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「オープン・マリッジ ある夫婦のカタチ」 市川まさみの映画作品

人気AV女優の市川まさみさんが、最近時々Vシネマの世界に進出しているようです。ということでどういう演技をするのかと、さっそく見てみました。製作はブリーズで、2018年の作品になります。

あらすじ
結婚5年目の綾香(市川まさみ)は、出版社に勤める忙しい夫の慎吾(山本宗介)とSEXレスな生活になって数か月。欲求不満をつのらせていた。ある日夫の出版社の企画で、お互い自由に性的パートナーと関係を持つ体験レポートを依頼される…。



結婚して5年目になる専業主婦の綾香は、掃除・洗濯・買物を繰り返す単調な生活を送っていました。夜の生活も亡くなって数か月。毎日求めても拒否する夫に、昼間自分で慰める日々でした。そんな夫の慎吾は婦人雑誌の出版社に勤めていましたが、ある日編集長(GAICHI)に、オープン・マリッジの企画の体験レポを求められます。拒絶はしたものの帰宅すると早速綾香に持ち掛けますが、その場ではNO。.しかし、翌日になって綾香は気になって仕方がない様子だった。

翌日編集長から慎吾はスポーツジムに通う青山(福咲れん)という女性を紹介されます。さっそく慎吾はベッドを共にして帰宅すると、すぐにその事がばれてしまい、喧嘩の挙句綾香は浮気をすることにしました。それを想像すればするほど体が火照る綾香は、翌日夫から紹介された、イラスト作家の仁科(森羅万象)という男と会い、本人はできないという事で、マネージャーの難波(朝霧涼)が相手を務めることになります。その日は裸にされ気分を高められますが、これからという時に翌日に持ち越しを宣言され、ますます欲求不満が募る綾香でした。

翌日、綾香は難波と歩いている時、ついに我慢ができなくなり、公園のトイレでセックス。それを見ていた編集長は綾香の家を訪れ、綾香を抱こうとします。一旦は断った綾香ですが、思い直して編集長とセックスし、そこに帰ってきた慎吾は、あり得ない光景に愕然としますが、興奮している自分に気づき、自分はオナニーで果ててしまいました。それから、青山さん、編集長、難波を含む不特定多数の相手とのオープン・マリッジ生活が始まります。いつしか綾香を愛するようになった難波は綾香に告白、綾香と慎吾も結婚している意味を見失い、離婚を決意し、ついに離婚届に印鑑を押してしまいました。

ところが、いざ離婚を決意してしまうと、二人は誰とセックスしても興奮できない自分たちに気づいてしまいます。やはり、結婚し、愛し合っているからこそ、他人とのセックスで興奮するということを悟った二人は、いお互いに他人とのセックスを中断して帰宅。ちょうど来合わせた2人は、お互いの愛と夫婦であることが他人とのセックスライフを充実させることを確信し、二人だけで激しく燃え上がるのでした。

オープン・マリッジ ある夫婦のカタチ

恵比寿マスカッツ五代目リーダーに就任してしまった、市川まさみさんは、最近Vシネマにも出ていらっしゃるのですが、どういう演技をするのか興味津々で、見てしまいました。場面とかは部屋と事務所中心で、屋外が少々。金のかかっていない映像と、狭い空間でのアップが多く、セットにも生活感がなく、モデルルームのような自宅なので、AVとさして変わらない雰囲気とアングルが多いのですが、一応Vシネマなので、激しいシーンは少なめ。露出も最小限で気分を出していました。市川まさみは、ちょっと若妻っぽい、舌足らずな感じの演技で媚びたような可愛さを出しています。しかしさすがに濡れ場になると、いい表情で迫ってこられました。

ストーリー展開はかなり強引な展開で、まぁ、これは仕方がないという感じです。ただ、ラストは納得感を出すもの。全体としては、ストーリーで背徳感を煽って見せるというよりは、やはり市川まさみを引き立たせるVシネマだったんですね。オープン・マリッジという言葉は、1970年代に提唱された、結婚の形。それを地で行った映画がエマニエル夫人と言えば納得してしまいます。

他の出演女優は、福咲れん。こちらは、市川まさみさんとは違って巨乳が武器です。対照的でいい感じでした。私は、こういったVシネマはあまり見ていないのですが、今風ピンク映画という位置づけで、同時代の作品として、時々見るのもいいものかなと…。もしかしたら、面白い作品に巡り合うかもしれません。市川まさみさんは、ブレイクして多方面で活躍されているようで、SOD宣伝部時代からの作品を見ている私としては、ますます頑張っていただきたいと思います。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

2019.2.24 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoにて鑑賞
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「荒野のダッチワイフ」 ピンク映画枠を借りたヌーヴェルバーグ

シネマヴェーラ渋谷で映画を見ました。ユーロスペースはよく行きますが、こちらの方はあまり行きません。今日は、「日本ヌーヴェルバーグとは何だったのか」という特集で、1960年代から70年代にかけてのカルト的な作品を連続して上映しています。今回見たのは、荒野のダッチワイフ。1967年国映製作。太和屋竺監督による、いわゆるピンク映画に分類されている作品です。

あらすじ
殺し屋のショウは、不動産屋の中に仕事を依頼される。ナカの恋人が誘拐され、ブルーフィルムが送り付けられてきたのだという。主犯格の男がコウであることを知ったショウは、コウに殺された自らの恋人のために、彼への復讐を心に誓い、依頼を引き受けるが…。



荒野(的な場所)でタクシーを降りた、殺し屋ショウ(港雄一)は、不動産屋の中と合流、中から殺しの依頼を受けます。中は自分の事務所で事情を説明、恋人兼事務員の女(辰巳典子)が辱しめを受ける映像を見せられます。娘の父親は、ショックでダッチワイフを相手に過ごす白痴化していました。ショウは、相手の中にかつて自分の女(渡みき)を殺した因縁の男、殺し屋コウ(山本昌平)を発見。中の依頼の、ビデオの中の男たちの抹殺を引き受けることにしました。そこに電話をしてきたコウの一味は「明日の3時、バーの「門」に来い」と通知してきました。

都会の雑踏で、コウの手下を捕まえたショウは、翌日の決闘の場所である、バー「門」に現れます。ショウとコウの2人っきりになり、翌日に向けて精神を高揚させていく二人。ショウはホテルの部屋に戻ると、道であしらった街娼が待っていました。罠かと思ったショウでしたが、そうでも無いようで、そのまま銃をチラつかせて女を抱くショウ。翌日の決闘の日、バー「門」で敵を倒していくショウですが、コウは殺さずに映像の撮影場所へと連れていきます。そして、そこにいる男たちも一網打尽にしたあと、目的の女を中の事務所に運びますが、誰もいず残金がもらえない状況に…。そして女は目を覚ましません。

ショウは、いつしかホテルの部屋に戻っていて、街娼はそのままベッドに残っていました。そこへ倒したはずのコウたちが侵入してきます。そしてショウは不意を突かれ、コウの投げナイフで斃されてしまいました。どうやら、コウたちを斃したのは幻想の中のことのようでした。街娼は起きだしてコウを罵るが、寝返って、ショウの銃から弾を全部抜き切っていなかったことから、「払下げ」の為の注射を打たれ眠らされます。再び、最初の荒野の情景。冒頭と同様に、中が別の殺し屋と会っています。中はこの仕事が片付いたら街の観光名所のダッチワイフの娼館を訪ねたらいいと進めます。そこは、事務員や街娼のように、眠らされて反応の無い女たちがならんで寝ている娼館なのでした。

荒野のダッチワイフ

面白かったです。こういうのいいなぁというような感じで。冒頭の荒野の光景は、西部劇のような、日本離れした面白い構図。角度を変えてみると、すぐ先に大通りが見えるのはご愛敬です。そこにモリコーネの音楽を流せば、当時流行りの「荒野の…」にマッチするのですが、そこに重なる音楽は、山下洋輔の鮮烈なジャズというのが、ヌーヴェルバーグでした。進んでいく話の中で、実験的な映像がいろいろと出てきますが、これはすべてが回収され、解明される訳でも無く、実験的な映像はある意味、ヌーヴェルバーグ的雰囲気の効果というところが大きいのでしょうか。

ストーリーを追っていけば、最終的にはかなりの部分が、ショウの妄想だったということになるわけですが、自己都合で頭の中で結ばれたサクセスストーリーの映像の数々。見ている方は妄想とは解らず話が進んでいきます。そして、実際はあっという間に形勢逆転。アレアレという感じ。最後に、この映画がピンク映画であることを象徴する、この町の名物のダッチワイフということになる訳です。その現実感はさておいて、それもある意味妄想の世界の中の出来事と思えばありか…。ということで…。

この3週間は「日本ヌーヴェルバーグとは何だったのか」というお題の特集でした。普段はなかなか見られない作品も多く、この手の作品が、これだけ揃うと壮観でした。そして、この時期にこの映画の様な、大手5社以外の、クライムサスペンス的な激しい映画がまだまだ沢山あるのでしょうね。興味は尽きません。この映画はその中でもカルト映画として有名なので、ビデオ化され、DVDも出ているようですが、スタンダードサイズにカットされているのでは?という話です。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

2019.2.9 シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞

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「15時17分、パリ行き」 いつもの通り、拒絶反応発症です。

だいたい、東京からHCMCへの移動では、ちょうど3本の映画を見ることが多いのですが、2作見たところでちょっと期待外れ。3作目は勢いで、期待外れついでに、大嫌いなので封印してきたイーストウッド作品を見ることにしました。2018年アメリカ製作作品です。

あらすじ
幼馴染の、スペンサー・アレク・アンソニーの3人は、いつも意気投合しサバイバルゲームなどに興じていた。成長しても連絡を取り合う仲だった3人は、旧交を暖めにヨーロッパ旅行に向かうが、パリに向かう列車内でテロに遭遇してしまう…。



キリスト教の学校に通っていた少年時代のスペンサー(スペンサー・ストーン)とアレク(アレク・スカラトス)は、学校の規律が守れず問題児として扱われていました。2人の母親は教師と面談しますが、一方的な発言に母親たちは激怒。転校することになります。転校先でも問題を起こし、校長室に呼び出されますが、そこで出会ったアンソニー(アンソニー・サドラー)と意気投合。サバイバルごっこなどをして遊ぶようになりました。やがて、アンソニーとアレクは転校してしまいましたが、交流は途切れず続いていきます。

バイト先で海軍兵士と会話したスペンサーは、空軍のパラレスキュー隊に入隊する事を決意。一念発起して体を鍛えましたが、残寝ながら不合格。仕方なくSERE指導教官という職種を選びました。しかし、訓練には身が入らず、別の空軍基地で防衛手段と救急を習う事になりました。一方、州兵となったアレクはアフガニスタンに派遣されますが、想像するよりも平穏で退屈をしています。そこに、スペンサーから連絡が入り、旧友の3人でヨーロッパ旅行に行くことになりました。

ヨーロッパ各地で合流した3人は、イタリア、ドイツ、オランダと周遊し。そしてアムステルダムからパリに向かう高速列車タリス号に乗り込みます。快適な社内で、眠っていた3人ですが、乗客の悲鳴を聞き異常事態に気付きました。銃で武装した男が乗客の1人を撃ち、車内は恐怖に支配されてしまっています。スペンサーは、男に向かい走っていき、体当たりで抑え込みます。ナイフで反撃されますが、アレクとアンソニーも加わり、男を気絶させることに成功。3人はけが人の介護をしながら、乗客を落ち着かせました。テロを未然に止めた3人はその功績が称えられ、フランス政府から勲章を授与されました。

15時17分、パリ行き

私にとって、かなりのアレルギー反応の出る、イーストウッドさんですが、今回も変わりませんでした。見るまで内容は知らなかったし、出演者が、実際にこの事件に遭遇した人ということも知らなかったので、普通に映画として見ていました。まぁ。これはごく真っ当なことだと思います。イーストウッドの語り口はいつもあざとさの様なものが付いて回る気がして、見るといつも反論したくなってしまうので、長い間タブーにしていたのですが。でも、これは反論するにも及ばないのではという印象でした。一面的な価値観をただただドヤ顔で押し付けている感じです。

実話の映画化ですが、実話をそのまま映画化しても、いろんな工夫が無ければ腑抜けたものになってしまうでしょうから、今回はその登場人物の少年時代へ。そして教育の問題などを提起して、軍隊入隊から再会の旅行。この旅行の場面は何ですかね。ローマ、ドイツ、オランダと、観光ビデオですか?いい加減飽きたところで事件発生。事件の時間ってのは実際はとても短い時間でしょうから、前振りに大きな時間を費やしましたと…。どうせなら、周囲の人のインタビューや、周りの警察関係者の行動も交えて、ドキュメンタリーにすれば良かったのに…と思った次第。

面白かったのは軍隊の場面と、なぜか最後の後日談がすごくまともなものに思えたのです。実話って、ドキュメンタリータッチにするのが、一番気持ちに入ってくるというのは言い過ぎかな?同じ事件を映画化するのと、ドキュメンタリーで作るのはだいぶ迫力が、違うと思います。映画ならではの趣向を盛り込んだ結果が、私にとってあざとい監督の彼では私はグウの音も出ませんでした。やはり、一つ間違うと多くの命を奪うテロ事件を題材にして、それを未然に防いだ登場人物たちの、子供の頃からの友情を語るという発想は、どうかと思いますが、というのが感想です。

2019.2.10 JL759(成田→HCMC)にて機内鑑賞

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「若い貴族たち 13階段のマキ」 志穂美悦子のアクションと東映路線

前日、早く寝すぎてしまい、夜中に目が覚めてしまったため、深夜の映画鑑賞です。今日は、志穂美悦子のアクション映画。ただし、東映の当時の映画らしく、かなりのエログロ路線も入ってます。1975年の東映製作です。

あらすじ
「13階段のマキ」の仕切る野良猫グループは、ストリッパーを救ったことから、暴力団の大門組と敵対関係になる。大門組は、海老原商事の汚い仕事を引き受けつつ、海老原商事の乗っ取りを図っていた。ある日、野良猫グループは、海老原商事の令嬢貴子とも敵対関係となり、マキは彼らの計略により少年院に送られ、そこでは大門組の息のかかった看守から狙われるようになるが…。



不良女子グループの「野良猫」を率いる日向真樹(志穂美悦子)は「13階段のマキ」と呼ばれ、盛り場を根城にしていました。ある日、ストリッパーを救ったことから、暴力団の大門組と敵対関係になってしまいます。大門組の用心棒の江藤(南城竜也)は、マキとの真剣勝負で、ストリッパーを取り返そうとしますが、組員が大勢で乱入してきたため、話が違うと、江藤はマキたちを逃がします。翌日、海老原商事の社長令嬢・貴子(大原美佐)の車が無謀な運転で追い越ししたため、マキたちは激高。高慢な貴子を砂浜に埋め、そのまま置き去りにしました。プライドを傷つけられた貴子は、海老原商事の汚い仕事を請け負っている大門組を利用し、野良猫グループに復習しようとしました。

大門組は、女性の扱いを生業にしている組員の、ニーナ浅岡(内田勝正)を利用し、野良猫グループを誘拐、素っ裸で遊園地のメリーゴーランドに縛り付けてしまいました。組長の大門(名和宏)は、海老原(近藤宏)に貴子との結婚と、共同経営を持ちかけます。一方、仲間を晒し者にされたマキは、貴子を拉致し、報復として彼女の背中に無理矢理刺青を入れました。怒りに燃える貴子は、大門に依頼し、再びマキたちのグループに制裁を加えるように依頼。江藤は再びマキと一戦交えますが、今回は途中で警察が踏み込み、マキは少年院に送られることになりました。

大門は、少年院の看守の赤江(室田日出男)を買収し、以前からマキを恨んでいる者に襲わせますが、全く歯が立ちません。親ボス(柴田鋭子)も斃したマキは、全員を屈服させました。一方大門は、海老原との共同経営の交渉がうまくいかないとわかると、海老原を殺害。大門に批判的だった江藤と貴子は手を組みますが、大門に発見され2人はリンチを受け、貴子はマキを訪ね、これまでの行為を謝罪し、野良猫の仲間が大門によってヤク漬けにされ売り飛ばされようとしていることを知らせます。マキは脱獄し、大門と貴子の結婚式場に殴り込んで、大門組と最終決戦。江藤、貴子、マキは復讐の戦いに挑みました…。

若い貴族たち 13階段のマキ

寝覚めに見るには程よい過激な内容で、娯楽作品を堪能できます。志穂美悦子のところどころに童顔の現れる表情はいいものですが、映画の内容は当時の東映のエログロ要素が盛りだくさんで、志穂美悦子ファンの間で、当時はかなり物議をかもしたとの事。マキ自身も、社長令嬢を捕まえて刺青を入れるとか、かなりやることが強烈でした。千葉真一との師弟の稽古の映像もサービスで入っています。

最初にマキが登場する、胸に13と入った勝負服がいかにもという感じ。言ってしまえばダサいです。ギャグ漫画みたい。当時の東映映画らしく、脱ぎっぷりのいい女優さんが沢山登場していますが、注目は芹明香。残念ながら切られ役で、あまり出番は多くありませんでした。そして、室田日出男がちょっとコミカルな役で出ているのも面白かった。原作は、梶原一騎の劇画ということもあり、ストーリーも当時の雰囲気が出て、なかなか面白いです。

結局は、全編通じて志穂美悦子のアクション映画ですので、彼女の空手シーンが満載。なかなかかっこよかったと思います。長身で運動神経が抜群、かつ童顔が残るというアクション女優。最近では武田梨奈とか…。まだまだ当時の志穂美悦子には及ばないでしょう。彼女は、お茶の間ではNHKの「ホントにホント?」に出ていたのを覚えています。出演者の中では目立っていた…。ように思います。というこで、いろいろな娯楽満載の映画でありました。

2019.2.21 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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私の好きな100本の映画⑳ 最後の5本はこれだ

私の好きな100本の映画第20回(最終回)

いよいよ私の好きな100本も最後となりました。あと5本。過去に見た映画も含めて、比較的揃った作品になっていると思います。古い洋画が3本。これは、名画として語り継がれるべきもの。最近見た邦画から印象に残った1本。そして、ブレードランナーで始まった100本の締めくくりとしては、やはりこれでということで、2049です。2049年は30年後ですが、さてどんな世界でしょうか。



96.めまい (Vertigo)
  1958年 アメリカ 監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:ジェームズ・スチュアート キム・ノヴァク

ヒッチコックの作品をいろいろと見てきましたが、どちらかと言えばアクションとかスリラーとか、娯楽的な視点で見ていたことが多いと思います。しかし、この作品は、さらに加えてそれが芸術的な域まで高められていると思いました。風景・映像・音楽・演技がすべて出そろったという印象。当時のアメリカの風景とサスペンス・スリラー。その二転三転するストーリーも素晴らしく、心理描写も面白く、最高級のサスペンス映画として心に残っています。

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「めまい」映像美と衝撃の展開



97.8 1/2 (Otto e Mezzo)
  1963年 イタリア 監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ クラウディア・カルディナーレ

映画史の中では必ずと言っていいほど出てくる。押しも押されぬ名画です。この名画のことを語らないと、映画ファンでは無いようなくらいの位置づけですが、この映画を見て理解することは容易ではありません。私は高校時代に映画ファンの友人から散々吹聴されましたが、最近まで見ることができませんでした。ちょっと構えてしまって、積極的に見に行かなかったということもあります。実際見てみれば一安心。いろんな角度で堪能できる素晴らしい映画でした。

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「8 1/2」 レビューを書くのも恐れ多い伝説の名画を観る



98.そこのみにて光輝く
  2014年 日本 監督:呉美保 出演:綾野剛 池脇千鶴

非常に自然な語り口で語られる、ある家族の姿。確かにそういうことはあるかもしれないと見て思いますが、通常はなかなか想像しえないことだと思います。一つ一つは理解できても、全体の流れとか、思考過程とか、いろいろな部分でフィットしない感じが、心を揺さぶってくる。そういう感じでした。これは、佐藤泰志という作家によるところも大きいし、呉美保監督の完成に関わるところも大きいと思いました。人間の持つある種の根源的なものをさらけ出すような作品かもしれません。

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「そこのみにて光輝く」 改めて自分の立ち位置を考えさせられる
そこのみにて光輝く2



99.シェルブールの雨傘 (Les parapluies de Cherbourg)
  1964年 フランス 監督:ジャック・ドゥミー 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ ニーノ・カステルヌオーボ

永遠の美しさを持つ音楽と映像で様って来る映画です。ある意味様式美とも言えますが、演技と音楽と高いレベルで結実した、美しい映画だと思いました。どこを切り取っても、ストレスなく美しさを感じることができる作品だと思います。ハードディスクに録画されているので、手持無沙汰な時に、途中から再生してみたりもするのですが、私にとっては、どこを取っても違和感なく画面から映像と音楽が流れてくる。そんな映画です。

このブログ内に記事があります。
「シェルブールの雨傘」 別離のシーンを究極の音楽と映像で描く



100.ブレードランナー 2049 (Blade Runner 2049)
  2017年 アメリカ 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 出演:ライアン・ゴズリング ハリソン・フォード

この100本を書くにあたって、1番をブレードランナーにしたので、100番を2049の方にしました。これはまぁ、ある意味こだわりで、この100本がかなり趣味の偏ったものということを示すことになります。この2049は旧作の30年後にあたり、そのまま深化させたものということで間違いないと思います。そして、近未来の仕掛けや映像美がそのまま30年後でも、近未来のギミックと映像になっている。この2作の世界観の中で漂うことができるということに、幸せを感じてしまうのです。

このブログ内に記事があります。
「ブレードランナー 2049」 見事に発展した前作の世界観




さて、私の好きな100本の映画。最初の投稿日が2017年8月ですので、ちょうど1年半をかけて選んできたことになります。勿論その間いくつかの映画も見ていますし、実際見返してみて入れ替えしたい作品もあります。さらにいろいろと見ていくことは間違いないでしょうから、せっかく選んだものを外すのはやめておいて、さらにお気に入りの作品を選んでいくとか、リストを使ってなにか考えてみるとかしたいと思います。もっと映画を楽しみたい!と、改めて考えるのでした。

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「ポルノ時代劇 忘八武士道」 大量の裸のエロスが徹底されています

続けてみるのはどうかとも思いますが、たまに見たくなる東映ポルノのエログロ作品。夜も遅いのでそろそろ寝ようかと思いつつ、ついつい見始めましたが、結局見続けてしまいました。石井輝男監督による、1973年東映京都製作の作品です。

あらすじ
吉原の忘八一党に助けられた、人斬り死能と恐れられる明日死能は、吉原遊郭の利益を侵食する私娼窟の一掃を目論む忘八の為に協力することとなった。公儀の後ろ盾のある私娼窟と争ううちに対立は深まり、事を収めたい公儀は次々と刺客を送って来るが、これを撃退していく死能であった。しかし、ついに公儀の仲裁により大幅に権益を増やすことのできた忘八一党は、死能は用済みになり、処分しようとする…。



人斬り死能と恐れられている、明日死能(丹波哲郎)は、役人に追われこれまでと思ったところを、吉原の忘八者、白首の袈裟蔵(伊吹吾郎)一党に救われました。死能は仲間として誘われ、忘八試しを受けますが、外道に徹することができません。しかし、吉原総名主の大門四郎兵衛(遠藤辰雄)に気に取り立てられ、四郎兵衛は死能を使って、最近幅を利かせている湯女、茶屋女など私娼を、吉原の利益を侵すものとみなし、つぶす計画を実行に移すことにします。

私娼窟は、武士の利用者が多いため、公儀の後ろ盾があり、今まで手が出せていませんでした。死能は次々と私娼窟に乗り込んでいきますが、公儀側の同心も殺傷してしまい、騒ぎは拡大していきます。事が荒立つのは四郎兵衛の思うつぼですが、公儀側が隠密に始末しようと、黒鍬者と呼ばれる忍者を放って死能の命を狙い始めました。四郎兵衛は、女忘八のお紋(ひし美ゆり子)以下を護衝につけ、黒鍬者との対決を制しました。

四郎兵衛は手を休めず、茶屋女を、吉原に足抜けさせた者には多大の賞金を出すと発表、茶屋では相次ぐ女の略奪が続き、私娼窟と吉原の関係が限界までくると、老中が仲裁に入り、私娼も四郎兵衛配下とし共存共栄を図るという裁定が下されます。用済みになった死能を四郎兵衛は阿片漬けにして葬ろうとします。死能は四郎兵衛に逆に阿片を盛りその場は収めますが、袈裟蔵の依頼で集まった公儀の大群に取り囲まれ、死能は阿片の影響でもうろうとした意識の中で最後まで奮闘するのでした…。

忘八武士道

いかにもやりたい放題徹底してやったという、ポルノ時代劇でした。失笑する場面も数々、ストーリーもまぁ、徹底して大げさな感じになっています。出てくる裸体の数は何人でしょう?数え切れません。ブロンドの白人も登場し、いろいろサービス満点でした。ヘア解禁とははるか縁遠い時代のことで、いつも全裸でいろんな行動をする女優さんたちですが、下半身を両手で隠している場面が多いのが印象的でした。恥じらいであれば片手で胸、片手で下半身ですが、ヘアを隠す目的だけなので、両手で下半身ですか。

ヒロインの中のヒロインは、ひし美ゆり子さん。ウルトラセブンのアンナ隊員です。すでに70歳となられていますが、現在もブログを頻繁に更新されているようで、美しさを保っておられます。いや、素晴らしいです。男性は、丹波哲郎さん、伊吹吾郎さん、遠藤辰雄さんと、普通に時代劇を演じています。遠藤辰雄さんは怪演で、お歯黒のアップがキモい…。あとは、いかにも往年の時代劇という感じでした。

と、普通に感想を書いてみたものの、やはりこれはポルノであり、かなりエロい部類です。最初は、捕まえた女性を仕込んでいく光景。死能を試すお紋、黒鍬物から死能を守る五人のパフォーマンス。白人女性を責める5人。そして、一番はやはり用済みになった死能を阿片中毒にしようと、徹底的に誘惑する5人。その他大勢で出る場面は、正月の全員裸の宴席、湯屋の風景、思いつくままに上げてみました。頭の中でいろいろと乱舞しています(笑)。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

2019.2.19 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「明日は月給日」 往年の家族群像コメディに感動する

古い邦画の鑑賞です。最近はそれほど積極的に見てなかったのですが、久しぶりにじっくりということで。松竹の昭和20年代の映画で、川島雄三監督のもの。娯楽・コメディ系の映画が多いと思います。1952年松竹大船製作です。

あらすじ
会社の月給日を翌日にひかえた石原家では、大家族のいろんなドラマが見られている。会計課長である鉄太郎は、銀行から給与支払いの為に引出した現金を、外国商社への手付に転用することを命じられる。二男の英二は恋人はる子との結婚の承諾を貰おうと奔走。長女の夏代はの夫のへそくりを見つけておかんむり。次女龍子は夫婦喧嘩で大阪から帰京、などなど。さて無事に給料日が迎えられるかお楽しみ…。



大家族の物語で、かつ群像劇風に作られた、コメディとなっています。簡単にご紹介します。

月給をもらって喜ぶ古垣(渡辺篤)ですが、帰宅してへそくりを妻で石原家の長女夏代(望月優子)に発見され大騒動になりました。実家の次男英二(高橋貞二)が仲裁に入りますが、夫婦喧嘩はエスカレートします。石原家では、戸主の鉄太郎(日守新一)と妻の雪乃(英百合子)を中心とする大家族。それぞれにいろいろな課題を抱えていました。

長男亡き後、新橋で飲み屋を営む長男の嫁の由美(幾野道子)に、鉄太郎は良縁を薦めています。それは、鉄太郎の会社の専務(北龍二)が由美を気に入っているからでした。鉄太郎は、会社の会計課長で、給料日前に銀行から従業員の給与を下ろしてくると、社員は期待して大はしゃぎですが、専務は給料の支払いを伸ばして、原料輸入の手付にまわせと命じます。そんな中で、同じ会社で働く次男の英二は、結婚相手を父に紹介したいと持ち掛けました。

英二と付き合っているはる子(紙京子)は、家の事情から結婚を悩んでいました。父と娘の2人暮らしのはる子は、父である落語家の今昔亭なん馬(古今亭今輔)の借金と跡継ぎの問題があったからです。英二は事情は分かるがとにかく父と会うように、強引に話を進めていきます。新橋の由美の店で落ち合う予定の、鉄太郎と英二・はる子のカップルはすれ違ってしまい、店では、大阪に嫁いだ次女の龍子(井川邦子)が家を飛び出した様子で、夫の清水(大坂志郎)が追いかけてきていました。そして三男の敬三(鶴田六郎)は由美の店にテープレコーダーを売り込みにきたりと、大賑わいでした。

龍子は人がいなくなるのを見計らって、由美の店を訪れます。どうも龍子は妊娠している様子。でも、月給袋を渡さない夫が許せず、逃げ出してきたとのこと。由美は翌日訪ねてきた夫の都合のいい話を、テープレコーダーで言質を取り、夫にこれからのことを約束させます。原料購入の手付に金を回すことで悩んでいた鉄太郎は、その取引先が怪しいと、銀行に勤める古垣から聞き、現金払いから手形払いに独断で変更。これを知った専務は鉄太郎を糾弾し、馘まで覚悟させますが、亡くなった長男の友人田中(須賀不二男)と、英二たちの活躍により、この取引が詐欺であることを突き止め、損失を未然に防ぎました。そして、社員たちは無事給与が出て大喜びでした。

田中と英二が徹底調査をしている間、当の鉄太郎は姿をくらましていましたが、由美からはる子のことを聞いた鉄太郎は、はる子の家に、嫁に貰いたいと直談判に行っていました。これは無事成就。また、由美も田中からプロポーズを受けます。そして、末子の初月給に喜ぶ石原家、最後は大団円の写真撮影に、敬三の彼女のユキちゃんも登場となりました。

最後に縁側で佇む、鉄太郎夫婦。お茶を入れに席を立とうとする雪乃に、「もう少しぼんやりしていようじゃないか」という鉄太郎の言葉が印象的でした。

明日は月給日

古い普通のコメディを予想して見始めましたが、かなり裏切られました。良い意味で。ここには、戦前からの松竹の伝統があり、小津安二郎とは違ったタッチの、娯楽性を高めた上質のコメディでした。そこには、今の日本が忘れてしまったかもしれない、家族の絆やひたむきさが感じられます。中国や、東南アジアの国々では当たり前のように、会社よりも重要視される家族。日本もかつてはそうだったという事を改めて感じます。大変プリミティブな社会の姿だと思います。

大家族の集合は、一つの夢であり、家族にとっては至上のひと時。中国語で、集合写真を全家福と言いますが、ラストはまさにその字の通りの写真でした。大家族の映画は、最近は「家族はつらいよ」など作られていますが、時代の違和感が少々あるというハンデもあり、この作品の構成や情緒には及ばないではないでしょうか。解りやすく、娯楽性に富んだ家族群像劇でした。

川島雄三監督の作品は、DVD化されているものが少なく、今では多くの作品が見る機会が少なくなっています。でも、この様なしっかりした作品であれば、いろいろと見てみたいと思いました。小説も好きなので、「青べか物語」とかぜひ見てみたい。また、他の家族物のコメディもなかなか面白そうな気がします。初めて彼の作品に接し、かなり衝撃的でした。主役級の2人の高橋貞二と紙京子が若々しい感じで好演です。

2019.2.17 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「悪魔の秘め事」 セレブがセレブを演じる静かなサスペンス

久しぶりのGYAO!鑑賞は、上映時間が短く、ロザムンド・パイクが出ているという、私にとって何かとプラスポイントがある映画でした。こういう尺なので、当然大作とは考えられず、何かワンポイント面白い映画ではなかろうかと思っての鑑賞です。2013年のアメリカ製作の映画です。

あらすじ
女優ゾーイの母キャサリンは、伝説の名女優。しかし、夫が何者かに殺されて以来活動を休止し、今や若手脚本家とも再婚してセレブな生活を送っていた。一方、ゾーイは出られるのはインディペンデント映画ばかりで、いつも母を話題に出され、大きなコンプレックスを抱き、精神的にも不安定な状態が続いていた。そんな折、キャサリンは女優復帰を宣言、娘との確執が大きくなる中で、ある日1通の脅迫状がキャサリンのもとに届く…。



林を背景に演じるゾーイ(ロザムンド・パイク)のシーンからスタート。それは、映画の撮影シーンでした。そこに母のキャサリン(レナ・オリン)が現れます。キャサリンは伝説の大女優。夫の死をきっかけに活動を休止していましたが、脚本家のジェイク(ディーン・ウインタース)との再婚を機に自伝を出版、女優としての復帰を計画していました。ゾーイは母に対するコンプレックスとメジャー作品の出演が無いことから、母に対してコンプレックスを持っている様子でした。キャサリンの夫の死に関しては、彼女が関与しているという疑惑もあったようです。

キャサリンの新作を主役を獲得したとの報せに、ゾーイは穏やかではありませんでした。キャサリンはさっさと出演契約をすませ、披露パーティーへ。キャサリン、ジェイク、ゾーイの3人は注目の的ですが、周囲は何やら不穏な動きを見せています。ゾーイも新作のオーディションを受けますが、落選した上に母と比較されてしまいます。そのあとで向かった母とジェイクの待つレストランで、当選したと強がった挙句母と口論になり、ゾーイは一人街を彷徨います。そしてジェイクを誘惑、一方、キャサリンが帰宅すると、玄関に「人殺し」とだけ書かれた手紙がありました。キャサリンはゾーイの仕業だと考え、問い詰めますが、ゾーイは否定します。

母娘の良い関係を装いながらも、お互い酒と薬に依存するようになっていきます。そして、再び「秘密を守りたければ別荘に来るように」という内容の手紙が届き、別荘に付き人のエディ(モリ―・プライス)、キャサリン、ゾーイ、ジェイクの4人がそれぞれ向かいました。全員脅迫状を出したのは自分ではないと主張する中で、幻想の場面として、若き日のゾーイ(ジェニファー・ローレンス)と母の元夫が現れます。ゾーイは母の元夫を誘惑、そして別荘に転がる彼の死体。そんな中で、別荘に銃声が響き、倒れているゾーイの横で、関係をばらすとゾーイに迫られ、ジェイクが撃ったとエディが証言。ジェイクはこれを否定します。そこに現れた死んだはずのゾーイが、「ママが殺すと思っていた」と言いつつ、ジェイクを射殺。キャサリンはもう前回のようには守れないとゾーイに言い渡します。そして時間が経過、キャサリンの新作は、夫の不審死を乗り越えて好調にスタートしていたのでした。

悪魔の秘め事

ゆったりした雰囲気で、セリフが少なく、ナレーションもなく、じっくり演技で見せていくスタイルでした。そういう意味で、ロザムンド・パイクとレナ・オリン、そしてモリ―・プライスの独壇場。ロザムンド・パイクがお気に入りの私としては、とても見どころのある映画です。それも、セレブがセレブを演じるだけに、板についたもの。服装もいろいろあって、普段着から来客を迎える服装、パーティードレスなど様々。かなりセクシーな衣装もありました。そういう意味で、見ているだけでも満足のできる映画でした。

ロザムンド・パイクは、こういった役は似合っていると思いますので、そつなく演じています。レナ・オリンの方は、一日の長があるかという感じでした。いずれもなかなかの見ものです。ディーン・ウインタースはまずまず。女優たちが主役の映画の中にあって、どう演じるか難しいところです。全体的な雰囲気にはマッチしていると思いました。ジェニファー・ローレンスは少しだけの出演ですね。女優としては、すでにオスカー女優。ただし、ひと世代違います。

ストーリーとしては、それだけ見れば可もなく不可もなくというところでしょうか。セレブな女優たちにとって、男の価値なんてこんな物という内容です。事件によって、さらに女優度を上げていったという感じです。途中でストーカーみたいなファンが出現しますが、鼻であしらう価値もないという描かれ方。ここまで徹底すれば大したものです。一般常識からみれば、甚だ感心しかねる映画ではありますが、ロザムンド・パイクとレナ・オリンの競演を見て納得してしまうのも、彼女たちの魅力ということですかね。

2019.2.17 HCMC自宅にてGAYO!動画をパソコン鑑賞

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「ブリーダー」(2011独) グルジア山中の異様なできごと

ネットを眺めていて、ちょっと変な映画と言うことで紹介されていたブリーダーを買ってみました。話題に上るようなことの無い映画なのですが、何か面白いことがあるのではという期待です。2011年のドイツ/スイス制作の映画になります。

あらすじ
アメリカ人女性の、エイミーとソフィーは、ある日グルジアの田舎でハイキングの途中ではぐれてしまう。エイミーは怪しげな家に拉致されてしまい、エイミーを探すソフィーは、近くの小さな村で、決して親切と言えない地元の人々や国連軍の駐在者と接触していくが、そこでは他にも行方不明になった女性がいたことを知る…。



グルジアの山間部でハイキングを楽しむエイミーとソフィー。二人は山の中の湖畔にたどり着くと、奔放なエイミーは服を脱ぎ、泳ぎ始めました。ソフィーは戒律の厳しいこの地域で、村人に見つかれば大変なことになるとエイミーを諫めますが、彼女は聞く耳を持ちませんでした。そのあたりは地雷原の危険を表す看板や、じっと二人を見つめる怪しげな男がいました。男は英語が話せるようだったので、少し会話を交わしましたが、特に情報は得られません。見かねたソフィーはエイミーを置いて村の方に行ってみることにします。

村の不愛想な老人を訪ねましたが、よそ者と見るとガードが固く取り合ってくれません。しかし、一枚の女性の写真を渡されます。雰囲気からして尋ね人の様です。その頃エイミーは何者かに襲われ連れ去られてしまいます。怪しげな建物の中に囚われたエイミーは裸にされ縛り付けられて、拉致した男から優秀な子孫を残すために選ばれたと告げられます。抵抗もできないエイミーは、ただ恐れおののくことしかできませんでした。ソフィーはエイミーを探して村の外れにある国連軍の事務所を訪れ、事務所を守るアメリカ人の将校に出会います。彼に事情を話した後、その夜は村人のパーティーに参加することになりました。

パーティーには、最初に湖畔で会った男や、国連軍の将校など、関係者が勢ぞろいしていました。すっかり強い酒に酔ったソフィーは酔っぱらって部屋に帰りますが、忍び込んだ男がエイミーの行方を示唆するものを置いていきます。翌日情報を得たソフィーは国連軍の将校を訪ねますが、不在。そこに現れた英語を話す男を敵だと思い込んだソフィーは、彼の制止を振り切り、エイミーが閉じ込められている危険な家の方へ向かいます。そこには、エイミーと先に囚われていた写真の女性がいました。そして、国連軍の将校もいます。そして、追ってきたバイクの男も加わり、エイミーは誰が敵で誰が味方かわからないまま、混乱の中で解放に向けた戦いに巻き込まれていきました…。

ブリーダー

ネットで見ても、いい評価はあまり聞かないのですが、ちょっと怖いもの見たさで購入しました。まぁ、何を求めるかによりますが、それほど悪くないじゃない?というのが正直なところです。回収されず、意味不明のままというエピソードもあるのですが、最後はある程度納得し、ちょっと笑いが入りました。話の途中まで、グルジアの山村の、外界を拒絶したような頑な人々とうまく拘留できないソフィーが描かれていきます。英語が話せる人に安堵するソフィーですが、かえって深みにはまっていきます。

今回被害に遭うエミリーの方は、それまでの勝手な行動から、当然のように修羅場に導かれていきます。常識派のソフィーの方は、普通の行動をしているようで、それまでの行動には、かなり穴も隙も多い感じです。そもそも知らない危険のある土地で、単独行動する事が事件の発端ですし、まぁ親睦のためとはいえ、異常事態の時に、そこまで酔っ払うのもどうかと思います。

雰囲気の出し方はうまくいっていると思います。村人や国連将校の奇妙な視線や異常な反応、味方を敵だと思い、振り切って危険の中に飛び込んで行くところなどは、よくできているなと思いました。で結局はアメリカの田舎の代々続いた軍人一家の末裔の異常な思想が諸悪の根源ということですが、改めてチェックしてこれがアメリカ映画でないことを再確認。そりゃそうですよね。ここで起こることの真実味はあまりありませんが、なかなか面白い視点の映画だと思いました。

2019.2.3 自宅にてDVD鑑賞

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「彼岸花」 大映の山本富士子が良いアクセントでした

テレビ放送を録画しておいた彼岸花を見ました。録画したのはかなり昔ですが、便利な時代になったものです。この映画は、小津安二郎監督の初のカラー作品になっております。いつもの小津節を期待です。1958年松竹大船製作です。

あらすじ
大和商事会社の取締役平山は、年ごろの娘節子に良縁をもたらそうと、思い悩んでいた。そんなある日、友人である三上が、娘が家出して男と同棲していると聞き、わが子のことに心配が募っていく。そしてある日、節子の恋人谷口という男が、節子を嫁に欲しいと訪ねてきた。徹底的に反対する平山であったが、周囲の友人と話すうちに平山の心は動いていく…。



大和商事の役員の平山渉(佐分利信)は、中学の同窓の三上(笠智衆)が、友人河合(中村伸郎)の娘の結婚式に来なかったことを心配していました。その後、平山の会社に現れた三上は、娘の文子(久我美子)が家を出て男と同棲しているのに気を病んでいるということを知ります。平山も、年頃の娘の節子(有馬稲子)がいる身で、他人事とは思えず、節子の結婚相手探しがますます気になり始めます。その頃、平山が行きつけの京都の旅館の女将初(浪花千栄子)が年頃の娘幸子(山本富士子)を医師に嫁がせようと、上京して来ますが、どうやらこの話は初の独り相撲の感があったようです。

平山は、部下の近藤(高橋貞二)を伴い、文子の働くバーを訪れます。その結果文子が真剣に結婚を考えていることに安堵を感じました。一方、節子と結婚させてくださいと突然平山を訪れた青年谷口正彦(佐田啓二)に対しては、わが子のことということで拒否反応を示し、節子と谷口の結婚には断固反対。妻の清子(田中絹代)も取り付く島もありません。再び上京した幸子は、自分の境遇と似ている節子の為に、ひと肌ぬごうと決め、話術で平山にトラップをしかけ見事結婚を許す言質を取ってしまいます。それは、他人の娘と自分の娘に対する言動の違いを突いたものでした。そして、結婚式の準備が本格的に進められていきます。

面白くない平山は、それでも頑固に結婚式にも披露宴にも出ないと言い張っていましたが、ついに前日結婚式に出ると宣言しました。これで、平山家の一同安堵し、結婚式の前日の気ぜわしくも寂しげな夜を迎えることができました。その数日後、クラス会の宴会で、仲間たちと子供との付き合い方の談義の後、京都に立寄った平山は、幸子から父が最後まで笑顔を見せてくれなかったことを唯一の心残りにしていたと聞かされて、娘のことを思う平山はさすがに反省し、その足で娘夫婦の住む広島に向かうのでした。

彼岸花

久しぶりに見る小津作品です。毎度安定なのですが、今回も見て良かったという感想が残りました。この作品は、小津安二郎の初のカラー作品とのこと、ストーリーは、娘の結婚と親の葛藤を描いたもので、戦前の映画から何度も描かれてきた、普遍的なお話です。やはり、ほのぼのとしたタッチで描きながら、小津監督ならではの独特の緊張感があり、さすがだなぁと思います。

そんな中で、異彩を放っているのが山本富士子。大映のトップスターですので、松竹映画には普通は現れないはずですが。でも、山本富士子の出演がこの映画をより面白くしていると思いました。いつもの松竹の伝統とちょっと違う輝きの様なオーラが出ていて、演技に違ったインパクトがあり、それが見事に役に嵌っていると思いました。

田中絹代は流石としか言いようがありません。母として妻としての微妙な立ち居振る舞いを見事に演じていると思います。あとは、妹役の桑野みゆきが、明るく活発でなかなかよろしい。ほかにも、初のカラー作品を盛り上げる名優勢ぞろいです。そういう意味では松竹の名優ぞろいの、豪華な映画でもありました。まだ少々、テレビから録画している小津安二郎の作品が残っているので、また次の楽しみにしたいと思います。

2019.2.10 自宅にてNHKBSプレミアムから録画視聴

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