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「タルサ」 米国油田地帯に於ける環境問題とスペクタクル

Amazon Primeの特典動画に「タルサ」という映画が登録されていたので鑑賞してみました。1949年の映画。監督はスチュアート・ハイスラーで、主演はスーザン・ヘイワードになります。いずれにしても予備知識の無い映画でした。タルサとは、オクラホマ州第二の都市で、石油産業で発達した町の名前です。

あらすじ

1920年代のタルサは石油ブームで賑わっていました。牧場主であるチェロキー(スーザン・ヘイワード)の父、ネルス(ハリー・シャノン)は牛が油田の影響で死んでしまったことから、採掘業者に抗議に出かけ、事故で亡くなってしまいます。残されたチェロキーは、業者に賠償を求めるも取り合ってもらえず、彼らと張り合い、親友で牧畜にかけるジム(ペドロ・アルメンダリス)と若き地質学者のブラッド(ロバート・プレストン)の助力を得て、引き継いだ採掘権を使い採掘に乗り出しました。そして、彼女は破産寸前のところで見事に成功し、石油女王へと登り詰めていきます。

当初はジムやブラッドと協調し、秩序ある採掘を心がけ、順調に進めているように見えたチェロキーの採掘事業ですが、より大量に採掘し利益分配を求める地権者。油田と牧畜の共生を目指し、環境負荷を与えない開発を理想とする牧場主やジムとブラッドが対立が表面化していくようになると、チェロキーは同業者で競争相手のタナー(ロイド・ガウ)との共同事業を承諾し、利益優先で無秩序な開発に舵を切ってしまいます。ジムの牧場では汚染された水で牛が死んでいき、彼は放心状態で確認の為石油の浮く小川に火をつけた時、火の手は予期せず大きくなってしまい、油井は次々と延焼し凄まじい大火災となってしまいました。ジムとチェロキーは火に包まれてしまい、絶体絶命の中で、ブラッドによる決死の救出劇に助けられ、チェロキーは初心を取り戻し、ブラッドの胸に飛び込むのでした。



タルサ

見ていてなかなか楽しい映画でした。やはり、スーザン・ヘイワードの明るくて活発なところが良かったと思います。彼女の演技は、最近では「奥様は魔女」のエステル役で見ましたが、脇役からスタートして順調に出世してきた女優さんで、愛嬌もありパワーもありと素晴らしいと思いました。この映画でも泥まみれも厭わない体当たりの演技です。彼女は、 「風と共に去りぬ」のオーディションではファイナリスト。その後も順調に活躍し、50年代後半にカンヌの女優賞そして、ついにオスカーでも主演女優賞に輝きました。

この映画のメインテーマである、開発と環境、そして共生の問題。このタルサにおける環境保護や自然との共生の考え方から、当時すでに、公害というものは身近なものになっていたことが解ります。まさに、タルサは時代の先端を行っていたようです。そして、自ら克服したことを誇らしげに語る映画。油田の環境問題と牧畜との共生、そして先住民との共生など、チェロキーの心の変化や出世物語以外にも、いろいろと盛り込まれている盛りだくさんな映画でもあると思いました。

その面白いストーリー展開に加え、ラストは文句なしの迫力があり、後年のパニック映画を思わせるような、一級のスペクタクルになっています。全体を通して、一級の娯楽作品であると同時に、当時の問題提起が織り込まれた、バランスの取れたいい映画だと思いました。

2019.8.17 HCMC自宅にてAmazon Prime よりパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「或る夜の出来事」 スクリューボール・コメディを確立する

この映画を見る少し前に、クローデット・コルベールの「ミッドナイト」というラブコメを見て、とても面白かったので、この映画も期待大で鑑賞しました。1934年の映画で、アカデミー作品賞受賞作品。この年のアカデミー賞では、作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞の5部門を受賞するという、まさに主要部門を総なめにした感があります。フランク・キャプラ監督の作品になります。

あらすじ

大富豪のアンドルース(ウォルター・コノリー)の一人娘エリー(クローデット・コルベール)は、父の承諾を得ず飛行家キング・ウェストリー(ジェームスン・トーマス)と婚約したため、マイアミで父のヨットに監禁されます。辛抱できない彼女は海に跳び込み逃亡。キングのいるニューヨークへと夜間バスに乗りこみました。バスの中でエリーは、新聞記者ピーター・ウォーン(クラーク・ゲーブル)と同席になり、一方でアンドルースは、懸賞金付きで行方を捜索させ始めます。ピーターは新聞を見て事実を知り、これは記事になると考え、彼女とのバス旅行を続けていくことにしました。

途中、アンドルースの捜索の手が伸びてきますが、ピーターの機智によってこれを躱し、2人は徐々に親しくなっていきます。所持金を使い果たした2人は、野宿をしたりヒッチハイクをしたりと苦楽をともにして、遂にニューヨーク郊外まで来た2人はバンガロー宿泊。その夜ピーターを恋してしまったエリーは、彼に想いを打ち明けます。ピーターは無一文では結婚を申し込む訳にゆかないと思い、エリーが眠っている間に抜け出して、新聞社にロマンチックな旅行記を売り込み、急いで引き返しました。ところが、夜中に目を覚ましたエリーは、ピーターに捨てられたと思い、父に迎えに来るように連絡。アンドルースは娘の無事を喜び、ウェストリーとの結婚を許可。盛大な式の準備を進め始めます。しかし、浮かない顔のエリーの心中を知ったアンドルースは、ピーターの真意も聞き、結婚式の最中にエリーをピーターの元に走らせ、ウェストリーとの結婚を解消。そして、ピーターとエリーは田舎の安宿で新婚の夜を迎えるのでした。



或る夜の出来事

クローデット・コルベールの「ミッドナイト」を見たばかりという時に、その繋がりで鑑賞しました。Wikipediaには「スクリューボール・コメディ」というジャンルを決定的に登場させたと考えられているのは、この映画である。 と書かれています。どう転ぶか解らない突飛なコメディというのは語感の通りで、先だっての「ミッドナイト」も同じような展開。なかなか楽しめました。「ミッドナイト」は、1939年。この映画の5年後でした。そして、こちらはオスカー5部門受賞の快挙。かなり、”格上”です(笑)。

映画の歴史の中で、その後のこのパターンの作品はかなり多いので、本家はここにあると思えば感慨深いものがあります。サイレント時代のドタバタコメディから、トーキーの時代に変わり、会話によるコメディが登場。そして、ラブストーリーとコメディを掛け合わせたラブコメの時代に入ってきます。そして、ここに一つの形が完成されたのです。この映画では、ヒッチハイクなどで困難を乗り越えながら、2人の気持ちが接近していき、最後にはジェリコの壁が崩れるという洒落た展開が決まり、とても楽しくなります。クローデット・コルベールって、自分的にはそれほど好きなタイプでもないのですが、こうして演じているのをみると素晴らしいと思います。

この映画で、興味深かったのは、長距離夜行バス。原作は流行作家サミュエル・ホプキンス・アダムズの「Night Bus」という小説との事ですが、この当時、この距離を長距離バスで移動するにはどのくらい時間がかかったのでしょう。これは、かなり疲れそうです。バネや椅子も固そう…。バスは当時は鉄道の代替手段として一般的だったのでしょうか。そして、同じ小説を原作とした、「夜の乗合自動車」というミュージカルもあります。こちらは、1956年で、ジューン・アリソンとジャック・レモンによるもの。これも見てみたい…。ところで、ジェリコの壁ということは、最後には崩れるものだという意味も含められていたのかな???

2019.8.10 HCMC自宅にてAmazon Primeよりパソコン鑑賞

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ジャンル : 映画

「オズの魔法使」 画期的なミュージカル・ファンタジー

「オズの魔法使」有名な有名なミュージカル映画だったのですが、私はむしろ、特撮映像であるとか、初期のカラー映像であるとか、技術面のイメージを強く持っていました。機会無く見逃していたのですが、というか見ようと思えば容易に見られたとは思いますが、今回Amazon Primeで見つけたので、これを機会に念願の鑑賞です。1939年製作、ヴィクター・フレミング監督によるアメリカ映画です。

あらすじ

カンザスの農場に住む少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)は、愛犬トトが近所のミス・ガルチ(マーガレット・ハミルトン)からいじめられ泣きながら帰ってきます。そして竜巻が襲来し、ドロシーは家もろとも高く吹きあげられでしまいました。やがて降り立ったのは見たこともない不思議な場所。現われた北の魔女グリンダ(ビリー・バーク)から、ここはマンチキンだと教えられます。そして、悪い東の魔女がドロシーの家に押しつぶされて死んていました。グリンダは妹である西の魔女の復讐のを心配し、ドロシーに故郷に帰るように提案しますが、それにはエメラルド・シティに住むオズの大魔王の力を借りなくてはいけませんでした。

ドロシーはエメラルド・シティを目指して歩いて行くと、途中で知恵を欲しがっている案山子(レイ・ボルジャー)と、心を欲しがっているブリキ男(ジャック・ヘイリー)と、勇気を欲しがっているライオン(バート・ラー)を仲間に加えます。エメラルド・シティに到着した一行は、城内に入ることを許され、オズの大魔王に対面を願い出ますが、その条件として西の魔女の箒を持ってこいと命じられました。そして一行は魔女の城へ向かい、全員の機転と勇気で魔女を倒し、箒を持ち帰りました。

大魔王(フランク・モーガン)は、案山子やブリキの男やライオンの願いは今回の冒険により既に果たされていると話し、3人に贈り物を渡します。そしてドロシーは、最後にはグリンダの助け舟もあり「家が一番」と強く願います。そして、ドロシーを心配する、伯父伯母をはじめ、農場の人たちに囲まれて目を覚ましたのでした。



オズの魔法使

というわけで、超有名なこの映画を初めて見たのですが、思ったのはやはりもっと若い時にみた方が良かったかもしれないということです。感受性が年をとってしまいました(笑)。物語自体は、昔々ハヤカワ文庫FTでも通して読んでいた既知の物ですし、それ以前にもいろいろなところで馴染んでいた有名なストーリーで、この映画もその通りに流れていきます。カラー映画ということも有名なので、冒頭部分の白黒映像には少し戸惑った次第。この辺りも無知さゆえですが、なるほどねと思いました。

アカデミー賞では、作曲賞と歌曲賞。歌曲賞の大賞はもちろん「虹の彼方に」です。いい曲ですね。そして、特別賞(子役賞)がジュディ・ガーランドに与えられています。この賞はかつてシャーリー・テンプルが受賞していましたが、今回のオズの魔法使も、元々シャーリー・テンプルで計画されていたところ、交渉が頓挫し、ジュディ・ガーランドが出演することになったとの事です。作品賞にもノミネートされていたのですが、この年は同じヴィクター・フレミング監督の「風と共に去りぬ」でした。

さて、そのジュディ・ガーランドですが、語り継がれる伝説の名女優。撮影当時彼女は17歳で、すでにアンフェタミンを常用していたといわれていますが、これはいわば職業病。そして、「オズの魔法使」で一躍トップスターとなり、その後の奔放で物議をかもす私生活と、華々しい活躍は語り継がれています。代表作は「スタア誕生」になるのでしょうか?そして、2019年、レニー・ゼルウィガー主演で、「Judy」が公開される予定になっています。これは、レニーのファンとしても、今年楽しみにしている映画の一本なのです。

2019.7.5 HCMC自宅にてAmazon Prime よりパソコン鑑賞

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ジャンル : 映画

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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