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「ブルースの誕生」 Ruby Elzyの "St. Louis Blues" を!

雰囲気のいい音楽と映像で始まるこの映画。見てみるまで全く知らない映画でしたが、音楽を中心とした楽しい映画でした。1941年ヴィクター・シェルツィンゲル監督による映画で、ビング・クロズビーとメアリー・マーティンが、演技や歌を披露しています。オスカーでは、ミュージカル音楽賞にノミネートが1件ありました。

あらすじ
ニュー・オリンズのベイジン街で、黒人たちが新しいジャズ音楽を熱狂的に演奏していました。少年ジェフ・ランバート(ビング・クロスビー)は、厳格な父の眼を盗んでは出かけて、彼らに混じってはクラリネット演奏を楽しんでいました。そして少年は成長し、白人のブルース楽団を編成しようとします。最後に、牢に入っているコルネット奏者のメンフィス(ブライアン・ドンレヴィ)を探し当て、かつて馬車の車輪が外れて立ち往生していたところに出会った、ベティー(メアリー・マーティン)から保釈金を工面し、彼を仲間にいれました。

数日後、ベティーは7歳になるフィービー(キャロリン・リー)を連れて、ジェフを訪ねて来ます。行きがかり上、ジェフは2人を世話することとなり、ベティーはジェフに教わりブルース歌手となりました。ジェフのバンドは保守的な市民になかなか受け入れられませんでしたが、ギャングのブラッキー(J・キャロル・ナイシュ)が経営しているナイトクラブに出演すると大成功。シカゴからも出演依頼がくるようになります。しかし、ブラッキーは憤慨し、ジェフのバンドが他の店に出演するのを妨害、ついに外出できないように子分に見張りをさせました。困ったジェフとメンフィスは、練習しているふりをして蓄音器をかけ、抜け出します。気づいた子分たちは、現れたブラッキーを鉢合わせして撃ってしまい。ジェフたちはシカゴに向けて出航しようとする蒸気船に飛び乗って、ミシシッピー河をさかのぼって行ったのでした。

その後、ブルースは米国民に浸透し、次々と偉大なアーティストが活躍するようになったのでした。



ブルースの誕生

音楽の好きな仲間が、バンドをつくって活躍していく話。ざっと見ているだけでも楽しいもので、ご機嫌なジャズの音楽の中に、漂ってしまいます。そんな感じなので、あまりストーリーには集中せずに見てしまいました。といっても、それほどストーリーが凝っているものでもありません。気楽な娯楽映画だと思います。ビング・クロスビーの映画を見るのも初めてでした。あまり古いミュージカル映画を見ていないもので…。でも、この映画、たぶんミュージカル映画なんだと思いますが、絶対ミュージカルという感じもせず。ダンスがあまり無いからですかね…。

ブルースと題名にありますが、だいたい普通にポップスに聞こえます。ブルースは、ルーイ(エディ・ロチェスター・アンダーソン)が怪我で倒れた時、皆で歌っていたセント・ルイス・ブルースくらいでしょうか。このシーンはこの映画の中でも出色の場面で感動的です。そういう意味では、この場面を捕らえ、さらにシカゴへと発展していくということで、ブルースの誕生ということかもしれません。この歌を歌っているのは、ルビー・エルジー。ルーイに寄り添いながらの場面です。黒人オペラ歌手、そしてアメリカのソプラノ歌手のパイオニア的存在で、この映画の2年後絶頂期の35歳の時に亡くなりました。この部分だけでも感動的で見る価値があります。

なんとなく見始めたこの映画ですが、映画のストーリーはともかくとしても、いいものを見せて貰ったなぁという感じが残りました。いろいろな映画を見ていくと、そういった事が時々ありますが、それはとても幸せな瞬間ですので大切にしたいと思います。

2019.9.11 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「ショウ・ボート(1951)」 3度目の映画化の名ミュージカル

ショウ・ボートは1927年に初演された、ブロードウェイ・ミュージカルのタイトル。映画化も3回されています。これは、1951年の作品で、ジョージ・シドニー監督によるもの。オスカーもカラー作品部門含め、2つノミネートされました。有名なミュージカルは楽しいので、楽しみに見ました。

あらすじ
ミシシッピーを行くショウボートの物語。アンディ船長(ジョー・E・ブラウン)と母パーシィ(アグネス・ムーアヘッド)の率いるショーボートの中で育てられたマグノリア(キャスリン・グレイソン)は、年頃の美しい娘になっていました。仲がいいジュリー(エヴァ・ガードナー)は、ショウボートの主演女優ですが、黒人との混血の身で、白人俳優スティーブ(ロバート・スターリング)と結婚していることが法に触れて、ボートを去って行かねばなりませんでした。入れ替わりに、博打打ちのゲイロード(ハワード・キール)が、スティーブの後釜として乗り込んで来ましたが、マグノリアはすぐに彼と恋に落ちてしまいます。

二人は親の反対を押し切って結婚し、シカゴで愛の生活を始めましたが、ゲイロードの博打は最初こそ調子が良かったものの、徐々に落ち込みはじめ、幸福は続かずゲイロードは全財産を失い、マグノリアが妊娠していることも知らずに姿を消してしまいます。残されたマグノリアは生活に困ってしまい、ナイト・クラブに歌手として職を求めると、偶然そこにスティーブに捨てられ酒浸りになっているジュリーがスターとして在籍し、ジュリーはマグノリアの姿を見て、彼女に職を与えようと、ひっそりと立ち去りました。

代役としてマグノリアは歌手となり、やがて訪ねて来た父とも再会。父の前でも大成功を収めると、ショウボートに戻って子供を出産し、キムと名付けました。そして月日が流れ、ゲイロードはとある船の中でジュリーと再会し、マグノリアとキムのことを知らされます。ゲイロードはいてもたってもいられずショウボートに駆け付け、今はすっかり博打から足を洗ったゲイロードを、マグノリアも家族も心から和解し、歓迎したのでした。



ショウ・ボート(1951)

前半は、少しづつ話が進む感じで、じっくりと見ていましたが、ゲイロードが消えてしまい、マグノリアが一人になっていくあたりから話が展開し、父と再会してステージをこなすあたりはなかなか感動的でした。ジュリーも戻ればいいのにと思ったのですが、それはできなかったのですね。エヴァ・ガードナーは比較的後期の映画しか見たことなかったのですが、この映画を見て迫力を感じました。バンド・ワゴンで一瞬見たかな…。

ラストもなかなか感動的です。そして楽曲では、ウィリアム・ウォーフィールド(ジョー)の歌う、Ol' Man Riverは最高です。雰囲気が凄くいいと思いました。あとは、シュルツ&シュルツのダンスは楽しいのと、ジョー・E・ブラウンがなかなか味があって楽しいパフォーマンスでした。ハッピーのピを強調するところとか、日本の漫才みたいな芸でもありました。。ハワード・キールは最初から胡散臭い感じです。最後には普通の人になったみたいですが…。前半はゆっくりと話が進みましたが、途中から目が離せなくなりました。

ショウ・ボートといえば、舞台の初演メンバーであるヘレン・モーガンの出演する映画があるようです。ヘレン・モーガンの「喝采」は凄く良かったので、彼女の哀愁溢れる歌声を、この物語のジェリーの役で是非聞いて見たいと思います。それは、1936年版の作品で、微妙にストーリーの枝葉も違うようなので…。

2019.12.10 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「ルムバ」 ジョージ・ラフトのラテンダンスが売り物か…

ルムバという、何やら楽し気なハリウッド映画。若くして飛行機事故で亡くなってしまった、キャロル・ロンバードを見ることができる映画です。当時は、コメディ映画で活躍し、スクリューボール・コメディの女王と呼ばれていたとのこと。マリオン・ゲーリング監督による1935年に製作された映画です。

あらすじ
ハバナに流れてダンサーをしているジョー・マーティン(ジョージ・ラフト)は、宝くじの賞金5千ドルが当たり、大喜びで換金に出かけると、換金所で同じ番号を持った、アメリカの富豪ハリスンの令嬢ダイアナ(キャロル・ロンバード)と出会いました。実はジョーの札が偽物だと解り、ジョーは憤慨し彼女を罵倒して立ち去ってしまいます。その夜ダイアナはジョーの出演するキャバレーを訪れ、ジョーを気の毒に思い、彼に何かしら償いをしようとしますが、ジョーは勘違いし、彼女に愛の言葉を返そうとしたので、彼女のお供の青年と殴り合いになり、結果ジョーは、キャバレーを首になってしまいました。

ジョーは山村に住む伯母のもとに身を寄せ、地元の祭りにで感動し、生粋のルンバを覚えます。そして、ルンバの名手のカーメリタ(マーゴ)と再びハバナに戻ると、彼のダンスは大当たり。自立して店も持ったジョーは、再びハバナに遊びにきたダイアナにルンバを教え、彼女はルンバと共に恋心も芽生えてしまいました。ニューヨークの両親はその様子に心配になり、彼女を呼び寄せジョーについて調べると、彼はかつてニューヨークのギャングの一員で、戻ると殺されるので、ハバナに住んでいることを突き止めました。

ダイアナはあきらめて富豪青年と婚約発表。一方、ジョーはダンスを見込まれ、舞台から招聘されニューヨークにやってきます。いよいよジョーがニューヨークで公演という時、舞台に立ったら即座に命を奪うという脅迫状が届いてしまいました。これが公表されたため、公演の日は好事家が押し寄せ満員の盛況。ダイアナもやってきます。いざ、ダンスという時になって、相方のカーメリタは恐怖で失神。急遽、ダイアナが客席から飛んできて舞台に上がり、ジョーとのダンスを繰り広げました。ルンバは大喝采を得て無事終了。宣伝係は、脅迫状は客寄せのために自分が書いたものだと明かすのでした…。



ルムバ

ダンサーのジョージ・ラフトと富豪令嬢のキャロル・ロンバードを主役とする、ちょっとすれ違いのラブストーリーでした。ストーリー的にはまとまっているものだと思いますが、なんとも切れが悪いような気がして、もやもやしながら最後まで見ていた感じです。やはり、ジョージ・ラフトの雰囲気が、得意とするギャングのそれに近く、明るいキャバレーのショーダンサーの雰囲気とは少し遠い気がしました。こういった業界にギャングがつきものということもあるのでしょうが…。

キャロル・ロンバードもコメディの女王であるはずですが、あまりコメディっぽくなくて、この映画では、有閑令嬢の役を堅実にこなしています。それはそれで、いい演技であったと思います。

といった訳で、ジョージ・ラフトの演技や役どころに、あまり感情移入することはできなかったので、半信半疑のまま最後まで見てしまったというのが正直なところ。ただ、最後にはロンバードとのデュエットのダンスがあり、元ブロードウェイのダンサーであるジョージ・ラフトのダンスを見るという意味では良かったと思います。

2019.9.15 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「赤の涙」 (Migas de pan) ウルグアイ軍政の弾圧と抵抗

ウルグアイは、発表された最新の民主主義度で言えば、イギリスについて世界15位。遠い南米の国で、サッカー以外はあまりなじみがないのですが、世界有数の民主主義国家と言えそうです。そのウルグアイは20世紀末に軍政の時代がありましたが、その時代を描いた作品。2016年のスペイン・ウルグアイ合作映画で、監督はマナーネ・ロドリゲスです。
原題:Migas de pan (パン粉) パン粉は収容所の中のエピソードに登場します。

あらすじ 
2010年。息子のディエゴの結婚式に付添人として出席した写真家のリリアナ(セシリア・ロス)ですが、少し浮いて見える感じです。それを機に親類や旧友うたちと交流しますが、どこか彼女には彼らとの間には異質なものがありました。そして、友人からの連絡で、政府の平和維持軍の兵士が少年を虐待している動画がアップされていることを知らされ、その動画の当事者が逮捕されないことを憤り、必ず報いを受けさせると誓う2人でした。彼女にはそうする理由がありました。

1975年、軍事独裁政権下のウルグアイ。21歳のリリアナ(Justina Bustos)は、結婚・出産後も学生運動に参加し「独裁政治をぶっ潰せ!」と、 声高に叫び市民対してアピールします。しかし、軍事政府は彼らのアジトを見つけ出し、次々と仲間を検挙。かろうじて一度はその場から逃 げることができたリリアナも、数日後には誘拐同然に兵舎に連れ去られてしまいました。そこでは、目を疑う地獄絵図が繰り広げられていて、囚われたすべての学生たちは全裸にされ軍人たちによる拷問や性的暴行が繰り返し行われていたのでした。

拷問の日々は終わっても、長い収容所生活が待っていました。家族の面会を心待ちにしていたある日、まだ小さな息子が父と尋ねてきます。リリアナは小さな手作りの縫いぐるみを息子のディエゴに渡しました。収容所では、かつて拷問に加わった軍人に脅かされながら暮らす毎日。同室の者も自殺します。先に出所する人を見送ったりします。そして、曲がったことが嫌いなリリアナは軍人に反抗し、独房に入れられたこともありました。

1982年出所出所したリリアナは、家族に会いに行きますが、歓迎はされるものの応対は少し距離を置いたような冷たいものでした。ディエゴとは一緒に生活できず、学校で塀の外から息子を眺めるリリアナですが、先生に遠くに連れ去られてしまいます。釈放後も、かつて虐待に加わった軍人にも付きまとわれ監視されるリリアナは、意を決してブラジルに出国します。

2012年。モンテビデオに戻ったリリアナは、かつて虐待した軍人たちを、収容所の仲間たちと一緒に告訴することにします。家族や親類に類が及ぶのを恐れ、ているディエゴや妻はその行動に猛反対しまが、リリアナの意志は固く決行。リリアナたち原告団は一人一人順番に赤裸々に拷問や度重なるレイプの実態を告発。傍聴席で母の告発のを聞いていたディエゴは、その内容にいたたまれず席をはずすのでした。ある日、孫を連れて突然母を訪ねてきたディエゴ。幼い頃母に貰った小さな縫いぐるみを母に渡すと、感動したリリアナはそのぬいぐるみを孫に渡し、小さな手でしっかりと握りしめるのでした。



赤の涙

2010年。現在、彼女は軍による虐待映像がアップロードされていることを知り、過去を思い出し、悪夢の再来を予感します。そして、映画は過去の彼女に戻ります。ここで主人公が、セシリア・ロスから、Justina Bustosに交替。反政府活動家の彼女が当局に拘束されてしまい、激しく拷問されます。拷問シーンは結構ガチで、SMものと言ってもいいくらいの強烈さです。裸でつるされた多数の男女が、音楽が流される中で痛めつけられます。そして、収容所の中の情景に移行。この部分は、いろいろとエピソードは語られていますが、ちょっと冗長な感じがします。

そして、釈放、家族との再会と和解と続きます。母子の再開は大変感動的で、獄中で作った小さなぬいぐるみを息子が持っていたところがいいアクセントになっています。最後に刑務所での収監者一同が軍の関係者を提訴し、過去の清算をして一連の物語の幕を閉じます。苛烈な戦いを戦い抜いた女性たちの伝記的映画として、説得力のある映画。ウルグアイの情勢や、南米では一番の民主的な国家と言われているらしいのですが、そのウルグアイの民主主義の伝統は、彼女たちの戦いの上にあるということを事実として伝える映画。はっきり物を言う女性たちが神々しくもあります。もう少し引き締まった構成になると良かったと思いました。ちょっと中間部が惜しい気がしました。

セシリア・ロスと、Justina Bustosの2人が、若いころと現在を2人で演じ分けています。繋がりも悪くなく、それぞれに大変雰囲気のあるいい演技だと思いました。セシリア・ロスの演じるリリアナは、過去にJustina Bustosの演じた若いころのリリアナの経験をしっかりと受け継いで、その上にある孤高の崇高さを漂わせる演技でした。二人ともアルゼンチン生まれで、スペイン語圏の名優と思います。

2019.12.01 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「ダラスの熱い日」 ドキュメンタリーとフィクションの狭間

小学生のころ、この映画がかかっていた記憶があります。そして、ケネディ暗殺の話などを知りました。という意味で、懐かしい感じのする映画ですが、今回初鑑賞。いろいろと、事件に至る経緯が描かれていそうで楽しみです。1973年のデイヴィッド・ミラー監督の作品で、ダルトン・トランボが脚本を書いています。このなかなか印象に残る邦題がいいですね。
現題:Executive Action

あらすじ
1963年夏、狙撃実験をしている男たち。彼らは元CIA高官のジェームス・ファーリントン(バート・ランカスター)から依頼された暗殺者たちでした。その頃、元軍人ロバート・フォスター(ロバート・ライアン)の邸宅に4人の男達が集まっていました。フォスター、ファーリントンに、石油王、ハワード・ファーガソン(ウィル・ギア)そして右翼の退役将校ウィリアム・ハリディ(ジョン・アンダーソン)。彼らは、ケネディ大統領の先進的な政策が、アメリカの未来に重大な危機をもたらすと考え、大統領暗殺を実行しようとしていたのでした。

ファーリントンの指揮で暗殺の計画を推し進め、暗殺のカムフラージュとして、政治的狂信者のよるものと見せかけることとし、リー・ハーベイ・オズワルドを犯人に仕立てる事にします。彼は、FBIの下級スパイで、ソ連に渡り、表向きは社会主義者を装っていた人物。このオズワルドを暗殺者に仕立る為に、いろいろな状況をでっち上げていきます。そして、ケネディがベトナムからの全面撤退という声明を出したときに、決行を決断。暗殺者グループに指令が伝えられました。

フォーリントンは、通信の撹乱や情報操作を行うとともに、オズワルドそっくりの男(ジェームス・マッコール)を雇ってオズワルドに成りすまさせて奇行をさせ、オズワルドを市民に印象づけていきます。そして、大統領がダラスに到着。アメリカに輝かしい未来をもたらしてくれる男を見ようと、沿道を人々が埋める中、暗殺者は所定位置につき、銃口が火を吹いたのでした。そして、本物のオズワルドは計画通り逮捕され、その2日後、暗殺者によりオズワルドも射殺されるのでした。



ダラスの熱い日

何となく、暗殺が絡むので、アクションものというイメージがありましたが、そうでは無かったですね。アクション要素も少しありますが、ほぼポリティカル・フィクションといいますか、全くフィクションという訳ではなく、当時公式発表以外に、いろいろと推測されていたケネディ暗殺事件の内幕を探る映画ということでした。実際の映像がいろいろと白黒で挿入されるので、ドキュメンタリータッチでもあります。緊張感のあるうまい構成です。

主役で活躍するのは活躍するのは主にバート・ランカスターとロバート・ライアン。暗殺事件の裏で糸を引く保守系の要人という役回りでした。政府のいろいろな部署や保守系の関係者と通じながら、着実に罠を仕掛けていく役割です。インテリ系の黒幕という静かな役柄を演じています。一方で現場で動き回る役柄は、アクション的ないろいろな演技もあって、目立つのは贋オズワルドのジェームス・マッコールや、狙撃者たち。エド・ローターとか、はまっていていいですね。

ケネディ暗殺事件を扱った映画はたくさん作られていますが、これはその最初期のものだと思います。そして、この事件はアメリカの歴史の中でも大きな転換点となっているのでしょう。産業界の利益の追求や、その為に利益誘導のシナリオを作っての他国への干渉や他国の戦場化が行われていきます。映画では、もし暗殺されなかったらというB級?SF映画も制作されていますね(Timequest(2000))。未見ですが、ちょっと興味があります。

2020.1.12 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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特集記事一覧①

今まで、特集という事で連続してアップした記事です。

<特集> SF映画の古典 (2/10-2/14)

SF映画の古典ということで、古くて有名なSF映画を集めてみました。フランケンシュタインは、SFと言えるかどうかというところは、かなり異論があるところで、自身も、書かれた時代からSFとは思っていないのですが、マッド・サイエンティスト物の元祖ということでご容赦いただきたいと思います。古典なので原作も古く、H・G・ウェルズが2本登場です。

2/10 フランケンシュタイン (1931)
2/11 透明人間 (1933)
2/12 地球の静止する日 (1951)
2/13 宇宙戦争 (1953)
2/14 人類SOS! (1963)

この分野、まだまだ見たい作品がたくさんあります!

<特集> マリリン・モンロー (2/3-2/7)

アカデミー賞シーズンになりましたが、あまり縁がなさそうなマリリン・モンロー特集です。マリリン・モンローは、セックスシンボルとして、或いは大衆文化のアイコンとして、短い活躍時期にかかわらず、広く世界の文化として浸透しています。そんなマリリン・モンローなんですが、映画を見ていて感じるのは、とびぬけたカリスマ性を持ち、一種孤高の存在のように感じます。悪く言えば、グループに入ると浮いているようにも感じるのですね…。そんなマリリン・モンローの映画、ここ最近みた5本です。

2/3 ナイアガラ (1953)
2/4 紳士は金髪がお好き (1953)
2/5 百万長者と結婚する方法 (1953)
2/6 七年目の浮気 (1955)
2/7 王子と踊子 (1957)

特に、後ろの2本は、彼女の魅力が最大限楽しめました。

<特集> 70年代アクション映画 (1/27-1/31)

70年代のアクション映画といえば、○○ロードショーといったテレビ番組を連想してしまいます。そのような雰囲気を持つ作品をいくつか見てみたので、まとめました。全部そのものズバリというものとはいかなかったのですが、B級作品から大作まで取り混ぜて…。有名なものは見ているものが多かったので、見ていなくてかつ、今手ごろに見られるものがあまり無かったということもありました。でも、こうして見てみると、やはりどの映画も時代を懐かしく感じてしまいます。

1/27 ダイヤモンドの犬たち (1976 愛)
1/28 ブラックサンデー (1977 米)
1/29 バニシング (1976 伊)
1/30 マッドストーン (1974 豪)
1/31 ミラノカリブロ9 (1972 伊)

このページをアップし忘れていました…失敗(笑)

<特集> カナダ映画から (1/20-1/24)

カナダ映画ということに関して、あまり明確なイメージがなかったのですが、Amazon Primeにいろいろ登場したので、いくつか見てみました。そもそもアメリカ映画の亜流・B級のイメージが強かったのですが、特にフランス語圏では、フランス映画のような特徴のある作品が作られていて、何度か見たこともありました。今回は、それらを混ぜ合わせての特集です。続けてみていると、なんとなくカナダ映画のイメージが出来上がっていきました。

1/20 スキャナーズ (1981)
1/21 真夜中の処刑ゲーム (1983)
1/22 アメリカ帝国の滅亡 (1986)
1/23 サラは走る (2013)
1/24 イカルイト (2016)

これらは、決してカナダ映画を代表する作品というわけでもないと思いますが、どれも特徴のある面白い作品だと思います。映画祭も盛んなカナダなので、作家性を前面に出した作品も多いのでした。

<準特集> 何の脈絡もなくB級ホラー集 (1/13-17)
やる気のない特集なので、準特集としました(笑)。たまに見ていたB級ホラーがたまっていたのでまとめました…。ということです。B級ホラーを探求している訳でもなく、ちょっと息抜きに見ていたという感じです。それに、お勧めできるものばかりでもありませんので…。恐縮ですが、ならべてみました。

1/13 デッド・フライト (2007)
1/14 プロジェクト・ゼロ (2010)
1/15 ディセント ザ・ダークサイド (2013)
1/16 ロスト・ガール 魂を失った少女 (2014)
1/17 パラサイト 禁断の島 (2019)

いずれにしても、ツッコミどころ満載の映画が多いと思いますが、デッド・フライトは面白かったですね。ロスト・ガールは個人的には雰囲気が好きです。

<特集> 城定秀夫監督のVシネマ (1/6-1/10)
今回はちょっと趣向を変えて、城定秀夫監督のVシネマでいきたいと思います。昨年(2019年)の秋に、ポレポレ東中野で、城定監督のVシネマが、10作品、劇場初公開されたようです。なかなか劇場では見られない作品と思いますが、それにあやかってみました。その時の公開作品中、なんと5作品が、Amazon Primeの会員特典で見ることができたのです。ちょっと得した気分です。

1/6 わたしはわたし~OL葉子の深夜残業~ (2018 市川まさみ)
1/7 悲しき玩具 伸子先生の気まぐれ (2015 古川いおり)
1/8 嘆きの天使~ナースの泪~ (2015 神咲詩織)
1/9 ミク、僕だけの妹 (2018 伊東ちなみ)
1/10 僕だけの先生~らせんのゆがみ~ (2016 湊莉久)

その他の公開作品
花咲く部屋、昼下がりの蕾(波多野結衣) / 犯す女~愚者の群れ~(浜崎真緒) / 妻の秘蜜~夕暮れてなお~(天使もえ) / ケイコ先生の優雅な生活(七海なな) / 悦子のエロいい話~あるいは愛でいっぱいの海~(めぐり)

<特集> IMDb Top Rated Movies (12/30-1/3)
年末もだんだん押し詰まって来たので、有名作品をいろいろ見てみようと思い立ちました。どうやって選ぼうかと考えた末、いつも見ているIMDbから、レートの高い順に見ていこうという事です。その中で未見の作品を順番にと。シリーズ物は、単体で見れないので外しました。あとAmazonの配信で見れなかったものも。いままでそういう視点で見てこなかったので、未見の作品がけっこう多いです(笑)。

12/30 インセプション (2010)  13位
12/31 フォレスト・ガンプ 一期一会 (1994)  12位
1/ 1 ファイト・クラブ (1999)  10位
1/ 2 ダークナイト (2008)  4位
1 /3 ショーシャンクの空に (1994)  1位

新しいところで、ノーランが2本。フィンチャーが1本。このあたりは、勢いがありますね。その他1位から15位までは、
2位 ゴッドファーザー / 3位 ゴッドファーザーPARTII / 5位 十二人の怒れる男 / 6位 シンドラーのリスト / 7位 ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 / 8位 パルプ・フィクション / 9位 続・夕陽のガンマン 地獄の決斗 / 11位 ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間 / 14位 スター・ウォーズ 帝国の逆襲 / 15位 ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
以上、15位まででした。(赤字は鑑賞済み)
ロード・オブ・ザ・リングが人気です。

<特集> ヨーロッパ文学名作集 (12/16-12/20)
ヨーロッパの文芸作品を映画化した作品。いくつか見たので、久しぶりに特集にしてみました。作品が成立した国と、映画製作国は必ずしも一致していませんが、何度も映画化されている作品もあり、それぞれに映画表現を競っていると思います。よく親しまれている、英・仏・独・露の文学を一応そろえてみました。一作品だけで特集が組める小説もありますね。

12/16 チップス先生さようなら(1939)・・・・・・・・・・・ヒルトン(英 1934)
12/17 アンナ・カレニナ(1948)・・・・・・・・・・・・・・トルストイ(露 1877)
12/18 忘れじの面影(1948) 小説題:未知の女からの手紙・・ツヴァイク(墺 1922)
12/19 ボヴァリー夫人(2014)・・・・・・・・・・・・・・・フローベール(仏 1857)
12/20 嵐が丘(1992)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Eブロンテ(英 1847)

過去掲載作品より抜粋です。
恐るべき子供たち(1950) コクトー(仏1929)、チャタレイ夫人の恋人(2015) ロレンス(英1928)、嗤う分身(2013) ドストエフスキー(露1846:二重人格)、ジェイン・エア(1996) C・ブロンテ(英1847)、白夜(1957) ドストエフスキー(露1848)、椿姫(1936) デュマ・フィス(仏1848)、カルメン(1948) メリメ(仏1845)、グリプスホルム城(2000) トゥホルスキ-(独1931)、肉体の悪魔(1986) ラディケ(仏1923)


<特集>フレッド・アステア 11/25-11/29
最近、フレッド・アステアの映画をけっこう見ていたことに気づきました。先週は、せっかく特集とかやってみたので、今週も続けてみます。たまたま今月は、シネマ・ヴェーラでアステア特集を1ヶ月間やっていますが、それは偶然の一致。特に関係ありません。アステアといえばダンスですが、アカデミー賞は名誉賞以外には、「タワーリング・インフェルノ」での助演ノミネートだけなんですね。エンターテイナーとして脂の乗り切った時期は、演技する俳優として評価されると不利だったという事でしょうか。いずれにしても生涯にわたって映画を盛り上げて来た、偉大な存在だったと思います。

 11/25 コンチネンタル (1934)
 11/26 スイング・ホテル (1942)
 11/27 イースター・パレード (1948)
 11/28 恋愛準決勝戦 (1951)
 11/29 バンド・ワゴン (1953)

5作並べても、あまりにも出演作が多すぎて氷山の一角という感じですね。


<特集>アラン・ロブ=グリエ 11/18-11/22
最近、Anazon Prime の特典動画にアラン・ロブ=グリエが一挙登場していたので、順番に見ていきました。昨年だったか、日本でも旧作が一気に公開されていましたが、残念ながら見られなかったので、いい機会でした。日本語字幕で見られるのがうれしい!

ということで、5日間連続して載せていきます。
 11/18 不滅の女(1963)
 11/19 ヨーロッパ横断特急 (1966)
 11/20 嘘をつく男 (1968)
 11/21 エデン、その後 (1970)
 11/22 快楽の斬新的横滑り (1974)

昔から気になる監督さんだったので、並べてみました。

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「人類SOS!」 トリフィドの日は破滅テーマSFの古典

ジョン・ウィンダムのトリフィドの日は、SF小説の名作の一つ。古典の部類に属する作品と思います。そんなトリフィドの日の映画化作品を見つけたので見てみました。1963年のイギリス映画で、スティーヴ・セクリー監督の作品になります。原題は、The Day of the Triffidsで、小説と同じです。邦題もそれで良かったのではないかという思いが強く残りますが、当時はSF文学などマイナーだったでしょうから、仕方がないところかな…。

あらすじ
ある日、地球に激しい流星の雨が降り注ぎ、その閃光を見た者は目が見えなくなってしまいました。またトリフィドという植物が突然成長を始め、しかも、移動し始めただけでなく、人間をも襲い始めます。メイソン(ハワード・キール)は目に繃帯をして入院中だったので失明を逃れ、盲人で大混乱する街の中で、目の見える少女スーザン(ジャニナ・フェイ)を助けると、車でロンドンを離れます。

一方で、ある海岸の灯台で生物学者トム(キーロン・ムーア)と妻のカレン(ジャネット・スコット)もラジオを通じて、世界のほとんどの人が盲人になったことや、人間を襲う植物の出現の話を聞いていました。そして、この奇妙な植物の進出はその灯台にまで及び、トムは激闘の末、撃退することに成功します。そしてトリフィドを絶滅させる研究を進めました。

メイソンたちは、ある広壮な邸宅を訪ね、3名の健全な目を持つ生存者に出会います。メイソンは彼らに、身の危険と退避を説得しますが、盲人たちを置き去りにできないと同行を断られました。しかし、トリフィドの進出はここにもおよび、遂に3人は退避し、避難用のアメリカの潜水艦に乗り込むことができました。灯台の2人に更に危険が迫り、トリフィドが室内に侵入してきますが、トムが咄嗟に消火用の海水をかけた時、意外なことに怪物は溶け始めます。海水でこの恐るべき怪物を撃退することができたのです。人類はトリフィドの脅威から逃れることができたのでした。



人類SOS!

ウィンダムのSFの古典的名作「トリフィドの日」の映画化作品。植物による侵略者ということでは、ボディスナッチャーに似たSFでもあります。原作はそこそこの長編で、社会的風刺的なところとか入っていたと思うのですが、ここは単純化されて怪物対人間に特化した雰囲気になっていました。イギリスのSFだけあってちょっと硬めの構築観を感じます。

破滅テーマのSFだけあって非情な展開ということではありますが、映画にしてみると邸宅から脱出するところとかあっさりし過ぎていて、もっと葛藤があった方がいいと思いました。原作の良さがあまり出ていないのではないでしょうか。当時受け入れやすいSF観はこういったものであったのかもしれませんが…。

呪われた村は何度か映画化されていますが、こちらの方はそれほど恵まれていないようです。ひところ破滅テーマSFとしては必ず名前の出る小説だっただけに、モンスター対人間というだけでなく、いろんな要素を盛り込んだ形にできないかな?とも思ったりします。2009年にテレビシリーズが製作されたみたいですが、やはりいまさら映画化するには、すでに過去の作品なのかな?

2019.9.22 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「宇宙戦争(1953)」 当時の素晴らしいSFXを楽しむ

宇宙戦争と言えば、SFの父、H.G.ウェルズのSFの中でも、最も有名な作品と言えると思います。SFの父と言えばヴェルヌも挙げられるのですが、ちょっと冒険ファンタジー色がありますので、やはりSFといえばウェルズと思います。スピルバーグのリメイクもまだ記憶に新しいですが、こちらは1953年のジョージ・パル製作の元祖宇宙戦争です。

あらすじ
ある夜、流星のような宇宙船がロサンゼルス近郊に着陸しました。同じものが同時に、世界各地にも着陸し、その中から、高熱光線を持つ戦闘兵器が出現します。この調査にあたった、物理学者クレイトン・ウォレスター博士(ジーン・バリー)は、現場で知り合った科学者のシルヴィア(アン・ロビンスン)とともに確認した結果、この物体は火星から来た強力な侵略兵器と判明しました。近くの基地からヘフナー大佐率いる海兵隊が出動しましたがまったく歯が立たず、クレイトンとシルヴィアは、逃げ込んだ農家で火星生物と戦い、その一部を手に入れて帰還しました。

アメリカ軍は最新の原爆も用いましたが、効果は無く、クレイトンもシルヴィアも研究材料を持って防御線を敷いたロッキーに向かいますが、ロサンゼルスで、恐怖におそわれ暴徒化した市民に阻まれ、2人はお互い離れ離れになってしまいました。火星人の攻撃はついにロサンゼルスに及び、壊滅的な被害を与え始めます。そして、運命を神に託した人たちが祈りを捧げる街角の教会でついに彼がシルヴィアを発見したとき、怪光線が教会を破壊し始めます。しかし突然それは攻撃を停止し、動かなくなってしまい、同じ事が世界中で発生しました、火星人は地球上の生物が免疫になっているバクテリアによって全滅してしまったのでした。



宇宙戦争

素晴らしいSFXを見られる映画です。SFの偉大な古典の映画化は、最近?のトム・クルーズのものは劇場で見ました。小説も読んだハズです。やはり、この映画はSFXです。火星人や戦闘艇の造形やその破壊活動などなど、いろいろなところに工夫が凝らされています。この映画は、アカデミー特殊効果賞そして、ヒューゴー賞を受賞。素晴らしい出来栄えです。

原作の書かれた時代や、この映画の製作された時代から、突っ込みどころはいろいろありますが、当時としてはこれで良かったということでしょう。今となっては、そのような点を上手く減らして、ストーリーをスムーズにつなげて欲しいなという感じも無いではありません。 ともあれ、本来の小説のストーリーに乗りながら、特撮を思う存分楽しむことができれば、いい時間が過ごせる映画だと思いました。

俳優陣では、ジーン・バリーの出世作ということ以外は、それほどメジャー感がないようです。SF映画の認知度としては、現在のようにトム・クルーズが出るような環境とは違うので、やはり当時はまずSFXと奇抜なストーリーが売りだったということでしょうか。SF映画の歴史を語るうえでも、必ず押さえておきたい映画ですね。

2019.8.18 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「地球の静止する日」 善良な宇宙人を配したSF映画の名作

この映画は、名高いSF映画で、古典としてもよく名前の出てくる作品です。Amazon Primeに合ったので、早速見てみました。1951年のロバート・ワイズ監督の作品で、ゴールデングローブ賞国際賞を受賞しました。原作となったのは、アスタウンディング誌の編集長でもあった、ハリー・ベイツの短編「主人への告別」ですが、内容は大幅に改変されているようです。

あらすじ
ワシントン上空に現れた奇妙な飛行物体が着陸し、中からクラトゥ(マイケル・レニー)という、英語を話す男が現れます。彼は他の星から飛来し、危害を加えるつもりはないと話しますが、警備兵たちは発砲。するとロボットのゴートが現われ、周囲の武器をすべて破壊しようとしますが、クラトゥはこれを静止します。病院に運ばれたクラトゥは地球が危機に瀕していると語り、世界の指導者と会いたいと話しますが、冷戦期であり無理ということが判明しました。

政府が地球の危機を救うのには役に立たないことを知ると、クラトゥは病院を抜け出して、市民と生活を始めます。そして、親密になった家族を介して、科学者のバーンハート教授(サム・ジャフェ)と知り合い、教授に対してクラトゥは、人類が開発した核兵器は、やがて他の星に危害を加える可能性があり、宇宙の平和維持機関によって地球が危険因子として認定され破壊されようとしていることを告げます。バーンハート教授は、クラトゥの依頼に応じて世界中の科学者や各分野のリーダーたちを招集することとしました。

クラトゥは力を証明する為、すべての電気を止めて見たりしますが、これで政府はクラトゥを危険な存在と認識し、彼を追い詰め銃殺してしまいます。その時ロボットのゴートが動きだし、クラトゥを抱きかかえて宇宙船に戻るとクラトゥを蘇生させました。そして、ちょうど宇宙船の前に集まった世界中のリーダーを前に、クラトゥは最後の演説を行います。地球人に対し、平和に生きるか、核の競争を続け滅亡するかという命題を与え、最後の選択を地球人に託して故郷へと帰っていくのでした。



地球の静止する日

高名なSF映画です。名前はかねがね伺っておりましたが、今回初めて見ることができました。人類の科学の発展と新兵器を用いた軍拡競争に危機を抱いた異星人が警告にくる話。ラストは人間に任せられますが、人類はこれで本当に理解したのかな?確かにキューバ危機など脱してはおりますが、やっていることは相変わらずです。つまりは、神の裁きはいつでも下りますよ!というお話でした。2008年に、「地球が静止する日」という邦題でリメイクされました。 同年には「地球が静止した日」という映画も作られていますが、これは劣化版のようです。

私は、そもそも題名から、てっきり自転が止まる話と思っていたので、見てみるまでは、何となく「妖星ゴラス」のような話を思い描いていました。全然違いました(笑)。クラトゥとゴートは、SF映画としてのいいキャラクターで、後々のSF映画に影響を与えていきます。クラトゥが人間に扮していろいろと体験していく様子は、なかなか面白く感じました。

クラトゥは、善良な宇宙人のはしりとのこと。以降、善良な宇宙人としては、ETへと繋がっていきます。人間側では、パトリシア・ニールとヒュー・マーロウ。婚約者の化けの皮が剥がれるところが愉快でした。

俳優陣は、やはりマイケル・レニーの宇宙人役が微妙な感じを良く出ていて圧巻。ロバート・ワイズ監督は、歴史上に燦然と輝くミュージカル映画で、2回オスカーを獲得していますが、その作品群にはB級映画もかなり多く、また、「アンドロメダ…」や、「スタートレック」など、SF映画にはかなりのこだわりをもっていたようです。

2019.8.17 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「透明人間(1933)」 古典SFの映画化で、リブートも決定

H・G・ウェルズの古典SF作品の一つ透明人間は、いままで何度か映画化されています。その代表的な存在であるのがこのユニバーサルの透明人間で、ユニバーサル・モンスターズの一つとして映画化されました。1933年の映画で、監督はジェイムズ・ホエール。1934年のヴェネツィア国際映画祭で、Special Recommendationを受賞しました。

あらすじ
顔を包帯で覆い、黒いサングラスをした奇妙な男が、アイピングという村の宿屋にやってきます。男は部屋への出入りを禁じ、閉じこもって実験を開始しますが、それは透明人間状態から回復するための研究でした。宿屋の主人(フォレスター・ハーヴェイ)とヒステリックな妻(ウナ・オコーナー)が、部屋代の滞納の対応で男を追い出そうとすると、男が暴れだし、笑いながら包帯を剥ぎ取って主人を階段から落としてしまいます。そして、男が透明人間であることが明らかになったのでした。彼は服を全部脱いで透明な姿になると、村でいろいろな騒動を起こします。警察はその証言を相手にしませんでしたが、やがて警官が透明人間に絞殺され、村は一気に恐怖に陥れられました。

透明人間は、モノケインと呼ばれる薬品を使った実験により、ジャック・グリフィン博士が発見し、自ら使用したものでした。彼は研究所から長らく消え失せており、師のクランリー博士(ヘンリー・トラヴァース)や、同僚のケンプ博士(ウィリアム・ハリガン)、グリフィン博士の婚約者のフローラ(グロリア・スチュアート)は彼の行方を追っていました。しかし、モノケインはグリフィンを透明にしたうえで、性格までも変え、凶悪で透明人間として世界征服をたくらむまでになっていたのでした。宿屋から逃げてきたグリフィンは、ケンプを監禁し、助手になって世界征服を助けるよう要求します。ケンプは、グリフィンの隙をみて、クランリーに助けを求めると同時に警察に通報。クランリーとともにやってきたフローラは、グリフィンとの愛を確認し、これ以上の犯罪行為をやめるよう説得します。

グリフィンは警察が来たのを見て、ケンプが裏切ったと知り、翌日の午後10時に殺害すると予告します。ケンプは警察の支援もあって、警察官に変装しますが、グリフィンに見破られ、殺害されます。なおも、凶行を続けるグリフィンですが、ある農夫の通報で、納屋に透明人間らしい者がいることを突き止め、納屋に火を放つとグリフィンは納屋から出て、逃走しますが、積った雪の上の足跡が残ってしまい、警察に見破られ銃撃されました。グリフィンは病院に搬送され、そのフローラが見守る死の床で、モノケインの効果が薄れていき、実体をあらわすのでした。



透明人間 1933

H・G・ウェルズのSFでは、宇宙戦争やタイムマシンほどの派手さはないのですが、この作品も有名なもので、この映画も非常に堅実に作られていると思いました。やはり、見どころは、服だけ着た透明人間とかの特撮映像だと思いますが、なかなか見事な出来栄えで、雰囲気が良く出ていると思います。自転車が走るところとかも、映像的工夫が面白く感じました。透明人間の性格も悪に徹しており、それが死んで顔が現れるラストは、なかなか印象的でした。

熱演は、宿屋の妻のウナ・オコーナーですが、この描写はなかなか面白かったと思います。なにか典型的なものをいろいろよく表していると思いました。あとは、警察や村人たちの慌てぶりとかがなかなか面白く感じました。逆に、博士たちは普通でした。ただ、全体的にきっちりしていると思います。さすが、フランケンシュタインのジェイムズ・ホエール監督です。ホラー専門かと思ったら、1936年のショウボートとかも撮っているのですね。
  
さて、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の失敗で音沙汰がなくなっていたダークユニバースですが、いよいよ2020年の2月に、この透明人間で復活するようです。今後単体物としてリブートするとのこと。監督は、リー・ワネル、俳優は、エリザベス・モスや、オルディス・ホッジらの名前が挙がっています。いずれにしても、予告編を見る限りは、現代風にリブートされているようですので、どんな趣向が凝らされているか楽しみです。

2020.2.7 HCMC自宅にてAmazon Prime よりのパソコン鑑賞 

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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