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「泥棒を捕まえる人」 チャップリンは端役で登場するドタバタ喜劇

チャップリンの古い映画を見たくなって、探し出してきました。この「泥棒を捕まえる人(A Thief Catcher)」は、チャップリン出演の映画としては、本人含め、誰からも速攻で忘れられていた映画で、2010年、骨董品店から購入した古いフィルム缶の中から発見されたというものです。1914年の作品です。上映時間は約9分です。

あらすじ
三人の悪人が、そのうち一人を崖から突き落とす現場を目撃した男が、悪人に追われ警察を交えたドタバタ劇が始まる…。



3人の悪党が崖の上でもみ合っていて、そのうち一人を崖の上から突き落としてしまいます。それを目撃していた男(フォード・スターリング)は、その様子をカメラに収めますが、悪党に気づかれ追われ始めました。街中の追跡劇は、街の人も巻き込み続きますが、やがて小さな小屋に追い詰められます。そこに警官隊(キーストン・コップスで、その中にチャールズ・チャップリン)が登場しますが、悪人は警官隊をうまく言いくるめ、警官隊は退出しました。

男の小屋に空いた穴から、小さな犬が入ってきます。男は犬を言いくるめ、手紙を犬に着けて放つと、犬はキーストン・コップスの元へ。警官隊は再出動し、小さな小屋の中でドタバタの捕物が再開されました。

泥棒を捕まえる人

チャップリンの登場は、僅かに3分ほど。キーストン・コップスの一員としてのちょび髭スタイルのチャップリンで、芸風もその端々に片鱗が感じられました。それを見ると、概ね目的は達せられる訳ですが、この映画はやはり、監督であり主役であるフォード・スターリングのもの。彼のキーストン・コップスものとして見ることになります。大柄であり、かつコミカルなフォード・スターリングを見て、当時のスラップスティックコメディを楽しみましょう。

ここでは、大柄でガサツな男というイメージですが、所作は結構気に入りました。シーンを張り付けてありますが、ドアから出てくるチャップリン警官に箒で一発お見舞いするあたりは、そのまま野球のスイング。明治の大砲といった感じで、いかにもすくい打ちの大振りの構えが笑えました。そういった一つ一つの所作がツボにはまれば結構面白く感じました。フォード・スターリングの他の映像もちょっと興味が出てきた次第です。

残念なのは、ラストがちょっと締まらないというか、あれ?という感じで終わってしまった事。しかし、この時代の映画は、ほとんど見ていないと言っていいのですので、新たな発見もあって楽しいと思いました。気軽にみられるので、折に触れてみていきましょう。

2019.3.25 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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「天然コケッコー」 ピュアな田舎の村と夏帆が主演の青春物語

Amazon Prime からの映画鑑賞です。この映画は良く知りませんでしたが、とりあえず面白そうなので、ということで。特に目的を持って探すとかいった、明確なきっかけはありませんでした。2007年の日本映画になります。

あらすじ
小中学生あわせて6人の小さな田舎の学校に通う右田そよは、中2の最年長で、みんなの世話役でもありました。そんな学校に、ある日、東京からの転校生で同じく中2の大沢広海がやってきます。最初は口の悪い少年だと思っていたそよですが、お互いにだんだんと気になる存在になっていきました…。



山と海に囲まれた小さな村で、右田そよ(夏帆)は暮らしていました。村の小中学生は全部で6人。小学生と中学生の2クラスで、登下校もみんな一緒です。中学2年生のそよが最年長で、みんなの面倒をみていましたが、そんな小さな村に、東京から転校生で中学2年の大沢広海(岡田将生)がやってきました。ある日、そよは子どもたちを連れて海に行くことになり、広海も加わります。海に向かう途中の道には、自殺の現場となった橋があり、いつもはその道は通らないのですが、広海に導かれてこの日は通ることになりました。広海は母親に、ここで自殺した人は母の知り合いだったと聞いてきたようでした。

そよは、広海がずけずけと物を言いいますが、素直な性格であると解ってきました。みんなで祭りに行った日に、広海は自分の言動に落ち込んでいましたが、そこで初めて広海の母親の美都子(大内まり)に出会います。一方で、そよの父(佐藤浩市)は、そよと広海が仲良くしていることに大いに不満そうでした。それは広海よりも広海の家族に対するわだかまりのようです。そして、中学校の修学旅行はみんなで東京へ。あまりにもの人の多さに、倒れてしまい、自分は都会に向いてないと思い知ります。そよは地元へと戻ってくると、母親と床屋に行く途中で、父と、美都子が親しげに話しているのを目撃してしまいます。その光景が頭に残ってしまい、その日は一日中、気が気ではありませんでした。

そよと広海は中学3年生となり、進学のために町の高校見学に行きます。高校は2つしかなく、そよは広海と同じ高校に行きたいと思っていましたが、広海は男子生徒が坊主なので気乗りしていない様子。そして、東京の高校を受験したいと言い出します。そよはその言葉に傷つきながら、9年間過ごしてきた校舎も間もなくお別れとなることを思うと、今の生活がとても大事に思えてきます。そよと広海は2人で佇んで会話を交わし、「高校までの道を広海と一緒に歩きたかった」というそよの言葉に、広海は同じ高校を受ける決心をし、見事合格。みんな思い出の校舎で出迎えてくれました。そして、2人で思い出の校舎で合格祝いのキス。名残惜しく校舎をあとにし、高校生活へと向かうのでした。

天然コケッコー

山陰の小さな集落で展開される、かなりローカルな設定の上に立つ映画です。やはり、この時の夏帆がまぶしい映画でした。大沢君は、東京に戻るつもりが、夏帆の為に行かない。このあたりに、自分にとってトラウマの、砂の女に植え付けられた女性観を思い出します。やはり、女の人は地元に根付いて、男の人はそこにとらえられるという…。この表現の仕方は良くないので、逆に言い換えた方がいいかもしれませんし、この世代には当てはまらないかもしれませんが。まぁ、若いですから、確固たる目的があれば東京に行けばいいわけだし、とりあえずの目的が無かったんでしょうね。まだ大学進学をどうするかという次のステップもありますから。

田舎の風景は美しいし、小中生6人の集団登校にも、この村の絆を感じました。こんな世界で問題を起こして村八になると、生きていく意味まで見失ってしまうだろうと思いました。お父さんと大沢の母親も、昔どういう関係だったのかな?橋から飛び降りた女性との関係は?大沢の母親が知人というけど、自殺に追い込んだのは大沢の母親?語られていない別の物語が裏にありそうで、想像に任せられています。

郵便局員はだめですね。閉鎖的な世界の中で描かれているだけに、世間にもまれていない悲哀を出したかったのか?と勘ぐってしまいます。また学校も、大沢がいなければ弟が唯一の男の生徒だっただったはずで、圧倒的に男性が貴重な世界だったようです。単に、田舎のコミュニティと美しい風景を描いて、夏帆の圧倒的な美少女感の中で、思春期の心の動きを美しく描いた映画というだけでなく、その中で起こるいろいろな事から、語られないアイロニーも静かに横たわっているように感じました。

2019.3.4 HCMC自宅にてAmazon Prime Video からパソコン鑑賞

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「エンパイア レコード」 レニー出演の95年の映画はご機嫌コメディ

この映画は全く知らなかったのですが、レニー・ゼルウィガーが出ていたので、迷わず鑑賞です。たぶん面白いコメディーと思って見始めましたが、期待通り楽しめました。1995年のアメリカ映画です。

あらすじ
ある街の、深夜12時まで営業のレコード店の一日。前日の売上をカジノで使い果たしたルーカス。プロモーションにくる往年のスターに処女を掲げる決意をするコリー。そのコリーに今日こそ愛を告白すると決めたAJ.。出勤し、いきなりトイレでスキンヘッドにしてしまったデボラ。そして、そんな店に万引きに入ったウォーレン。そんな特徴ある店員が繰り広げる騒動の結末は?


エンパイア・レコード店は、深夜12時まで営業のレコード店。そこには個性的な店員の面々が働いていました。これは、そのレコード店のある一日のお話です。AJは、画家志望の青年。ずっと胸に秘めてきた愛しのコリー(リヴ・タイラー)に、思いを打ち明けようと決意します。昨日の閉店係だったルーカス(ローリー・コックレイン)は、店の身売りの書類を見つけ、店を救おうと昨夜売上金を持ってカジノに突入。全額スっていました。雇われ店長のジョー(アンソニー・ラパグリア)は、消えた売上金のことで悩み、コリーは、今日のイベントに登場する、昔の元アイドル、レックス(マックスウェル・コールフィールド)に処女を掲げると、親友のジーナ(レニー・ゼルウィガー)に決意表明しています。

開店の時間。1曲目は、音楽家志望のマーク(イーサン・ランドール)の選曲ではじまり、そこにルーカスが登場。ジョーにカジノで売上を使ってしまったことを白状し、ルーカスは事務所から出るなと言い渡されました。デブラ(ロビン・トゥーニー)は、遅刻してやって来ると、いきなりスキンヘッドにしてトイレから出てきます。彼女の手首にはためらい傷が…。ルーカスは店内に万引き少年ウォーレン(ブレンダン・セクストン)を発見すると、見事確保しました。

そして、レックスが店に到着。サイン会を始めますが、レックスのスターぶった横柄な態度の割には、ファンはおばさんばかり。いささか嫌気がさしているレックスのもとに、コリーが現れ誘惑しますがこれは失敗しました。ところが、ジーナが入れ替わってレックスと寝てしまい、コリーとジーナは険悪な状態に。そこにプロポーズしたAJですが、タイミングが最悪でコリーは逆上します。大混乱の後、その収拾に、デボラの仮想葬式をして皆胸の内を語る。そして、エンパイア・レコードを救おうと一同奮起し、24時を回ったころから、店員総出でチャリティーパーティー。見事ジミーは店を買い取り、継続するための資金を獲得したのでした。

エンパイア レコード

なんという考えの甘い(ない)人たちだろうと思いつつ見ていましたが、ここまで超越していると何も言えません。ただただ最高のノリですね。大変ご機嫌です。ルーカスの話は、漫才を実写したような感じですし、ウォーレンもやることがはじけていて楽しい。なんで捕まってすぐ戻ってくるの?というのが可笑しなところ。その中で、店長は意外といいやつで、こんな店員たちを束ねていくのは大変だと思う。というか、無理。

日本で見られる、レニーの映画は最近の物はだいぶん見てきたので、古い映画を一つづつ見ている感じですが、なかなかどうして面白い映画が残っていましたという感じです。レニーはやはり、何時もの様に、年代によって顔が違います。これが元の顔だったんですかね?でも、歌もいいし、しゃべりやはじけ方はいつものレニーらしい感じでした。裸エプロンのサービスもありました。

このどこかにある架空のレコード店。天国の本屋ならぬ、天国のレコード店のようなものですか?傾向はずいぶん違いますが、一つの楽しい夢ですね。ロックは聞いてわかる曲が少ないのですが、ラジオスターの悲劇くらいはかなり聞き込んでいました。レックスもなかなか良かったです。とんでもない奴ですが、落ちぶれたスターの悲哀が見事に感じられました。

2019.3.12 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoからパソコン鑑賞

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「セールスマン」 久しぶりのイラン映画に、上質の物語と演技を堪能

以前、劇場で予告編を見て気になっていた映画をやっと鑑賞できました。アカデミー賞外国語映画賞受賞。2016年のイラン・フランス製作の映画です。アスガー・ファルハディ監督は、これが2度目に受賞になります。

あらすじ
小さな劇団に所属する夫婦のエマッドとラナの夫婦は、やむを得ず転居したばかりの家で、ラナが何者かに襲われてしまう。エマッドは警察に届けないというラナに納得がいかず、自ら犯人を捜し始めるが、それを境に二人の生活は一変してしまう…。



エマッド(シャハブ・ホセイニ)とラナ(タラネ・アリドゥスティ)夫妻は、小さな劇団に所属し、セールスマンの死の舞台の練習に余念がありません。二人は、今まで住んでいた住居から引っ越さざるを得なくなり、劇団員の紹介で新居に引っ越しますが、その中の一つの部屋には前の住人の荷物が残ったままでした。ある日、妻が一人でいるときに、玄関のチャイムがなり、夫と思って鍵を開けて、シャワーに向かった妻は、そのまま暴漢に襲われてしまいます。近所の人の話では、前の住民はいかがわしい商売をしていた女で、犯人は彼女に会いに来た人間ではないかと推測されました。

部屋の中にあった忘れ物の自動車のキーから、近所にずっと駐車中の車に目星をつけた夫は、警察に連絡しようとしますが、妻はこれを拒否。それをすると2人に破局が訪れると話します。夫は納得がいかず、その車から持ち主を割り出し、ある日、その男を以前に住んでいた、今は廃墟になっている家に呼び出しました。そこに現れたのは、心臓が悪いという年老いた男でした。エマッドは事件のことを問いただしますが、男は否定します。しかし、その様子から犯人だと断定。家族を呼んですべて懺悔させると問い詰めますが、舞台の時間が近づいたため、部屋に閉じ込めてエマッドは一旦劇場に出かけます。

ラナを連れて再び戻ったエマッドは、男が心臓の発作で倒れているのを見て、男の家族に連絡。男の車から心臓の薬を探し出して服用させると、男は何とか持ち直します。妻は、彼を許すようにエマッドを説得しますが、エマッドは微妙な表情です。そこに現れた男の家族は、事件の背景は何も知らず、男の命を救ってくれたことにエマッドに心からの礼を言います。家族が男を連れ帰る前に、エマッドは男と2人だけで別室に入り、男が侵入した時に部屋に置いて行った金の額を聞き、答えられないと顔面を殴り、忘れ物と適当な金額を渡して返します。男は、呆然としてその家から出る途中、再び発作を起こし倒れてしまいました。

ラナは、呆然と救急車を見送り、エマッドとの間にはもう言葉はなく、心もどこかにかき消えてしまいました。

セールスマン


妻を襲った犯人を見つけてからの展開が凄かったです。そして、最後の行動。金を置いていった意味。それが、すべてを語り、すべてに影を落とすということになります。妻が警察への通報を拒否した理由。それを夫が暴いてしまいました。そして、もう元には戻れないという絶望感に支配されていきます。犯人にとっては、家族を前に、直接告白させなくとも、言葉以上に、心に深く突き立てた一撃でした。そして、再起不能となってしまいます。絶望的な結末ですが、あまりにもうまく決まっており、このラストはお見事というほかありません。

前半から中盤までは、行ったり来たりの展開で、少しづつエピソードを積み上げていきます。そもそも、冒頭の家を崩してしまうような工事がすごい。ここでは、こういうことが当たり前に起こるのでしょうか?それに対してさして抵抗する場面が無いのは、ちょっと不思議でした。そして、物語の舞台はイランのイスラムの戒律が厳しい世界。倫理観がしっかりしている世界ですので、堕落してしまう事は、すべてを失うことに繋がる、ということになるようです。

イランの映画を見るのはいつ以来でしょう。たまたま巡り合わなかったということですが、21世紀初頭にみた、キアロスタミの「風が吹くまま」以来と思います。そして、今回「セールスマン」を見て、イランの映画のクオリティの高さを改めて実感しました。自分の映画体験がまだまだ貧しいなと実感する次第です。そもそもファルハディ監督の映画自体初めてですので、いろいろと見ていきたいと思いました。この映画、俳優さんの演技がどれをとっても素晴らしいと思いました。

2019.3.8 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoよりパソコン鑑賞

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「花鳥籠」 ネットを通じたバーチャルSMプレイに生活感を感じる

Amazon を彷徨っている時に見つけた、エロチックな作品の鑑賞です。原作は、第一回団鬼六賞優秀作受賞の小説ということで、どんな官能的な映像が見られるかと期待です。2013年製作の日本映画です。

あらすじ
OLの寧子は、トラウマからセックスに抵抗を持っていたが、一方でネットのチャットで知り合った男たちと、バーチャルなセックスに耽っていた。ある日寧子は、「S」の命令により野外放尿の写真を撮っているところを、シュウに目撃される。シュウの言葉に激しい羞恥と快楽を感じた寧子はその深みに溺れていく…。



平凡なOLの寧子(森野美咲)は、中学生のころに義父から性的虐待をうけ、それが元で、今では男性に触れることも拒絶反応を示すほどのトラウマになっていました。その代わりに彼女は、インターネットのSM系チャットルームに登録し、Mとして、ネット上で男性に命令されながら、バーチャルな世界でのセックスに浸り、オナニーで日々オルガズムを迎えている毎日でした。そんな中で、寧子は、Sというネット上のご主人様に毎日ネット上で調教されるようになっていきます。

寧子は、街中で青年シュウ(サトウケンジ)と出会います。最初はすれ違っただけでしたが、Sに命令されて野外放尿を写真に収めている時にその現場を目撃され、シュウはやがて寧子の家に訪れるようになります。そして、寧子はシュウに慣れていき、ついに男性から触られることを受け入れました。一方で、寧子の登録しているチャットルームが元で殺人事件が発生、その元締めである男が売春斡旋の疑いをかけられていると知り、寧子はそれがシュウであり、Sであると直感。その時、シュウは寧子の前から姿を消していました。

寧子は、かつて今は空家になっている自分の実家をシュウに教えたことを思い出し、急いで駆け付けてみると庭にシュウがいました。二人は、寧子の誰もいない実家で、激しくお互いに求めあい、長い時間を過ごしますが…。

花鳥籠

前半は、正直あまり面白くありませんでした。チャットの文字が中心というのもあるのですが、登場人物もちょっと情けない感じで、おむつを敷いているところとか、色気が全くありません。主演の女優も、個人的には好きなタイプではなく、なんか生活に疲れた印象すら受けました。ということも重なって、幾分げんなりしながら見ておりました。でも、これが、やたら美人だったり可愛かったりすると、それはそれで、だいぶ話が違ってくるかもしれません。

女性が深みにはまっていく過程をじっくりと描いています。でも、これも同じパターンを繰り返して引き延ばしすぎのような感じで、もっと効果的に印象的に描く方法はないのかと?そのうえで、もう少しいろいろエピソードを混ぜるとか、いろいろありそうな感じでした。かつ深みにはまっていく過程も、インパクトをあまり感じないのですが、同種のきわどい動画を見過ぎかなという風に反省したりもしますが、もっとエロティックな表現はできるのではないかと思います。

後半は、過去にトラウマを持ち、普通の男女の付き合いを拒絶していた二人が、惹かれ合い触れ合っていって、心から愛せる相手となっていく。このあたりは話も面白くなります。そうすると、女優の胸もどんどん目に入るようになりました。なかなか形のいい巨乳でした。すごいと思います。シュウの周りに蠢いているネット利用者は、基本的に下衆としか描かれていないので、これは画一的な情景として、結局一つのストーリーだけで語っているので、深い話にならず、ラストもあまり締まらないようでした。

ところで、板の間での激しい動きは、膝が痛くなりそうと心配してしまいました。(笑)

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

2019.3.8 HCMC自宅にて Amazon Prime Videoより、パソコン鑑賞

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「街の灯」 久しぶりにチャップリンを見て昔の記憶を呼び覚ます

先日、英国映画協会の2012版批評家ベスト100について調べてみましたが、そのついでに見た映画です。やはり、名画は見ておくべきと思いまして。ただし、名画ばかり見ていると、また飽きも来るし偏っても来ますので、ぼちぼちというところです。チャップリンの名作。1931年の製作です。

あらすじ
浮浪者の小男は、街で盲目の花売娘に出会い、彼女の純真さに惹かれ世話を焼き始める。一方で、酔っぱらいの億万長者を助けたことから、男との奇妙な交際が始まる。ある日彼は、娘が家賃の滞納で立退きを迫られていることを知り、娘を助けようと金策に街を彷徨い始めるが…。



街の中心での、銅像除幕式のシーンから。盛装し厳粛な紳士淑女の前で幕が下ろされると、その像の上に一人の小男の浮浪者(チャールズ・チャップリン)が眠っていました。会場は騒然とし、なんとか彼はその場を逃げ出します。そして彼は、行く当てもなく街を彷徨っていると、街角で盲目の花売娘(ヴァージニア・チェリル)に出会い、胸をときめかせたのでした。その夜水辺で彼は一人の酔っぱらいの自殺志願者(ハリー・マイアーズ)に出会います。散々格闘した上で自殺を思いとどまらせると、酔っぱらいの男の家に招待されます。男は実は億万長者。家で飲んでもまだ足りないようで、高級クラブへ繰り出し、朝帰りしますが、酔いがさめると男は彼のことは覚えておらず、追い出されました。

彼は、男から金を手に入れると娘から花を買い、純真な娘の姿を見て幸せそうにしていました。そして、その為に清掃作業員の職を見つけ働きに出ますが、何かとうまくいかず首になり、その上娘が病気になってしまいました。娘の家に看病に行くと、そこに家賃の滞納による彼女への立退通告の手紙を見つけ、そして金を出せば盲目を治癒することができるという医師の新聞記事を発見すると、大切な恋人の為に大金を得ようと町に出ます。賞金目当てにボクシングに飛び入りしますが、さすがに歯が立たず、失意の中で街を歩いていると、再び酔っぱらい状態の彼の男に遭遇。男の家に再び招待され、相談すると気前よく1千ドルの大金を渡してくれました。しかし、そこに強盗が押し入ってきて、彼は警察に連絡したものの、警察が現れた時は既に強盗が不在。持っていた1千ドルは彼が盗んだとされてしまいました。

彼は隙を見て逃亡、娘に1千ドルを渡し、その場を立ち去ります。そしてその後逮捕され、投獄されてしまいました。時がたち釈放された彼は、以前よりはるかにみすぼらしい浮浪者となり、トボトボと街を歩いていると、娘が花屋で働いているのを見かけます。すでに、すっかり目が良くなった彼女は明るく輝いた女性になっていました。娘は、いつまでも店の前に立っている彼を見て、物乞いの男だと思い、小銭を渡そうと彼の前に出ます。そうして彼に小銭を渡すために、彼の手に触れた時、その感触が記憶を呼び覚まし、自分を助けてくれた彼のことを思い出すのでした。そして、2人はじっとお互いの顔を見つめ合いました。

街の灯

チャップリンと言えば、ほぼ若い時に見た記憶しかありません。テレビで見る映画は、民放では新しい作品を放送していましたが、NHKでは古い作品がよく流されていました。そしてその中にはたくさんのチャップリンの作品がありました。今では何を見たのかさえ忘れています。しかし、コメディとペーソスや風刺の入った作品群は、どんな作品を見ても面白いと思われ、放送されるたびに見ていたと思います。その中に、たぶんこの話もあったのではないかと思っています。

会社に入って、レーザーディスクを購入、まだ少ないソフトのカタログから選んで買ったのが、「モダンタイムズ」。超有名作品です。そして、ある時放送されていた「ライムライト」を見て感動しました。子供の頃見ていたチャップリンとは違う雰囲気。彼がアメリカで作った最後の映画で、その後も作品はありますが、その内容からも、これがチャップリンのフィナーレと感じました。そしてその後ずっと、チャップリンの作品を、積極的に見る機会がありませんでした。

久しぶりにチャップリンの映画を見て、そのようなことを思い出します。街の灯とライムライトは、話の筋立てが似ているところがあると思います。久しぶりにこの映画を見たことで、ライムライトで止まっていたチャップリン体験が、お互いの作品を連想させる、よりチャップリンの原点に近いところにあるこの映画が、再びチャップリンの世界に誘ってくれたように思いました。もう一度一つ一つ見直していきますか…。

2019.3.24 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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オールタイム映画ベスト100 (2012) 英国映画協会(批評家選定)

自分はいわゆる名画をどのくらい見ているだろうと、時々気になることがあります。せいぜい3割見てればいい方かなと思っているのですが、何をもって名画とするかというのも問題です。そこで、世の中にあるランキングをいろいろとチェックしてみることにしました。
英国映画協会のサイトには、いろいろな観点のランキングが載っています。そして、オールタイムベスト的なランキングは、10年毎とか、定期的に様々な選者で行なわれているようです。今回は、その一つである、

846人の、批評家・プログラマー・学会・配給者によるベスト100投票


を見てみました。
英国映画協会 監督選定ベスト100(2012)はこちら

鑑賞したものは、茶色このブログにあるものは赤色でリンクしています

01.めまい (1958) (アルフレッド・ヒッチコック)
02.市民ケーン (1941) (オーソン・ウェルズ)
03.東京物語 (1953) (小津安二郎)
04.ゲームの規則 (1939) (ジャン・ルノワール)
05.サンライズ (1927) (F・W・ムルナウ)
06.2001年宇宙の旅 (1968) (スタンリー・キューブリック)
07.捜索者 (1956) (ジョン・フォード)
08.これがロシアだ(カメラを持った男) (1929) (ジガ・ヴェルトフ)
09.裁かるゝジャンヌ (1928) (カール・テオドール・ドレイエル)
10.8 1/2 (1963) (フェデリコ・フェリーニ)
11.戦艦ポチョムキン (1925) (セルゲイ・M・エイゼンシュテイン)
12.アタラント号 (1934) (ジャン・ヴィゴ)
13.勝手にしやがれ (1960) (ジャン・リュック・ゴダール)
14.地獄の黙示録 (1979) (フランシス・フォード・コッポラ)
15.晩春 (1949) (小津安二郎)
16.バルタザールどこへ行く (1966) (ロベール・ブレッソン)
17.七人の侍 (1954) (黒澤明)
17.仮面ペルソナ (1966) (イングマール・ベルイマン)
19.鏡 (1975) (アンドレイ・タルコフスキー)
20.雨に唄えば (1952) (ジーン・ケリー)
21.情事 (1960) (ミケランジェロ・アントニオーニ)
21.軽蔑 (1963) (ジャン・リュック・ゴダール)
21.ゴッドファーザー (1972) (フランシス・フォード・コッポラ)
24.奇跡 (1955) (カール・テオドール・ドレイエル)
24.花様年華 (2000) (ウォン・カーウァイ)
26.羅生門 (1950) (黒澤明)
26.アンドレイ・ルブリョフ (1966) (アンドレイ・タルコフスキー)
28.マルホランド・ドライブ (2001) (デイヴィッド・リンチ)
29.ストーカー (1979) (アンドレイ・タルコフスキー)
29.SHOAH ショア (1985) (クロード・ランズマン)
31.ゴッドファーザーPARTII (1974) (フランシス・フォード・コッポラ)
31.タクシードライバー (1976) (マーティン・スコセッシ)
33.自転車泥棒  (1948) (ヴィットリオ・デ・シーカ)
34.キートン将軍 (1929) (バスター・キートン/クライド・ブラックマン)
35.メトロポリス (1927) (フリッツ・ラング)
35.サイコ (1960) (アルフレッド・ヒッチコック)
35.ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン (1975) (シャンタル・アケルマン)
35.サタンタンゴ (1994) (タル・ベーラ)
39.大人は判ってくれない (1959) (フランソワ・トリュフォー)
39.甘い生活 (1960) (フェデリコ・フェリーニ)
41.イタリア旅行 (1954) (ロベルト・ロッセリーニ)
42.大地のうた (1955) (サタジット・レイ)
42.お熱いのがお好き (1959) (ビリー・ワイルダー)
42.ゲアトルーズ (1964) (カール・Th・ドライヤー)
42.気狂いピエロ (1965) (ジャン・リュック・ゴダール)
42.プレイタイム (1967) (ジャック・タチ)
42.クローズ・アップ (1990) (アッバス・キアロスタミ)
48.アルジェの戦い (1966) (ジロ・ポンテコルヴォ)
48.ゴダールの映画史 (1998) (ジャン・リュック・ゴダール)
50.街の灯 (1931) (チャールズ・チャップリン)
50.雨月物語 (1953) (溝口健二)
50.ラ・ジュテ (1962) (クリス・マルケル)
53.北北西に進路を取れ (1959) (アルフレッド・ヒッチコック)
53.裏窓 (1954) (アルフレッド・ヒッチコック)
53.レイジング・ブル (1980) (マーティン・スコセッシ)
56.M (1931) (フリッツ・ラング)
57.山猫 (1963) (ルキノ・ヴィスコンティ)
57.黒い罠 (1958) (オーソン・ウェルズ)
59.忍術キートン (1924) (バスター・キートン)
59.バリー・リンドン (1975) (スタンリー・キューブリック)
59.ママと娼婦 (1973) (ジャン・ユスターシュ)
59.山椒大夫 (1954) (溝口健二)
63.野いちご (1957) (イングマール・ベルイマン)
63.モダン・タイムス (1936) (チャールズ・チャップリン)
63.サンセット大通り (1950) (ビリー・ワイルダー)
63.狩人の夜 (1955) (チャールズ・ロートン)
63.スリ (1959) (ロベール・ブレッソン)
63.リオ・ブラボー (1958) (ハワード・ホークス)
69.ブレードランナー (1982) (リドリー・スコット)
69.ブルーベルベット (1986) (デイヴィッド・リンチ)
69.サン・ソレイユ (1982) (クリス・マルケル)
69.抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より (1956) (ロベール・ブレッソン)
73.第三の男 (1949) (キャロル・リード)
73.太陽はひとりぼっち (1962) (ミケランジェロ・アントニオーニ)
73.天井桟敷の人々 (1945) (マルセル・カルネ)
73.大いなる幻影 (1937) (ジャン・ルノワール)
73.ナッシュビル (1975) (ロバート・アルトマン)
78.チャイナタウン (1974) (ロマン・ポランスキー)
78.美しき仕事 (1998) (クレール・ドニ)
78.ウエスタン (1968) (セルジオ・レオーネ)
81.偉大なるアンバーソン家の人々 (1942) (オーソン・ウェルズ)
81.アラビアのロレンス (1962) (デイヴィッド・リーン)
81.ミツバチのささやき (1973) (ビクトル・エリセ)
84.ファニーとアレクサンデル (1984) (イングマール・ベルイマン)
84.カサブランカ (1942) (マイケル・カーティズ)
84.ざくろの色 (1968) (セルゲイ・パラジャーノフ)
84.グリード (1925) (エリッヒ・フォン・シュトロハイム)
84.クー嶺街少年殺人事件 (1991) (エドワード・ヤン)
84.ワイルドバンチ (1969) (サム・ペキンパー)
90.ピクニック (1936) (ジャン・ルノワール)
90.アギーレ・神の怒り (1972) (ヴェルナー・ヘルツォーク)
90.天国への階段 (1946) (マイケル・パウエル)
93.第七の封印 (1957) (イングマール・ベルイマン)
93.アンダルシアの犬 (1928) (ルイス・ブニュエル)
93.イントレランス (1916) (D・W・グリフィス)
93.ヤンヤン 夏の想い出 (1999) (エドワード・ヤン)
93.老兵は死なず (1943) (マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー)
93.トゥキ・ブゥキ ハイエナの旅 (1973) (ジブリル・ジオップ・マンベティ)
93.不安と魂 (1974) (ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)
93.悲しみは空の彼方に (1959) (ダグラス・サーク)
93.たそがれの女心 (1953) (マックス・オフュルス)

以上、101本の作品がラインナップされていました。前半は、これは意外と見ているかもと思ったのですが、後半は壊滅状態(笑)・・・。結局34本で、控えめな予想通り、3割でした。これは、また楽しみが増えて仕方がないという事で解釈しておきましょう!これらの作品をぼちぼち見ながら、また別のベスト100を準備していきたいと思います。 (2019.3.25記)

監督選定ベスト100もアップしました。批評家選定の方は現時点で38本視聴になっています。4本消化…。 (2019.4.17記)

更新しました。46本視聴になりました。50%まであと少し…。 (2019.8.22記)

テーマ : お気に入り映画
ジャンル : 映画

「湿地」 北欧のどんよりした大地に展開される重いミステリー

アイスランドの映画を見るのは、「ひつじ村の兄弟」以来になります。どんよりした北欧の風景と、いかにもヨーロッパの寒村という感じの、朴訥な雰囲気の映画でしたが、きっとこれも同じ雰囲気ではないかと思います。2006年のアイスランド製作の映画で、アイスランドのエッダ賞受賞作です。

あらすじ
アイスランドのレイキャビクで、湿地の上に建てられた民家から、他殺体が発見される。捜査官のエーレンデュルは、机に隠された墓標の写真をもとに捜査を開始すると、長く埋もれていた30前の事件に行きあたっていく…。



遺伝子の研究を行っているオルン(ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン)は、5歳の娘・コーラを遺伝子疾患の難病で失いました。

湿地地帯にある住居で、老人の他殺体が発見されました。被害者は住人のホルベルク(ソルステイン・グンナルソン)で、死後2日経った死体と、床下からの異臭の影響で、部屋は強い臭気が漂っていました。ベテランのエーレンデュル刑事(イングヴァール・E・シーグルソン)は、引き出しの裏から「ウィドル」という少女の名が記された墓標の写真を発見。そして、ホルベルク自身も、幼い頃に妹を6歳で亡くし、身寄りの無い男でした。

ウイドルという娘を調べたところ、コルブルンという女性の娘だと分かりました。ウィドルは脳腫瘍で4歳で亡くなっていて、その後、母のコルブルンが自殺、父親は解りません。エーレンデュル刑事は、伯母・エーリンに会いに行きますが、彼女は警察を毛嫌いしており、ルーナル元刑事(テオドール・ユーリウソン)に関する話を彼に聞かせます。 それは30年前、ホルベルク・グレータル・エットリデの3人組が、コルブルンをレイプした事件。コルブルンはルーナル刑事にレイプのことを訴えましたが聞き入れられず、逆にコルブルンは売春をしていたという偽証まででっち上げます。そしてそのレイプによる子供が、ウイドルでした。

彼は3人組の捜査を開始。グレータルは30年前からずっと行方不明で、エットリデは刑務所に服役中でした。エットリデに聞き取りを行った結果、レイプはもう1件あったことが解ります。彼はわずかな手掛かりを元に、もう一人の被害者の探索を開始。そして、グレータルの失踪についても、ルーナル元刑事が担当しており、彼は事件をもみ消そうとしていたことを突き止めます。

ホルベルクの検死結果から、ホルベルクの脳には良性腫瘍があり、ホルベルクの妹も、幼少の頃に死んだこととの関連性があることから、レイプされてできた娘・ウイドルの墓を掘り返しますが、その白骨化死体からは脳が取り除かれていました。彼は遺伝子研究所に足を運び、そこにウイドルの脳を発見します。彼女も遺伝病である、神経線維腫症にかかっており、これは、発症した場合は幼少期に脳腫瘍で死に至るというものです。そして、一部は発症せず普通に生活を送ることができますが、その場合は「保因者」となり、発症しなくても、病気は遺伝します。コルブルンをレイプして妊娠させたのは、ホルベルクであり、ホルべルク自身は保因者ということになります。

ホルベルクの自宅を再び捜索するエーレンデュルは、床の軋みから臭いの元が、グレータルの遺体ではないかと推定。床下を剥がすと、グレータルの白骨化した死体と共に、30年前のネガが見つかります。そこにはもう一人のレイプ被害者の写真がありました。3人組は、レイプに隠匿をルーナル元刑事も依頼し、ルーナルは見返りに彼らに汚れ仕事を押し付けていたようです。そして、増長したグレータルは疎まれて、殺害されたということでした。そして、そのネガこ写っていた女性は、オルンの母。オルンが結婚して生まれた孫娘・コーラが、遺伝性の難病で死んだことから、彼女は、オルンの父がホルベルクだという可能性に思い至ります。オルンも、娘・コーラの死の原因を、家系図まで作り突き止めようとしていました。そして、彼もウイドルという少女にたどりつき、彼女が義妹だということを突き止めていたのでした。

ホルベルクが父親だと気付いたオルンは、母を問い詰めて、レイプ事件のことを知り、ホルベルクの家に行って口論の末、父親であるホルベルクを殺害したのでした。警察が突入し、オルンの家を捜索。切断された銃身も残されており、オルンが銃を持ち歩いていることがわかります。ウイドルの伯母・エーリンから、墓地に誰かいるという知らせを受け、エーレンデュル刑事は急行。オルンは死体安置所から持ち去った妹のウィドルの遺体を埋めると、持っていた銃で自殺したのでした。  

湿地

あらすじが長くなってしまいました。省略すると解らなくなってしまいますので…。内容はこの通り、なかなか重厚なミステリーで、それが北欧のどんよりした背景にじっくりと語られていきます。話の中で、遺伝とか親とか兄弟とかがいろいろと出てくるので、結構頭が混乱してしまうのですが、最終的には内容はすっきりとまとまっていて、明快でした。遺伝病の保因者がレイプ犯となり、悲劇の連鎖が生まれるという物語で、内容はズシリと重いものがありました。

出てくる風景は、どんよりと曇っていたり暗かったりと、晴れた日の無い映画で、色彩も派手な色が出てきません。その中での荒涼とした風景が背景となって、異国情緒の雰囲気が存分に味わえます。こういった風景の中でずっと生活することを考えると、少々気がめいってくるのですが、実際は晴れた日もたくさんあるのではないかと思います。アイスランドでは姓が無く、人名は、名前と父の名+ソン(男)または、ドッティル(女)であらわされるとの事で、俳優さんの名前を見てなるほどと思った次第。めったに見ない国の映画を見ると、ついでにこういう勉強にもなったりします。

ミステリーとしては、こういった病気や、レイプ等の過去からの因縁がもたらす悲劇を題材にしたものは、古今東西に多数あると思いますが、これもアイスランド風に表現されるとこうなります、ということで興味深く見ました。登場人物や俳優さんもみんな素朴な感じ。その中で、オルンの母親は年を重ねた中でも上品さがあって目立ちました。そのほかの登場人物は、アイスランドの生活感が色濃く漂っているように感じました。それがこの映画の全体の雰囲気になっているかもしれません。

2019.3.23 HCMC自宅にてAmazon Prime Video よりパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「トレマーズ」 アイデアと機転が勝負の痛快モンスターパニック

トレマーズというB級カルト映画があることは解っていたのではありますが、今日の今日まで見たことがありませんでした。公開された頃、映画をあまり見ていなかったのか、あるいはSFから離れていたのかということだと思います。1990年のアメリカ映画。主役はケヴィン・ベーコンです。

あらすじ
便利屋をしていたヴァルとアールは、この町での商売に限界を感じ、町を出ようとしたところで、地震の研究をしているロンダという大学生と出会う。あたりでは、不思議な振動が観測されており、その頃町では人々が不思議な失踪を遂げるという事件が発生していたのだ。3人はそれが地中の巨大生物の仕業だと突き止めるが、町は陸の孤島となってしまう…。



ネバダ州の小さな町で便利屋をしているヴァル(ケヴィン・ベーコン)とアール(フレッド・ウォード)は、商売に限界を感じ、町を移ろうとしていたところ、原野で地震を研究しているロンダ・ルベック(フィン・カーター)という大学生と出会いました。彼女によると、数日前から異常な地中の震動が記録されているとのこと。そして、町の人々が不審な失踪を遂げる事件が起き始めます。ヴァルたちは、ロンダと共に、その原因が地下に住む獰猛かつ巨大な生物の仕業であることを突き止めますが、町は電話も不通になり、道路も寸断され、すっかり孤立状態となってしまいました。

その地底生物は、巨体ながら、地中を高速で驀進し、地上にいる者を捕食するというもので、襲われたヴァルとアールは、分厚いコンクリートの溝を飛び越え、一方地中を走る怪物は溝の壁に激突するという機転の利いた方法で、難を逃れます。しかし、地震観測計によって地下の振動をとらえたロンダから、まだ3匹いると教えられ、町の人々は、このままではいずれ襲われると、怪物に立ち向かうことにします。

犠牲者を出しながらも、ガンマニアによって大量の銃弾を撃ち込んだりと、苦労しながら1匹づつ斃していきますが、ついに狭い岩山の上に追い詰められ、地面に少しでも近づけば怪物の餌食になるという状況になりました。ヴァルは機転を利かせ、崖に向けて疾走し、崖の直前で停止。勢い余った怪物は、崖の壁を突き破り、遥か下に落下していき、ようやく町に平和が戻ってきました。そしていつの間にか、ヴァルとロンダはいい関係になっているのでした。

トレマーズ

アイデア勝負のB級映画だったかと思いますが、見事大ヒット、続々と続編が作られました。4体のモンスターに対し、その特徴を発揮させつつ、見合った対処法をとっさに考え斃していく。まさに機転、アイデアの勝負ですが、そこが興味深く、小気味いいところでした。ケヴィン・ベーコンとフレッド・ウォードのコンビも最高で、登場人物たちはかなり癖もありますが、好感も持てる人々。彼らが、閉鎖された世界の中で手を取り合って対峙していきます。

強力なモンスターに、弱点と限界を設定し、それをうまく使って逃走あるいは斃していく。ゲームのような感覚でもあります。話は変わりますが、見ながら似たような設定の映画で「ザ・サンド」とか思い出しました。地面の上にたつとやられるというところが同じです(笑)。結局このモンスターは猪の様な猪突猛進型で、最終的にそれが命取りということになりますね。

随所に散りばめられているコメディタッチなところも見もの。怪物のパーツを買って有料で写真撮影させる中国系のおじさんも面白い。もっと活躍して欲しかった。さて、気になる続編ですが、現在まで6作で、最新作は2018年ということですから、最近でもまだまだ作られています。しかし、2作目以降は基本オリジナルビデオムービーで、劇場公開が限定的なのが残念。て手元に、大量購入したDVDに入っていた、3,4があるのですが、2を入手しないと、先に進めません(笑)。

2019.2.3 自宅にて、NHKBSプレミアムより録画鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「夏の庭 The Friends」 夏休みで成長する子供たちと別れのドラマ

昔、新潮文庫で読んだ夏の庭。いい話だったという記憶がありますが、細かくは覚えていませんでした。でも、いい印象だったので、きっと映画もいいだろうということで鑑賞を開始しました。湯本香樹実の原作による映画は、最近公開された、岸辺の旅やポプラの秋もしっかり見ております。イメージはポプラの秋に近いかな?1994年の日本映画。相米慎二監督によるものです。

あらすじ
人間の死に興味を持った小学生の3人組は、夏休みに近所に住む死にそうな独居老人の観察を始めることにした。老人の喜八は最初は怒っていたが、やがて子供たちと打ち解け、崩れそうなあばら家や、荒れ果てた庭を子供たちの手によって整理してもらい、やがて自分の身の上を語り始める。喜八は戦争で、心に深い傷を負っていたのだった。



小学生のサッカー仲間、木山諄(坂田直樹)、河辺(王泰貴)、山下(牧野憲一)の3人は、葬式に出たことをきっかけに、人の死について興味を抱きました。そして、近所の草ぼうぼうの崩れかけた家に、一人で住む老人である、傳法喜八(三國連太郎)に目をつけ、どんな死に方をするか見張ることにします。観察する様子に気づいた喜八は怒り出しますが、やがて喜八と3人の交流が始まりました。まずは、老人の指示に従い、生い茂った庭をきれいにし、家のペンキ塗りや補修を行い、庭にはコスモスの種を巻いて、見違えるように綺麗な家になります。

落ち着いたら、子供たちは喜八のことについていろいろと話を聞き始めます。喜八は古香弥生(淡島千景)という名の女性と、かつて結婚していたとの話や、戦争中にジャングルの小さな村で、やむを得ず妊娠している女性を殺してしまった話などを聞きました。3人は喜八の別れた奥さんを探し出すことにし、それらしい人を老人ホームに訪ねてみると、部屋には担任の静香先生(戸田菜穂)がいました。先生は何と弥生の孫だったのです。弥生は夫は死んだと答えるばかりでしたが、静香は喜八は自分の祖父に違いないと確信し、彼を訪ねます。

喜八は人違いだと言い張っていましたが、やがて会いに行く決心をし、準備を始めます。しかし、その当日、子供たちが喜八の家に寄ってみると、部屋の中で息絶えていました。そして、葬儀の日。3人の子供たちや、遺産のことばかり気にする甥の見守る中で、静香に連れられ弥生が現れます。じっと棺の中の喜八の顔を見つめていた弥生は、その場で正座して、「お帰りなさいまし」とお辞儀をしたのでした。数日後、老人の家を訪ねた子供たちは、暗い井戸の底からトンボや蝶、ホタルが次々と飛んでいくのを目撃します。それはまるでおじいさんが別れの挨拶をしているかのようでした。

夏の庭

小説で読んだことはありますが、すっかり内容を忘れていました。でも、ほんわりとしたいい話だったという印象があります。今回映画で見て、雰囲気は思った通り。しかし、想像以上に深みがあったことも事実です。年寄りの一人住まいで、偏屈になったおじさんを少しづつ解きほぐしているさまが微笑ましく、やはり人間一人で閉じこもってはいけないなと思った次第。子供に元気を分けてもらうという表現は、そのまま物語にするとこういうことなのでしょう。

やはり、夏休みと言えばいろいろと面白いものです。実際過ごしていた頃はそうでもなかったのですが、大人になって観ると、妙に懐かしい。大人になって、「ぼくのなつやすみ」というゲームをやりました(笑)。夏の庭は、草ぼうぼうの状況からあっさり片付けられてしまいましたが、たぶんムカデだとか、ダンゴムシとか、いろんなものが出てきて面白いはずです。実際どうだったんでしょうか。

相米慎二さんの映像は、なんか合わないなぁという印象がありましたが、今回はストレスなく見られてOKでした。三國連太郎さんも老境になり、長い間こういった役をやられていましたが、さすがに名優だったと思います。最初の方で、河辺が橋の上に乗る場面は、とてもひやひやしましたが、どうやって撮ったんでしょう。三国廉太郎が若き日に犯した大罪。それで人生を棒に振った訳ですが、戦争中とはいえ許されることでは無く、最後まで背負って行ってしまいました。そのあたりにこの物語の良心があると思いました。

2019.2.6 自宅にてNHKBSプレミアムより録画鑑賞

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