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「ニューオリンズ」 アメリカ音楽の発展と名演奏家たち

古き良き時代のアメリカの音楽をふんだんに織り込んだミュージカル映画。ジャズを中心とした、名だたる音楽家本人たちがたくさん出演しています。1947年の映画で、アーサー・ルビン監督による作品です。
原題:New Orleans (1947)

あらすじ
ニューオリンズの歓楽街のベイスン通りで、ニック(アルトゥーロ・デ・コルドヴァ)の営むキャバレー、オーフィウムでは、博打や酒とともに、リーダーのルイ・アームストロング(本人)や、ウディ・ハーマン(本人)らの陽気な音楽が溢れていました。引っ越してきた、上流階級の娘でオペラ歌手のミラリー(ドロシー・パトリック)は、たまたまニックと出会い、また、彼女のメイドのエンディ(ビリー・ホリデイ)が歌う歌が気に入ります。ある晩、ミラリーはエンディとともにオーフィウムへ遊びに出かけ、ラグタイムの生演奏を楽しみ、ミラリーはようやくやりたい音楽が見つかったと、ニックに語りますが、ミラリーの母は、娘を店に近づけさせないようニックに釘を差しました。それでもミラリーは店に現れ、二人は惹かれ合うようになっていきます。

ある晩、ニックはミラリーを誘って、ドライブに出掛け、いかいかにベイスン通りが危険な場所かを教え、来ないよう説得しますが、子供扱いされたとニックに反発します。やがて、治安が悪化していた一帯は、海軍の統制下に置かれ、オーフィウムも営業停止へ追い込まれてしまい、街の人々は離れていてつぃまいました。ニックはシカゴで暮らす覚悟を決め、ミラリーも付いていくつもりでしたが、ニックはミラリーと別れる覚悟を決めていました。何も知らないミラリーはオペラ公演で、ニックのためにラグタイムを歌いますが、観客達から大ブーイングが起こります。そして、公演後、シカゴへ旅立つつもりでいましたが、すでにニックは一人で町を離れた後でした。

ニックは、サッチモたちとシカゴで新しい店を開業し、シカゴでは流行の兆しを見せていたラグタイムに興味をもつ客達で繁盛していきます。サッチモの仲間達も続々とニックの店に合流、エンディも有名歌手の仲間入りをします。その頃、ミラリーはイギリスでオペラ歌手として再起。一方、サッチモやウディ・ハーマンのバンドは有名になり、ついに海外公演へと旅立ちました。サッチモは公演を見に来たミラリーと再会。ニックがミラリーの将来思って身を引いたことや、今や賭博からも縁を切り、音楽会社の経営者として成功していることを伝えました。ある日、ミラリーの母がニックを訪ね、娘の公演を見に来てほしいと頼みます。その夜、ニックが劇場に入ってくると、ミラリーがニックのためにラグタイムを高らかに歌い、ブーイングも一切起こりませんでした。ニックとミラリーはお互いの愛を再確認し、また、ラグタイムが認められたことをを誇らしく思うのでした。



ニューオリンズ

ルイ・アームストロングビリー・ホリデイウディ・ハーマンと、実際に本人たちが共演する、ドラマ。彼らがジャズ発祥の地、ニューオーリンズを追い出され、シカゴで再起し、全米にジャスを普及させていくストーリーです。そのストーリー展開はシンプルで、映像もそれほど引きつけられるものではありませんでした。音楽に携わる人たち以外の人物描写が今一つはっきりしません。主役のアルトゥーロ・デ・コルドヴァも、今一つ魅力に乏しい演技で、この人演技が下手なんでは?と思ったくらい。アーサー・ルビン監督も見るのは2作目ですが、あまり、ピリッとしない感じでした。

とは言いつつ、本人出演の音楽は楽しくて、素晴らしいものでした。そして、その音楽と音楽家を見ているだけで、この映画に魅了されますし、深い感動を感じます。ヒロインのドロシー・パトリックも、映画としてラブストーリーを演じるというより、美しい表情と舞台を見せてくれます。そして、この映画の中で、いい役でいい演技を見せているのは、ファーバー先生役の、リチャード・ヘイグマンでした。オランダでキャリアをスタートし、アメリカに渡って、オペラハウスや各地のオーケストラの指揮者、そして作曲家として活躍した人。ジョン・フォードの駅馬車でアカデミー作曲・編曲賞も受賞しています。音楽に対するプロフェッショナルな姿勢が、この映画の中ですごく自然な演技として現れていると思いました。コンサートピアニストでもあったリチャード・ヘイグマンを囲む、ルイ・アームストリング楽団。いかにもアメリカらしい、素晴らしい構図であり場面です。

映画を鑑賞するというより、音楽の発展とコラボレーションに見入った映画。音楽と、それを囲む人々がこの映画を感動的なものにしていました。クラシックの舞台とジャスの融合も素晴らしい感動を生みました。ガーシュウィンやバーンスタインの音楽を聴くと、それがごく普通のアメリカの音楽のように聴いてしまいますが、その少し前の時代の雰囲気を描いた映画として、大変興味深く、かつ感動的な映画でした。

2020.9.2 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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12月に「アメリカ国立フィルム登録簿」作品を見た感想総括

12月は、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された作品をみるということで、28作品を見てきました。アメリカ国立フィルム登録簿の趣旨は、「われわれがどのような人々か、どのような国民かをよく示す作品」ということを基準に、1989年より毎年25本選定され、2020年終了時点で、計算上800本の作品が登録されていることになります。これらの作品を見ることによって、趣旨どおりとすれば、アメリカと言うものが理解できることになります。それは、アメリカを表すものや、時代の中でエポックメイキングな映画がたくさん収録されていました。また、公開後10年を経た作品というルールがあるため、過去の作品の大半が網羅された今では、公開後10年たってすぐに登録される作品は、より趣旨に沿った作品という事になると思います。

印象的だったことはいろいろとありますが、まずは戦争との向き合い方。アメリカは、近年では国外の戦争に出ていくことが多いのですが、その中で自由を掲げ、国民が納得する大義の生成や、戦争を行う仕組みが国を挙げて作られ、映画もその一端を担っていること。そして、それとも関連しつつ、宗教の日常生活との密着性など、特徴を感じます。さらに、多様な人種問題は、その考え方の変化と共に、近年にはより重要視されるテーマと思われます。また、近代史を示唆するようなテーマ、あるいはアメリカの生活様式を良くあらわしたテーマなど多彩な映画が揃っていて、いろいろと考えられる興味深い選定でした。

ウィキペディアリンクです。
アメリカ国立フィルム登録簿

今回見た28本のラインナップです。
いつものように、赤字は個人的に好きだなぁと思うような映画です。なんとなく気になる映画という事で、高評価という意味とは、ちょっと違います。
表現されている内容が素晴らしい(凄い)映画 → 
完成度が高いなあと思った映画 →  を選んで見ましょう。

サンセット大通り (ビリー・ワイルダー 1950) 脚本賞・音楽賞・美術監督賞
西部戦線異状なし (ルイス・マイルストン 1930) 作品賞・監督賞
The Poor Little Rich Girl (モーリス・トゥールヌール 1917)
モロッコ (ジョセフ・フォン・スタンバーグ 1930)
チート (セシル・B・デミル 1915)
砂塵 (ジョージ・マーシャル 1939)
三つ数えろ (ハワード・ホークス 1946)
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド (ジョージ・A・ロメロ 1968)
嵐ヶ丘 (ウィリアム・ワイラー 1939) 撮影賞(白黒)
マルタの鷹 (ジョン・ヒューストン 1941) 美術賞
ロスト・ワールド (ハリー・O・ホイト 1925)
汚名 (アルフレッド・ヒッチコック 1946)
群衆 (キング・ヴィダー 1928)
民衆の敵 (ウィリアム・A・ウェルマン 1931)
ミニヴァー夫人 (ウィリアム・ワイラー 1942) 作品賞、主演女優賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞、撮影賞(白黒)
静かなる男 (ジョン・フォード 1952) 監督賞・撮影賞(カラー)
頭上の敵機 (ヘンリー・キング 1949) 助演男優賞・録音賞
片目のジャック (マーロン・ブランド 1961)
つばさ (ウィリアム・A・ウェルマン 1927) 作品賞・技術効果賞
コンドル (ハワード・ホークス 1939)
ベン・ハー (フレッド・ニブロ 1925)
陽のあたる場所 (ジョージ・スティーヴンス 1951) 監督賞・脚色賞・撮影賞(白黒)・作曲賞(ドラマ・コメディ)・衣装デザイン賞(白黒)・編集賞
ジュラシック・パーク (スティーヴン・スピルバーグ 1993) 音響編集賞・録音賞・視覚効果賞
ガス燈 (ジョージ・キューカー 1944) 主演女優賞・美術監督賞(白黒)
三十四丁目の奇蹟 (ジョージ・シートン 1947) 助演男優賞・脚色賞・原案賞
黄金 (ジョン・ヒューストン 1948) 監督賞・脚色賞・助演男優賞
プライベート・ライアン (スティーヴン・スピルバーグ 1998) 監督賞・編集賞・撮影賞・音響賞・音響編集賞
黄金の腕 (オットー・プレミンジャー 1955)

さて、同じテーマで一か月見続けるのは、息抜きも無いので疲れてしまいました。しばらく、いろいろ取り混ぜて、自由に楽しんでいきたいと思います。

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「オペラは踊る」 マルクス兄弟の名作喜劇を見る

今更ではございますが、初めて見るマルクス兄弟の映画の鑑賞です。マルクス兄弟の名前はよく聞くのですが、真剣に見たことがありませんでした。もしかしたら、テレビなんかで、昔見ているかもしれません。今回は、「オペラは踊る」。1935年の映画で、監督は、サム・ウッドでした。
原題:A Night at the Opera (1935)

あらすじ
ミラノに旅行中の富豪で未亡人のクレイプール夫人(マーガレット・デュモント)の、詐欺師でありマネージャーでもある、オーティス・B・ドリフトウッド(グルーチョ・マルクス)は、夫人に取り入って結婚したがっていました。彼はまず、夫人をニューヨークオペラ劇場の重役ゴットリープ(シグ・ルーマン)に紹介し、ゴットリープは夫人を口説いて、20万弗の出資を引き出します。そして、世界一のテナーと言われる、ルドルフォ・ラスパリ(ウォルター・ウルフ・キング)と契約しました。一方で、劇場の裏方歌手であった、リカルド・バローニ(アラン・ジョーンズ)は、素質があったのですが、機会に恵まれていませんでした。二人とも、ソプラノのローザ(キティ・カーライル)に思いを寄せていましたが、ローザはリカルドの方を恋して、彼の成功を祈っています。

ラスパリの衣装担当のトマソ(ハーポ・マルクス)は、主人を嫌ってローザとリカルドと親しくなり、また、リカルドの同僚のフィオレロ(チコ・マルクス)もリカルドびいき。ラスパリとローザの二人は、ゴットリーブとの契約によって、ニューヨーク行きの船に乗りますが、リカルド、フィオレロ、トマソの三人はトランクに潜んで乗船。リカルドは偶然ローザの部屋に入って、彼女と再会します。そこに、ラスパリがローザの部屋に来て、プロポーズしたので、リカルドは彼を殴り倒し、怒ったラスパリはローザを役から降ろしてしまいました。リカルド以下の三人は、復讐を決心すると、公演開始と同時に、ゴットリープを縛り上げ、オーティスは、ゴットリープの服を着て夫人と一緒に貴賓席に座ります。フィオレロとトマソはオーケストラの中に混じって、音楽を目茶目茶にし、劇場から出火して混乱すると、ラスパリは演技を中止して逃走。フィオレロ、トマソ、オーティスの努力や、リカルドとローザが舞台で歌い続けたため、観客は落ち着き、無事にその場を収めたのでした。



オペラは踊る

最初は、このナンセンスな笑いの世界に、なかなか入っていけなかったのですが、だんだん慣れてきました。慣れてしまえば心地よいもので、そもそもグルーチョ・マルクスの髭から、ドリフターズなんか思い出していた訳ですが、このマルクス兄弟は日本でもお笑いやコントの世界に大きな影響を与えてきたとのことです。あちこちにリスペクトの痕跡が見られtるとか…。そういう意味では、小さな船室に押し込められて大騒ぎするナンセンスな笑いは、お茶の間のコントでも既視感があるものでした。(バスター・キートンのアイデアらしいです)

一貫して、コントと歌と踊りで支配された映画ですので、ストーリーはさほど重要ではないかもしれません。クライマックスになるにしたがって、コメディに拍車がかかり、オペラを舞台にして、背景をどんどん変えてしまうコントや、フライパンで頭を殴って気絶させるシーンなど、待ってましたという感じのお約束のシーンが連続していきます。そして、その間をつなぐ歌と踊りということで、まさにエンターテインメントが目白押しという具合でした。

普通の?人では、二枚目役の、アラン・ジョーンズが良かったと思います。歌が素晴らしいですね。このあたりは演出かもしれませんが、ラスパリの歌との差を意識させたのかと思います。この映画は、マルクス兄弟の最大のヒット作の一つとなったようですが、他にも面白そうな作品がたくさんありそうなので、機会があれば見てみたいと思います。時代を先取りしすぎて興行的に失敗したと言われているらしい、「我輩はカモである」とか、是非見てみたいと思いました。

2020.7.1 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「キートン将軍」 ふんだんに資金もつぎ込まれた娯楽作品

キートンの作品は、まだ2つ目ですが、この映画はなかなか有名のようです。サイレント時代のコメディですが、どんな趣向があるのでしょうか。楽しみです。1926年の映画クライド・ブラックマンと、バスター・キートンの共同監督になります。
別邦題:キートンの大列車追跡、キートンの大列車強盗
原題:The General


あらすじ
南北戦争の攻防が続くジョージア州で、機関士のジョニー・グレイ(バスター・キートン)は、愛する機関車「将軍号」で今日も仕事に励んでいます。彼は、恋人のアナベル(マリオン・マック)をこよなく愛していましたが、アナベルの父と兄は南軍に志願して戦場に向かい、ジョニーも志願しようと登録所に行きますが、機関士であることを理由に却下されてしまいます。すると、アナベルは勇気がないとジョニーの元を去ってしまいました。そして、時がたち、北軍のスパイが隙を突いて将軍号を奪い、たまたま貨物車に乗っていたアナベルも連れ去られてしまいました。将軍号が奪われたと知ったジョニーは、トロッコで後を追い、途中で別の機関車に乗り換えて追跡します。途中で南軍の部隊も加わりましたが、客車との連結が離れてしまい、ジョニーは1人だけで北軍を追いかけることになりました。そして、追跡するうちに北軍の勢力下に入り込んでしまいます。

機関車を離れ、雨を避けて近くの屋敷に、北軍の司令部と気づかず忍び込んだジョニーは、テーブルの下に隠れ、北軍の奇襲作戦の全容を盗み聞きしてしまいました。さらにアナベルがこの家に拉致されていることを知ったジョニーは、夜になってアナベルを無事救出。翌朝、将軍号に北軍が物資を積み込んでいるのを見ると、ジョニーは北軍兵に変装し、アナベルを乗せ、貨車を切り離して逃走します。これに気付いた北軍は、別の機関車で将軍号を追いかけます。その差が縮まってくると、ジョニーは橋に火を放ち、追手を川へ落下させて振り切り、南軍の基地に辿り着きました。ジョニーから情報を受けた南軍はただちに行動を開始し、ジョニーは戦功が認められ、一躍少尉に出世。ジョニーはアナベルと抱き合って喜ぶのでした。




キートン将軍

バスター・キートンのサイレント映画。どんなコメディが展開されるか楽しみでしたが、これは壮大なアクションコメディでした。機関車3台と、実際の鉄道路線を使用した撮影は、当時としては相当な規模で行われたことと思います。そして、バスター・キートン自身の体当たりの演技は凄いと思います。というか、かなり危険な線まで行っているのではないでしょうか。全体のほとんどを占めているのが鉄道アクションで、ポイントや坂道、ループ、橋などを使った仕掛けが面白く、パズル的でもあり、模型で遊んでいるような気分でもあり、とにかく楽しかったことは間違いありません。

邦題的には、大列車追跡が一番当たっている様な気がしますが、公開時はキートン将軍。将軍とは、キートンが運転する機関車の愛称でした。そして、橋から落下してしまった機関車は、その場に20年間ほど放置されていたとの事。第二次大戦末期にスクラップとして解体されるまで、小さな観光名所として存在していたようです。この映画、実際の路線を使っていて、復旧したり、周りが火事になったりと、いろいろあったようで、製作費は当時としては破格の物だったようです。

Wikipediaによると1926年12月31日の東京での公開が、ワールドプレミアだと書かれていますが、一方でIMDbには、12月25日と26日にテキサスとコネティカットで公開されたと記録されています。いずれにしてもかなり早い時期に東京で公開されていることに驚きました。公開当時の評価は芳しくなかったようですが、その後徐々に評価され、アメリカフィルム登録簿の第一回登録作品に名を連ねるに至り、アメリカでは押しも押されぬ名作映画となりました。鉄道アクションで押し切った作品でもあり、南北戦争の戦記をモチーフにしたコメディで、大変見ごたえがあり、見始めると目が離せない作品でした。

2020.6.21 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「黄金の腕」 麻薬中毒を題材としたフィルム・ノワール

12月は、国立フィルム登録簿作品を見るその28。今回は2020年(32年目)登録作品の、「黄金の腕」です。つまり、現時点で最新の登録作品の25本からの一片という事になります。1955年の映画で、監督はオットー・プレミンジャー。オスカーでは、主演男優賞など3部門にノミネートされました。さて、1ヶ月続けてきた登録簿の鑑賞ですが、そろそろ年末も押し詰まりましたので、これを最後としたいと思います。訪れていただいた方、ありがとうございました。
原題:The Man with the Golden Arm (1955)

あらすじ
麻薬療養施設で6ヶ月を過ごしたフランキー(フランク・シナトラ)は、シカゴの街に戻ってきました。フランキーは一帯で一番のポーカーのディーラーでしたが、スイフカ(ロバート・ストラウス)の開く賭場から連行され、治療を受けていたのでした。フランキーは旧友たちに歓迎され、スイフカは再び腕を振うよう頼みますが、フランキーは賭博も麻薬も足を洗ったと宣言し、妻のザッシュ(エレノア・パーカー)が車椅子で待つ自宅に戻ります。ザッシュはフランキーの運転する車の事故で足が不自由になって以来、車椅子生活なのでした。フランキーはザッシュに、施設で覚えたドラムで生活すると語ります。しかし、彼女は喜ばず、スイフカに世話になるよう勧め、彼が出ていくと、車椅子から立ち上がりました。彼女は完全に回復していましたが、フランキーの良心に訴える為、事実を隠しているのでした。

フランキーは仲間のスパロー(アーノルド・スタング)にスーツの調達を頼みますが、万引きで二人とも掴まってしまいます。スイフカが警察に現れ、再度ディーラーとして働くという条件で保釈金を出し、フランキーはスイフカが万引きを密告したことを知りつつ承諾。スイフカの店でカードを配り始めます。しかし、手がふるえるため、顔役のルイ(ダーレン・マクギャヴィン)の麻薬を再び使ってしまいます。フランキーは同じアパートに住むモリー(キム・ノヴァク)とも再会。ザッシュがドラムに不満なため、モリーの部屋で練習を始めました。一方、スイフカは金を持っているカモを見つけたため、フランキーに再度ディーラーを頼み、徹夜で続いたゲームの末、手が震えてイカサマを見破られ、賭場は乱闘となってしまい、モリーも、麻薬中毒に戻ってしまったフランキーに愛想をつかし、町を出ていきます。

フランキーは結局ドラムのオーディションは惨敗。家に帰ると、ザッシュと口論になり、家を飛び出していきます。入れ替わりにルイが賭場での失敗の報復にやってくると、ザッシュが立っているのを見つけ、ザッシュを脅した為、ザッシュはルイを階段からつき落して殺してしまいました。その嫌疑はフランキーに掛けられ、彼はモリーの引越し先に逃げ込むと、モリーの協力で、禁断症状から抜け出そうと取り組みます。隠れているところを密告にあって警察に踏み込まれますが、フランキーは回復し、ザッシュに別れ話に出かけていました。ザッシュはフランキーの決意の固いのを知ると車椅子から立ち上がり、後を追いますが、そこにフランキーを捕えにやってきた警察の姿を見ると、ルイ殺しの容疑から逃れられないことを悟り、飛び降りて自殺してしまうのでした。



黄金の腕

麻薬に関するヘイズ・コードのため映画化できなかった作品を、オットー・プレミンジャーが敢えて製作公開に踏み切った作品。麻薬に関連する場面については、フランク・シナトラが、施設から出たものの、昔の付き合いが元で中毒に逆戻りし、禁断症状を克服するというストーリーです。ラストの禁断症状からの脱却については、そんなに甘くないのではと思いますが、麻薬の恐ろしさについては、表現されていると思います。禁断症状をテーマとする映画としては、失われた週末のアルコール依存症と、同じような雰囲気もありました。

その麻薬の部分はさておいて、ストーリー展開は意外と凝っていて、登場人物の描き方も面白くて、見ごたえがある映画だったと思いました。まずはザッシュが足の怪我が回復しないと見せかけ、徹底的にフランキーの社会復帰への行動から引きずり降ろそうとしています。独占欲と復讐が入り混じったような、物語のキーとなる面白い設定と演技でした。同じく、過去を振り切ろうとするフランキーを巧みに引きずり降ろそうとする、ルイとスイフカも手を変え品を変えいろいろと仕掛けていきます。金づるは逃したくないという所です。そして、昔の友達の中で、フランキーを支えたのはモリーでした。ザッシュとの関係が微妙です。

冒頭のタイトルバックと音楽がスタイリッシュで良かったと思います。そして、エルマー・バーンスタインのジャズを基調とした音楽が、雄弁に前面に出て、この映画の雰囲気を盛り上げています。また、主人公を演じているフランク・シナトラが、麻薬から逃れようとする中毒患者を迫真の演技で演じ、オスカー候補。エレノア・パーカーキム・ノヴァクもそれぞれ素晴らしかったとです。ストーリー展開が面白いノワール映画を、じっくり楽しむことができました。

2020.12.20 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「プライベート・ライアン」兵士の物語で語るアメリカの戦争

12月は、国立フィルム登録簿作品を見るその27。今回は2014年(26年目)登録作品の、「プライベート・ライアン」です。1998年の映画で、監督はスティーヴン・スピルバーグ。オスカーでは、監督賞、編集賞、撮影賞、音響賞、音響編集賞の5部門で受賞し、その他に作品賞を含む6部門にノミネートされていました。
原題:Saving Private Ryan (1998)

あらすじ
老人が家族と共にノルマンディー米軍英霊墓地を訪れ、ある墓の前で座り込み、戦争中の出来事に想いを馳せます。
大きな犠牲を払ってオマハビーチの上陸作戦を成功させたアメリカ軍の中で、ミラー大尉(トム・ハンクス)の部隊は道を切り開き、一際の活躍ぶりでした。その頃、参謀総長の元に、ライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したという報告が届き、残る末っ子のジェームズ・ライアンが、上陸前日に敵地に降下し行方不明になったという報告が入ります。参謀総長は、ソウル・サバイバー・ポリシーに基づき、ライアンを保護して帰還させるように命令します。そして、その実行命令を受けたのは、中隊長ミラーの率いる部隊でした。

ミラー大尉は、6名の部下に加え、通訳のアパム技能兵(ジェレミー・デイビス)を伴って出発。ドイツ軍と交戦中の村に入ると、保護を求めるフランス人一家と遭遇、カパーゾ(ヴィン・ディーゼル)が独断で子供を保護しようとして狙撃され、息を引き取ります。戦闘が終息すると、現地の部隊でライアンという兵士を見つけますが、同姓同名の別人でした。ミラーはライアンと同じ空挺部隊にいた兵士から情報を聞き、空挺師団の集結地点に到着。聞き込みを行うと、ライアンは混成部隊で、前線の橋を守っているとのこと。ミラーたちは前線に向かう途中で、ドイツ軍のレーダーサイトを発見。後続部隊の被害を防ぐため戦闘を行い、陣地を制圧しますが、衛生兵のウェイド(ジョバンニ・リビシ)が戦死。生き残っていたドイツ兵は解放して、後続の連合軍部隊に投降するように指示します。

前線の橋に近付いたミラーたちは、ついにライアン(マット・デイモン)を発見。帰還するように命令しますが、ライアンは仲間を見捨てて帰れないと命令を拒否。それを聞いたミラーたちも混成部隊と共に、戦車で武装したドイツ軍を迎え撃つことになります。物量差は明らかで、メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)や、ジャクソン(バリー・ペッパー)、ホーヴァス(トム・サイズモア)らが次々と戦死。ミラーも負傷して動けなくなりました。そこに援軍とP-51が到着して、目の前の敵は破壊されドイツ軍は撤退。アパムは投稿した敵兵の中に、ミラーが逃がしたドイツ兵を見つけ、彼を射殺します。そして、ライベン(エドワード・バーンズ)が衛生兵を呼びますが、ミラーはライアンに人生を全うするように告げて息絶えるのでした。
再び現代。老人となったライアン(ハリソン・ヤング)はミラーの墓前で、妻に自分の人生が彼らの犠牲に足るものだったかを問い、妻は勿論ですと答え、ライアンはミラーの墓に向かい敬礼して幕を閉じます。



プライベート・ライアン

スピルバーグの超有名作品。恐れ多くて見ていませんでした。今回は、気合を入れてじっくり鑑賞です。冒頭からオマハビーチの激戦が展開します。凄い映像です。揚陸艇の一番前にいるのって、損だよな…。と思いつつ、激戦を制して新任務を受領。ライアンの捜索に出発しました。フランス内陸の前線を渡り歩いていくのですが、途中までは、迫力ありサスペンスありの凄い映画だなと思っていました。兵士の一人一人の描き方も素晴らしいし、ライアンを探すという謎解き要素と、その為に新たな戦闘が展開していく、面白い展開です。そして、戦場での兵士の一人一人にストーリーを盛り込んでいきます。いくつかのエピソードで名場面を積み上げていきます。そして、意外にあっさりライアンが見つかり最後の戦闘へ。映像とアクションの戦場の映画から、アメリカの戦争そのものを語るような映画となりました。

最後に年老いたライアンが登場。何も文句はつけられないシーンですが、いろいろと考えさせられます。この映画、老人の回想にように始まりますが、始まりは誰か判らないままに物語に入っていきます。回想の物語であれば老人はミラーのはずなので、これはミラーの戦場の回顧の様に錯覚をしてしまいます。いや、実際そうなんですが…。そして、主題はあくまでもライアンだったんだと、最後にすり替わった感じです。面白い仕掛けだと思いました。そして、アメリカの国旗が風に揺れます。ソウル・サバイバー・ポリシーで兵士を送り出した家族を守りながら、世界中で戦争を繰り広げるアメリカ。この仕組みを機能させていることに、アメリカはシステマチックに戦争に取り組んでいたのだなと気づきます。

人道的側面や、国内の安定のために、制度が運用されているかと思います。それに対して現場の視点から不条理を投げかけた形になっています。助けに行くのも地獄、帰還する方も精神的葛藤を強いられる。ライアンの選択に、男気のようなものを感じますが、戦場に残たっため、ミラーたちはライアンを守らざるを得ず、ほぼ全滅します。その選択については責める訳にはいかず、ライアンも好き好んでこういう状況に陥ったのではありません。ミラーの墓前でのライアンは、自分が多くの人の犠牲の元に生かされたという思いもありますが、部隊に残ってミラーたちを巻き添えにした悔恨の情もあると思いました。アメリカの戦争を語る凄い映画だと思いました。

2020.12.20 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「黄金(1948)」 緊張感あふれる欲望の心理描写

12月は、国立フィルム登録簿作品を見るその26。今回は1990年(2年目)登録作品の、「黄金」です。1948年の映画で、監督はジョン・ヒューストン。オスカーでは、監督賞、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞。作品賞にもノミネートされました。
原題:The Treasure of the Sierra Madre (1948)

あらすじ
メキシコの港町タンピコで、アブレ者のアメリカ人ダブス(ハンフリー・ボガート)と、カーティン(ティム・ホルト)が落ち合い、工事現場で働くも賃金をもらえず、薄汚い宿屋で鬱々としていると、ハワード(ウォルター・ヒューストン)という山師と出会います。近くの山中に、金鉱脈があると話しているのを聞き、ダブスとカーティンは一口乗って、ダブスが少しばかりくじで当てた資金を元に、麓の町ドゥランゴでロバと道具を揃えると、山に入っていきました。慣れない山旅に二人はすぐに音を上げますが、ハワードの活躍で、三人は金鉱脈を発見、早速採掘を始めます。

採掘がはじまると、お互い疑心暗鬼になり、夜も眠れません。毎日収穫を三等分してそれぞれの隠し場所に隠し、お互いを見張る日々が続きます。そこへ得体の知れないコーディ(ブルース・ベネット)という男が現れ、仲間に入れてくれと言い、三人を脅し始めたため、三人はコーディを殺すことに決めますが、突如山賊が襲ってきました。彼らの狙いは、4人の持つ銃と弾薬で、打ち合いになりますが、政府軍の登場で山賊は追い払われ、命拾いします。しかし、コーディだけは、銃弾を受け殺されていました。三人はコーディの持ち物から故郷で待つ妻子の手紙を見つけると、金を4等分して、妻子に渡すことに決めます。

やがて鉱脈も尽き、三人は山を降りることにします。途中でインディオたちに傷ついた少年の治療を頼まれ、ハワードが奇跡的に成功すると、ハワードだけは集落の掟に従い、しばらく村に滞在することになります。ハワードは町で合流することにして、二人に砂金を託しますが、二人になると諍いをはじめ、ダブスはカーティンを撃つと、独り占めをして山を降りていきました。しかし、ダブスが町に近づいたところで山賊に襲われ、ダブスは殺され砂金袋を奪われますが、山賊たちは砂金だと気づかず、そのまま捨てて行ってしまいます。ロバを奪った山賊は、町でロバを売り払おうとした時、盗みがばれてしまい、全員銃殺され、町に辿り着いた、回復したカーティンとハワードは、事情を知ると、ダブスが殺された場所に向かいますが、おりからの強風て砂金はすべて飛ばされてしまい、二人は大笑いしながら、ハワードはインディの集落へ、カーティンはコーディの妻子に,夫の死を伝えるために、別れていくのでした。



黄金(1948)

砂金を手にして疑心暗鬼になる男たちの話。普通の物語と言うよりは、ワンシチュエーションの心理劇という雰囲気です。こういった映画は、この時期なかなか珍しいのではと思いました。見ていて、黒澤明の諸作品を思い起こしました。閉鎖された状況の中でのドラマが、極度の緊張感をもって表現されています。そして、乱入者やインディオの登場が、展開の引き金となって、話は進んでいきます。ハワードとカーティスはむしろ善良な性格。そこに、ダブスが砂金を手にすると一気に欲をだし、疑心暗鬼になり、グループを攪乱していきました。

この3人、それぞれに役割があり、素晴らしい演技を見せてくれていると思いますが、やはり、攪乱の中心となるハンフリー・ボガートが、いつものダンディな男ではなく、髭と泥だらけの姿で、人間の欲をむき出しにして演技していきます。ジョン・ヒューストンとの長いタッグの中で生まれた演技という事でしょうか。そして、ハワードを演じるのは監督の父のウォルター・ヒューストン。3人の行動の要になっている人物で、常に2人を正しい方向へと導こうとしていました。熟達者の演技で監督を支えていました。そして、監督自身も、かなり目立つ役でカメオ出演していました。

この映画は、この時期のハリウッド映画や、特に西部劇とは雰囲気が違って、単なる娯楽からは離れた、強烈な心理劇の世界を作り上げていると思いました。そして、緊張感のある展開の中で、展開のトリガーとなる要素の挿入の仕方も見事だと思います。そのあたりは、一種独特の雰囲気を作っていると思いました。1940年代も後半になって、次世代の映画への橋渡しとなる様な作品なのでしょうか。間違いなく、この時代を代表する名画の一つを見せてもらったと思いました。

2020.12.19 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「三十四丁目の奇蹟(1947)」 クリスマスの日に

12月は、国立フィルム登録簿作品を見るその25。今回は2005年(17年目)登録作品の、「三十四丁目の奇蹟」です。そうですね、今日はクリスマスなんですね。1947年の映画で、監督はジョージ・シートン。オスカーでは、助演男優賞、脚色賞、原案賞の3部門を受賞。作品賞にもノミネートされました。
原題:Miracle on 34th Street (1947)

あらすじ
クリスマスが近づき、ニューヨークの大百貨店メイシーでは、恒例のパレードを34丁目で開催していました。しかし、主役のサンタが泥酔していて、通りかかったクリス・クリングル(エドマンド・グウェン)という白いひげを蓄えた老人が、代役を務め喝采を得ます。人事担当のドリス・ウォーカー(モーリン・オハラ)が、そのパフォーマンスを気に入って雇いれますが、彼は自らをサンタ・クロースだと主張していました。その頃、ドリスの娘スーザン(ナタリー・ウッド)は、隣室の弁護士フレッド・ゲイリー(ジョン・ペイン)と親しくなり、その縁で、ドリスとフレッドも近づいていきます。実は、これはフレッドがドリスを見初めて近づいてきたのでした。

クリスは、おもちゃ売場の人寄せとなり、クリスマス・セールが始まります。ところが、クリスは子供の希望の品がメイシーになければ、売っている店を紹介していました。結果として、そのサービスが大好評で、クリスは店主メイシーから大いに感謝されます。一方、ドリスはキャリアウーマンで、スーザンにはおとぎ話や夢物語を一切教えず、サンタも嘘だと言い聞かせていました。ある日スーザンはフレッドに連れられてメイシーへ行くと、クリスに出会い、本当のサンタではないかと思い始めます。ドリスは当惑しますが、フレッドが自分のアパートにクリスを同居させたので、スーザンとクリスは仲良くし始めます。そして、本当のサンタだというクリスに、スーザンは本当なら叶えられるはずと、プレゼントをお願いしました。それは、母と一緒に住む、庭にブランコのある家だったのでした。

クリスは会社の食堂で、子供に夢を語っていたアルフレッド(アルヴィン・グリーンマン)が、会社のひねくれ者の精神科医から、精神障害と診断されたことを聞いて、怒って医師を杖で殴ってしまいます。このため、クリスも精神鑑定を受けることになり、失望したクリスは、故意に精神病を装い、入所してしまいました。フレッドはクリスに、信じる子供たちの為に戦えと励まし、弁護士として、クリスがサンタ・クロースであるという事を法廷で争うこととなります。クリス側の証人は多数登場しますが、決定打が出ず、ハーパー判事(ジーン・ロックハート)も困っていたところへ、郵便局に溜まったサンタあてのトラック一杯の手紙を、法廷にサンタがいると知った郵便局員が配達してきたことから、判事はサンタクロースであると認め、無事結審。ドリスとフレッドは、クリスのパーティーに向かう途中、クリスから教えられた道順を辿ると、スーザンが願ったそのままの売り家を見つけ、三人は新しい家庭を築くことになるのでした。



三十四丁目の奇蹟(1947)

クリスマスですので、クリスマス映画の鑑賞です。といっても、見たのは数日前ではありますが…。こういった映画は大好きで、見るからに面白そうな映画なので、期待して鑑賞しました。もちろん期待どうりでした。無理矢理もっていった感じのラストではありますが、そもそもサンタの実在を証明する審問というところから、楽しいものでもあるので、納得です。証人たちも面白いし、特に検事の息子の証言には笑いました。うまい演出と思います。そういう所も含めて、一見単純なストーリーのようですが、意外と手が込んでいて、細かいところが凄くしっかりしているのですね。こういう映画は大好きです。

サンタのエドマンド・グウェンが大活躍です。いいおじさんを演じています。そして、モーリン・オハラのキャリアウーマンというのも、珍しい感じでした。いつもと違うので、ちょっと見違えました。この時代の映画で、女性の管理職の登場は、アメリカの映画では普通に見てしまいますが、考えてみるとカッコいいです。子役のナタリー・ウッドもなかなか面白いと思います。スーザンは母が仕事一筋なので、ちょっと寂しかったようですね。最後は、丘の上の新興住宅地へ。明るいアメリカの家庭っぽくてなかなかいいのではないでしょうか。

さすがに、こういう題材なので、何度もリメイクされています。まぁ、どうリメイクしても外れないのではないでしょうか。新しいところでは、リチャード・アッテンボローのサンタさん。まぁ、似合いそうです。そして、こうして、年に一度の節目の年末年始に、それらしい映画を見るのは、とても幸せを感じる時だと思います。今年は、コロナもあり、なかなか不自由ではありますが、気持ちを新たにして、明日を迎えましょう。
Merry Christmas!

2020.12.19 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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<短編> 'A Christmas Carol' (1910)

久しぶりの短編枠。それも昨年の12月24日に見ましたが。改めて投稿です。13分の短編ですので、さすがに一度見返しました(笑)。今のところ、Wikipediaの英語版で見ることができますので、ご興味がありましたらどうぞ。1910年の映画で、監督は、J・サール・ドウリーです。1910年代に活躍した監督さんです。

あらすじ
クリスマスの前日、スクルージ(Marc McDermott)は慈善救済委員会への寄付を拒否し、甥のフレッドがクリスマスの挨拶に訪ねても、話も聞かず帰してしまいます。スクルージが帰宅すると、かつてのパートナーのマーレイの幽霊が現れ、彼に人間が変わらなければ、罰を受けることになると警告します。その夜、さらにクリスマスの精霊たちがが現れ、過去の精霊は、スクルージに若き日の希望に満ちた楽しい日々を思い出させます。現在の精霊は、彼がケチであることによってもたらされる、事務員のクラチット(Charles S. Ogle)や親類、周囲の人々の困窮を見せます。そして、未来の精霊が彼の惨めな死を見せます。

クリスマスの朝目覚めたスクルージは、人が変わったように子供たちに施しを与え、慈善団体に寄付を行い、フレッドをビジネスパートナーにした上で、援助を与え、クラチットの家を訪れると、フレッドと共にクリスマスの食事をプレゼントし、彼ら一同幸せに包まれるのでした。



A Christmas Carol' (1910)

1910年のクリスマスの公開された映画。有名なクリスマス・キャロルの物語です。13分に収めているだけに、細かいところや、より深いストーリーは省略されていますが、基本的な展開は抑えられていますので、短い時間でこの物語を体感することができます。登場人物の感情の動きも、サイレント時代の象徴的な演技で良く表現されていると思いました。

映像面では。二重写しにしている(のかな?)ゴーストの表現など、面白くできていると思います。ゴーストの見せる光景と、それを見るスクルージの様子が同じ画面に配置され、スクルージが幻影を見ながら改心していく様子が表現されていました。稀代のケチのはずですが、あっさり改心していくところも面白いところです。13分ですから展開が早いのですね…。

Data
監督:J.Searle Dawley
脚本:
製作国:アメリカ
公開年:1910
時間:13 minute
スペック:白黒 1.33 : 1
Imdbリンク:A Christmas Carol (1910)

2019.12.24 HCMC自宅にて Wikipedia (En) よりのパソコン鑑賞

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「ガス燈」 イングリッド・バーグマンの香り高いミステリー

12月は、国立フィルム登録簿作品を見るその24。今回は2019年(31年目)登録作品の、「ガス燈」です。1944年の映画で、監督はジョージ・キューカー。オスカーでは、主演女優賞、美術監督賞(白黒)を受賞。その他、作品賞など5部門にノミネートされました。
原題:Gaslight (1944)

あらすじ
ロンドンのオルキスト家に起こった、歌手アリス・オルキストの殺人事件でショックを受けた姪のポーラ(イングリッド・バーグマン)は、ロンドンを離れて歌のレッスンを受け始めますが、グレゴリー・アントン(シャルル・ボワイエ)と恋に落ち、結婚して元の家に戻ってきます。ある日夫と出かけたロンドン塔で、ハンドバックに入れたブローチを紛失して以来、グレゴリーはポーラが自分のことを少しも記憶していないと、彼女を責め始めました。それから、事あるごとに病気だと言って、外出もさせず、来客も拒み、ポーラは次第に自分の精神状態に自信を失っていきます。同じころ、ロンドン塔でポーラを見た、警視総監の助手のブライアン(ジョセフ・コットン)は、ポーラに宿るアリスの面影に轢かれ、過去のアリスの殺人事件について調べ始めます。

グレゴリーは、ポーラの母は精神病で死んだと話し、彼女にもその傾向があると責め立てていきます。一方でポーラは、夜ごとにポッと薄暗くなるガス燈の光や、天井に聞こえる奇怪な物音を感じていましたが、自分の精神が不安定なことによる錯覚と思い込んでいました。ある夜、ポーラは夫が断ったパーティーに自らの意思で、夫と出かけますが、会場で夫に時計を隠したと言われて錯乱してしまいます。そして、その様子をブライアンが見ていました。ブライアンにとって名歌手アリスは憧れの女性で、その面影を残すポーラに興味を持っていたのでした。彼は、ポーラの周辺を探ると、ある夜グレゴリーの外出中にメイドの制止を押し切ってポーラに会い、アリスとの思い出を語りながら、今起こっていることを聞き出します。

ブライアンは、グレゴリーの机から、アリスの殺人事件につながる証拠を見つけ出し、グレゴリーが毎夜、隣の空き家から繋がっている、この家の屋根裏部屋に侵入し、アリスが持っていた莫大な価値を持つ宝石を探していると確信します。その頃グレゴリーは、ついに念願の宝石を探し当て、ブライアンが出口で待ち構えていた隣の空き家を通らず、直接屋根裏部屋から戻ってくると、自分の机が荒らされているのを発見。ポーラを問い詰め始めました。そこに異常を感じたブライアンが現れ、グレゴリーを拘束し、警官に引き渡すと、二人は家のテラスに立ってお互いを意識し始めるのでした。



ガス燈

ロンドンを舞台としたミステリーと言うだけで、良き時代のミステリーを期待してしまいます。おまけに主演はイングリッド・バーグマンで、彼女の初オスカー受賞作品でした。まず、出番は多くありませんが、メイ・ウィッティの存在が、ロンドンのクラシカルなミステリーらしさを高めていきます。そして、ジョセフ・コットンが、いかにも安心感のある探偵の雰囲気です。そして、ガス燈がともり、霧の立ち込めるロンドン。舞台は揃いました。という事なんですが、この原作はミステリーというよりは、舞台用の戯曲なんですね。見どころは、妻を精神的に追い詰めていくというプロットなのでしょうか。

シャルル・ボワイエが、妻を追い詰める役目。最初から怪しげですが、家に着くといきなり手紙をひったくってしまうという暴挙に出ます。そうこうしながら、時々本心がチラチラしながら、ああ言えばこう言う的な強弁で、妻を追い詰めていきます。最初に馬脚を現していますので、あとは、トリック解明と、いかにして悪が暴かれ、美しい妻が解放されるのかというを期待するのですが、しつこいくらいに攻めていくので、少々じれったい感じ。戯曲としては、妻を追い詰めていくところに見どころをおいた構成かと思いました。シャルル・ボワイエのいかにも感は、クラシックな雰囲気を感じますが、今やサラリとした追い詰め方の方がスマートかなと感じます。

イングリッド・バーグマンは、ヒッチコックの作品などでも、追い詰められ苦悩する場面が多いのですが、ここでも苦悩をにじませる名演を見せています。そして最後にグレゴリーにやり返すところは、さすがにこれまでの演技から形成が一気に逆転。往生際の悪いグレゴリーに激しい怒りをぶつけるのが爽快でした。そして、もう一つ特筆すべき点として、アンジェラ・ランズベリーのデビュー作ということがあります。ちょっとはすっぱなメイド役で印象を残しています。現時点で95歳。記録を見ると最後の舞台が2019年になっています。素晴らしいですね。

2020.12.19 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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