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「駅/STATION」 当時流行っていた倉本聰による北海道の物語

昔、流行っていた邦画が、テレビ放映されていたので、録画して見たものです。当時は角川映画の有名作以外はあまり邦画は見ておらず、ハリウッド映画やSF映画中心でしたが、この時代の王道の邦画も気になるので見てみました。1981年製作の日本映画です。

あらすじ
警察官の英次は、オリンピックの射撃選手に選ばれ警察の期待がかかる中、同僚が殺害される事件が起こるが、捜査の第一線からは外されている。そして、10年後増毛駅前で連続殺人犯の妹を張り込み、犯人発見の糸口を見つけようとするが…。



1967年1月 直子
警察官の英次(高倉健)は雪の銭函駅ホームで、離婚を受け入れた妻の直子(いしだあゆみ)と、四歳になる息子義高に別れを告げました。それは、英次のオリンピック合宿による多忙にも原因がありました。ある日、英次の上司相馬が、連続警察官射殺犯「指名22号」に射殺されます。オリンピックのかかる英次は上官から止められ、犯人捜査に加わることができませんでした。テレビが円谷幸吉の自殺を報じているのを見た英次は、「これ以上走れない…」という円谷の気持が痛いほどよく解りました。

1976年6月 すず子
英次はオリンピック強化コーチのかたわら、赤いミニスカートの女だけを狙う通り魔を追っていました。増毛駅前の食堂のウェイトレスの吉松すず子(烏丸せつこ)の兄、五郎(根津甚八)が犯人として浮かび、張り込みを続ける英次に、選手たちの造反によるコーチ解任の知らせが届きます。すず子は遊び人の雪夫(宇崎竜童)の子を堕胎、しかしすず子は彼を愛していました。雪夫にとっては欲望のハケロでしかなく、英次が警察官と知ると協力を申し出て、まず雪夫はすず子に結婚を申し込み、兄との面会を希望します。すず子は、愛する雪夫を兄に会わせるため、兄と待ち合わせし、そして吉松が現れたとき、英次たちは吉松を捕らえました。

1979年12月 桐子
吉松五郎の死刑執行の連絡を受けた英次は、故郷の雄冬に帰ります。舟の欠航ですることも無く、英次は、桐子(倍賞千恵子)の店に入りました。その店は他に客も無く、テレビでは桐子の好きな「舟唄」が流れていました。孤独の影に惹かれた英次は、大晦日に二人で映画を観、その後一夜を共にします。英次は、初詣の途中で桐子を見つめる一人の男に気づきました。その後、「指名22号」のタレ込みがあり、英次の頭で手配写真と、桐子を見つめていた男の顔が繋がり、桐子のアパートで犯人は、英次に射殺されます。警察に通報しながらも22号をかくまっていた桐子でした。札幌に戻る前、英次は桐子の店を尋ねますが、英次に背を向けたまま涙を流す桐子。英次はそのまま札幌行きの列車の人となりました。

駅STATION

学生時代にはやりました。そもそも倉本聰の北の国からが大ヒットしていた時期です。国鉄もこの映画公開と同時にイベント列車を走らせています。当時は、大学ではテニスサークルが流行っていて、デートは当然湘南方面へ、六本木のディスコにあこがれる時代。そういうこともしてはいましたが、私は、国鉄全線乗車みたいなこともしていました。結局達成していませんが…。従って、増毛とか銭函とか、北見枝幸とか、上砂川とかおなじみの地名です。でも、この映画鉄チャン仲間には人気がありませんでした。ある意味、オタク趣味の日陰者の華やかなものへの反抗かと…。従ってどうしても否定的に見てしまうところがあります。

まずは、列車が連続したシーンのはずなのに、次の風景で変わっていたような気がして引っかかっています。それも客車の気動車が荷物車になっていたような…。そのあたりのこだわりに関しては、何かと気になる性なのです。
そんな中で、烏丸せつこが一番良かったです。この演技といい、役柄と言い、切なさや健気さがとてもよく出ていて、そこは本当に素直に感動しました。そして、犯人やその家族と、高倉健の因果応酬は全体のストーリーにかかわり、これはなかなか面白かったと思います。

主人公の高倉健の演じる英次ですが、出発前に桐子の店に戻るのが、違和感が残って仕方がありません。確かに不器用な男を演じているのですが、そこで戻る理由って、エクスキューズしか思い当たらないのですが。でも、そこでも何も言えないし、逆に強引に言い寄ることもしない。その上、別れた妻にも何も言えない。まぁ、だから別れたんでしょうがね。といいたくなります。いい人だけと、優柔不断ではっきり言えない不器用な男を、ここまで畳みかけて大々的な大作にして描くもんですか?という感じが残ります。英次の描写に関しては、素晴らしいところもあり、気になるところもありで全体としては面白いのですが、どうも私にとって、この時代の邦画のマイナスイメージは、実はこういうところなのかもしれないと思った次第です。

2019.2.3 自宅にてNHKBSからの録画鑑賞

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「ヒトラーコード39」 イギリス戦時の政争を元にした忍び寄るサスペンス

Amazon Prime から、面白そうなものを探している時、目に留まった映画です。英独開戦前夜の陰謀劇という感じで、予告編を見てみると美しい風景がいろいろあって気になりました。2009年の映画で、イギリス製作で、監督はスティーブン・ポリアコフです。

あらすじ
1939年英独開戦前夜のイギリス。下院議員の義父に育てられたアンは、父が内務省から預かっていた2枚のレコードを発見する。ダンスミュージックのレコードのはずが、そこにはドイツへの宥和政策に反対する主戦派の人々の暗殺を企てる男たちの密談が録音されていた。そしてアンの周りで一人一人自殺していく…。



一人の少年が、老人2人の住む家を尋ねます。彼らは親族で、少年の訊きたかったのは伯母のアンのこと。2人の老人は悲しい話と前置きしたうえで、話を始めました。それは1939年のことです。地元の名士の子息3人が、広大な領地の中で遊びつつ戯れていました。長女のアン(ロモーラ・ガライ)、長男のラルフ(エディ・レッドメイン)、次女のセリア(ジュノー・テンプル)。長女のアンだけが両親が子供ができなかった頃に貰われてきた養子でした。

英独開戦前夜、対独戦略で国内は二分されています。古参の議員であるこの家の当主アレキサンダー(ビル・ナイ)は、世の喧騒とは別に静かに活動しているかに見えました。ある日、父の誕生祝に開かれたパーティで集まった人々。機密を扱う内務省のバルコム(ジェレミー・ノーサム)、血気盛んな主戦派の議員ヘクター(デイヴィッド・テナント)、そしてアンの恋人ローレンス(チャーリー・コックス)。熱弁を奮うヘクターを見るバルコムの視線に、アンは只ならぬものを感じます。そして、時を置かずヘクターが自殺。そして、バルコムから預かった隠されていたレコードをかけたアンは、そこにヘクターの脅されて必死で助けを乞うような声の録音を聞いたのでした。

アンは信頼できる俳優仲間のギルバート(ヒュー・ボネヴィル)にその件を話し、レコードを聴いてもらいますが、彼はアンに、もう一度聞いてみるようにと言い残して自殺。アンがレコードを聴いてみるとそこにあったのは、反対派の暗殺を指揮するグループの会議で、その中にはバルコムとともにラルフの声が。そして、このことを恋人のローレンスに話すと、主戦派として活動する彼は、これを追求するつもりでアンからレコードを借りようとして殺されてしまいます。アンは徐々に行動を制約され、そして父も対立する宥和派の主要メンバーであり、それにラルフやセシルも協力していることを知りました。父はアンに和平を唱える一方、あくまで家族を守ると言いながら、彼女を軟禁状態にし、アンは何もできず孤立していきました。

家の中が母だけの時、母の計らいでアンは家を抜け出します。逃げる途中、公園で楽しく遊ぶ家族たちと出会い、輪の中に入れと誘われますが、家族を振り切り逃走。そして、そこで老人たちの話が終わりました。老人たちは、アンは20年前にカナダで死んだと聞いたと少年に言います。少年は、会ってもらいたい人が外で待っていると告げ。アンの甥たちを外に連れ出しました。遠くから車椅子に乗ってやってくる老婦人。それは、毅然として笑みをたたえたアンの姿で、彼女は我々は家族だから会えて嬉しいと話すのでした。

ヒトラーコード39

久しぶりに邦題の付け方を考えさせられる映画でした。原題は「栄光の39年」。ヒトラーの勢力が拡大し、英独が戦争状態に入った1939年の、イギリス国内での主戦派と宥和派の繰り広げる陰謀劇を、それに巻き込まれてしまうアンの視点で語るストーリー。最終的にチャーチルが世論をまとめ、国力が落ちて誰もが悲観的だったイギリスが、アメリカの支援を得て戦勝に至り、それが後世に語り継がれるわけですが、最後に登場するアンの勝ち誇ったような晴れ晴れした表情は、そういった勝利の意味も込められていると思います。

ヒトラーコード39とは、日本でヒトラーの名前を出せば一定の注目を得られ、コードで、何やらスパイの陰謀渦巻く映画として興味を引き、39の数字を入れることで、暗号コードめいて興味を引く。という邦題は、この映画に強烈なB級感さえ植え付けています。ですが、この映画の内容は、最近の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」や「ダンケルク」に近いものでした。ただ、激動の表舞台映画ではなく、その時代を題材にしたエピソードという形です。とは言ってみても、日本で当時のイギリスの政争に理解を持ちたがる人は多くないでしょうから、この邦題は致し方なし。DVDプレミアという状況でまともに名前を付ければ、見向きもされないでしょうから、この邦題で見せていただいただけでもありがたく思うべし、ところでしょうか。

邦題論はさて置いて、この映画を見てみようと思ったのは、予告編の映像がすごくきれいだったからです。邦題からくるようなB級感からはかけ離れたような、美しい映像。実際見ても素晴らしいものでした。そういった映像でつながれていく物語ですが、全体にゆっくりと時は流れ、サスペンス感を盛り上げていく形です。幾分停滞しがちであるとも言えます。これは変なB級スパイ映画的な期待を持っているからかもしれません。当時のイギリスの上流階級を映し出している映画。謎は結局スッキリとは解明された感じは乏しいですが、サスペンス感はかなりあります。そして、改めて歴史のおさらいもできましたし、一方で、勝てば官軍、イギリスの栄光を後世に伝えるという形で、こういった映画も作れるのだなと、改めて思った次第です。

主演のロモーラ・ガライに加え、ビル・ナイエディ・レッドメインも好演。美しい映像の映画を撮っていただきました。

2019.4.6 HCMC自宅にて、Amazon Prime よりパソコン鑑賞

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「幸福の罪」 人間の罪を重層的に暴き出していく重い映画

チェコの映画は、かなり久しぶりです。というか、見たのは1本だけ。前回は「乙女の汚れた裸」という何かよく解らない映画だったので、今回は再挑戦です。さて、どうなんでしょうか。2011年製作の映画で、いくつかの賞も受賞しています。

あらすじ
信頼のあるリハビリ医トマシュは、少女への性的虐待容疑で拘束される。この捜査を担当したのは刑事ラダは、トマシュの幼馴染で、妻のミラダの別れた元夫であった。トマシュが拘置所にいる間、彼女はラダを私怨による逮捕だと非難するが…。



リハビリ医のトマシュ(オンドジェイ・ヴェトヒー)は、妻のミラダ(Zita Morávková)と、妻と前夫の間にできた障害をもった息子、娘、そして妻の父と妹リダ(アナ・ガイスレロヴァ)という家族の中で生活していました。家族は医者の家系のようですが、リダは歯科大学を中退し、病院や老人ホームを回ってボランティアで見世物をやっていました。障害を持った息子は、元夫のラダ(ヒネク・チェルマーク)も共同で施設への送り迎えや世話をしていました。彼は刑事で、トマシュとも幼馴染です。しかし、妻も子供もトマシュに取られてしまっているのでした。それでもラダは、トマシュの家族とも良好な関係を築いていました。

ある日、患者の14歳のオリンカ(アナ・リンハルトヴァ)が、退院を嫌がり病院に残りたいといい始めます。同僚の話から、オリンカは文才があるようで、トマシュの家に届いていた謎の卑猥なメールはオリンカが送っていたものと解ります。オリンカは、トマシュを好きになってしまい、迷惑行為に至ったようです。トマシュはオリンカを言い聞かせ退院させますが、オリンカの性的虐待を受けたという告発により、トマシュは警察に拘束されます。その捜査にあたっていたのがラダ。ミラダはこの拘束は、ラダの逆恨みだと考え抗議しますが、ラダはすべて公平に扱い、オリンカが処女であったこともわかり、釈放されました。

その釈放の日、トマシュとミラダが再会を喜び合う中で、妹のリダが堰を切ったように騒ぎ始めます。そして数日後、湖畔のコテージで落ち合うトマシュとリダ。2人の関係はリダが14歳の時から続いていたようです。一緒になれないまま姉と一緒に生活し、トマシュとの関係を続けてきたリダは、セックスの後で、今回のオリンカとの関係の真実を問いただしますが、トマシュは相手にしません。激しい喧嘩の後でトマシュは一人で帰り、残されて下着姿で一人湖に入るリダ。そしてリダは水死体となって発見され、リダの体に残された性交や格闘の痕跡から、他殺と判断されトマシュは再び逮捕されることになるのでした。

そしてオリンカはより大人っぽくなり、刑務所にいるトマシュへの想いを手紙にしていました…。

幸福の罪

思い返すにつけ、重い題材の映画でした。前半は、夫が未成年者への猥褻行為で捕まってしまい、それを捜査するのは別れた元夫。しかも、別れた夫との間に設けた障害を持った男の子を、お互いに介護する関係。未成年者への猥褻行為については、少女の虚偽の告発による冤罪とわかり、一瞬の解決が見られますが、問題はここから。夫と妻の妹には、夫婦が付き合い始めた時から続く不倫関係があり、それは妹に強いコンプレックスを植え付け、その後の彼女の人生も変えてしまっていました。妻のいる家で妻には触れず、隠れて用を足すように妹とセックスする夫。そして、大いなる破局に向かい、もはや夫は何も抗弁することも信頼も無い…。

最後の方で、妹と夫の不倫関係を見ているうちは、この男は危険な状況の中で、上手くやっているな…。というイメージさえ湧いてくるのですが、それをすべて葬り去ってしまう、強力な破局が待っていました。こうまで見せられると、不倫とかという在りがちな言葉を超えて男女の関係や人間の生き方に対する、抵抗し難い無力感を感じ、いかに社会がリスクに対応していろいろな戒律を作っているかということを考えてしまいます。原題のチェコ語Nevinnostを英訳するとイノセンス。つまり無罪、無垢ということです。確かに男は刑事上無罪に見えますが、それ以上の遥かに重い罪を負ってしまいました。

この映画は、ほとんど明るい色を感じません。妹の扮する道化の鼻の色が一番鮮やか。全体的に暗い色調なのは、東欧の映画ならではと思っていたのですが、ストーリー自体が重層的に暗いのです。そして、生活感満載の登場人物。例えば「万引き家族」とか、暗い生活感が良く出ていますが、あのような作られたものではなく、普通の生活を送っている中での、それぞれの登場人物の持つコンプレックスや置かれた現状がどうしようもない生活感としてのしかかってきます。ここまで描き切って、何とも言えない虚脱感を与えて終わる映画。なんとも形容しがたい映画でした。

2019.4.6 HCMC自宅にて、Amazon Prime よりパソコン鑑賞

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オールタイム映画ベスト100 (2012) 英国映画協会(監督選定)

3月25日に書いた英国映画協会の10年に一度のランキング2012年版の、こんどは監督投票によるバージョンです。こちらは、絶対人数が少ないと思うので、順位下位の方は同数投票でかなり順位がダブっているようです。批評家投票は幅広い分野・地域・年代の作品が選ばれているような気がしますが、こちらは幾分有名作品が多くなっているような気がします。ジョン・カサヴェテスやスタンリー・キューブリックが増えているような…。
批評家ベスト100圏外からの登場で最高位は。26位の道(フェリーニ)、逆に監督選定で圏外に落ちた中で、批評家投票の最高位は、15位の晩春(小津)でした。しかし、こちらでは東京物語が、長年の市民ケーンの不動の1位を破ってトップに上がっています。

監督による100投票


英国映画協会 批評家選定ベスト100(2012)はこちら

鑑賞したものは、茶色このブログにあるものは赤色でリンクしています

01.東京物語 (1953) (小津安二郎)
02.2001年宇宙の旅 (1968) (スタンリー・キューブリック)
02.市民ケーン (1941) (オーソン・ウェルズ)
04.8 1/2 (1963) (フェデリコ・フェリーニ)
05.タクシードライバー (1976) (マーティン・スコセッシ)
06.地獄の黙示録 (1979) (フランシス・フォード・コッポラ)
07.めまい (1958) (アルフレッド・ヒッチコック)
07.ゴッドファーザー (1972) (フランシス・フォード・コッポラ)
09.鏡 (1975) (アンドレイ・タルコフスキー)
10.自転車泥棒  (1948) (ヴィットリオ・デ・シーカ)
11.勝手にしやがれ (1960) (ジャン・リュック・ゴダール)
12.レイジング・ブル (1980) (マーティン・スコセッシ)
13.仮面ペルソナ (1966) (イングマール・ベルイマン)
13.大人は判ってくれない (1959) (フランソワ・トリュフォー)
13.アンドレイ・ルブリョフ (1966) (アンドレイ・タルコフスキー)
16.ファニーとアレクサンデル (1984) (イングマール・ベルイマン)
17.七人の侍 (1954) (黒澤明)
18.羅生門 (1950) (黒澤明)
19.バリー・リンドン (1975) (スタンリー・キューブリック)
19.奇跡 (1955) (カール・テオドール・ドレイエル)
21.バルタザールどこへ行く (1966) (ロベール・ブレッソン)
22.モダン・タイムス (1936) (チャールズ・チャップリン)
22.アタラント号 (1934) (ジャン・ヴィゴ)
22.サンライズ (1927) (F・W・ムルナウ)
22.ゲームの規則 (1939) (ジャン・ルノワール)
26.黒い罠 (1958) (オーソン・ウェルズ)
26.狩人の夜 (1955) (チャールズ・ロートン)
26.アルジェの戦い (1966) (ジロ・ポンテコルヴォ)
26.道 (1954) (フェデリコ・フェリーニ)
30.ストーカー (1979) (アンドレイ・タルコフスキー)
30.街の灯 (1931) (チャールズ・チャップリン)
30.情事 (1960) (ミケランジェロ・アントニオーニ)
30.フェリーニのアマルコルド (1973) (フェデリコ・フェリーニ)
30.奇跡の丘 (1964) (ピエル・パオロ・パゾリーニ)
30.ゴッドファーザーPARTII (1974) (フランシス・フォード・コッポラ)
30.炎628 (1985) (エレム・クリモフ)
37.クローズ・アップ (1990) (アッバス・キアロスタミ)
37.お熱いのがお好き (1959) (ビリー・ワイルダー)
37.甘い生活 (1960) (フェデリコ・フェリーニ)
37.裁かるゝジャンヌ (1928) (カール・テオドール・ドレイエル)
37.プレイタイム (1967) (ジャック・タチ)
37.抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より (1956) (ロベール・ブレッソン)
37.ビリディアナ (1961) (ルイス・ブニュエル)
44.ウエスタン (1968) (セルジオ・レオーネ)
44.軽蔑 (1963) (ジャン・リュック・ゴダール)
44.アパートの鍵貸します (1960) (ビリー・ワイルダー)
44.狼の時刻 (1968) (イングマール・ベルイマン)
48.カッコーの巣の上で (1975) (ミロシュ・フォアマン)
48.捜索者 (1956) (ジョン・フォード)
48.サイコ (1960) (アルフレッド・ヒッチコック)
48.これがロシアだ(カメラを持った男) (1929) (ジガ・ヴェルトフ)
48.SHOAH ショア (1985) (クロード・ランズマン)
48.アラビアのロレンス (1962) (デイヴィッド・リーン)
48.太陽はひとりぼっち (1962) (ミケランジェロ・アントニオーニ)
48.スリ (1959) (ロベール・ブレッソン)
48.大地のうた (1955) (サタジット・レイ)
48.裏窓 (1954) (アルフレッド・ヒッチコック)
48.グッドフェローズ (1990) (マーティン・スコセッシ)
59.欲望 (1966) (ミケランジェロ・アントニオーニ)
59.暗殺の森 (1970) (ベルナルド・ベルトルッチ)
59.アギーレ・神の怒り (1972) (ヴェルナー・ヘルツォーク)
59.ゲアトルーズ (1964) (カール・Th・ドライヤー)
59.こわれゆく女 (1974) (ジョン・カサヴェテス)
59.続・夕陽のガンマン 地獄の決斗 (1966) (セルジオ・レオーネ)
59.ブルーベルベット (1986) (デイヴィッド・リンチ)
59.大いなる幻影 (1937) (ジャン・ルノワール)
67.地獄の逃避行 (1973) (テレンス・マリック)
67.ブレードランナー (1982) (リドリー・スコット)
67.サンセット大通り (1950) (ビリー・ワイルダー)
67.雨月物語 (1953) (溝口健二)
67.雨に唄えば (1952) (ジーン・ケリー)
67.花様年華 (2000) (ウォン・カーウァイ)
67.イタリア旅行 (1954) (ロベルト・ロッセリーニ)
67.女と男のいる舗道 (1962) (ジャン・リュック・ゴダール)
75.第七の封印 (1957) (イングマール・ベルイマン)
75.隠された記憶 (2004) (ミヒャエル・ハネケ)
75.戦艦ポチョムキン (1925) (セルゲイ・M・エイゼンシュテイン)
75.M (1931) (フリッツ・ラング)
75.ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (2007) (ポール・トーマス・アンダーソン)
75.シャイニング (1980) (スタンリー・キューブリック)
75.キートン将軍 (1929) (バスター・キートン/クライド・ブラックマン)
75.マルホランド・ドライブ (2001) (デイヴィッド・リンチ)
75.時計じかけのオレンジ (1971) (スタンリー・キューブリック)
75.不安と魂 (1974) (ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)
75.ケス (1969) (ケン・ローチ)
75.ハズバンズ (1970) (ジョン・カサヴェテス)
75.ワイルドバンチ (1969) (サム・ペキンパー)
75.ソドムの市 (1975) (ピエル・パオロ・パゾリーニ)
75.ジョーズ (1975) (スティーヴン・スピルバーグ)
75.忘れられた人々 (1950) (ルイス・ブニュエル)
91.気狂いピエロ (1965) (ジャン・リュック・ゴダール)
91.アンダルシアの犬 (1928) (ルイス・ブニュエル)
91.チャイナタウン (1974) (ロマン・ポランスキー)
91.ママと娼婦 (1973) (ジャン・ユスターシュ)
91.美しき仕事 (1998) (クレール・ドニ)
91.オープニング・ナイト (1977) (ジョン・カサヴェテス)
91.黄金狂時代 (1925) (チャールズ・チャップリン)
91.新学期 操行ゼロ (1933) (ジャン・ヴィゴ)
91.ディア・ハンター (1977) (マイケル・チミノ)
91.ラルジャン (1983) (ロベール・ブレッソン)
91.チャイニーズ・ブッキーを殺した男 (1976) (ジョン・カサヴェテス)
91.サン・ソレイユ (1982) (クリス・マルケル)
91.赤い影 (1973) (ニコラス・ローグ)
91.怒りのキューバ (1964) (ミハイル・カラトーゾフ)
91.去年マリエンバートで (1961) (アラン・レネ)
91.サムライ (1967) (ジャン・ピエール・メルヴィル)


以上、106本の作品がラインナップされていました。こちらも後半は壊滅状態(笑)・・・。結局39本見ていました。批評家選定より若干多いくらいです。それもそのはずで、そんなに大きく入れ替わっているのではないですから…。やはり、市民ケーンを見てないというのはいけませんね…。また、ぼちぼち別のベスト100を準備していきたいと思います。 (2019.4.17記)

更新しました。視聴は47本となりますた。50%まであと少し…。 (2019.8.22記)

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「グアバ・アイランド (Guava Island)」 ネット限定、自由を求める島民の物語

最近、Amazonにより、インターネットによる世界同時公開された映画を無料期間中に見てみました。あまりこういった映画?は見ていなかったのですが、リアーナも出ているし、話題性を求めてということです。
実際に映画の範疇にどこまで入れるかが悩みどころ。ネット配信だけの映画も数多く出てきました。TVやビデオ発売というのもあるので、その流れと言えば同じではありますが…。劇場公開を基準に捉えると、今度は演劇やコンサートを映画化したものははどうなの?という問題も出てきます。自分なりの基準は、劇場公開かつ、演劇などの作品は除くというものなのですが…。

あらすじ
幸福な島、Guava Islandは今や一人の人物レッド・カーゴが仕切っていた。島に住むラジオスターのダニは、島民を盛り上げるカーニバルを企画するが…。



かつて幸福なパラダイスであったGuava Islandは、紛争のあと、レッド・カーゴ(ノンソー・アノジー)が率いる独裁者の島として発展していました。これは、その島に起こったことを母が娘に語ったお話です。

コフィ(リアーナ)は小さい時から島の外の世界を夢見ていましたが、彼女の家の窓辺で歌を歌う青年とともに成長、お互いに働くようになった今でも恋人同士でした。青年ダニ(ドナルド・グローヴァー)は、島のラジオのパーソナリティとして活躍し、彼の歌う歌は島の誰でも口ずさみ踊るほどの人気者。ダニは島のカーニバルにを企画し、一夜を盛り上げようと計画。島の誰もが楽しみにしていました。

カーニバルの当日の土曜日、島の支配者レッド・カーゴはダニを拉致。カーニバルで歌うと翌日の日曜日は誰も働かなくなる。日曜日に島民を休ませるつもりはない。今夜はカーニバルを中止にしろと脅迫します。解放された後、コフィと出会ったダニは、そのことを告げませんでしたが、コフィはダニの反応に違和感を感じます。コフィは妊娠したことを告げたかったのですが、その場は言い出せませんでした。ダニは夕方のラジオ放送でもカーニバルで待っていると放送、コフィはダニの家にレッド・カーゴが訪ねてきていることに不安を感じます。

さて、カーニバルは大盛況で、ほとんどの島民が集まる中、ダニは歌い始めますが…。

Guava Island

ストーリーだけを追うと単純ですが、歌や踊りを用いたエピソードで全体を作り上げて、メッセージ性を出しています。まずは、ドナルド・グローヴァーと、リアーナがお目当て。2大トップスターであり、ミュージシャンの共演というところも売りになっています。そういう意味では、ミュージックビデオにも近い感じもありました。さすが、ミュージックビデオでグラミー賞受賞のヒロ・ムライが監督なのですね。

一方、この映画のメッセージはストレートでもあり複雑でもあり、多様なものに感じました。搾取への対峙、人間の根源的な自由と解放を追求するメッセージや、夢をかなえようとする希望などなど。アメリカに行って自分のボスになりたいという男に、「アメリカは概念、人を働かせておこぼれを貰うこと、金があれば自分のボスになれる。」と。こういった内容をミュージックビデオ的に語っていくのは、やはり映画と言うよりも歌の感覚かなと思いました。そして、大きな代償を払って得た、島民自身が自分のボスになる一日。夢への第一歩です。

この映画はダニのストーリーを基本にしながらコフィの視点から描いたという事になると思います。視点と言っても母が子に語り掛ける物語、語りはさらに新しいDream come trueの物語へと続いていくようです。語りのシーンのGuava Islandの成り立ちの説明とか、アニメがなかなか可愛らしいので、その視点も大切にメッセージを見出していきたいと思いました。あえて言えば、リアーナの歌も聞きたかったかな。ロケ地はキューバ。ビーチや50年代のアメ車、大邸宅など、キューバらしく、またリゾート感も満載でした。

2019.4.15 HCMC自宅にて Amazon Prime よりパソコン鑑賞

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「奥様は魔女」 可愛い魔女のイメージを作ったファンタジー・コメディ

奥様は魔女と言えば、テレビドラマだし、ニコール・キッドマンの映画でもあるし、いろいろと有名な題名ではあるのですが、その元になった映画が、このルネ・クレールの奥様は魔女。1942年の映画です。

あらすじ
17世紀のアメリカで、魔法使いジェニファーとその父は火あぶりとなり、魔法を封じるために木の下に封じ込められる。自分たちを告発したウーリー家への復讐のため、ジェニファーはウォーリー家の男たちが今後代々不幸な結婚をするように呪いをかけ、そして現代、稲妻が木を割ったために2人は自由になり、ウォーリー家の現在の当主のウォレスを破滅に追い込もうとするが…。



17世紀、魔女とその父の火あぶりが行われました。魔女ジェニファーは告発したウォーリー家に末代まで、当主が不幸な結婚をするという形で祟ることに決め、父とジェニファーは木の根元に封印されたのでした。そして現代。稲妻が木を傷つけ、2人は解放されます。煙の姿でウォーリー家を覗くと、現代の当主ウォレス(フレドリック・マーチ)は、州知事選に立候補。そして、同時に翌日結婚式を迎えようとしていました。これを見たジェニファーは、ウォレスを破滅に追い込むことに決め、魔法でホテルを燃やすことにより、美しい体を得ます。その燃えるホテルの中で実体化したジェニファー(ヴェロニカ・レイク)を救出したウォレスは、ジェニファーの魔法にかかり一晩を共に過ごしてしまいました。

さらにジェニファーは、結婚式の妨害のため、惚れ薬を準備しウォレスに飲ませようとしますが、誤って自分が飲む羽目になり、ウォレスを熱愛し始めます。父(セシル・ケラウェイ)は自分も体を得て、本来の復讐劇に戻そうと、ウォレスを恐喝したりしますが、逮捕され牢屋に。父は魔法で脱出しようとしますが、煙の状態で長い間酒瓶の中に入っていたので、すっかり酔っぱらって魔法を忘れている始末。そして、結婚式の時間がやって来ると、ジェニファーは結婚式を妨害して目茶苦茶にし、怒った新婦のエステル(スーザン・ヘイワード)は立ち去ってしまいました。ウォレスを独占したジェニファーは、魔女であることを告白、その証拠としてウォレスを知事選で圧勝させ、いい奥様になることを誓います。

しかし、父が黙っていませんでした。父はジェニファーの魔力を奪い取ると、煙に戻し元の木の根元に封印してしまいました。しかし、愛は魔力よりも強いとジェニファーが言った通り、魂の抜けたジェニファーの体にウォレスがキスをしたところで復活。それを酒瓶の中で見ていた父を瓶に封じ込め、再び二人は幸せな結婚生活を送り始めます。数年後、沢山の子供たちに囲まれたジェニファーの不安は、娘がしきりに箒にまたがって歩きまわること。そして父はしっかりと酒瓶に密閉されて部屋に飾られ、いつも上機嫌で酔っぱらっているのでした…。

奥様は魔女

いやいや、これは好きです。この映画をベースに、奥さまは魔女のテレビシリーズが生まれ、それがヒットした日本でも、魔法使いサリーやコメットさんが作られ、魔女のイメージが可愛いものにすっかり定着してしまいました。奥さまは魔女のサマンサは、ニコール・キッドマンの映画にも登場。それもこれも、ヴェロニカ・レイクの可愛い魔女がベースになっているのでしょう。いわば彼女の娘たちで、それほどまでに、彼女の魔女は愛嬌があり、行動が可愛らしいと思いました。

ラストシーンで、ジェニファーの娘が箒にまたがって遊んでいる姿は微笑ましくて最高です。このシーンだけでもこの映画がさらに印象深いものになると思います。これにはやられました…という感じでした。ルネ・クレールの映像は当時の特撮を使いながら、このファンタジー・コメディを盛り上げていきます。車が空を飛んだり、箒が空を飛んだりは勿論、煙の様子などなど芸が細かいです。今の特撮とはもちろん違いますが、いろいろと楽しい映像を見せてくれています。

ルネ・クレールと言えば、見たことあるのは、まだ「夜ごとの美女」だけ。あちらもファンタジックなストーリーだったと思います。奥様は魔女は、大戦中に渡ったアメリカ時代の映画で、本来イメージは、アヴァンギャルドからスタートしたフランス古典の監督さん。そういう意味では、映像的な工夫が面白い、いろんな引き出しがある人かな?と思いましたので、また、ちょっと遡って見てみたいと思いました。

2019.3.31 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoからのパソコン鑑賞

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「ヴェニスの子供自動車競走」「メーベルの窮境」 チャップリンのスタイル初登場の2作品

チャールズ・チャップリンの初期作品の鑑賞です。短い作品なので、今回は2本一緒にご紹介。いずれも10分前後の作品で、2作目、3作目にあたります。監督はいずれもヘンリー・レアマン。1914年の映画になります。

あらすじ
「ヴェニスの子供自動車競走」…子供自動車競走を撮影するカメラの前に、執拗に映り込んでくる男の映像。
「メーベルの窮境」…ホテルのロビーで泥酔している男は、メーベルを目にとめ、彼女に言い寄ろうとするが、メーベルはパジャマ姿で部屋を閉め出されてしまい…。



「ヴェニスの子供自動車競走」
こちらは、子供自動車競走を撮影するカメラに執拗に映り込んでくる男(チャールズ・チャップリン)を描いた映画です。とにかく何度も映り込み、何度も監督(ヘンリー・レアマン)に排除されます。

「メーベルの窮境」
ホテルのロビーで酔いつぶれている男(チャールズ・チャップリン)は、メーベル(メーベル・ノーマンド)を見ると、彼女に言い寄ろうと、部屋についていこうとします。しかし、これを一度は撃退したメーベルですが、部屋の中で愛犬と戯れているうちに、寝間着姿で廊下に締め出されてしまいます。その前の部屋では、夫婦(チェスター・コンクリン、アリス・ダヴェンポート)が宿泊していましたが、メーベルの部屋がうるさいので、妻がクレームをしにフロントへ。そこに現れたメーベルの恋人かつ夫妻の友人(ハリー・マッコイ)、そして、酔っぱらいとのドタバタで夫だけがいる夫婦の部屋に逃げ込んだメーベル、そこに帰ってきた妻、そして酔っぱらい男が入り乱れてのドタバタが始まります。

ヴェニスの子供自動車競走

この2本の映画は、チャップリンの放浪紳士スタイル「チャーリー」が初登場した作品として知られています。撮影は、メーベルの方が先、公開は自動車競走の方が先というのが、現時点の定説になっているようです。後年の心優しいチャーリーと比べると、ちょっと違う感はありますが、いずれもコミカルな姿はチャーリーの物で、ここで大衆に受け入れられスタイルが確立したということになります。

自動車競走の方は、単純にカメラに写り込もうとする迷惑男を6分以上撮影したもので、大きなストーリーはありません。ただただ、執拗に繰り返される迷惑情景と、ヘンリー・レアマンとの争いというフィルムです。ただただ、カメラの前に登場しようとするチャップリンのしぐさを楽しみましょう。最後の変顔はご愛敬です。

メーベルの方は、主役はメーベル・ノーマンド。チャップリンは放浪紳士姿で、酔っぱらいとして絡んでいく役です。犬との戯れの中で、寝間着姿で閉め出されるメーベルですが、この恥ずかしがりようからすると、今でいえば下着姿で閉め出されたくらいのイメージに相当するのでしょうか?あとは、夫婦の部屋に、その姿で忍び込んで見つかってしまうメーベルと、疑惑を向けられた夫、メーベルの恋人、メーベルに執拗に言い寄る酔っぱらいのチャップリンのドタバタ劇です。そして、この映画の一番の見ものは、ロビーで酔いつぶれている時のチャップリンのパントマイムの演技だと思います。レアマンの反対を押し切ってカットせずに残されたのだそうです。

さて、チャップリンの歴史は、まだまだ続きます。

2019.3.27 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「ハッピーフライト」 一気に見せる、楽しい航空パニックコメディ

航空会社協賛の、飛行機を飛ばすためのすべての人々の動きを、一つのコメディに仕上げた映画です。さらに、パニック要素も織り込み、盛りだくさんに楽しめる映画になっています。2008年製作の日本映画です。

あらすじ
機長昇格試験を兼ねたフライトに臨む鈴木副操縦士を中心に、ホノルル行きのジャンボ機の運航に携わる航空関係者と乗客の姿を描くフライトコメディ。離陸したものの、機体はトラブルに見舞われ、鈴木は台風の通過する羽田に戻る決断をするが…。



ホノルル行きのチャーター便は出発準備に入りました。副操縦士の鈴木(田辺誠一)にとっては、今回は機長昇格の判定のフライトになります。予定されていた温厚な教官から厳しい原田(時任三郎)へと変更。シュミレーターで失敗したばかりの鈴木は緊張の極致にありました。新人のCAの斉藤悦子(綾瀬はるか)や田中真理(吹石一恵)は、これも厳しいチーフ・パーサーの山崎(寺島しのぶ)に戦々恐々です。地上係員の木村菜採(田畑智子)は、オーバーブッキングの調整に追われ、整備士の中村(森岡龍)は、先輩整備士の小泉(田中哲司)にどやされながら作業を急ぎます。

フライトが始まると、空の安全を支えるのは、OCCの人々。ディスパッチャー(肘井美佳)が冷静に見守ります。機内では問題続出。斉藤悦子は乗客からのオーダーを間違え、食後のデザート調理に失敗したCAたちは、手作りのデザートに変更。その頃コックピットでは、速度計が作動しないという深刻な事態に陥っていました。これ以上運航を続けられないと判断した鈴木は、羽田に戻ることを決定、しかし羽田にはちょうど台風が近づいているところです。原因は鈴木がうっかり雲に入ってしまったことによるピトー管の凍結。高度が下がると解凍することを祈りながら、OCCと連携して、台風の中に飛び込んでいくのでした。

ハッピーフライト

飛行機を舞台にしたコメディでした。ANA協賛ということなので、エアポートのような厳しいパニックものにはならず、スチュワーデス物語に、飛行トラブル対応の場面を足したようなお話です。トラブルの原因も、人為的な部分もありつつ、どちらかと言えば不可抗力に求めている、運行側の落ち度を極力回避した設定でした。それはそれで結構なことですので、あとは実際によくあるエピソードを思い切り詰め込んだ形になっています。

こういう話は結構好きですので、最後まで楽しんでみることができました。とりあえずスチュワーデス物語も最後まで見通した方ですので。(あれは、脚本に増村保造さんが入っています。)良かった俳優さんは、まず、笹野高史さん。ちょっと浮いているように思えますけれど、やはり偉大だと思います。ゲロのところの演技とかなかなかです。あとは、寺島しのぶさん。やはり、ここに入ると、なかなかの風格ですね。

そういう訳で、矢口監督の力量も相まって、安定したお話でした。飛行機を飛ばすことに関するいろんな要素を総動員して、安全確保に努めているところを描いています。バックアップの無い状態を許している整備の問題が気になるところですが、一般的な基準内ということでしょうか。そこのあたりは、詳しくないのでよく解りません。安全に関する思想は年々高まっていると思いますが、基本は定時出発よりも安全優先と思います。そのあたりが現在ではさらに進歩していることを願っています。

2019.3.5 HCMC自宅にて、Anazon Prime Videoより、パソコン鑑賞

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「ゾンビーワールドへようこそ」 ちょっと下ネタの混じったご機嫌ゾンビ映画

休日の午後のひと時、あまり重くならず肩の凝らない映画ということで、見てみました。内容知識なしですが、そこそこ楽しめたらいいなという感じです。2015年のアメリカ映画です。

あらすじ
カーター・ベン・ボギーの3人は子供の頃からのボーイスカウト仲間。しかし、カーターは女の子に受けないボーイスカウトに嫌気がさしてきていた。あるキャンプの日。カーターとベンはボーイスカウトに真摯に取り組むボギーをテントに残し、秘密のパーティーに出かけるために街に戻るが、そこにはゾンビが跋扈していた…。



まずは、ある実験施設で、死体がゾンビ化します。これが物語のスタートです。

さて、カーター(ローガン・ミラー)、ベン(タイ・シェリダン)、ボギー(ジョーイ・モーガン)の3人は幼馴染でずっとボースカウトを続けていましたが、すでに高校生になって新人も入らず、真摯に続けるボギーを置いて、カーターとベンは離脱を考えていました。そんな中、2人は山中で鹿を轢いてしまい、車も故障して途方に暮れていると、カーターの姉ケンドル(ハルストン・セイジ)と友人のジェフ(パトリック・シュワルツェネッガー)たちがその夜開催するシークレットパーティーに招待されます。しかし、その間に轢いたはずの鹿はいなくなっていました。キャンプの買い物中に、同じ高校を中退しストリッパーになったという噂のあるデニース(サラ・デュモン)から、ベンは気に入られます。そして、キャンプ地に着くと、ロジャース隊長(デヴィッド・ケックナー)が現れないことに違和感を感じつつも、とりあえず和気藹々とキャンプをする3人。そして、ボギーが寝てしまうと、彼を置いて2人はこっそり抜け出し、パーティー会場に向かいました。

町は静まり返っていました。2人はデニースが勤めているストリップバーに潜入、そこでゾンビに襲われますが、ウェイトレスとして働いていたデニースに助けられます。そして、町中にたむろするゾンビを斃しつつ、保安官事務所に駆け込みますが、すでに正常な人の避難は済んだあと。そこに2人がいないのに気付いたボギーも合流し、3人とデニーズの戦いが始まりました。ロジャース隊長の家に向かうも、すでに隊長もゾンビ化、逃げ惑う中で、運よく軍人に助けられ、ジェフに教えられたパーティー会場の場所に向かいましたが、それはジェフがうその場所を教えていたのでした。その軍人もゾンビ化してしまい、軍の車両の無線から、住民の避難が完了し空爆に移るという交信を聞きます。ベンたちはシークレットパーティーの場所を突き止め、会場のケンドルたちを助け出そうと行動を開始します。

何でも日記に書くケンドルの癖を利用して、カーターの家に向かう3人。なんとかゾンビを撃退しつつ日記を手に入れた4人は、空爆を待ってもらい、助けを呼びに行くデニーズと別れ、パーティー会場に向かいました。そこでは徐々にゾンビ化が始まっており、会場は混乱中。ホームセンターでいろいろな武器を調達し、ボーイスカウトの技術を駆使して戦う3人組は、なんとか生存者を脱出させることに成功。追い詰められた3人もなんとか脱出し、最後に立ちはだかるのはロジャース隊長。しかし、ちょうどデニーズが読んできた軍によって、彼も吹き飛ばされ、無事全員避難所に到着できました。そして、3人は壊れかけた友情を取り戻し、デニースに後押しされたベンは、ケンドルに告白するのでした…。

ゾンビーワールドへようこそ

普通に面白かったというところでしょうか。ボーイスカウトの技術を駆使して撃退していくところは新鮮でした。そういう意味では、ゾンビの撃退方法がある意味凝っていて、見どころが満載だと思います。その他は、ある意味堅実な展開で、普通にゾンビが出てきて、退治していくというお決まりのパターンだと思います。話の筋がしっかりしているのでストレスが無く安定感がある分、全体的にはちょっとワンパターンかなという感じがしないでもありませんでした。

ボーイスカウトという設定に加え、もう一つの売りは、下ネタ満載というところでしょうか。ゾンビのオッパイとかペニスとかギャグの対象になって出てきます。ゾンビのオッパイの感触もごく自然に確かめていきますし、ペニスが伸びていくのは、壊れやすいゾンビにしては、そこだけなんで強力な柔軟性を持っているんだと、不思議な感じ。その他もあちこちに詰め込まれた小ネタも満載で、楽しめました。トランポリンを利用した脱出シーンとか…。

俳優さんで気になるところはそれほどなかったですが、目を引くのはデニーズのサラ・デュモンさんですかね。他の作品は見たことは無いですが、ちょっとチェックです。あと、シュワルツェネッガー息子が登場していますね。といった感じで、久しぶりに正統派ゾンビ映画を見て、午後のひと時を楽しみました。全体的には、小ネタ、下ネタ満載の堅実な安定感のあるゾンビ映画ということでしょうか。

2019.3.31HCMC自宅にて Amazon Prime Video よりパソコン鑑賞

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「涙のコメディ」 民族間のわだかまりの残るトリエステでの出来事

時折、見つけたら新たな発見を求めて鑑賞する、映画大国ではない国々の映画。久しぶりにスロベニアの映画を見つけたので鑑賞しました。Amazonの配信で、日本では劇場未公開、DVD発売もありません。題名もまぁ、あまりパッとしない邦題がついています。これは原題の直訳の様です。2016年製作のスロベニアの映画です。

あらすじ
田舎町からバスでトリエステにやってきたイダは、介護の仕事で車椅子の老人アルバートの家を訪ねる。家族と別れ独り暮らしを選んだ老人は、足も不自由で性格も偏屈。仕事をこなすイダに冷たい言葉を重ねていくが、いつも頭をよぎるのは別れた家族の姿だった…。



イダ(Marjuta Slamic)はイストリアからバスに乗ってトリエステの街にやってきました。そして車窓の風景を見ながら彼女はこの平和が永遠に続くように願っていました。トリエステで訪ねたアパートは、イダが家政婦の仕事で通っている家。車椅子で一人暮らしの老人アルバート(Ivo Barisic)が住んでいます。アルバートは交通事故で背骨を損傷し歩けなくなったため、その損害賠償でこのアパートを手に入れたようです。そして、鉄道模型で時間をつぶす傍ら、昔の写真を見つけてはその頃のことを思い浮かべていました。

イダが、食事の準備や掃除をしている間、2人はコミュニケーションをとる努力をしますが、会話は長続きせず、偏屈になったアルバートの皮肉っぽい発言で話が途絶えがちです。そして、スロベニア人の彼は他民族を忌み嫌っており、それは害虫という言葉で表現されます。彼はスロベニアの妻子と絶縁し、一人でトリエステに来て暮らしているうちに事故にあったようです。口をついて出る言葉はすべての人に対して冷笑的でした。そんな時、孫娘のソニアが農園で収穫したリンゴを持って訪ねて来ましたが、会わずに追い返してしまいます。

その日はアルバートを風呂に入れる日だったので、服を脱がして湯船に入れた時にイダの携帯がなります。それはイダの父親が倒れたという母親からの電話。その母と話す言葉を聞いていたアルバートは、イダが害虫と忌み嫌うボスニア人であることを知り、湯船の中で罵倒し、気を悪くしたイダはアルバートを湯船に残したまま出ていこうとします。アルバートは懇願し、湯船から出してもらい、イダに非礼を詫び、もう自分にはあなたしかいないと、次回の介護の日の約束をしようとしますが、イダは最後の別れの言葉を残して出ていくのでした。広い部屋には茫然としたアルバートだけが取り残されることになりました…。

涙のコメディ

これは、老人の住むアパートの一室が舞台の静かな会話だけの物語でした。時々意地悪く攻撃的な発言とともに激高するアルバート。終始冷静に対処するイダ。そして、だんだんイダは怒りがたまっていくようです。しかし、イダは激高することはありません。終始、静かに対応します。2人以外には、たまたま現れたソニア。あとは、回想や幻想の中で現れる、アルバートの家族、そしてイダの父の映像。それらは明るい光の中の、思い出の光景として描かれます。アルバートはボスニア人を忌み嫌い、それが元で家族と絶縁し、頑なに一人暮らしをしているようでした。

この地方の歴史的背景が解らないと、この映画は全く理解不能です。トリエステは、ベルリンと同じように鉄のカーテンで分断されたエリア。そして、いち早くユーゴスラビアから分離したスロベニアはEUに加盟。のちにクロアチアも加盟し、旧トリエステ地域は、イタリア、スロベニア、クロアチアに別れたまま、相互の通行は自由な状態になっています。しかし、ユーゴスラビアが分割された後の、20世紀末の民族間の抗争では、いろいろな形で民族浄化が繰り広げられ、あちこちに傷痕を残した状態となっていると思います。それが実体験としてどういうものか知る由もありませんが、この映画に横たわる平和への願いと民族差別がそれを物語っていると言えるでしょう。

アルバートが、イダがボスニア人であることを知った時の激しい拒否反応、そしてイダという話し相手が来なければ全く孤独になってしまうと思い知った時の、アルバートの打って変わった懇願。しかし、イダは、それまでとは態度を変えて、自分の名前はアイダだとはっきりと言い(ボスニア流の呼び方なのでしょうか?)はっきりと別れを宣言し、白い蝶が来ているので気を付けてと言って帰っていきます。笑顔をたたえたポーカーフェイスでした。静かな中でも激しい表現になっていると思いました。残されたアルバートは全くなすすべもありません。ただずしりと重い孤独が残るのみです。静かな映画の中に、排他的な思想への厳しい警告が秘められていると思いました。

実際には、最後の場面は、いろいろな解釈ができそうで、どうなのかよく解りません。白い蝶は幸せを呼ぶのでしょうか、それとも…。

2019.3.30 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoからパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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