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「グルーモフの日記」 モンタージュ技法を確立するエイゼンシュテインの第1作

何かネタになりそうな映像はということで見つけ出してきた、5分あまりのショートフィルム。これはエイゼンシュテインの第1作ということにもなるのですが、実際映画として単独上映されるための物では無いようです。しかし、映画撮影という目的で映像技法を盛り込んだものには間違いありません。1923年の作品になります。

あらすじ
ピエロたちの変顔のオンパレードで味まり、前半は高い尖塔に登る男を撮影、そして後半はトリック映像によるピエロの変身映像となる…。



オストロフスキーの戯曲による劇の劇中に、挿入される目的で作成された映像です。

ピエロたちの変顔が次々と現れる映像でスタートします。そして高度間のある尖塔に、ロープを使って攀じ登る男の映像に移ります。その登る描写が、いろいろと角度を変えて映し出されていき、登りついた男はジャンプ。飛行機の映像の後、車の座席に飛んできて収まります。
後半は、ピエロたちの道化芝居となり、トリック撮影技術を使用して、ピエロが赤ん坊に変身したり、ロバに変身したりという映像が続きます。

この映像は、失われたと思われていましたが、後年、ジガ・ヴェルトフの「キノ・プラウダ」のフィルムに混じって発見されたとの事。実際、この映画の撮影にあたり、エイゼンシュテインは、ジガ・ヴェルトフから指導を受けていたとのことです。

グルーモフの日記

エイゼンシュテインの映画については、初期の革命を題材にした作品をいくつか若いころに見ました。ストライキ、戦艦ポチョムキン、十月と続き、名声を確立していった訳ですが、モンタージュ技法というトピックもさることながら、当時の思想を窺う上でも貴重な映像だと思います。さて、この映画はというと、それらの作品の前に取られた一本。5分ほどのショートムービーです。そして、劇場で鑑賞用に公開されるという目的ではなく、アレクサンドル・オストロフスキーの戯曲「どんな賢人にもぬかりはある」の上演に際し劇中に挿入された映像です。

そういった事情ですので、この短編だけをみても、まぁあまり意味が無いものという形になりますので、来歴など調べてみました。当時、エイゼンシュテインは、演出家メイエルホリドの元で助手として数々の演出を手掛けていましたが、これもその一つ。戯曲「賢人」の演出において、道化的グロテスクな演出を際立たせる中に挿入した効果の一つということになります。その表現手法は、ストーリー解釈よりも、観客への効果を重視し、アトラクションのモンタージュという技法で演出していくものだったとの事。以降、エイゼンシュテインは、映画監督に転向しモンタージュ技法を確立していく訳ですから、それは演劇時代から培っていたものということになります。

映画自体へのコメントはなかなかしづらいのですが、前半は尖塔の上に立つ緊張感が表現され、当時これをどうやって撮ったのだろうかと本当に考えさせられます。大変迫力のある映像です。そして後半、トリック映像的なものも多用されていきます。登場人物の大勢を占めるのは道化師で、道化芝居とトリックを多用した映像という意図があったということでしょう。そして、この作品は映像表現として当時いろいろな形で作られていた、アバンギャルド映画の要素を、色濃く持っている思いました。それは勿論、本編の演劇も併せてのことだと思います。

2019.6.15 HCMC 自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください」 妖艶な行平あい佳の魅力

壇蜜の1作目が結構お気に入りだったので、DVDも出たことだし、第2章、第3章と続けて鑑賞しました。連続して見たので、多少疲れましたが、興味深くもあり、面白くもありということでしたので、最後まで見ることができました。2018年の作品になります。

あらすじ
広告デザイン会社に勤める目黒は、パーティーで知り合った、取引先の部長の妻である明乃を強引に口説き、関係を持っていくが、明乃の夫に発覚してしまい、夫から、今後も明乃との関係を続けて詳細に報告し、タブーのない女に調教することを要求される…。



広告デザイン会社に勤める目黒(毎熊克哉)は恋人の希美(百合沙)との結婚を控え、準備の真っ最中でした。その頃、女性の扱いに自信のある目黒は、パーティーで清楚で魅力的な雰囲気の明乃(行平あい佳)と知り合います。彼女は得意先の部長の妻でしたが、それがかえって興味を誘い、強引に口説いていきます。そして、ホテルで関係を持つと、その後2人はセックスにのめり込むようになっていきました。しかし、この様子を写真に撮られてしまった目黒は、夫の瀬尾(三浦誠己)から社会的制裁を受けたくなければ、これからも明乃との関係を続け、それを詳細に記録して瀬尾に送ること、そして、あらゆる行為を行い、明乃をタブーのない女に調教することを要求されます。

そして、瀬尾の指示のもとで明乃との行為はエスカレートしていきます。最初は2人のセックスを撮影したり、明乃のヌードを撮影したりということから始まり、露出度の高いミニスカートで明乃を人通りの多いところを歩かせたり、店に入って足を開かせたり、下着を脱がせたりと要求はエスカレートしていきます。そして首輪を付けての散歩や、鎖でつないでの散歩となり、周りの視線を感じていきます。一方瀬尾は目黒の婚約者の希美をホテルに誘い、瀬尾は希美には触れず、全裸でベッドに横たわった希美は絶頂を迎えます。そうした中で、明乃の魅力は増し益々妖艶になっていきます。一方、希美は結局目黒の子を妊娠し、普通の関係に戻りましたが、目黒の頭には明乃の面影と行為がしっかり記録されてしまい、消えることが無いのでした…。

私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください

壇蜜のお話が面白かったので、第2話、第3話と続けて見てみました。設定はなかなか凝っていますが、明乃があまりにも強すぎて、これはむしろ明乃が男を堕としていく物語という感じです。そういう意味で、そもそも自信過剰な目黒がいろいろ翻弄され、自分の存在が解らなくなっていく感じでした。こういう倒錯愛は、人それぞれ感じ方が違うと思うので、なんとも正解を見出し難いのですが、こういうシチュエーションでの男女双方の想いってどうなんですかね。男は男なりに、女は女なりに、成就や満足があると思いますが、人によっても随分違うのではと思います。

明乃のような女性は意外と好きなタイプなので、そのあたりはなかなか良かったです。行平あい佳さんの母は寺島まゆみさん。松田聖子に似ている日活ロマンポルノ女優という事で、一時期ブレイクしていました。行平あい佳さんは、なかなか演技も良かったので、いろいろな映画に出てほしいと思いました。

普通のSMものだと、結構パターンに乗るので、ああだこうだ言いやすいのですが、これはちょっと違った感じです。夫のやり方はアリがちではありますが、そこが全面的に主導権を握っているかと言えば、どうもそのようではなく、若干腰砕け気味。目黒はノーマルとは言いませんが、常識的でのめりこみたくても理性が勝ってしまう。しかし、明乃にはすっかり参ってしまっている。やはり、明乃がコントロールしてしまっているのでしょうね。立派です。

2019.2.8 自宅にてレンタルDVD鑑賞

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「山河遥かなり」 ジンネマンによる戦後のヨーロッパの映像

フレッド・ジンネマンの映画ということで、興味を持って見始めました。というのも、ジンネマンの作品を見たのは遥か昔の事。少なくとも、真昼の決闘はいろんな描写が鮮烈に心に残っています。1948年アメリカ映画。廃墟のヨーロッパで撮影されました。

あらすじ
第2次大戦後のアメリカ統治下のドイツ。収容所から救出された少年カレルは、その悲惨な経験から、喋ることもできなくなっていた。救済所からも逃亡してしまったカレルと、瓦礫の中から彼を救ったアメリカ兵のスティーブンソン。2人の絆が育まれる頃、カレルの母ハンナは息子を探して長い旅をしていた…。



第2次大戦の終結後、ヨーロッパの復興に力を注いでいたアメリカなど連合軍は、占領下のドイツで戦時中ナチスの収容所に入れられていた人々の救出を進めていました。この日も、国連救済所に収容所から救い出された子供たちが送られて来ましたが、彼らの中に何を聞かれてもドイツ語で「知らない」と答えるだけの少年がいました。彼はカレル・マリク(イファン・ヤンドル)といい、チェコの裕福な家庭に育ったものの、占領下で家族は離散し、父と姉は殺され、母のハンナ(ヤルミラ・ノヴォトナ)と一緒に収容所にいたカレルは、母と無理やりに引きはなされ、その後カレルは、その悲しみの為喋ることもできなくなっていたのでした。

精神に大きな傷を負ったカレルたちは、救急車で特別な施設へ送られることになりましたが、救急車に乗れば毒ガスで殺されるという経験から、途中脱走を計ります。そして、カレルたち2人の少年は川辺に逃れましたが、もう一人の少年は溺死。カレルも行方不明になっていました。一方で、カレルの母ハンナはカレルを探してあてどなく施設を巡る旅を続けていました。そして、カレルがいた救済所にたどり着き、責任者のマレイ夫人(アリーン・マクマホン)から遺品を見せられ、行方不明になったことを知らされます。ハンナは一時気を失い、恢復までその施設で働きながら、カレルの消息を辿ることにしました。一方、放浪していたカレルは、アメリカ兵のスティーヴンスン(モンゴメリー・クリフト)に拾われ、彼の世話で次第になついきます。

スティーブの世話で、簡単な会話もできるようになったカレルは、同居していたアメリカ兵の本国からやってきた妻子を見て、急に母が恋しくなり、母を探しに家をとび出してしまいます。スティーブは彼を探し出すと、母親は死んだといいふくめ、米国へ一緒に連れ帰る約束をします。一方ハンナは元気を取り戻し、カレルを探して次の町へと汽車に乗った頃、スティーブはカレルを一時預かってもらうため、救済所へ現れました。マレイ夫人は、彼がハンナの息子であることを気付き、停車場へ駆けつけたましたが、汽車は既に出発していました。しかし、ハンナは別の列車で新たに連れてこられた大勢の子供を見て、自分の役割は子供たちを世話することだと思い立ち、汽車を降りでいたのでした。そしてハンナは、子供たちの中にマレイ夫人が連れてきたカレルを見つけるのでした…。

山河遥かなり

「山河遥かなり」という邦題は、何となく「母を訪ねて三千里」を思い出させるものですが、原題は「The Search」という単純なものでした。実際、ジンネマンのこの作品は、いかにも余計な抒情に流れず、あっさりしている感じがあって、「The Search」の方が、雰囲気は近いかもしれません。特に余計なことを語らないあっさりしたラストは、もう少し何かあってもいいのではないかと思う一方で、この引き締まった物語のラストとして、いい終わり方だなとも思いました。

もう一つ、この映画の印象に残ったのは、戦勝国による視点の様なものをあまり感じさせず、あくまでも真摯に物語を描いていることで、その部分も好感が持てるものでした。そして、当時の廃墟となったヨーロッパの実像が、同時代に撮影されたフィルムとして残っていることにも、貴重な映画だなと感じた次第です。このあたりもフレッド・ジンネマンの映画製作のあり様をを物語っているのではないかと思いました。

役者さんでは、モンゴメリー・クリフトは、いかにもハリウッド映画という感じで、ちょっとこの映画の中では異彩を放っている一方で、アリーン・マクマホンのマレイ夫人に何となく好感が持ったという次第です。この時期のアメリカの映画って、西部劇を中心に見てきたので、こういったドラマはあまり見ていないのですが、改めて映画の世界の広大さを感じることになりました。当たり前のことではありますが…。いろいろと興味が尽きないです。

2019.6.22 HCMC自宅にて、Amazon Prime よりパソコン鑑賞

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「サムソンとデリラ」 ヘディ・ラマーの鬼気迫る妖艶さを

サンサーンスのオペラとして、名前だけは知っていた「サムソンとデリラ」ですが、Amazon Primeにあったので、見てみました。セシル・B・デミル監督による作品です。彼の作品は「十戒」しか見たことがありません。1949年の作品で、カラー映像のスタンダードサイズであります。

あらすじ
旧約聖書のサムソンとデリラの物語。ダン族の怪力の男サムソンは、支配者であるペリシテ人に恐れられ、太守の寵愛を受けているデリラがその怪力の秘密を探るため、サムソンの元に赴く。デリラはサムソンを篭絡しつつその秘密を引き出すことに成功するが…。



旧約聖書「士師記」の中の、サムソンとデリラの話を原典とした物語であり、歴史劇となります。

ペリシテ人に支配されているダン族のサムソン(ヴィクター・マチュア)は、ペリシテ人の女性デリラ(ヘディ・ラマー)と遠出をした時、現れたライオンを素手で倒しました。デリラはすっかり彼の魅力に取りつかれ、しきりに言い寄りますが、実はサムソンのお目当ては、その妹のセマダール(アンジェラ・ランズベリー)なのでした。そして、デリラの証言もあって、ライオンを素手で倒したサムソンは、通りかかったガザの太守サラン(ジョージ・サンダース)に認められ、褒美として部下のアートゥル(ヘンリー・ウィルコクスン)と結婚が決まっていたセマダールを奪い結婚することになります。

結婚式の当日、集まったペリシテ人の配下たちは支配下の部族の男が晴れ舞台にあることで、サムソンをしきりに揶揄します。そして、サムソンを奪われて面白くないデリラの奸計で式は混乱に陥り、その混乱の中で、セマダールやその父も殺されてしまいました。ダン族の村に逃亡したサムソンをおびき出そうと、村に重税をかけるペリシテ人支配者たち。しかし、捉えたもののその怪力で兵士1000人を倒し逃亡します。ペリシテ人はその怪力の秘密を知ろうと思案しますが、その中で今やサランの寵愛を受けているデリラが立候補し、自らサムソンの元へ向かいました。そして、無事サムソンのアジトに潜入すると、警戒するサムソンを篭絡し、ついにデリラは秘密を聞き出しました。

怪力の元となるたてがみを切られたサムソンは無力となり、目をつぶされ、ガザの牢で石臼を日々惹かされていました。デリラはサムソンの元を訪れますが、目を潰されていることに愕然とし、傷つけない約束のはずだったと、太守サランに詰め寄りますが、サランは約束通り血を流していないと言い放ちます。サムソンへの想いがますます募るデリラは牢に忍び込むと、デリラへの復讐に燃えるサムソンは神に祈り、次第に力を蘇らせます。デリラはサムソンへの抑えきれない愛を打ち明け、そしてサムソンがペリシテ人のダゴン神を讃える祭礼に引き出されることや、神殿の様子を教えます。サムソンは祭礼が頂点に達した時、デリラに逃げるように言い、神に呼びかけながら神殿の支柱を揺すぶるはじめます。やがて神殿は倒壊し、サムソンから離れなかったデリラや、参加していた大勢のペリシテ人諸共、神殿の下敷きとなったのでした。

サムソンとデリラ

やはり、こういった歴史劇ですので、私的にはちょっととっつきにくい面もあるので、前半は意識して物語を読み取ろうと見ていきました。そして、後半に入ると話は展開していき、なかなか面白く見られました。セシル・B・デミルによる歴史スペクタクルの効果もさることながら、出色はデリラのヘディ・ラマーがサムソンを篭絡していくシーンで、その鬼気迫る妖艶さに心を奪われてしまいました。なるほど、こうまで迫られるとさすがにどんな男も…というような演技だったと思います。すっかり見とれてしまいました。

ストーリーについては、オペラの方はあらすじでしか読んでないのですが、この映画はデリラの描き方がハリウッド映画らしいのではないかと思いました。いろいろ読むと、サムソンは目をくりぬかれるという表現をされていることが多いのですが、これは熱を当てて失明させたのでしょうか。それも、デリラの希望を少しでも叶えるためということで。そのようなデリラの心の動きを追っていくところが、大変面白く描かれていると思います。

その、ヘディ・ラマーさん。1933年19歳の時にヘディ・キースラー名義で出演した「春の調べ」で、全裸で湖で泳ぐシーンや史上初の女性のオーガズムを表現して物議をかもし、その後アメリカに渡りハリウッド女優として活躍する傍ら、現在では、GPS・Bluetooth・携帯・Wi-Fiなどの技術に利用されている周波数ホッピングシステムを開発したという、発明家としての多才な顔を持っているということです。まさにこの映画の役のデリラさながら、強い性格を持ち、波乱万丈の生涯を送った方の様でした。

2019.6.24 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「昭和歌謡大全集」 平成の文学と映像を令和に見る

Amazon Prime で見つけた昭和歌謡大全集。その内容は、題名とは想像できない、ブラックでシュールで、鮮烈なものでした。そして、同世代のアイドルたちのその時点の姿が見られるのも、一つの楽しみでもあります。2003年、村上龍原作、篠原哲雄監督の映画です。

あらすじ
調布に住む6人の若者グループは、定期的にカラオケ・パーティーを開く仲間。ある日、警戒心が強くいつもナイフを持ち歩いていたスギオカが、道ですれ違った主婦、ヤナギモトミドリを殺してしまう。彼女はメンバー全員がバツイチでミドリという名の「ミドリ会」の会員。メンバーは、死んだヤナギモトを弔うために復讐することを誓う…。



夜に防波堤に立ち、コスプレでカラオケにふける若者グループ。そんなグループの一人であるスギオカ(安藤政信)が、町ですれ違ったオバサンのヤナギモトミドリ(内田春菊)をナイフで喉をかき切って殺害します。ヤナギモトはオバサンたちのグループである、ミドリ会に所属。それは、ミドリという共通の名前を持つバツイチのグループでした。オバサングループは復讐を誓い、犯人を探索し、スギオカのことを突き止めます。そして、グループの一人のイワタミドリ(鈴木砂羽)がダスキンの棒の先につけたナイフでスギオカの喉を一突きし、殺害しました。

スギオカが殺された場所の近くの寮に住む、奇妙な女子短大生(市川実和子)は、双方のグループに目撃情報を与えます。その情報によりミドリ会のことを知った若者たちは、トカレフを手に入れると、若い男にオバサン扱いされて悲しんでいるイワタを、若者仲間のヤノ(斉藤陽一郎)が、トカレフで頭を撃ち抜きました。ミドリ会の残った4人は、リーダー格のスズキミドリ(樋口可南子)の知り合いの坂口という男から、米軍が残していったというバズーカを貰いうけます。そして、堤防でカラオケを楽しむ若者たちをバズーカで直撃。生き残った二人のうち、ノブエ(池内博之)はヘンミミドリ(岸本加世子)に刺し殺され、イシハラ(松田龍平)だけが残りました。

イシハラは精神に異常をきたし入院しましたが、やがて回復し、以前にトカレフを買った金物店へ行って、原爆が欲しいと頼みます。金物店の主人(原田芳雄)は、イシハラに核爆弾の作り方を教え、イシハラはそれを製造。出来上がった爆弾を持って、撮影と称してヘリコプターに乗り込み、オバサンたちの暮らす調布上空へ。イシハラはヘリから核兵器を落とすと、調布上空で核爆発が発生。イシハラはヘリの操縦士を撃ち、さらに自分も撃とうとしましたが、弾は一発しかくれなかったんだよなとつぶやき、空を滑空するヘリの中で目を閉じるのでした…。

昭和歌謡大全集

村上龍の、象徴的な文芸作品の映画化です。昭和歌謡大全集という題名から、中身は全く想像できないものですが、平成に映画化された昭和歌謡を令和の時代に映画で見るというのも、それぞれの時代を過ごしてきた者としては、なかなか感慨深いものがあります。そういう繋がりで、それぞれの時代を振り返ることにもなるのですが、この映画の作られた平成という時代には、こういったゲーム化した殺人が、いろいろ小説にも描かれる一方で、現実の事件も一種異様なものが出現していたようにも思います。そういった意味で、この時代ならではの暴力性の表現とも見られなくもないでしょう。

原作の意図した象徴的な内容は、そのままストレートに持ってこられていると思いますが、やはりこの映画には、映像の強い日常感と、この殺人劇の対比に面白さがあるのだと思います。そのあたりはうまく表現できていると思いました。ただ、こういった小説は、読んで頭で映像を構築して、それぞれ個人が消化していくもの。映像化に関しては、それを消化し、そこから何を意図するかということだと思いますが、そのあたりは明確には解りませんでした。

オバサン役の俳優陣が豪華というか、往年の…という表現が当てはまりそうな女優さんもちらほら…。岸本加世子、樋口可南子、鈴木砂羽、細川ふみえ、森尾由美、内田春菊と、こういう風に集まるとそれぞれの時代と個性を感じます。松田龍平の雰囲気は松田優作とも被るような気がしました。いろいろと壊れた人の多い映画で、独特の雰囲気があり、見どころの多い映画ではあると思います。

2019.6.20 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「おとなの事情」 イタリアの大人事情、これが本当の割切?

以前、予告編を見て面白そうだと思っていた映画ですが、改めてAmazon Primeに出ていたので、見ることにしました。2016年のイタリア映画。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞と脚本賞を受賞し、トライベッカ国際映画祭脚本賞、ノルウェー国際映画祭観客賞受賞など、数々の賞に輝いた映画でした。

あらすじ
月蝕の日に、7人の友人夫婦が集まった食事会で、お互いには何の秘密も無いという彼らは、席上でかかってきた電話やメッセージをお互いにオープンにするゲームをすることに。ところが次々と彼らの秘密が露見していき…。



幼馴染の男性4人と、そのパートナーたちが、月蝕の夜にロッコ&エヴァ夫婦の家に集まって、ホームパーティーが始まりました。そして、食事中の会話の成行から、お互いスマホをテーブルの上に置き、メッセージはその場で読み上げる、通話はスピーカーをオンにして、皆に聞こえるようにするというルールでゲームをすることになりました。映画は、そのホームパーティーの場面の会話劇として続いていますが、ここでは登場人物毎にサマリーを紹介します。

ロッコ(マルコ・ジャリーニ)&エヴァ(カシア・スムトゥアニク)夫妻
エヴァは、17歳の娘ソフィアとうまくいかず衝突を繰り返し、ロッコが娘の相談にのっている状態です。この日も、エヴァがソフィアのバッグを覗き、コンドームを見つけたことからひと騒動でした。エヴァはカウンセラーをしていましたが、この日夫が別のカウンセラーに通っていることが発覚、またエヴァも豊胸手術をしようとしていることが発覚してしまいました。そして、ソフィアから恋人に処女を捧げるべきかという相談の電話に、真摯に回答するロッコでした。

コジモ(エドアルド・レオ)&ビアンカ(アルバ・ロルヴァケル)夫妻
新婚で、これから子作りをしようと決めたばかり。ビアンカに元カレからやりたくなってきたというメールが入りますが、これは相談を受けているだけだということで解決。ところがコジモに、男性から「手配した指輪とピアスは気に入ってもらえたか?」と連絡が入り、何も受け取っていないビアンカは不審に思います。実はコジモはこれをエヴァに贈っていました。そして、職場の女性のマリカからコジモに「妊娠したみたい」と電話が入り、ビアンカはトイレで悲嘆にくれ、義母に孫ができたと連絡すると、指輪を外して出ていってしまいました。

レレ(ヴァレリオ・マスタンドレア)&カルロッタ(アンナ・フォッリエッタ)夫妻
結婚十年目。子供と母と同居しています。カルロッタは家を出る時、なぜかノーパンで出ていきます。レレは一人で来ているペッペに、同じ機種ということで携帯の交換を頼みました。ところが交換したペッペの携帯に、ルチオという男性の恋人から連絡が入ります。すっかりレレはゲイということになってしまい、皆から白眼視されます。ペッペ自身もこれまでゲイを隠していたのです。カルロッタの方は義母の老人ホームを探していたことがバレ、そして、SNSでのチャット相手から、今ノーパンか?というメッセージ。これはSNS上だけの関係で、会ったことも無いということで収まりますが、かつてカルロッタは飲酒運転の死亡事故を起こし、飲んでいないレレが代わりに罪をかぶったことを告白。それが理由で愛が無くても別れられないのだと打ち明けます。

ペッペ(ジュゼッペ・バッティストン)
新しい彼女を連れてくる予定だったペッペは、相手が熱を出したということで一人で現れました。レレと携帯を交換したペッペですが、レレがすっかりゲイと認識され、何も言い出せない状況になってしまいます。ゲイが露見した為教職を追われたペッペは、この騒動の中でゲイに対する偏見をますます感じたのでした。そして最後にカミングアウト。ロッコの、相手を紹介しろという言葉にも、相手を傷つけたくないからと断ったのでした。

さて、パーティが終わって外に出た彼らは、すっかり月食が終わり、きれいな満月を見てそれぞれ仲直り。何事も無かったように、元の関係に戻ったのでした。

おとなの事情

予告編を見た時、面白そうだと思っていたのですが、現時点でとても見たいかというとそうでも無い、という感じで見始めました。というのも、この手の会話劇ってけっこうああ言えばこう言う的な会話のオーバーアクションが見えていて、ちょっと疲れ気味なのです。おとなの事情ね、おとなのけんかと言いうのもあったな…。と思いつつ、まぁとりあえず見始めました。いくつかのカップルが登場するので、群像劇風にもなることから、それぞれの登場人物の特徴をまずつかもうと、序盤注意してみるのですが、とりあえず混とんとしてつかみきれず…。でも、これはいずれ時が解決してくれるので、さほど気にしなくても良かったようです。

やはり、思った通り、会話のオーバーアクションに入っていきます。夫婦喧嘩は犬も食わないといいますが、こういったやり取りって見ていると疲れるんだよねと思いつつ、とりあえずオーバーに語らないホスト役のロッコに親しみを覚える前半。そして、成行からその場を見守るほかなくなってきたペペに親しみを覚えるという展開でした。予想通り途中から携帯電話を仲介とした暴露合戦が始まり、ディナーは修羅場へと化していきますが…。この辺りは次から次へと新手の情報が入って、攻めも守るも攻守交替を余儀なくされる姿が、大変面白かったです。

というわけで、ひどい話だよねと思いつつ、ラストのあまりにもあっけらかんとした結末に、おとなの事情というものを納得する次第。ええ?そうなるんですか?というある意味衝撃的な結末は、派手ではありませんが、考えさせるものでした。いや、これはイタリアの国民性なのでしょうか。日本ではこうはいきませんよね絶対。よくできたおとなの事情であり、ゲームという割り切りはこういうものかと思い、ちょっと恐れ入った次第。割り切りと簡単に言いますが、こういうのを本当の割り切りというのかな…。

2019.6.15 HCMC自宅にてAmazon Primeよりパソコン鑑賞

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「第三夫人と髪飾り」 ベトナムの桃源郷における美しい女性たちの物語

ベトナムに住んでいて、ベトナム映画を一度も見ていないというのも、どうかというところですが、どうもベトナム語と英語字幕というのが敷居が高くて、いままで敬遠していました。ベトナムの映画事情もよく解らないし…。そんな折に最近公開された「The Third Wife」は、各地の映画祭に出品され、7winとなかなかの収穫をあげています。日本には来ていないのですが。ということで、ついに意を決して見に行った次第。2018年の製作で、監督のAsh Mayfairさんいとっての長編第1作のあたるようです。
原題:Vo Ba (The Third Wife)

あらすじ
19世紀のベトナムの山村。14歳のマイは裕福な地主の第3夫人として嫁いできた。男の子が欲しい家族の中にあって先輩夫人たちの手ほどきを受け、やがて妊娠。そして、出産・育児と過ごす彼女の周りで起こる出来事を描く…。



断っておきます。あらすじにはちょっと自信がありません…(笑)。

14歳のマイ(Nguyen Phuong Tra My)は第3夫人として、一艘の船に乗って裕福な地主(Le Vu Long)の家にやってきました。子供から大人になったばかりで、何も知らないマイは、そのまま初夜の儀式を迎え、処女であることの証に翌日血の付いた布が飾られます。マイは第1夫人のハ(Tran Nu Yen Khe)、第2夫人のスーン(Mai Thu Huong Maya)から地主の家でのしきたりや仕事、夜の指導まで受けて打ち解けていきますが、やはり男の子の誕生が最も期待されており、男の子の母親となれば地位も向上するようです。そして、毎晩夜の営みが続き、妊娠。妊婦となったマイに地主の家での生活が続きます。

ある日、山の中で隠れて愛し合う男女を見たマイは、後日その男が鞭うたれ、女は剃髪されて寺に連れていかれる姿を見ます。そして、マイの妊娠中にはハと愛し合う主人。やがてハも懐妊しましたが、マイは家族で寺にお参りに行った日に、男の子が授かりますように、そしてそれがこの家の最後の男の子でありますようにと祈ってしまいました。その後ハが流産し、罪悪感にかられたマイはスーンに私が悪かったと打ち明けますが、マイの責任ではないとなだめるスーン。また、この家の長男で唯一の男性であるソンに結婚式の日が近づいていました。結婚は親が決めるもの。しかし、ソンはスーンが好きだったので、結婚を拒絶していました。当然スーンからたしなめられ結婚式を迎えましたが、一人酔いつぶれてしまうソンでした。

ソンの結婚初夜、初めて会う少女が初夜のしきたりの道具を差し出しますが、指一本彼女に触れず無視するソン。そういう状況でこの家の主人は、娘の親に、全く手を触れていないから無かったことにしてくれと頼みますが、娘の親は聞き入れず、その娘に家の義務を果たしていないと叱って帰っていきます。両家から拒絶された娘は首を吊って自殺した姿で見つかり、またその時マイは女の子を出産したのでした。子供を抱いてあやしながら葬儀に参列するマイ。そして、棺が船に乗せられ付き添いの男たちと川を行く姿を、子供を抱いたマイが見つめ、今までの光景を思い描くのでした。

The Third Wife

女性の手による、家父長制が当たり前の時代の、儚くも美しい女性たちを描いた、限りなく美しい映画でした。すべてがマイの眼から、マイを中心に語られます。第1夫人の流産の悲哀。第2夫人の優しさは、男だけでなく妊娠中のマイも彼女を愛してしまったようです。そしてソンの嫁になった娘。見ず知らずの家に嫁がされ、初夜の準備をして服を脱ごうとして拒まれ、帰るところも無く首を吊ってしまう姿は、言葉で表す以上に美しい映像がその哀れを語ります。第2夫人の娘の女の子たちは、どんな家に嫁に行くの?とか、大きくなったら男になって奥さんをいっぱい貰いたいとか、お嫁さんに行くなら1番目の奥さんがいいとか、どこまでも健気です。そして、初潮を迎え、その子がラストで長い髪を自分ではさみで切って川に流す姿が、大人と結婚への第1歩を語ります。

そういった物語が、桃源郷のような山村で美しく繰り広げられる映画は、古い因襲を真っ向から否定するのでもなく、その中で生きる女性を神々しく描きながら、事実を赤裸々に綴っていく、女性の幸福と自由について問いかけていく物語だったと思います。自由に行動することはいろいろな弊害を招き、しかし地位に安住していくのもいろいろな苦労が付きまとうという世界。それを、沢山の美しい女性たちが演じている映画でした。舞台は19世紀。フランスの侵攻から長い戦乱となる前のベトナムの姿が丁寧に描かれていて、見る者を西欧文化の流入により失われた伝統美の世界へと誘っていきます。

さて、この映画はIMDBを見るだけでも、世界で25以上の映画祭で上映されています。アジア地区は釜山だけなのが寂しいのですが、欧米では東欧・ロシアまで含めてこまめに回っています。ベトナムの美しさを広めるにも一役買ったのかもしれません。受賞は最高賞は見当たらないのですが、カイロ・シカゴ・フライブルグ・ミンスク・サンセバスチャン・サラソータ・トロントの7つの映画祭で獲得。トロントはNETPAC(アジア映画賞)です。Ash Mayfairさんも多才な方の様で、これからの活躍に期待です。ベトナム映画も見逃せないなと思いました。

2019.5.20 CGV Cinema Vincom Dong Khoi (HCMC)にて

追記
この映画ですが、私の見た翌日からベトナムでは上映中止となってしまいました…。
ニュースによると、マイの2つのラブシーン(夫と、スーン)に関し、当時13歳であった彼女が演じていることに対する世論の圧力により、当局に上映中止を申し出たとあります。それは、5月20日18時に中止というものでしたが、私の見始めたのは18時45分。情報伝達のロスタイム中でした。

2019/10/11より日本公開となりました。

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「Le voyage sur Jupiter (仮題:木星旅行)」 (1909) メリエスの月世界旅行を意識した?短編映画

メリエスの月世界旅行が1902年、その7年後作られた映画です。先日見た「アリババ…」のリメイクをしたセグンド・デ・チョーモンの作品ということで、そういった繋がりです。8分程度の短編映画ということで、楽しみましょう。

あらすじ
夜空の天体に惹かれた男は、望遠鏡で星を眺めると、そこに星の神々が宿っているのを見る。そして縄梯子で天体に向かうことができるという話を聞き眠りにつくと、夢の中に縄梯子が現れ男はそれを登り始めるのだった…。



屋敷にいる3人の男。主人の男は学者風の男に天体のことについて尋ねます。学者は男に望遠鏡で星を見せ、航行方法については、書物を見せながら、縄梯子で登るという方法があると教えました。さらに屋外に出ていろいろな星の様子を見せる学者。望遠鏡の先には、月、土星、木星とそれぞれの星に、それぞれの神や女神が現れ、主人は大はしゃぎで、最後に見た木星に行くことに決め、眠るためにベッドに向かいます。

さて、男はベッドに横たわると間もなく眠りにつきました。すると、夢の中で主人は縄梯子を登り始め、それぞれの星の神に導かれて月を過ぎ、土星を過ぎ…。そして目的地の木製で男は縄梯子から木星に飛び込みました。荒涼とした木星につくと、男はいきなり木星人に襲われます。2人ほど倒しますが、大挙して襲ってくる木星人に多勢に無勢。男は首領の前に引っ立てられると、ひと時首領と争いますが、抵抗虚しく入ってきた木星の穴から放り出されてしまいました。

男は木星から、宇宙空間を泳いで縄梯子に掴まり、登ってきた星々の横を下っていきますが、ところが途中で通過した土星のいたずらで、縄梯子をちょん切られてしまいました。墜落する男はベッドまで一気に落ちてしまい、男は驚いて目覚めると、ベッドから転がり落ちたのでした…。

Le voyage sur Jupiter

チョーモンはスペイン出身。奥さんがパテの女優であったことから映画に係わり、バルセロナを中心にスペイン語圏の配給を担当していました。そして、パテの作品の彩色も引き受けていましたが、1905年に拠点をパリに移し映画の製作を開始。人形やアニメーションも駆使し、トリック映画の専門家として、技術を駆使した幻想的な作品をたくさん製作しました。しかし、彼の実績はメリエスと被るところも多く、影にかくれて忘れられた黎明期の大家になっているようです。そして、1914年、イタリアでカメラマンとしてイタリア史劇の大作「カビリア」を撮影することになります。

というような経歴の製作者で、この映画もメリエスの月世界旅行と非常に似た内容を持っています。比べてしまえば、メリエスの1902年の映画は、大変細部まで凝っていて圧倒的に完成度が高く、やはり見劣りはしてしまうのですが、この映画もそれなりに撮影上のいろいろな工夫がされていると思いました。

この映画に出てくる3番目の男が気になります。何か人間でないものを表現しているようで、その行動からペットを描きたかったのかなとも思ったのですが、何なのでしょうか?あと、縄梯子で登っていく映像は、背景の方が下に動いているようです。また、大きな本を開いてその中に映像を映し出す技法など、いろいろありました。そして、この映画の醸し出す特徴として、月世界旅行より、かなりファンタジー寄りという以上に、3番目の男の演技に表されるように、ドタバタ喜劇を思わせる要素がチラリと入っているような気がしました。なかなか愛すべき小品であると思います。

2019.6.11 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「バックが大好き」 天真爛漫なポルノコメディで満たす一時

さて、まぁあまり難しいことは言いませんという題名の日活ロマンポルノ」。内容も明るく楽しくという感じで肩の凝らないものでした。1981年にっかつ製作。気軽な一本で~す。

あらすじ
挙式を間近に控え、ペニスの拓本100本を目標に東京にやってきた美女は、友人の黎の家に転がり込むと、黎がレズに転向し、男が触るとジンマシンが出る体になってしまったことを知る。原因を聞いた美女は、黎と共に復讐に出るが…。



札幌から東京に到着した美女(みめい)(朝比奈順子)は、中年男をホテルに誘い、ペニスの拓本をとります。彼女は迫り来る挙式前に、拓本100枚を目指しているのでした。美女は友人の黎(早川由美)が男を知らない学生の真純(岸田麻里)とレスビアンの関係になっているのに驚きます。黎は、同僚の木村(中丸信)にプロポーズされた後、ベッドで縛られて剃毛されて、さらにアヌスを犯されたことから、男性恐怖症になっていたのです。美女と黎は敵討ちに木村を誘い、同じ責めでお返ししました。そして、相手を失ってしまった。そして真純は男性経験をしようと街に出ましたが、かなわなかったのでした。

美女のコレクションもあと一人となり、行きつけのスナックで目を付けていた深見(石田和彦)を誘いますが、一向に靡かないどころか、女は好きな時に抱くとばかりにデパートの物置で挿入されます。そして、途中でやめてしまいました。美女は納得がいかず後を追い、彼を捕まえて射精させることができるか、その前に降参するか勝負することに。一方、黎はすっかり木村に仕返しして以来、男を剃毛してアヌスにバイブを突き立てることに病みつきになり、真純はコケシにハマり、さらにはいろいろな器具を使った自慰に夢中になってしまいました。そして、美女と深見の戦いは55時間連続のセックスに及び、ついに美女は深見のアヌスを刺激することで勝利を勝ち取ると、100枚目の拓本を手にして挙式の為札幌に向かいます。そして、空港でバッタリ深見と遭遇。実は深見は婚約者の兄だったのでした…。

バックが大好き

小原宏裕監督によるロマンポルノ。明るいというか無邪気なまでのポルノ三昧が楽しめました。3人の女性が登場しますが、それぞれのキャラの描写も良く描き分けられていて、ストーリーも他愛のないものではあるものの、よくまとまっています。気軽に失笑しつつストレスなく見られ、いろいろな滑稽な性癖が盛りだくさんという事もあり、良心的なロマンポルノの1本という感じでした。しかし、いくら男への仇討ちとはいえ、肛門にあんなに激しく突き立てると、痛そう…と思いました。いや、オーバーアクションのギャグではありますが…。

お楽しみのラインナップは、普通の絡み、レスビアン、緊縛と剃毛、長時間耐久セックス、女王様プレイ、野菜や道具を用いた自慰と、かなり盛りだくさん。ある意味ちょっとした変態プレイのオンパレードかもしれません。そして、壁に所狭しと並べられた、ペニスの拓本。女性器の拓本というのはよくありますが、男性器のは初めてです(笑)。それらが、あっけらかんと天真爛漫に登場する。まさに、ひと時の娯楽でありました。朝比奈順子の振り切った活発さが面白く、岸田麻里の清純っぽい感じも良かったです。男性陣では、バーのママ?役の錆堂連が何気に怪演で、良いアクセントでした。

ところで題名のバックが大好きというのは、やはりアヌス関連のことですかね??

2019.6.15 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「エクスタシー・オブ・ザ・デッド」悩めるティーンとゾンビ

特に、何を見たいというわけでも無く。Amazonから選んだウオッチリストからランダムで選んだ感じで視聴です。たぶん超B級ゾンビ映画だと思います。なんとか・オブ・デッドというのもゾンビ映画の邦題のお約束。2016年製作。原題は、Ibiza Undead、若しくは、Zombie Spring Breakers (USA new title) です。

あらすじ
ゾンビの感染が拡大する中、ティーンエージャーのグループがリゾート地イビザ島に向かう。そこは、ゾンビに汚染されていない島だったはずだが、ゾンビを見世物にしようとしたクラブのオーナーの影響で、島はゾンビ地獄と化してしまった…。



イビザ島は、若者が集まるリゾートの島でした。島にあるクラブの経営者カール(マット・キング)は、ゾンビを移送しクラブのアトラクションとして利用していました。そんな島にやってきたのは、3人組の少年アレックス(ジョーダン・コールソン)、アズ(Homer Todiwala) 、ジム(エド・カー)、そしてアレックスの元カノのエリー(カーラ・テオボルド)とに姉のリズ(エミリー・アタック)と友人のザラ(Algina Lipskis)たちでした。勿論目的はナンパで楽しい一夜を過ごすことです。そして、少年たちは客引きのマリア(Marcia Do Vales)の誘いでクラブに向かい、女子たちはレストランでのボーイハントに成功します。

クラブでは、ゾンビを使ったグロいショーの最中に、アズの飲ました酒のおかげでゾンビが狂暴化し、クラブは阿鼻叫喚の地獄と化して、客はほぼゾンビ化。一方エリーはナンパした男と良い感じになりますが、別荘がゾンビに襲われ男がゾンビ化し始めます。リズもプールの中でゾンビと戦い、そこは何とか撃退していました。そして、なんとか家に帰り着いた少年たちと共に、ゾンビ化したエリーの男を処置、リズとジムはベッドを共にします。しかし、リズもプールでゾンビと戦った影響で翌朝ゾンビ化して発見され、これはザラが処置し、彼らは島を脱出しつつ、クルーザーを求めて海岸に移動します。

ゾンビを倒しながら海岸についた5人+合流してクルーザーへの手引きするマリアですが、ジムはゾンビ化する前のリズと一夜を共にしたため、いずれゾンビ化するから自分は島に残ると言い出し脱落。しかし、ジムは多少見栄を張ったようで、セックスまでしておらず、キスまでだったのでゾンビ化の心配はなかったのですが、それに気づいた時にはもう船は出た後でした。クルーザーに着いた5人は、キーを持っている人間を待ち構えていたカールに殺されそうになりますが、カールは誤って自爆。そして、5人は無事島を脱出できるということになったはず…。

エクスタシー・オブ・ザ・デッド

出だしからいかにもB級感漂う映画。映像もそれほど凝っている訳ではなく、物語はどんどん進んでいきました。キャラがそれぞれ面白いのですが、やはりデブのジムが一番ではないかと思います。ジャイアンみたいに仕切っているのですが、下ネタ連発でいかにも遊んでいるぞと見せつつ、実は童貞でリズともできなっかったという、見栄っ張りです。同じく、リズも似た感じで、遊んでいるように見せかけているのですが、実は奥手で悩んでいたりする…。そんなティーンエージャーのほろ苦いところが隠し味だったりします。

しかし、グロいシーンが見せ場のゾンビ映画。ゾンビを見世物にするカールはかなり酷いことをしているようで、ゾンビを舞台に上げて、美女がチェンソーで腕を切断するショーとか、なるほどそういうのもありかもねとは思いますが、やりすぎ感もあり。ゾンビの人権はどうなっているんだと言いたいところですが、そんなものは無い??あとは、勧誘女のマリアのキャラも立っていました。こうでもないと、カールとは働けないということでしょう。

そういう訳で、キャラが立った登場人物に愛着がわき、ゾンビの表情も色々凝っていて見どころも多く、逆に普通の性格の人物はあまり面白くないという映画で、ネタもそこそこ回収していきますし、まずまず文句はありません。映像が安っぽいのですが、まぁそれは仕方がないでしょう。出だしは入っていきにくいのですが、見始めるとついつい引き込まれて最後まで見てしまうという、面白いB級ゾンビでした。あと、ラストは余計かも…。

この映画、IMDbのユーザー評価、ムチャクチャ悪いです。3.3点で、酷評の嵐(笑)。広い心で見ましょう…。

2019.5.9 HCMC自宅にて、Amazon Prime よりパソコン鑑賞

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