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「サバイバー(2015)」 外交官のミラがテロリストを阻止

ミラ・ジョヴォヴィッチが活躍するアクション映画。今回は、凄腕の外交官という役です。職業柄あまりミラのアクションは多くないのですが、それでも要所要所で挟まれます。どちらかと言うと、逃走する場面が多いのですが。2015年のアメリカ・イギリス合作映画で、監督はジェイムズ・マクティーグです。

あらすじ
カンダハルで、アメリカ兵がテロリストの襲撃にあい、人質として使えそうな一人が生かされます。

ロンドンのアメリカ大使館にケイト・アボット(ミラ・ジョヴォヴィッチの)が就任しました。任務は、アメリカへのテロリストの入国阻止です。ある日、ルーマニア人の医師バラン(ロジャー・リース)に不信感を抱きますが、ビル・タボット(ロバート・フォスター)が通してしまいます。ケイトはバランの経歴を調べ、最近の科学者の入国に、ビルが許可を出していることを突き止めます。バランは、ケイトの危険性を報告。それを聞いた男は時計屋と呼ばれる殺し屋に依頼し、リモート爆弾を作り上げます。そして、ビルの職場誕生会で、突然レストランが爆発。ビルは遅刻し、ケイトは買い物に出ていて難を逃れましたが、同僚は全員死亡してしまいました。ケイトは近くにいた男に助けを求めましたが、その男は時計屋(ピアース・ブロスナン)で、ケイトに銃を向けました。

ケイトは必死に逃げ、時計屋を振り払いますが、公園でビルと出会います。ビルは突然拳銃を出し、ケイトに向けた為、もみあいになり誤射でビルは死亡。目撃情報でケイトが、爆破テロおよびビル殺しの容疑者となり、駐英大使も彼女を疑いはじめました。味方は上司のサム(ディラン・マクダーモット)、コンピューター室のサリー(フランシス・デ・ラ・トゥー)、友達のリサ(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)だけです。 その頃、屋上の特殊ガスを仕込んだタンクを遠くから狙撃し爆発させるというテロが起きます。これは、時計屋とバランがテスト的に行ったものでした。時計屋たちは、ニューヨークで、今回の爆発を遥かに上回る規模の特殊ガスを使う計画を立てていたのでした。

サムは、時計屋がケイトを狙っていることを知り、ケイトを探し始めます。ケイトはリサの協力で資金や道具を調達し、追手を振り切ると、真相を調べる為ビルの家に潜入。そこでサムと出会い、部屋を調べた結果、ビルの息子がテロリストの人質になっていることを突き止めますが、その時、時計屋が現れサムは狙撃されてしまいました。ケイトは逃走し、サリーに連絡して、偽のパスポートを作ってもらい、同時にバランの動きを追い、テロの標的がニューヨークのタイムズスクエアだと気づきます。ケイトはニューヨークへと飛ぶと、時計屋とバランを追い始め、その頃2人は特殊ガスをアトラクション用と見せかけ、カウントダウンの行われるタイムズスクエアに設置し、ホテルの屋上で決行の時を待っていました。そこにケイトが突入。ケイトと時計屋は激しい揉み合いを繰り広げ、時計屋は屋上から転落死します。爆破テロの阻止に成功したところで、一命をとりとめ回復したサムから、ケイトに健闘をたたえる電話が入ったのでした。



サバイバー(2015)

陰謀が渦巻くアクションものは、スタートで背景を把握して頭に入れることに、いつも苦労するのですが、この映画も一瞬のミーティングでポイントがアッサリ話されるので、キャッチアップに苦労しました。そして、メインのストーリー展開へ。なかなか手に汗握る展開で楽しめました。特に前半はいろいろな人物が登場して、エピソードが積みあがっていくので、時間の経過も忘れて楽しめます。そうこうしているうちに舞台がアメリカに移ってとなるのですが、なんか盛り上がらないな…。という感じで終わってしまいました。ラストはそれなりに感動的ではあるのですが、もっといろいろ登場人物が入り乱れたアクションが見たかった…。

冒頭のカンダハルの場面が、その後ずっと関連せずに話が進むので、どこかでキーになるのだろうと思っていましたが、平凡な扱いで終わってしまうのですね。せっかく引っ張ったので、この兵士自体が何かの形で活躍して欲しかったかな…。いろいろな登場人物も出てきますが、途中からあまり絡まなくなり、これもせっかく積み上げたのに惜しい感じです。サリーとかも面白いキャラクターだと思うのですが。その中で、悪役のピアース・ブロスナンがなかなかカッコよくキマッテいたと思います。さすがジェームズ・ボンド!。と、いろいろ書きましたが、楽しめたことは間違いないので良かったと思います。

主役のミラ・ジョヴォヴィッチは、今回はあまり派手なアクションはなくて、頭脳派で巻き込まれた感じ。サムの肩によりかかる場面は、女性らしさを出したシーンですが、キャラ的にもタイミング的にも場違いな感じが…。ミラ・ジョヴォヴィッチのキャラはどうしてもバイオハザードという感じなんですが、今や44歳になっても容色もアクションも衰えずという感じなんですけれども、これからどんな役に展開していくのでしょう。これから先の活躍が興味深く、楽しみにしています。

2020.4.4 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「フェイシズ(2011)」相貌失認が巻き起こすサスペンス

このフェイシズは、ジョン・カサヴェテスの方ではなく、ミラ・ジョヴォヴィッチのフェイシズです。原題は、Faces in the Crowdになります。彼女の作品の中で、アクションしない普通の美しい女性を演じている作品です。2011年のアメリカ・フランス・カナダ合作映画で、監督はジュリアン・マニャでした。

あらすじ
アンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、恋人ブライス(マイケル・シャンクス)との結婚を控え、幸せな日々を送っていました。ところがある夜、連続殺人鬼の犯行現場を目撃してしまい、アンナは、殺人鬼に追われ、その時に負った頭部への衝撃の影響で、相貌失認に陥ってしまいます。警察からの呼び出して、担当刑事のケレスト(ジュリアン・マクマホン)から証言を求められますが、うまく答えることができません。そして、アンナを助けたホームレスの男性も殺されてしまい、職場の学校でも生徒が見分けられず、休職を言い渡されてしまいました。アンナは精神科医のランゲンカンプ(マリアンヌ・フェイスフル)を訪れ、いろいろと識別のアドバイスを受け始めます。その指導で、ブライスの服装もメモを残すようにしたので、自分が識別できるアンナをブライスは治ったものと思い始めました。

再びケレストを訪ねたアンナは、ケレストを識別できることに気づきます。同僚のラニヨン(デヴィッド・アトラッキ)は、アンナを保護しようとするケレストを、アンナに会いたいからだと突っ込みなす。クラブでアンナは、ネクタイを見てブライスのつもりで声をかけますが、同じネクタイの別の男性でした。その様子を見たブライスは、自分が判らないアンナに耐えられなくなって、去ってしまいます。そのクラブで友人のフランシーンが殺され、警察が駆けつけると、ラニヨンがトイレから犯人のものと思われる血のついたネクタイを持ってでてきました。ケレストに送ってもらうと、アンナの家にはブライスの衣服があり、服の中から目撃時に奪われたアンナの携帯が出てきました。しかし、アンナはブライスが犯人なら、その時判っているはずだと言います。

ケレストはアンナを故郷の島に連れていき、お互いに惹かれていた二人は共に一夜を過ごします。翌朝、ケレストは髭を剃り落としてしまうと、アンナは目の前にいるケレストが判らなくなっていました。アンナはケレストの家にいるようになると、ブライスからメールで呼び出されました。ブライスはアンナに謝罪をして、プロポーズをしますが、顔が判らなくても愛があれば平気だったと突き返します。ブライスがトイレに立った時、ブライスの携帯に、アンナの名義で愛してると書かれた身に覚えのないメールが送られていたのを見て、これが何かの罠だとアンナは気づきます。店のカウンターにはラニヨンがいました。ラニヨンはブライスを」トイレで殺害し、服を奪ってアンナの目の前に現れたのでした。

店を出て、アンナはネクタイの締め方が違うことに気づきます。その頃、証拠からケレストはラニヨンが犯人だと気づいていました。急いでアンナのいるはずの店へ向かい、アンナも隙をついてラニヨンから逃げ出します。ケレストとラニヨンとアンナが入り乱れての争いとなり、銃口を向けるアンナに、お互いに自分がケレストだと主張します。アンナはラニヨンに発砲しますが致命傷にはならず、ケレストとラニヨンはもみ合いになり、二人とも息を引き取ってしまいました。その後、アンナは、ケレストの島に落ち着いて、教師となり、少しずつ顔が見分けられるようになっていきました。そして、ケレストと間に出来た娘の顔を見て、ケレストとの愛を感じるのでした。



フェイシズ(2011)

連続殺人犯の殺人現場を目撃し、何とか犯人から逃れたものの、相貌失認となってしまったという女性アンナを巡るサスペンス。相貌失認というのを初めて知りました。突然なってしまうと、どういう状況になるのかちょっと予想がつきません。犯人の顔が識別できなくなったアンナが、目撃者としてどういう役割を果たしていくのかという所が見どころで、面白いプロットだと思いました。犯人は割合はやく推測は出来てしまうのですが、確証はないままに、想像しながら見ていくのも、また面白いものでした。ラストはストーリーを生かした、いいエンディングだったと思います。

相貌失認という状況の中でも、愛する人は解るというのが、この映画の面白いところでした。そういう限定された状況の中でこそ、本当に自分の愛している人が解るということです。実際どうなのかはわかりませんが、なかなか納得感のある話ではあります。愛は容貌や欲望だけではないということですね。そうでないと、セリフにも出てきたように、毎日違う男とセックスしている感じになってしまうという事らしいです…。

ヒロインのミラ・ジョヴォヴィッチが、いつものアクション系ではなく、普通の女性を演じていました。それが結構新鮮で、エレガントな美しさが目立っていたと思います。バイオハザードのイメージが強く、今でもアクション系の役が多いのですが、もともと美人ですし、いろんな役をやってもらえると楽しいと思いました。

2020.4.4 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「パーフェクト・ゲッタウェイ」それは反則だろうと思いつつ

この映画は公開当時、結末を誰にも話さないでくださいというキャッチフレーズが使われてたようです。意表をついた展開が売りの映画でした。ハワイのカウアイ島の美しい風景の中で撮影された映画でもあります。2009年のアメリカ映画で、監督はデヴィッド・トゥーヒー。ミラ・ジョヴォヴィッチの新妻役が見どころですが、二人の男性陣の演技も面白いと思います。

あらすじ
シドニー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)とクリフ(スティーヴ・ザーン)はハワイに新婚旅行にやってきます。途中でヒッチハイクをしていたクレオ(マーリー・シェルトン)とケイル(クリス・ヘムズワース)に呼び止められますが、クリフはケイルの崩れた様子を見て断りました。トレッキングを開始したシドニーとクリフは、途中でニック(ティモシー・オリファント)という男性と知り合います。ニックは、特殊部隊を経験し、頭に穴が開いていることや、武器やサバイバルに長けていると話しました。奥へと進んでいると、すれ違った3人組の女性が、ホノルルで新婚カップルが殺され、犯人が逃走しているという話をしていました。そして、ニックの恋人ジーナ(キエレ・サンチェス)の待つ滝に到着して、4人で滝を楽しみました。

クリフの前に、再びケイルとクレオが現れ、クリフは殺人犯かもしれないと怯えますが、ニックが現れ二人は去っていきます、また、クリフとシドニーは、ナイフ捌きの上手なニックとジーナを見て、こちらも殺人犯の可能性があると恐れていました。逃げることも考えますが、ひとまずビーチまでは一緒に行くことにします。翌朝ヘリが飛んできて、近くでキャンプしていたケイルとクレオを連行していきます。バックの中からも証拠が見つかったようです。ビーチに着き安心した4人は、海を楽しみ始め、クリフは遠慮するニックを誘って、二人でカヤックで沖に出ます。残されたジーナは、ふとクリフのビデオカメラを見ると、記録されていた結婚式の映像は、クリフとシドニーではありません。ジーナは、クリフとシドニーが犯人であったと悟りました。

あわてて、助けに向かうジーナを、シドニーが追います。クリフはニックを入江に誘い、銃で撃たれたニックは水の中に沈んでしまいます。入江の崖の上で、シドニーはジーナに追いつき、ナイフで攻撃しますが、ジーナは傷を負ったものの、シドニーを海に投げ込みます。そこにたまたまプロモーションの電話がジーナの携帯に入り、ジーナは助けを求めました。入江からはクリフが登ってきて、ジーナを追いはじめ、逃げるジーナの前に、三人の男性が現れますが、それもクリフは撃ち殺してしまいました。ニックは、頭に空いた穴を治療した金属に弾が当たったため、致命傷を受けてはいませんでした。そして、ジーナを助けに来ると、クリフから銃を奪いつきつけます。そこに通報で駆け付けた、シドニーと警察が乗ったヘリが現れ、銃を向けているニックを狙撃しようとします。が、シドニーが犯人はクリフであると告げ、銃を奪い返そうとしたクリフが狙撃されたのでした。帰りのヘリの中でニックはジーナに結婚指輪を渡し、キスをして戻って行きました。



パーフェクト・ゲッタウェイ

ハワイのカウアイ島を舞台にしたサスペンス。ビーチやトレイルなど、美しい風景が連続する映画で、前半は風景だけ見ていても飽きない感じでした。サスペンス度も高くないので、カウアイ島でのトレッキングを楽しむ二組のカップルをを見つつ、軽いサスペンスを楽しんでいく感じです。そして、心配から解放されビーチに出ると第二幕が。ここからは、意表を突かれる展開ですが、あまりにも唐突で、前振りが無いため、そういわれても、ああ、そうですかと言うしかありませんでした。また、犯人二人の動機なんかもはっきり説明されないので、ただのシリアルキラーという解釈でいいのかな。手掛かりはミラ・ジョヴォヴィッチの語る生い立ちの話くらいですので…。

後半のアクションは大変良くできていると思います。ミラ・ジョヴォヴィッチは前半の新婚の新妻役から、アクション派に転換しました。そういう意味で、最後の30分は十分楽しめたので良かったです。最後にヘリの機内から、クリフを犯人として指し示すのは、元々パリセーズで静かに暮らしたいと言っていたのが、素だったという解釈ですかね。ラストもなかなか良かったと思いました。

さて、殺人事件の犯人が明らかになる謎解きがどれだけ仕込まれていたのかなと思い返しても見たのですが、許可証を届けに来た宿屋の男に対する反応とかありましたが、逆に犯人で無いように思わせる場面の方が多く印象に残るので、クリフサイドの視点で描けば、こういった形になるのかもしれませんが、ちょっと反則かなという気がして、やはりこの展開にはあまり感心できないのでした…。

2020.4.4 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ウルトラヴァイオレット」ミラの演技を楽しめるかどうか?

いかにも、アクション女優のミラ・ジョヴォヴィッチの映画ですといった体のジャケット。このジャケットを見て、見るか見ないかはミラ・ジョヴォヴィッチのアクションに興味があるかどうかだと思います。2006年のアメリカ映画で、監督はカート・ウィマー。どっかで、Worst Filmを一つ受賞してますね(笑)。

あらすじ
謎のウィルスに感染した人間は、「ファージ」と呼ばれ、人間達は超人的な体力を持つファージ達を隔離して、一掃しようとしていました。ヴァイオレット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、妊娠中に感染して中絶させられ、ファージたちのレジスタンスに加入して、復讐の機会をうかがっていました。この世界を支配しているのは、ファージを全滅させる兵器を開発する、研究機関の長でもあるダクサス枢機卿(ニック・チンランド)。この兵器が完成し、運搬役として、ヴァイオレットが登場します。8時間後に破壊されるというその兵器を受け取ったヴァイオレットですが、途中で正体がばれて、警備員を次々と倒しながら逃走します。レジスタンスを取り仕切るナーヴァ(セバスチャン・アンドリュー)の元に兵器を持ち帰ると、中には少年が入っていました。ナーヴァはこの子の中で、ファージを全員殺せる抗体が培養されている、といいます。ヴァイオレットは、その抗体から逆にファージから人間に戻る抗体が作れるのでは?と提案しますが、ナーヴァは聞く耳を持たず、始末するだけだと言いました。

ヴァイオレットは希望をかけて、少年(キャメロン・ブライト)を連れて逃げますが、逃走中にダクサスに出くわします。ダクサスは、少年シックスは自分の子供であり、かつ知能を持たず、ファージの役には立たないと告げます。ヴァイオレットは、旧知の科学者ガース(ウィリアム・フィクナー)の元へシックスを連れて行き、血液の検査を依頼しますが、ファージの抗体は無く、強毒性のたんぱく質があるだけでした。その頃、レジスタンスを襲撃したダクサスは、残ったナーヴァに手を組もうと持ち掛けていました。ヴァイオレットがシックスと二人でいるところにナーヴァが現れ、シックスは、ファージではなく、人間を死滅させる抗体を持っていると話します。また、ダクサスはヴァイオレットに、シックスは自分のクローンだと話し、引き渡しを要求しますが、ヴァイオレットは断りました。

ヴァイオレットは、兵士の待ち構えるダクサスの施設へと向かいます。ダクサスは、シックスの中にある抗体をバラまき、自分だけが抗体を持って、人間を完全に支配することを考えていました。そして、ついにシックスは死んでしまい、ヴァイオレットは駆け寄って涙を落とします。そして、ヴァイオレットも撃たれ、シックスは抗体採取のために運ばれていきました。ヴァイオレットはガースに救われ目を醒ますと、以前シックスが書いた数式がファージを救う鍵だと告げ、ヴァイオレットはシックスを救出に、研究施設に向かいます。彼女は「あの子は生きている」と感じていたのでした。研究所でダクサスと一騎打ちになり、ダクサスは、実は自分は研究中に最初にファージに感染し、ウィルスを世界中にばらまいた張本人だと語ります。怒りに包まれたヴァイオレットは、ついにダクサスを倒し、シックスを見つけて声を掛けました。するとlシックスは目を覚ましました。ヴァイオレットの涙が体内に入り、ファージとして生まれ変わっていたのです。ヴァイオレットは、いつかガースが人間に戻してくれると信じ、シックスと希望への一歩を踏み出すのでした。



ウルトラヴァイオレット

タイトルバックは、アメコミ調の画面で始まり、ウルトラヴァイオレットがヒーローとして活躍しています。そして、子供向けのヒーローアクションものかいな?と思うようなスタート。理解不能であり、何も考えるなといったセリフ。まぁ、何も考えずに見ていきましょう。ストーリーは展開していきますが、深みをあまり感じず、ただただ画面が流れていくのを眺めていくうちに、話も進んで行きました。いつも画面にいるのは、ミラ・ジョヴォヴィッチで、その変化ぶりや衣装の着せ替えや、移り行く美しいご尊顔を眺めながら、あ、今の表情が良かった!といった感じで見ていることになりました。

実は、ストーリーは結構詰まっていて、面白く展開していくのですが、ストーリーの強い印象が湧いてこないという、残念な感じです。宿敵のクローンのシックスを守ろうと思った動機は、子供を流産したからだということでも説明されますが、アッサリ言葉で語られるだけで、インパクトが弱いので、今一つピンときません。そして、このストーりーのポイントは、人間とファージの戦いの中で起こる虚々実々のやり取りの中で、人間界のトップで会ったダクサスが実は…。というなかなか気の利いた展開で締めくくられる話なのですが、今一つ生きてきません。テクニカルにCGとミラ・ジョヴォヴィッチ を見せることに終始していると思いますが、もっとストーリーを印象付けるような映像にすると、面白くなったのではと思います。

という訳ですが、それでも楽しめたのはミラ・ジョヴォヴィッチのアクションと表情で、紫色の髪の姿が最高でした。あとは、検査機械で変顔にされるのが面白かったです。

2020.4.3 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「フィフス・エレメント」SFファンの愉しみが詰まった映画

題名は承知していましたが、なんとなく見過ごしていた映画の鑑賞です。ミラ・ジョヴォヴィッチの映画をいくつか見ていたというのが動機でした。1997年の映画で、フランス大手のゴーモン社の製作。フランス・アメリカ合作作品。監督は、リュック・ベッソンです。主演は、アクションの名優、ブルース・ウィリスですね。オスカーでは音響編集賞のノミネートがありました。

あらすじ
1914年エジプト。考古学者が神殿に描かれた古代文字、火・水・土・風の4要素に囲まれた5つ目の謎に近づいた時、空から巨大な宇宙船が舞い降り、未来の地球を救いに来ると約束し、4要素の石を持ち帰ります。そして、300年後。地球に謎の球体が接近。攻撃を吸収しながら巨大化していきます。コーネリアス神父(イアン・ホルム)は、宇宙最高の知力を持つモンドシャワン人が4つの石を持って助けに来ることを告げますが、妨害に合い墜落。研究者たちは見つかった腕から、美しい女性の体を持つモンドシャワン人を再生しました。 しかし、彼女は研究室から逃走し空中にダイブしてしまいます。

タクシー運転手のコーベン(ブルース・ウィリス)が、いつものようにタクシーを走らせていると、不思議な服に身を包んだ女性が降ってきます。知らない言葉を話すその女性はリー・ルー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)という名前で、どうやら追われているらしく、コーベンは耳慣れない言葉の中に、コーネリアス神父の名前を聞き、彼の元へ連れて行きました。そして、モンドシャワン人たちが石板を歌姫ディーヴァに託したことが分かります。ディーヴァは、ちょうど翌日フロストン・パラダイスというリゾート星でコンサートを行う予定で、マンロー将軍(ブライオン・ジェームズ)はコーベンに、石を探し出す任務を与えました。コーベンとリー・ルーは、武器商人ゾーグ(ゲイリー・オールドマン)の妨害を振り切り、コンサート会場にたどり着きました。

しかし会場をゾーグに雇われたマンガロワ人が襲撃。舞台にいたディーヴァが撃たれます。瀕死のディーヴァは、石板は自分の体内にあることをコーベンに告げ、石板を手に入れたコーベンは、DJ・ルビー(クリス・タッカー)の力も借りて敵を一掃。フロストン・パラダイスに仕掛けられた爆弾が爆発する寸前に、宇宙船で脱出に成功し、ナイルの神殿にたどり着きます。一行は、まず4つの石を台座に設置し、球体が地球を飲み込む寸前に、5つめの謎、リー・ルーとコーベンの愛の力を出現させると、システムが稼働し球体を撃退。地球の危機は回避されたのでした。



フィフス・エレメント

素直に、楽しかったです。7~80年代のSF映画のエッセンスを詰め込んで、コメディに仕立てましたという感じを受けました。リュック・ベッソン監督が若いころから書き溜めてきた話という事で、そうしてみると何となく頷けるものがあると思います。いろんな映画へのオマージュが詰まっていて、あくまでも明るく楽しく構築したという感じでしょうか。直接的では無いにしても、見ているだけ、スターウォーズ・スタートレック・インディジョーンズ・ブレードランナー・エイリアンなど、なんとなく頭の中をよぎっていきました。

俳優では、ブライオン・ジェームズが出ているのが嬉しかったです。やはり、ブレードランナーのリオン役が頭に焼き付いているので、あの時の様子を思い出してしまいました。なかなか凶悪な演技が似合う性格俳優だったので、凍ってしまうと思わず笑ってしまいました。彼のガチな悪役場面、いろいろ見返して見たいと思いました。ミラ・ジョヴォヴィッチにとっては、これがブレイクした作品で、以降アクション女優として大成していきます。リュック・ベッソンが監督賞とか取っている映画なのに、彼女はこれでラジー賞候補になっているのが面白いところです。

こういった作品なので、新たなドラマとか、新しいSF映画的発見とかに感じ入るということはないのですが、コメディとしては最高で、ラストも愛は地球を救うで締めていただいたので、楽しい映画だと思いました。

2020.4.5 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「必死剣鳥刺し」 藤沢周平の隠し剣シリーズの1作を映画化

藤沢周平の時代劇、ひところハマっていました。人情噺がとても面白く、読みふけった記憶があります。そんな藤沢周平の作品集である、隠し剣シリーズからの一編。2010年の映画で、監督は平山秀幸。東映の配給です。モントリオール映画祭のコンペティションにノミネートされました。

あらすじ
海坂藩で近習頭取を努める兼見三左エ門(豊川悦司)は、藩主の右京太夫(村上淳)の愛妾、連子(関めぐみ)を場内で刺殺します。当時連子は、右京を通じて藩政に口出しし、思うがままに藩主に冷酷な進言を行い、気に入らないものを抹殺していたのでした。三左エ門は最愛の妻、睦江(戸田菜穂)を病気で亡くし、死に場所を求めての行動でしたが、下されたのは意外にも一年の閉門。その後、再び仕えることになります。釈然としないながら、亡き妻の姪である里尾(池脇千鶴)に励まされ、再び活力を取り戻していきます。

ある日三左エ門は、彼の斬首を思いとどまらせた人物である、中老の津田民部(岸部一徳)から、右京暗殺計画の情報を入手したと聞かされます。民部は。「鳥刺し」という必殺技を持つ剣豪の三左エ門に対し、計画を阻止することで藩への貢献の機会を与えたのです。相手は、藩主の従弟である剣の達人、帯屋隼人正(吉川晃司)。彼は、臆せず藩主に意見する唯一の存在でした。三左エ門は、藩命に従うことを決意しました。

ある日隼人正は屋敷に乗り込み、屋敷内で斬り合いが発生。三左エ門が立ちはだかりこれを倒します。しかし、そこに現れた民部たちに取り囲まれてしまいました。全ては民部の策略、右京太夫は三左エ門を許した訳ではなく、民部の計略に従い、利用して亡き者にする腹だったのです。三左エ門は民部配下との斬り合いで重傷を負いますが、その激闘の中で、藩主を操る黒幕が民部であったことを知ります。一人の配下が三左エ門に刀を突きたて、ついに力尽きたと思われたとき、倒れた三左エ門に近づいた民部に誰も見たことがないという秘剣「鳥刺し」を使用し、民部を打ち取ると、殺到してきた配下の前に力尽きたのでした。



必死剣鳥刺し

「切腹」を見た後で続けて見始めた必死剣鳥刺しですが、妙に話の内容が頭の中で混乱してしまいました(笑)。さて、天涯孤独となった兼見三左エ門が、藩を救うため権威を振う側室の連子を刺殺。重罰が下ると思いきや生かされ、剣の腕を見込まれ再び出仕することとなり…というお話。どちらかと言えばストーリーを楽しむ時代劇ドラマという形と思います。主役の豊川悦司がなかなかいい味を出しています。あと、目立つのは岸部一徳でしょう。いかにも悪者という感じで。

昔々、藤沢周平にはまって、かなりの作品を読んだことがあって、その内容はほとんど忘れてしまいましたが、海坂藩ものもいくつか楽しんだ記憶があります。そういう記憶からくるイメージで、この映画を見始めたのですが、あまり藤沢周平的な雰囲気は感じませんでした。藤沢周平のイメージはむしろ「たそがれ清兵衛」の方が良く出ていて、ましてやあちらは山田洋次監督で、雰囲気も近いものがあります。そういう意味ではちょっと期待と違ったような。

そうはいっても、ストーリーとしてはなかなか面白いもので、いわば短編小説的なオチの決まっているストーリー。原作は、隠し剣シリーズに含まれ、秘伝の剣術を披露せざるを得なくなる設定の一連の短編集です。誰も見たことの無い、披露したことの無いような剣術とは…。そして、この隠し剣シリーズは、他に2本も映画化されています。それらも、ぜひ見てみたいです。やはり、藤沢周平の世界は大好きなものですから…。

2020.1.23 自宅にて、NHKBS Premium の録画鑑賞

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「ニノチカ」 グレタ・ガルボの破顔一笑が印象的なコメディ

ベルリンで生まれ、ナチスに追われアメリカで市民権を獲得したエルンスト・ルビッチ監督の代表作の一つです。1939年の映画で、アカデミー賞では4つのノミネートがありましたが、受賞はならず。ライバルの多い年でした。公開当時の「Garbo laughs!」(ガルボ笑う)というキャッチコピーが有名ですね。

あらすじ
ロシア革命で貴族から没収した宝石を売却し、財源確保をするために、ソ連から三人組の役人がパリにやってきました。大公妃(アイナ・クレア)はその宝石が彼女のものであることを知ると、愛人であるレオン(メルヴィン・ダグラス)に依頼し、取り返しにあたらせます。一方三人組の仕事がなかなか進まないため、ソ連当局はコテコテの共産主義者であるニノチカ(グレタ・ガルボ)を派遣。駅での出迎えと出会えなかったニノチカは、町でレオンと出会い、彼はニノチカの美しさに感動し、さっそくポーズを送り始め、堅物の共産主義者である彼女を手練手管でついに自分の部屋に連れ込みます。そして、キスを交わした時に電話が入り、お互いの素性が露見したのでした。

諦めきれないレオンは、労働者用レストランに行くニノチカを追い、再びニノチカの気を引こうと、あの手この手で迫り始め、だんだんお互いにひかれあう関係になっていきます。宝石の返還を求める裁判が近づき、三人組をパリ見物に行かせたニノチカは、レストランでレオンと大公妃と出くわすと、お互いの立場を表明したうえ、その夜ニノチカは酔いつぶれてしまいました。

翌日、宝石は盗まれていました。大公妃が取り返したうえ、ニノチカに、レオンを残して夕方の飛行機でソ連に帰るなら、宝石を現金化して渡すとニノチカを脅迫。ニノチカはその日のレオンとのデートの約束を果たせず、現金を得てソ連に帰っていきました。 モスクワに戻ったニノチカは、厳しい配給下の生活の中で、レオンからの手紙は、検閲だらけで読み取れず、ただただレオンとの思い出に生きていたところへ、コンスタンティノープルに派遣した三人組の動きが遅いと、再び派遣されることになります。現地に着いてみると、三人組はロシア料理店を開店させ、現地で楽しく生活していました。そして、これはレオンも加わった、ニノチカを出国させる策略で、二人は再開を果たすことができたのでした。



ニノチカ

レオンがこけた時の、グレタ・ガルボの破顔一笑が印象的でした。やはり、美人は笑顔が一番。それまでのニノチカの表情がいかにもガルボという感じだったこともあり、これは衝撃的でもあります。それからというもの、普通の恋多き女性になってしまい、こちらは、ソ連の官僚が本当にそれでいいのか?と心配してしまうという次第でした。酔っぱらったニノチカの演技も最高でした。

そして、あちこちに込められたコメディのセンスも最高です。ソ連の風刺になっているので、判りやすいコメディではありますが、執拗にニノチカを笑わせようとする、労働者向けレストランの場面は、周囲の役者のセリフも含めて楽しいものでした。それ以外にも粋なセリフがたくさん。「そのドレスが歩いていたら、ニノチカと会わせたい」とか…。実際に現実世界で使ってみると、どんな反応をされるかな?などと考えてしまいました。

面白い風刺と言えばもう一つ。三人が駅に迎えに行って、上官だったと思って声をかけた人間がナチスだったというもの。ルビッチもナチスによってベルリンを追われた人間ですが、スターリン時代のソ連の高官のイメージをナチスと重ねているところが興味深いです。1939年はどちらも覇権を争っていた時代です。しかし、ルビッチの映画って、やはりセンスがいいですね。よく解りました。奇蹟のようなグレタ・ガルボも含め、至宝のようなコメディでした。そして、まぁ、笑顔は何物にも勝りますというのが、今日の結論です。

2019.10.26 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「マーターズ(2015)」 酷評のリメイクは、立派なB級ホラー

今回見たマーターズ(2015)は、ハリウッドリメイクの方です。オリジナルは、2008年に製作されたパスカル・ロジェ監督によるフランス映画で、大変な残虐性ということで話題となりました。こちらは残虐シーンも大人しいと言われており、オリジナルを知る者にとっては不満の残る映画でもあったようです。2015年のケヴィン・ゴーツ・マイケル・ゴーツ監督による作品です。

あらすじ
ある倉庫で監禁されていた少女・リュシーは隙を見て脱出した後、養護施設で育てられていました。深い心の傷を負ったリュシーに話しかけてきたアンナに、やがて心を開き、2人は親友として成長していきます。そして、20歳になったリュシー(トローヤン・ベリサリオ)は、ついに犯人の男を発見。郊外の一軒家で朝食中の家族の家に乗り込むと、一家4人をライフル銃殺し、アンナ(ベイリー・ノーブル)を電話で呼び寄せました。凄惨な状況を見てに恐れをなしたアンナは、もう助けてあげられないと考え、立ち去ろうとしますが、リュシーが、モンスターの幻想にまだ襲われているのを聞きつけ現場に戻ると、4人の死体の始末するのを手伝いました。

夜になって、モンスターに襲われ悲鳴を上げるリュシーですが、アンナが見たのは自傷するリュシーの姿でした。リュシーを落ち着かせて寝かせると、アンナは、家の戸棚の奥に秘密の入り口を発見します。そこには地下室へ通じる梯子があり、地下には複数の部屋がありました。鎖で繋がれた少女サマンサ(ケイトリン・カーマイケル)を発見し、アンナはリュシーの言動が事実であると確信。サマンサとリュシーを連れて現場から逃げようとしますが、そこにやってきた一団の男たちに再び拘束されてしまいました。

翌朝、初老の貴婦人・エレノア(ケイト・バートン)を中心に、多数の人々が集まります。エレノアはリュシーの姿を見て納得し、再び3人を地下室に拘束。リュシーもアンナにも拷問が加えられます。ある日アンナはエレノアに呼び出され、彼らの組織の目的は、「人間が死ぬ瞬間に何を見るのか」の研究を行っていること。今まで何十人と拷問を加えた中で、リュシーが一番素質のある娘であり、どんな苦痛にでも耐えて、向こうの世界を見ることができる稀有な「殉教者(マーターズ)」であると説明します。彼らは、候補者の1人を眼前で火あぶりにしますが、目の前で焼死する女性を見せられて、アンナは絶叫しました。エレノアはあくまでも、ただの拷問や殺人でなく、崇高な研究目的だと説明します。

エレノアはアンナを生きて返すつもりはなく、一家を埋めた穴に生き埋めにしますが、何とか脱出したアンナは再び邸内に侵入。リュシーのライフルを手に入れると、警備員たちを倒しながらリュシーを探します。しかし、リュシーは既に金属板に拘束され、背中の皮膚を剥がされ、瀕死状態になって儀式会場で磔にされており、会場の人々は死を固唾を呑んで待っていました。その会場に乗り込んだアンナは、銃で脅してリュシーを十字架からおろさせると、リュシーはアンナに何か囁いて息絶えました。聞き逃したエレノアはアンナに内容を聞きますが、そばにいた神父が「私は聞きました」と言ってピストル自殺。教えてくれとせがむエレノアに、アンナは「自分で見れば分かる」と言ってエレノアを射殺します。逃げたサマンサの通報で会場にいた者は逮捕され、息絶えたリュシーの横で出血がひどかったアンナも崩れ落ち、リュシーに寄り添って息をひきとったのでした。



マーターズ 2015

このマーターズは、2008年のフランスの同名映画のリメイクで、パスカル・ロジェ監督になるオリジナルは、その残虐性からも話題となり、カルト的映画となっている作品です。そういった映画のハリウッドリメイクだけに、かなり評判は悪く、オリジナルのファンには、このリメイクは相当に否定的に受け止められているフシがあります。ハリウッドリメイクは万人向けにしてエンタメに寄るでしょうから、このような強烈な印象を残す映画は、仕方が無いでしょう。ストーリーもだいぶ変わっていますが、基本テーマは大きく変わっている訳ではないと思います。オリジナルは、残虐シーンがもっと激しくストレートに表現され、観客に印象と余韻を残していく感じがします。

オリジナルの話は別として、この映画を普通の単体のホラー映画としてみれば、それなりにハードなストーリー性のあるホラーで、全体的な映像の雰囲気は美しく、かつ見やすいものになっていると思います。そして、ハリウッド的なアクションシーンもはさみますし、テーマは、オリジナルが虐待そのものにかなり強烈さを盛り込んでいたのに対し、こちらは死後の世界を垣間見たいという興味の為に、次々と実験台を虐待して殺害し、処分していくという集団の、非人道的な残虐性が強調された格好ではないかと思いました。

その集会に集まっている人は、外見こそ立派な人々ですが、実験台への感情移入は一切なく、知識欲や興味の為に殺害を静かに見守っているという、異常な集団に描かれます。最後は、神父が死の世界からの言葉を聞いて即自殺するのですが、聖職者にとっては生きていられないような強力なメッセージであった、という解釈でいいのでしょうか。ここはオリジナルと違うところです。このリメイクは、残虐性は大人しめでも、これはこれで凶悪なホラーだと思いました。オリジナルは、かつ観客に深く考えさせる部分が多いのに対し、リメイクはストーリー性とエンタメ性を盛り込み、解りやすくしていると感じます。とはいっても、常にコアなファンの多いオリジナルと対比されるところが、このリメイクのつらいところです。その強烈な内容と、ハリウッド映画という表現が見合わずに、行き場を失ってしまった映画と言うことかもしれません。

2020.4.2 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ザ・インフェルノ」 圧政時に育てられた悪魔の住む村

かなり胸糞が悪い映画という前評判を知りつつ、見てしまいました。2017年のチリの映画で、監督はルシオ・A・ロハスです。チリの映画は久しぶりですが、この前見た「フルリベンジ」のリメイク元映画がチリ映画ということで、その関連でいろいろ探していた時に出てきた映画です。原題はTrauma。まぁ、トラウマですね。

あらすじ
1978年、ピノチェト政権下のチリ。妻が共産主義者と組んでいると気付いた夫は、その共産主義者を射殺。妻を椅子に拘束し、息子のファンに、妻を犯させ、その最中に妻の頭を撃ち抜きます。ファンはその後も、この暴力的な父親に虐待されながら育てられました。

2011年。サンティアゴから4人の女性が、田舎の別荘にバカンスに向かいます。4人は、アンドレア(カタリーナ・マーティン)とカミラ(マカリナ・カレル)の姉妹、カミラの女性パートナーのフリア(シメナ・デル・ソラ)。そして、アンドレアの友人のマグダ(ドミンガ・ボフィル)でした。途中の酒場で道を聞きますが、不穏な雰囲気で追い出され、外で店の娘ヨヤ(フローレンシア・エレディア)や、地元の保安官・ホルヘとペドロ(エドゥアルド・パヘコ)に出会いました。そして、屋敷へついた彼女たちは、近況を語りあっているうちに、窓の外に人影が見えます。

酒場にいた2人の男、ファン(ダニエル・アンティヴィロ)とその息子マリオ(フェリペ・リオス)でした。2人は銃を取り出してレイプをはじめ、マリオはマグダをレイプする途中で、頬を噛みちぎり、傷口に塩を塗り込みます。一夜が明け、気が付いたマグダは、銃をファンに向けますが、弾が入っておらず、逆にファンに射殺され、2人はそのまま去っていきます。通報で駆け付けた2人の保安官は、パトカーで3人を連れて酒場に行くと、店主が、娘のヨヤがファンに攫われたと訴えました。店の中にいたファンを拘束しようと、2人の保安官と店主と息子が銃を向けますが、ファンはこれを返り討ちにすると、ヨヤを連れて立ち去ってしまいます。

女性3人と負傷したぺドロで、サンティアゴの警察に応援を頼み、ファンのアジトに乗りこみます。ファンのアジトの工場には拘束されているファンの妹のカルメン(クラウディア・アラベナ)と赤ん坊、そしてマリオがいました。ファンとマリオに対峙した4人ですが、マリオは仕留めたものの。ペドロは薬品で殺害され、カミラとフリオも惨殺されてしまいます。ファンとの一騎打ちになったアンドレアは、強酸性の薬品を、ファンに浴びせて仕留めると。赤ん坊に銃を向け、生かしておくと、いずれファンのようになるとつぶやき、引き金を引こうとしたとき、駆け付けた応援部隊が到着。アンドレアは警官隊に射殺されてしまいました。家の裏口から、拘束されていたファンの妹のカルメンは、ヨナを連れて二人で町に向けて歩き始めるのでした。



ザ・インフェルノ

チリ映画は久しぶりというか、せいぜい2回目くらいかもしれません。記憶にあるのはシネパトスで見た「ハッスル!」。青森県住宅供給公社巨額横領事件で有名になった、チリ人妻アニータ・アルバラードが出演していることで、話題になった映画です。その一作を見ただけで、チリ映画は暗いという印象を持っていました。暗いというのは内容というよりは画面で、特に夜が暗いみたいな…。

さて、かなり衝撃的な映画なので要注意、という評判のこの映画、確かにそうでした。特に、冒頭の過去のトラウマ場面は、ピノチェト独裁時代に、権力者の父親から拷問を受け、縛り付けられている思想犯の母親を、息子が無理やりレイプさせられ、さらにレイプ中に、父親は母親の頭を撃ちぬき、息子はそのまま犯し続けるという場面は、深く印象を残します。そして時代は移り、レスビアンシーンが、少し長めに映されます。まず、この連続する2シーンで観衆をつかみ、物語は展開。そこから女子4人の田舎へのバカンスという事で、それぞれの人物背景や、相性など細かく描かれていきますが、ここが先ほどのシーンの反動でグダグダと妙に冗長に感じてしまいました。

そして、第二の鬼畜シーンがこの4人へのレイプシーン。相当に病的かつ破壊的なレイプで、ここも衝撃的です。そして、残ったメンバーで犯人へのリベンジへと移っていきます。ここからは普通にヴァイオレンス映画的な展開でした。最後は男の住む工場のような建物の中でのバトルとなりますが、まずその建物の全景が映されると、ああ、これからこの中で延々とバトルが繰り広げられるんだなと、妙に見切ってしまう感じになったので、そこはちょっと残念でした。バトルの場面ではグロな殺し方が工夫されています。工場なので化学薬品も使われます。このバトルは、ホラー系ではよく見かける残虐タイプのものでした。

まずこの男ファンが、4人に囲まれても動じない、撃たれても動じないほどの強さです。過去に母のレイプから始まり、残虐な経験を続けてきており、そういう殺しに慣れて鍛えられてきたという印象を持ちます。少年期の精神的傷が生んだ部分は、彼の行動の凶悪性として現れますが、一方でこの強さは、訓練されたという印象でした。「怪物を生かしてはおけない」と赤ん坊(おそらくファンとカルメンの子供か?)に銃を向けたアンドレアは射殺され、閉じ込められていた二人は人知れず脱走して行く訳ですが、これは解放されたというよりも、過去がまだ生きていて野に放たれたという印象を持ちました。一方で、外から来た人に助けられた地元の人という構図もあり、よそ者の虚しさ的な情緒も少し感じられます。冒頭のショッキングな映像や、残虐な殺害映像が印象に残る映画ですが、ドラマ的要素も持っているという印象を残すラストでした。

2020.4.1 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「フルリベンジ」悪役が互いにつぶし合うヴァイオレンス作品

Amazon Primeのもうすぐ特典期間が終わる映画の中から、見ておきたいなというのを選んで鑑賞しました。レビューをチラ見すると、ずいぶん鬼畜そうですが、一方で肯定的な評価もあったので、その両面から興味をひかれたということです。2014年のアメリカ映画で、監督はパトリシオ・ヴァラダレスでした。
原題:HIDDEN IN THE WOODS

あらすじ
アナ(ジャニーン・カスパー)とアニー(エレクトラ・アヴェラン)の姉妹は、父親のオスカー(マイケル・ビーン)に虐待されて育ちました。母親は浮気が原因で小さい頃に父親に殺され、2人が成長すると、アナは父親に犯され子供を身ごもります。生まれた男の子・マイケル(ダルトン・ワイアット)は監禁されて育ち、教育もされず、うまく言葉を喋ることができません。そして時は流れ、二人は成人しましたが、父親との悲惨な生活は変わりませんでした。そんなある日、父親がアニーをも犯そうとした時、アナが警察へ通報。父親はそれを知って逆上し、二人を監禁して、駆け付けた警官を持っていたチェーンソーで殺害してしまったのでした。

その隙にアナとアニーは、マイケルを連れて逃げ、オスカーは町のボス、コステロ(ウィリアム・フォーサイス)に電話し援助を請います。オスカーは、コステロが取引で使う麻薬の管理をしていました。しかし、コステロが助けを差し向けている途中で、オスカーは青年をショットガンで殺してしまい、逮捕されてしまいました。コステロは、オスカーの口封じのため、刑務所に刺客を差し向け、オスカーはそれを返り討ちにして脱走します。その頃アナたち3人は、父親の森の中の小屋に潜み、アナは皆で西海岸へと逃げようと、街娼として旅費を稼ぎ始めます。そんな中で、アナはスティーブン(マシュー・アラン)という青年と出会い、彼は旅費を工面し、西海岸まで一緒に行くと誘ってくれました。

コステロは、脱獄したオスカーからの連絡を受けると、アナとアニーを捕まえようと手下を差し向けます。彼らはバーでスティーブンを見つけ、銃でおどしてアナたち居場所まで案内させ、小屋についたところでスティーブンを撃ち殺しました。そして小屋に侵入し、見つけた二人を犯し始めますが、アニーが男の指を噛み切り、ひるんだ隙にアナが銃を奪って手下たちを射殺します。残った一人の手下にコステロの家に案内させ、自分たちを自由にするよう訴えますが、コステロはアニーに自分が父親だと告白。呆然とするアナからコステロが銃を奪い取った時、オスカーが乗り込んで来て、コステロと部下を撃ち殺し、アナとアニーを連れ帰ろうとします。しかし、瀕死のコステロがオスカーを背後から射殺し、マフィアたちは全滅したのでした。そして、アナとアニーは、マイケルとともに西海岸行きのバスに乗り、新しい生活を始めるのでした。



フルリベンジ

ずいぶんと鬼畜な映画だという評判を見て、興味を持って見始めました。この映画の原題は、「HIDDEN IN THE WOODS」で、2012年のチリ映画のアメリカでの2年後のリメイク。題名も監督も同じです。アクション的なかっこよさはありませんが、残酷さはかなり目立ちます。近親相姦ということで、鬼畜さもあります。しかし、メインの物語は、悪人面を強調したプロレスラーの悪役みたいな、屈強な男たちがいろいろ出てきて、殺し合いをするという内容でした。その中で二人の女性が逃げまどいつつも一矢を報い、悪人たちと戦うということになります。出演者の中では、やはり自ら望んでリメイクしただけに、マイケル・ビーンの怪演が大いに目立っていて、これは見ものだと思います。

男たちは、男同士で殺し合う以外は、二人の女子かその子供にやられます。そのほとんどのパターンは、彼女たちを無理やり犯そうとして油断してやられるパターン。やはり、いくら屈強な男たちとはいえ、本来の職務をまじめにまっとうしないのであれば、あとは行動が穴だらけで、いとも簡単に女子にやられてしまうのですね。まぁ。アホと言いますか、頭悪すぎと言いますか、組織的な行動とか考えていないと言いますか…。悪行ならそれなりに、真面目に悪行に励まないと、次々と斃されてしまうでしょう、ということです。まぁ、それができないから現状に甘んじているのでしょうが…。真剣勝負のときに、女性に目を奪われるのは災いの元ですよ。

鬼畜とは、近親相姦の場面ということなんですが、ほぼ冒頭の部分だけで、あとは、無意味な殺し合いが多数。笑えない場面で笑ったらから殺されるとか(笑)。そういった感じで、アクションでスカッとするよりは、クズのつぶし合いを見ているという映画でした。ラストは解放されて明るく終わるので、その落差が良かったです。2012の元ネタのチリ映画については、予告編だけ見てみましたが、ちょっと雰囲気がドロドロしているように感じたので、アメリカでのリメイクは、同じ監督とは言え、少しエンタメに寄ったのかもしれません。見る機会があれば元の映画の方も見てみたいと思いました。

2020.3.31 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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