
8月に「名画」を見た感想総括です

それと、こういう対象から選んでいるので、批評家さんたちの評価の高い作品が中心になり、例えば大きな興行収入を上げた人気の娯楽映画とかは、入りにくくなっています。もちろんB級カルト的なものは入りません。また、自分が見たことのある映画は省いているということなので、ごく一般的な名画リストとは相当異なったものになりました。
じゃあ、名画って?というと、映画を見るにもいろいろな視点がある訳ですから、その数だけ名画はあるもので、見る人の視点が違うことを考えれば、その数だけの名画があるという事なんでしょう。そして、評価は、見る環境やその時の気分によっても、大きく左右されます。敢えて言えば、長い時代を経て見続けられている映画は名画であるという事なのかもしれません。
その時代についてですが、こういったベストテンや受賞作品を主に選んだため、その選定時点の評価が大きく影響していると思います。その時代において、先進的であったり、衝撃的だったりする映画は、高い評価となっています。そして、時代と共に陳腐化して見る機会が減ったり、また隠れた名画が新たに発掘されて、リバイバルしていくようになります。これは、映画に限らず小説や音楽でも同じだと思います。そして、今回改めて28本をみて、感想をつけていくことによって、そういったことも含めて、多少認識の幅が広がったかな?と思いました。
今回見た28本のラインナップです。どれも素晴らしい映画でしたが、その中で赤字は今後も個人的に記憶に残りそうな3本です。気になってふと見返してみたくなるような作品ということで、高評価という意味とは、ちょっと違います。
それ以外に、
表現されている内容が素晴らしい(凄い)映画 → ●、
完成度が高いなあと思った映画 → ▲ をつけてみました。
浅草の灯 (島津保次郎 1937) キネ旬10位
オール・ザ・キングスメン (ロバート・ロッセン 1949) アカデミー作品賞
真昼の暗黒 (今井正 1956) キネ旬1位
判決、ふたつの希望● (ジアド・ドゥエイリ 2017) キネ旬10位
儀式 (大島渚 1971) キネ旬1位
幸福 (しあわせ) (アニエス・ヴァルダ 1965) キネ旬3位
午後の遺言状 (新藤兼人 1995) キネ旬1位
シマロン (ウェズリー・ラッグルズ 1931) アカデミー作品賞
丹下左膳餘話 百萬両の壺 (山中貞雄 1935) 日本映画オールタイムベスト7位
それでも夜は明ける (スティーヴ・マックィーン 2013) アカデミー作品賞
フラガール (李相日 2006) キネ旬1位
スラムドッグ$ミリオネア (ダニー・ボイル 2008) アカデミー作品賞
何が彼女をさうさせたか (鈴木重吉 1930)キネ旬1位
戦場のピアニスト● (ロマン・ポランスキー 2002) カンヌ映画祭パルムドール キネ旬1位
野良犬 (黒澤明 1949) キネ旬3位
薄氷の殺人 (刁亦男 2014) ベルリン国際映画祭金熊賞
赤ちょうちん (藤田敏八 1974) キネ旬9位
冬冬の夏休み (侯孝賢 1984) キネ旬4位
安城家の舞踏会● (吉村公三郎 1947) キネ旬1位
ドゥ・ザ・ライト・シング (スパイク・リー 1989) キネ旬5位
現代人 (渋谷実 1952) キネ旬4位
ディア・ハンター (マイケル・チミノ 1978) アカデミー作品賞 キネ旬3位
悪人▲ (李相日 2010) キネ旬1位
別離▲ (アスガル・ファルハディ 2011) ベルリン国際映画祭金熊賞 アカデミー賞外国語映画賞 キネ旬2位
人間蒸発 (今村昌平 1967) キネ旬2位
ザ・スクエア 思いやりの聖域 (リューベン・オストルンド 2017) カンヌ映画祭パルムドール
不良少年 (羽仁進 1961) キネ旬1位
地上より永遠に▲ (フレッド・ジンネマン 1953) アカデミー作品賞
テーマを決めて固めて見ていくと、いろいろ発見があるので、またやってみたいと思いました。