ヴィクトリア」という映画が話題になっていましたが、残念ながらまだ見ていません。これはぜひいつか見てみたい。ビルの屋上で酒を飲むシーンから発展していく話らしいので、この映画と出だしが、被ります。また、最近見た「ケイジ」は、まさにベルリンで監禁されるシーンが長く続きます。その窓からの情景が、この映画と非常によく似ています。中庭があって、廃墟のような建物で…。

夜のベルリンや、廃墟のようなアパートというキーワード。ベルリンはかなり危険な街のようです。
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR