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「東京ナイト」 主題歌の"ランデブーッ"がとにかく耳に残るのです

この映画は、確か電話で寝入りばなを起こされて眠れなく立った時、ぼーっとしながら見ていたと思います。そんな見方でも十分印象深く見られるお手軽な映画でした。1967年公開の日活製作の作品です。

あらすじ
舞妓の小はな(和泉雅子)は、祇園の「菊の家」を継ぐのが嫌で家出し、東京に行くトラックの荷台に乗り込みます。そして、そのまま東京の運送会社に到着、その運送会社の若旦那(山内賢)は、その時大学対抗のバンドのコンテストがあり、熱心に練習しているところでした。バンド仲間たちと懇意になり行動を共にするようになりますが、小はなが東京に来た目的は、同じように家を継ぐのがいやで駆け落ちして東京に出てきた姉の雪枝(長内美那子)を探すことでした…。



舞妓の小はなは、早朝に家を抜け出し駅に向かおうとしますが、たまたま目に着いた東京に行くトラックの荷台に秘かに乗り込むことにしました。着いた運送会社では、若旦那の大学生健が学生バンドを組んでおり、いまや大学対抗コンクールの最中です。ところが、来週が決勝戦というところでボーカルの美知子(徳永芽里)が怪我をしてしまい、小はなは代役を依頼されます。そして、小はなはしばらく健にかくまわれていましたが、健の親に見つかってしまい、バンド仲間の部屋を転々としながら、最終的に入院中の美知子の部屋を使うことで落ち着きました。

小はなには、東京に来た目的が一つありました。それは、自分と同じように家を継ぐのを嫌って、駆落ちした姉の雪枝を探すことです。元祇園にいたバーのマダム駒子(高千穂ひづる)を訪ね、姉の消息を聞きますが、駒子は言葉を濁します。そのことを知った健たちも雪枝をあちこち探し回り、とうとう探しあてたのでした。しかし、小さな飲み屋をやっている雪枝を見た小はなは、雪枝が嫌っていた水商売に戻っているのを見て幻滅し、駆け落ちまでして自分に家を継がせ、この結果はどういうことかと詰め寄ります。

雪枝は母キク(中村芳子)の実子ではありませんでした。その為、小はなに家を継がせるべく身を引いたというのが真相でした。その事実を知っていたのは駒子でしたが、小はなが雪枝につらく当たったことを聞いて、初めて雪枝が家出した訳を話します。そして、雪枝は今の生活がみじめに見えても、とても幸せだと、小はなに話しました。すべてを知った小はなは、雪枝を訪ねて和解し、家を継ぐことを決心、京都に戻る前のバンド対抗戦で、見事に代役をつとめ、健のバンドの優勝を土産に、京都に帰っていくのでした。

東京ナイト

テンポのいいお話でした。当時はやっていた、歌謡映画の一つで、全編、当時全盛期に入ったグループサウンズに埋めつくされていました。そして、主題歌の「東京ナイト」のランデブーってのが、しつこく耳に残ります。和泉雅子の演じる小はなは活発で、そのまま現在に持ってきても、時代を感じさせないような雰囲気でした。しかし、大学対抗のバンドコンクールで、ボーカルが部外者でもいいのかな?ってのがちょっと気になりますが…。

もう一つの主題は、駆け落ちした姉を探す物語。やっと探し当て、恨み言を言いつつ、帰ってくれとでも頼みたかったのでしょうが、それどころではありませんでした。駆け落ちした相手が会社を解雇されてしまい、自ら怪しげな小料理屋で働いて夫を支える雪枝を見て、京都を抜け出して行きついた先がこれとは、どういうことか。何のために私が好きでもない仕事を継がなければならないのか!と怒り狂います。しかし、雪枝は夫を心の底から愛していて、今でも十分幸せだといいます。そして、京都を出た理由は自分が実子ではなかったからでした。

小はなは今まで、それなりに今の境遇の中で努力してきて、いろいろな事を知っている女性です。健たちに自分はあなたたちとは違うと言ってのける中には、それなりの覚悟や境遇の違いを十分認識して、超えられない何かを意識しているのでしょう。しかし、雪枝と会って、思い直して京都で家を継いでいく覚悟をしたからには、もっと高いところで、精神的にも経済的にも成長していくことになるのでしょう。そんな未来があることを願うようなエンディングでした。

2018.12.25 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「ヴィドック」 アートな映像と淀みのない展開のサスペンス

久しぶりの買い置きDVDの鑑賞、そして久しぶりの外国映画の鑑賞です。ここのところずっと邦画ばかり見ていて、とんとご無沙汰だったのですが、DVDの消化もしないとね…。ということで見てみました。2001年のフランス映画です。買ったことは買ったのですが、どういう映画か、見るまで全く知りませんでした。

あらすじ
19世紀のパリ、犯罪者から名探偵へ転身した国民的英雄ヴィドック(ジェラール・ドパルデュー)死亡のニュースが伝えられる。彼自身から自伝執筆の依頼を受けたというエチエンヌ(ギヨーム・カネ)は、ヴィドック殺しの犯人探しを始め、一方、警視総監のロートレンヌ(アンドレ・デュソリエ)と部下のトゼ(ジャン・ピエール・ゴズ)も捜査を開始した。エチエンヌは、事件の証言を辿っていくが、その証人は、彼が訪ねた後に、ことごとく殺されてく。やがてエチエンヌは、ヴィドックの殺害現場にいたというガラス職人に話を聞くために、現場に向かうが…。



ガラス工場の場面からスタートします。ヴィドックは鏡の仮面を被った敵を追い詰め、燃え盛る大釜の周りで戦いを挑みますが、仮面の下の顔を見た後、窯の方に落ちていってしまうのでした。このニュースはパリ中に流れ、ヴィドックの探偵事務所の相棒のニミエ(ムサ・マースクリ)が悲嘆にくれているところへ、かつてヴィドックから自伝執筆の依頼を受けたというエチエンヌ(ギヨーム・カネ)が、事件の真相を調べて恨みを晴らしたいと押しかけてきました。気が乗らないままニミエは今回の事件の一部始終を語り始まます。

数週間前、警視総監のロートレンヌは、ベルモン(ジャン・ポル・デュボワ)とヴェラルディ(アンドレ・ペンヴルン)という軍事関係に関連する男が同じ日に雷に打たれたて死んだことに不審を抱き、国家の一大事とヴィドックに捜査を依頼しました。ヴィドックは雷に打たせる仕掛けを突き止め、鍵を握る旧友の踊り子ブレア(イネス・サストーレ)を訪ねます。ブレアによれば、ラフィット(ジル・アルボナ)という医者にも仕掛けられているということで、二人は急行、ラフィットの帽子に雷が落ちるところで、鏡の仮面の男を発見、追い詰めようとしましたが、逃げられてしまいました。

エチエンヌは、関係者を辿って謎を追い、標的にされた3人は、自分の肌が老いるのを恐れ、その為に貧しい家庭から処女を買いあさっているということ、そしてそれは、鏡の仮面の男から不老不死の薬を作るためということで、処女を集めさせられていることを調べ上げます。しかし、この話を聞き出した相手のジャーナリストやラフィット夫人はすぐに殺されてしまうのでした。ヴィドックもかつてこの段階まで調べ上げ、命からがら逃亡してきた処女の一人を発見、不老不死の薬の秘密を突き止め、鏡の仮面の男に戦いを挑んでいたのでした。そして、エチエンヌとニミエ、ブレアの3人は最後の謎を解くために、現場のガラス工場に乗り込みますが…。

ヴィドック

アートな映画でした。画像が凝っていて、とても綺麗です。冒頭近くの雷に打たれるシーンは、モダンな絵画のようですし、ガラス工場や、敵のアジトでもあるおぞましい研究所など、素晴らしい造形です。画面の綺麗さは、ブレアのサービスシーンでも十分発揮されています。ストーリーのテンポも良く、意外性もあって申し分ありません。映像良し、ストーリー良し、テンポ良しと、とにかく楽しめるサスペンス映画でした。

ヴィドックは、実在した人物の様で、もともと冤罪がらみで逮捕されたようで、その後脱獄と逮捕を繰り返しているうちに、その世界の情報通としてパリ警察の手先となり、どんどん手柄をあげ、最終的にパリ警視庁の前身にあたる組織の初代局長まで上り詰めたという伝説の人物とのこと。警察では、科学的捜査方法を確立し、後に独立して個人事務所を開設。世界初の探偵となった人物ということで、そんなことあり得るの?と思うほどの、凄い経歴ですね。

劇中で出てくる市民の暴動は、1830年の7月革命で、亡命したのはシャルル10世、その後ルイ・フィリップを国王とする立憲君主制へと移行していきます。18世紀末のフランス革命以来、目まぐるしく政権が交代する時代の事。ついでにちょっと歴史のおさらいもしてみましたよ…。久しぶりに見た洋画は、ちょっと目新しくて楽しかったので、再びDVD消化もかねて、いろいろと取り混ぜてみていきたいと思います。

2019.01.06 HCMC自宅にてDVDをパソコンで鑑賞


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「いびつ」 ホラーのノリで演じたようなフェティッシュコメディ

引き続き、GYAO!の動画からの鑑賞です。なにやら、エロティックコメディらしく、力の抜けた時間をということで見てみました。2013年公開の日本映画で、元AKB48の駒谷仁美が主演です。

あらすじ
大人のおもちゃの店で働く、柿口啓吾(石田政博)は満員電車で、女子高生・森高円(駒谷仁美)に痴漢で訴えられ、弱みを握られた一人住まいの啓吾は、住む先を探していた円と一緒に住むことになるが、実は円はドSだった…。



満員の都電の車内で、円は痴漢の気配を感じ、隣にいた啓吾の手を思い切り安全ピンで突き刺します。そのまま。啓吾を警察に突き出す円ですが、啓吾は身に覚えがないと一点張り。たまたま啓吾のカバンから落ちたバイブを見た円は訴えを取り下げると、啓吾をトイレに閉じ込め、バイブを咥えさせて写真を撮るのでした。

円の家は離婚調停中で、父につくか母につくか決断を迫られていますが、円はどうでもよく、一人暮らしをすると宣言し、啓吾の家に押しかけます。脅されて断れない啓吾は渋々受け入れますが、啓吾は大人のおもちゃの店で働き、家でも女性の人形を作っているという男性。おまけに草食系で、実物の女の子とは付き合ったことの無いという奥手の男性で、ことごとく円に見下され、不自由な暮らしになってしまいました。

そんな中で、店の店主からの依頼で、一日で5種類のオナホールを試し、評価をブログに書くことになり、不自由な家の中でこっそり試そうとしますが、円に執拗に絡まれた挙句、手を怪我してしまいました。仕事に穴をあける訳に行かず、オナホールの装着や、ブログの更新を円に頼む啓吾。円は最低と言いつつ対応します。何度もひどい目にあわされた啓吾ですが、円の母には下宿先として認知されていている上に、秘密も握られているため追い出すわけにもいかず、2人で暮らすうちに、徐々に心も通い始めますが…。

いびつ

見てみましたが、ストーリーはありますが、ちょっとしたエピソード程度。語るほどのものはありません。そういう訳でで、メインは円による啓吾へのいたぶりが見どころです。しかし、これは流石に女子高生役ですので、SとかMとかで想像するような色っぽいものでなく、能面のように表情を終始変えない円による、上から目線の静かな口撃に終始します。その中でストレートな性的言葉も多用されますが、あくまでも真面目くさって、性にうぶな男を蔑みながら話しているので、まぁそこがコメディになっているということになります。

最もエロさを醸し出しているのは、啓吾の雇い主で店主である範田紗々ですが、彼女が女王様をやれば、それはまた違う話です。駒谷仁美の演技は、これしかできないのか、監督の指示によるものなのか解りませんが、1時間30分終始能面のように表情が変わらず、これはまた見ていて疲れる。たまには笑えよと言いたくもなるのですが…。雰囲気はまさにホラー映画のノリで演じるエロティックコメディなのでした。

親の愛に恵まれない女子高生の淋しさというものも、折に触れ強調されて表現されますが、かといって何かそれに解決をもたらすわけでもなく、ラストはまぁ、少し円も心を開き始める兆しを見せて終わりますが、その方向はより主従関係が顕著になる方向のようでした。エロい場面は時々散りばめられますが、それはフェチっぽい感じのエロさです。という訳で、ストーリーのあまりないエピソードだけの、これまたずっと無表情の駒谷仁美を見続けるという、ちょっと厳しい映画でした。

2019.01.05 HCMC自宅にて、GYAO!動画をパソコン鑑賞

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「嫌われ松子の一生」 人生とは超一流のドラマなのでした

新しめのコメディということで、GYAO!からの一本。この時期、あまり映画を見ていなかったので知らない映画なのですが、コメディであれば気楽に見れるものと想像しての鑑賞です。2006年の映画で、東宝配給。監督は、中島哲也です。

あらすじ
川尻松子(中谷美紀)は殺害され、死体となって発見される。そして、その部屋を片付けに来た、甥の笙(瑛太)は、そこを訪れるかつて松子と触れ合ってきた人々の証言から、その波乱の半生をたどっていくこととなった。松子は福岡で生まれ、中学教師となるが、教え子の龍(伊勢谷友介)の窃盗事件が原因で退職、その後は愛する男に恵まれず、ソープ・殺人・刑務所と堕落していった。やがて、ヤクザとなった教え子の龍と再会、しかしその関係も龍の逮捕によって断ち切れ、いつしかアパートに閉じこもる生活となっていった…。



ミュージシャンを志し東京に出てきたものの、志半ばで荒れた生活をしている笙の前に、伯母の遺骨を引き取りに来た父(香川照之)が現れます。父は、笙に伯母の遺品整理を頼むと田舎に帰ってしまい、笙はゴミ屋敷と化した伯母松子の家を片付けるうちに、松子に興味を持ち、生涯をたどり始めました。福岡で、病弱な妹の久美(市川実日子)と育った松子ですが、松子の父(柄本明)は妹の面倒ばかりを見るため、寂しい日々を送っていました。松子は中学の教師となりましたが、修学旅行で、教え子の龍(伊勢谷友介)が起こした窃盗を庇ったことで退職に追い込まれ、その後は暴力的な恋人や体のみ目当ての男と付き合うも恵まれず、中洲でソープ嬢の職を得ます。人一倍頑張ってトップの座を得た松子ですが、時代の流れに勝てず、見つけた男とともに雄琴に移りますが、男に裏切られ殺してしまいました。

東京へと逃亡し、理髪店を営む優しい島津(荒川良々)と出会い、ひと時の楽しい日々を過ごしますが追ってきた警察に逮捕されます。獄中で美容師の免許を取り、島津との再会を楽しみに出所しましたが、すでに島津は家庭を持っていました。落胆した島津を救ったのは、囚人仲間だった沢村めぐみ(黒沢あすか)で、意気投合した二人は楽しい日々を過ごしますが夫のあるめぐみを見て自分を省みた時、淋しさに耐え切れない松子は、めぐみと疎遠になってしまいます。その頃松子はヤクザになった龍と再会し、お互い寂しい二人は激しく求めあいますが、龍は逮捕され刑務所へ。松子はひたすら龍を待ち、龍は刑務所の中で、松子の為にも関係を断ち切らなくてはいけないと思い始まます。出所の日花束を持って迎えに行った松子ですが、幸せを恐れる龍に殴り倒されてしまい、龍はその後再び刑務所へ。

夢も希望も無くした松子は、自堕落な目的のない生活を送りはじめ、いつしかゴミ屋敷に住むようになってしまいました。そんなある日、偶然松子を見かけためぐみは、松子に美容師に戻るように勧めます。一度は断った松子ですが、その夜、再び生きる目的を取り戻し頑張ってみようと思いました。しかし、そのあと不良中学生に殴り殺されてしまったのです。数日して松子を探して現れた龍ですが、すでに松子は亡きあとで、悔やんだ龍はこの社会で生きていく意味を失い、再び暴力沙汰を起こし、刑務所へ。松子の魂は故郷へと向かって飛翔し、生涯のうちですれ違った人々の思い出の中で、姉を一途に待つ妹のもとへと、天国への階段を登っていくのでした。

嫌われ松子の一生

悲惨としか思えないストーリーで作ったコメディです。この生涯自体がコメディのようなものだと言えなくも無いのですが、このストーリーでは、いくらでも深刻なドラマは作れると思います。しかし、出来上がったのミュージカル調のコメディなのでした。前半はちょっとモタモタした感じで、話の中に入っていくのに苦労しましたが、刑務所のシーンあたりから、画面にくぎ付けになってしまいました。久しぶりにハマった感じです。実はこういう映画に弱いのです。何不自由のない生涯は幸せなんでしょうが、波乱万丈の不幸な一生をここまで笑い飛ばす諧謔は直球で心に飛び込んできますし、おかしくも涙無くして見られない映画でした。

ハリウッド映画的な感興が散りばめられています。出来上がり感は、ビッグフィッシュのようで、刑務所シーンはシカゴなんか思い出しました。真似したとか、インスパイアされたとか言い方はありますけど、でも、この感じは好きです。この2つ両方とも大好きな映画だったので、なおさらこの映画が好きになりました。また、オマケのようなものですが、時代を追って進んでいく物語なので、世相を表すニュースとか歌とか、懐かしかったです。だんご三兄弟とか、久しぶりでした。

どんなに平凡に見えても、つまらないと思っても、人の生涯というのはドラマだと思います。自慢したいことや、言いたくないことが沢山あって、人の数だけドラマがあるはずです。それはもっとも尊いもので、それを拠り所に人は生きている。改めてそのようなことを思い出させていただきました。中谷美紀さん、最近映画で見ないなと思っていたのですが、最近結婚されたのですね。お相手は、ウィーンフィルのヴィオラ奏者だとか、お幸せに。

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「薔薇色のブー子」 とめどなく流れるギャグに笑いっぱなしです

久しぶりのGYAO!GYAO!動画鑑賞。今回は少し新しめの邦画で、指原莉乃主演のコメディです。最近HKT48卒業の話題が出た彼女ですが、ここはやはり、指原莉乃のコメディアンぶりを期待しての鑑賞です。2014年の映画になります。

あらすじ
幼いころから周囲に文句ばっかり言っているブー子こと幸子は、キャンパスライフを夢見て大学生になったものの現実とのギャップに落胆し、引きこもりになってしまった。ある日、ブー子はネットの漫画サイトで親しくなった「スパロウ」という男性と会う約束をし、この日を期して生まれ変わり、人生を変えようとする。待ち合わせは22時。それまでに、素敵な女性になろうと綿密な一日の行動計画を立てるが…。



引きこもりになってしまったブー子はネットで知り合った「スパロウ」という男性と22時に会う約束をし、人生を変えるという固い決意のもと、母(三浦理恵子)と母が再婚した父・滝沢さん(ユースケ・サンタマリア)に見送られて、意気揚々と家を出ました。しかし、家を出たとたん、目の前を横切る膨大な黒猫とカラスなど。不安をはねのけ幸子は行動を開始します。そして、その日の幸子の行動をことごとく妨害するのが、以下エピソードです。

どっきり落とし穴
スタッフ(大水洋介、飛永翼)が、映画のエキストラ募集と称して、通りかかった幸子依頼し、落とし穴に落とす。
改札通行禁止
駅員(ホリ)が改札を通ろうとした幸子を執拗に止め、駅の利用客(HEY!たくちゃん、コージー冨田)が通れずに文句を言う。
デパートのセレモニー
デパートに来店した「10億人目の客」として、セレモニーが開かれ、店長(マギー)の司会により、社長(志賀廣太郎)が、コミカルに出迎える。
ラーメン屋と腹痛
空腹を覚えた幸子はラーメン屋に入り、主人(山西惇)に思い切りインスタントラーメンを出される。そのインスタートラーメンを食べた幸子は腹を壊し、住宅街の若い奥さん(松岡璃奈子)の家でトイレを借りるが、トイレが詰まってあふれ出す。
占い師
子供たちにいじめられている占師(片桐はいり)を助け、今晩巨大隕石が落ちるという予言を聞くが、幸子は相手にしない。
自殺の巻き添え
コートを着た男(佐藤二朗)から金を貰うためにデートに付き合うが、ボートの上で身の上話をはじめられ、船底に穴をあけられ、自殺の道連れにされそうになる。
車にはねられる
セレブな女性(小嶋陽菜)の運転する車にはねられ、女性は大金を残して去る。
バスジャックと、ビル人質立てこもりに遭遇
路線バスで、他人の幸せをねたむ男(ムロツヨシ)のバスジャックにあい、服を汚されて切れた幸子は、犯人に暴行する。その後、人質立てこもりの現場に通りがかり、人質の女の子(春名風花)の身代わりを承諾した幸子は、再びあったバスジャックの男を説得する。
ヤクザの抗争
すずめだ組の組長(きたろう)が亡くなり、若頭(田口トモロヲ)に後任を頼み込まれた幸子は承諾し抗争に参加。あっさり敗北するが、そこに失踪していた幹部が登場し、助けられる。彼は隠れてラーメン屋の主人になっていたのだった。
借金取りと母子
母を待つ子供(鈴木福)を見た幸子は、その子が母に捨てられたと知り、母を探しに行く。母(中村ゆり)は見つかったが、ちょうど借金のかたに海外の仕事に連れていかれるところで、取立屋(橋本じゅん)に執拗に絡まれる。母と子の別れの時に、取立屋の立っていた場所に隕石が落ちる。母子の失踪した父親はラーメン屋らしい。

という紆余曲折を経て、大幅に遅刻し「スパロウさん」との待ち合わせ場所に行った幸子でしたが、そこには「スパロウさん」はおらず、新しい自分に変われなかった幸子は落胆します。しかし、そこに現れた継父滝沢さんは、自分がスパロウさんだと告白。幸子を元気づけるためにやったとのこと。最初は怒っていた幸子も、滝沢さんの思いやりに気づき、新しい生まれ変わった幸子になって、二人で帰路に就いたのでした。

薔薇色のブー子

AKB出身の女優さんは、多才な方もいますので、何人か映画の世界に入った人もいらっしゃいますが、やはり一番は、前田敦子さんで、その次に大島優子さんという順番でしょうか。そして、二人の大先輩を前にして、指原莉乃さんはどうかというのも興味のあるところでした。で、結論は、この映画では結論出ないですねというのが正直なところ。こういったコメディですので、普通に指原さんはこなしてしまっているようです。で、彼女に前田敦子のような役ができるかというと、今のところ未知数。しかし、HKTのドキュメンタリーではありますが、監督という立場もその後こなしているので、いろいろとセンスはあるのではないか?とも思われます。

そして、この映画の感想は、面白かった。けっこうニヤニヤと笑いっぱなしでしたよ。組長服は良かったですね。カイカンの言葉がいつ出るかとやきもきさせるような、間の取り方も面白かったです。ムロツヨシとの一連の話も、なかなか面白かったと思います。福田雄一さんの映画は、「女子ーズ」にも普通にはまっていたので、同じようなノリで良かったです。ってか、デパートの催し物で出てくる、ナントカレンジャーのシーンは女子ーズを彷彿させます。いずれにしても、指原莉乃も、映画そのものもなかなか楽しかったです。監督のHK変態仮面はまだ見ていないので、早々に見るべきだと思いました。

2019.01.03 HCMC 自宅にて GYAO! 動画のパソコン鑑賞

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「万引き家族」 心を打つラストにその先の未来を信じる

機内エンターテインメントに今年の邦画の話題作が2本。カンヌ受賞のこの映画と、カメラを止めるな、ですが、こちらの方が体力が入りそうなので、まず元気なうちにと、万引き家族から見始めました。2018年カンヌ国際映画祭にて、パルム・ドール受賞作品です。

あらすじ
東京のどこかに残された古い住宅に暮らす一家。日雇いの父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、生活のために万引きに励んでいる。その帰りに、凍えている幼い女の子を見つけ、思わず家に連れて帰ってきてしまい、妻・信代(安藤サクラ)は文句を言うが、その娘・ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことを発見、面倒を見ることにした。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らす一家は、風俗店でバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)に、新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも平穏に暮らしていたが、ある日、テレビのワイドショーでゆりの失踪が報道されてしまい…。



街角のスーパーで、治と祥太は買い物をするふりをしながら、連携して次々と商品を万引きしていました。そして帰り道、団地のベランダで寒空に部屋から閉め出されている少女に出会い、かわいそうに思って連れて家に帰ってしまいます。家には祖母の初枝、妻の信代、信代の妹の亜紀が暮らしていました。彼女を連れて来たことを責められた治は、返しに団地に戻りますが、部屋の中から聞こえてきた母親の声を聴いて、ゆりを残していけず、再び連れ戻ってしまいました。

治は日雇いの工事現場、信代はクリーニング工場、祥太とゆりは近所で万引き、初枝は月々の年金を下ろしに銀行へ、そして、亜紀は風俗店に出勤という一日が繰り返されますが、ある日、テレビでゆりの誘拐のニュースが流れ、すでに家族の一員となっていたゆりの存在に、一家は困惑してしまいます。そして、日が経ち、治は現場で怪我をしてしまい、仕事に出なくなり、信代はリストラされ、亜紀は常連さんと交流を持つようになっていました。貧しさの中でも明るく生きる家族ですが、祥太は自分の仕事である万引きに疑問を抱くようになっていきます。

ある朝、初枝が老衰で死亡しましたが、死亡届も出さずに家の地下に遺体を埋めてしまいます。さらに、祥太は万引きでつかまりそうになったゆりを庇うために、わざと捕まったことから、一家は警察に身柄を拘束されてしまいました。そして、そもそもこの家族は、疑似家族であったことも明らかになり、それぞれの隠された事情もお互いに解ってきます。警察の取り調べを受け、家族は解体され、それぞれのいるべき所に返されていきました。自分の家に戻ったゆりは、相変わらず母のネグレクトの中で、一人でベランダで外を眺めているのでした。

万引き家族

パルムドール受賞という色眼鏡で、ハードルを上げて見ているのかもしれませんが、素晴らしいという手放しで賛同するまでには至らなかったというのが正直なところでした。しかし、これほど評価の高い映画に欠点をあげつらうという勇気も自信もなくというのがこれまた正直なところです。見終わって、結局何を表現したかったのでしょうというところが、今一つ伝わってきません。こちらの感性不足かもしれません。血のつながった家族、他人の寄り集まった家族、それぞれのありようと、家族の絆でしょうか。しかし、すべて劇中で語られきっていて、見て納得という以上のものになりませんでした。

疑似家族ものでは、「at Home アットホーム」とか、全体評価は別にして、家族の関係がストレートで面白かったし、貧困や家族の絆であれば、たくさんの映画で描かれてきたし、この映画エピソードが本当に高いレベルで、いろいろ詰まっているけど、これと言ってとびぬけたところが無くて、もどかしい気がします。そして、最後に謎解き後日談的にいろいろと語られるスタイルもあまり好きではありません。できれば物語の中で消化して欲しい。とまぁ、いろいろと消化不良で終わってしまいました。

それで、最も良かったのは、家に戻されたゆりが、ベランダから外を眺めるラストかな。きっと、この場面が最高の場面で、この話はここに尽きるのかなと思いました。何も言わない彼女の行動がすべてを語っているという素晴らしい場面でした。その先には、今まで語られてきたような物語でなく、素晴らしい未来が見えていると信じたいと思います。ここのインパクトだけで評価すると、一発芸の映画みたいですが、そこは水準が高い映像の中で、とびぬけて心に飛び込んでくる場面ということで捉えておきましょう。

2019.11.25 JAL759 機内エンターテインメントで鑑賞

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「体験旅行」 今や、テレビのバラエティーショーのノリで

気楽に見られそうな映画で、特急ときやSLなど、多少かつての趣味を刺激される部分もあって、見てみました。フランキー堺のコメディで、1970年松竹の製作です。

あらすじ
車掌歴二十年、新潟車掌区のベテラン・石川大作(フランキー堺)は3人の怪しげな女子(奈美悦子・左時枝・辻由美子)に付きまとわれていた。乗務中にも鉢合わせし、結局彼女らが蒸気機関車の撮影の旅に出ている鉄道ファンクラブのメンバーだったことがわかる。彼女たちは石川の家に居候。なんと三十三歳まで独身の大作を共同研究のテーマの対象にしていたのだ。ある日、大作は乗務する電車に乗り合わせていた、乗務研修中の松井(森田健作)の姉(城野ゆき)に一目ぼれし、鉄女たちもこれを応援するために策を凝らすが…



大作は、デパートで行なわれていた蒸気機関車関連の展示即売会で、セリにかけられたD51のナンバープレートを買い求めています。そこには、ひそひそと連絡を取り合う3人の女子の影がちらついていました。新人研修中の松井を連れ、特急ときに乗務する石川ですが、怪しげな3人の女子を車内で発見。持っていたジュラルミンケースから、過激派か?と色めき立ちますが、実は信越地方に残るSL撮影目的の鉄女たちだったのでした。新潟についた大作は、家を離れて一人踏切小屋に住み込む、元SLの機関士の父和三郎(森川信)に、東京で買い求めた、父が最後に運転した機関車のナンバープレートを差し出すと、父は感激します。そして、団子屋を営む我が家に帰ってみると、大作の部屋は車内で会った3人の女子に占領されていたのでした。

彼女たちは機関車研究クラブ員で三十三歳で独身の大作を卒論の共同研究のテーマに選び、追いかけているとの事。その日から大作と家族に付きまとい、取材と撮影攻勢が始まります。そんな中で、大作は乗務中に車内で見初めた女医で松井の姉の玲子に夢中になり、仮病を使って接近し、デートの約束まで取り付けます。3人の鉄女たちもこれを援護しようと策を凝らしますが、ハプニング続きで大失敗。そして、大作は彼女に恋人がいることを知り、失意の中で酒におぼれました。

泥酔から意識を取り戻したとき、近くの踏切で立ち往生しているトラックを発見。なんと火薬を積んでいるとの事で、大作と父母、3人の鉄女総出で、これをなんとか救出しようとし、体を張った活動で、危機一髪惨事を免れます。そして、3人は活動を終えて東京に戻り、再び大作と松井は日々の平穏な勤務に戻るのでした。

体験旅行

全11作製作された、松竹の旅行シリーズです。しかし今見てみると、映画というよりはバラエティー番組を見るようなノリなので、今一つ映画的にはどうかと思いました。それはそれで、当時の雰囲気を体験するにはいいものかとも思いますが…。ストーリーはシンプルというより、取ってつけたようなお話なので、語るに足りないようなものです。お茶の間のコメディ的なドタバタ展開でした。その中で、新潟の風物をただただ映すシーン。今でいうご当地映画の一シーンよりもストレート。そして、歌手の出演のサービス。今回はクラブで歌う、ヒデとロザンナ。お茶の間でみるバラエティーショーそのものですね。

鉄分という意味では、十分あるのですが、主役は、C571と、181系ときということでしょうか。D51やC11もありますが、こちらは話の中で語られる方が多くなっています。当時は最後のSLを一目見ようと、あちこちに鉄道ファンが押しかけ、社会問題化した時代。確かにそういうことがありました。その後下火になっていましたが、最近鉄道趣味も復活していますね。鉄女といってもてはやされる今日この頃ですが、当時もしっかり存在していたことがわかります。オタク趣味と言われ不遇をかこった時代が長かったのですが、鉄道にしろ、山登りにしろ、若い女性が目を向けると趣味の世界は一気に層が拡大するということがよくわかります。

この映画のヒロイン格は城野ゆき。大作の父母は、森川信とミヤコ蝶々、そして看護婦?に扮するのは、なんと女装した笑福亭仁鶴です。やはり、ミヤコ蝶々や笑福亭仁鶴となれば、お笑い芸人なので、この映画やはりバラエティショーという雰囲気になります。ということで映画的には問題外という感じもしますが、70年当時は、まだまだ映画がこういう役割を担って、次々と作られていた時代ということが認識できました。

2019.01.02 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「秋津温泉」 新子の愛と死とでも題する歌劇のような

お正月気分など全くない、ベトナムの1月1日なのですが、ちょっとは気分的に盛り上げようと、比較的ガチな映画を鑑賞です。選んだのは、秋津温泉。1962年の映画で、松竹製作。キネ旬10位。岡田茉莉子は当時29歳。映画出演100本記念作品となっています。監督は吉田喜重です。

あらすじ
岡山の実家を焼け出された周作は、親族を頼って鳥取に向かう途中、体調を崩し津山の奥にある秋津温泉で療養生活を送ることになる。そこで出会った女将の娘新子に助けられ、周作は生気を取り戻しすと、二人は徐々に相手を意識するようになっていった。周作は、女将に追い出されたり、岡山で自らの生活を始めたりしながら、秋津温泉を時折訪れる中で、秋津温泉で周作を待つ新子の想いは日に日につのっていく…。



戦禍で岡山の家を失い、疎開した親族を頼って鳥取に向かう河本周作(長門裕之)は、列車の中で体調を崩し、軍医の宿舎となっていた秋津温泉に宿泊します。結核に侵されていた周作はそこで旅館の娘新子(岡田茉莉子)と出逢い、旅館の離れで療養生活を送ることになりました。そして敗戦の知らせに泣き崩れる新子に心を打たれた周作は、やがて生きる力を取り戻して恢復し、二人はお互いに惹かれるようになりました。

周作はその後街で酒におぼれ、自堕落な生活を送るようになります。そして、そんなだらしない周作に新子は苛立ちながらも、お互いに告白し心中までしようとしますがこれは失敗しました。ついに、母は周作を追い出してしまい、周作は岡山で作家志望の松宮(宇野重吉)の娘、晴枝(中村雅子)と結婚。松宮が新人賞を取る中で周作は鳴かず飛ばずでますます荒んでいきました。再び秋津を訪れた周作ですが、酒におぼれ人が変わったような周作に、新子は戸惑いを隠せず、周作が結婚したと知った新子は、周作への想いを捨てきれないまま、周作を送り出します。

松宮の紹介で東京で職を得た周作は、出発前に再び秋津を訪れます。そこには、ずっと周作を待っている新子がいました。再会に酒を酌み交わした二人はそのまま男女の関係になりますが、翌朝周作は新子の知らぬ間に出発してしまいます。新子は周作を追い、津山でのひと時。関係を結んで解き放たれ、幸せの絶頂の新子の前に、周作はただ狼狽するばかりで煮え切らない態度です。新子は最終列車の乗ろうとする周作を引き留め二人で旅館に入ります。そして一夜を過ごす中で、新子はこれでもう一人で死ねるとつぶやきます。

その後、旅館を手放し、魂の抜けたような生活を送っている新子の元に、東京から出張でやってきた周作が再び現れます。その夜、思いつめ一緒に死んでと迫る新子に対し、周作は打算的に体を求めるばかり。そして、翌日別れの時、新子は再び一緒に死んでと迫りますが、すっかり常識人になってしまった周作は新子を諫め、その場を離れますが、周作を見送った新子は手首を切り自殺。異変に気付いた周作は慌てて駆け戻りますがすでに遅く、桜の舞う中で新子の亡骸を抱いて慟哭するのでした…。

秋津温泉

第一印象は、とにかく林光の音楽がとにかく雄弁で目立つという事でした。まるでオペラの為の作曲とでもいうほどの濃い曲が支配していきます。ラブシーンの部分はむしろ暗い調子の音楽で、そして、ラストの自殺は明るい調子で美化されていく。これも、現生の苦悩から解放された死によって救済されるようなオペラを見ている気分です。ちょっとこの音楽は気合が入っていますね。音だけ聞いていても立派な作品を鑑賞しているような気分になります。

岡田茉莉子が自身の出演100本を記念して企画した映画です。そして、翌年監督の吉田喜重氏と結婚。すべて岡田茉莉子の為にある映画です。17歳の新子から34歳の新子までを演じ分ける岡田茉莉子ですが17歳では初々しくて若い感じが、34歳ではすでに、17年間の恋に疲れた感じが良く出ています。17年も恋し続けるというのは別れているからできることだとは思いますが、それはかなり大変なことと思います。初めて関係を持った翌日の岡田奈々子の津山でのシーンがとても活き活きとしていて素晴らしいと思いました。

対する周作は、ありがちな男を演じていて、まぁ男というのはそういうもんか、とも思ってしまうのですが、この情景を見つつ木綿のハンカチーフを思い出した私は、状況を頭の中で比較していました。ここまで愛されてしまえば大したものなんですが、そこに戻ってくる男というのも、ある意味男の欲望と打算が見え隠れしていて、なんだか身につまされるような感じです。最終的には新子の一途な純愛と17年の苦悩と解放を描いた物語。今の日本ではちょっと作られないような映画かなぁと思いつつ、今年の初映画鑑賞でした。

2019.1.1 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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ジャンル : 映画

「こんにちは赤ちゃん(日活)」 1年の始めに、おめでたい映画で…

ここのところ日本映画しか見ていないような気がします。ずっとその流れで見ているので惰性になっているというか…。今日は、「こんにちは赤ちゃん」この映画は、同名の曲のヒットによって作られた映画で、東宝版と日活版で、本家梓みちよが出るのは、東宝版の方ですが、今日は日活版を鑑賞。1964年日活制作です。

あらすじ
横浜に到着目前の貨物船月光丸では、久々の日本に期待が膨らみ、埠頭には家族たちが詰めかけていた。船員の五郎と実は、上陸するや“かもめホテル”に直行、お目当てのフロントのとも子を射止めようと競争する。そんな五郎の所へ郷里から五郎の母が、光子という幼馴染を連れて現れた。とも子は光子の出現におかんむりの一方、一等航海士で妻と別居している谷村の一歳になる弘を預っては面倒をみてやっていた。いつも構ってもらえない弘を見かねた五郎ととも子は、実の母を訪ねたがあっさり追いかえされ、離婚届を受け取り、谷村はかねてから相思相愛の洋子と一緒になる。そして、五郎ととも子もお互いを恋人と認め、出航の日、丁度産気づいた三好無線士の奥さんのために出航を伸ばした船長の計いで、元気な双児が誕生をみんなで祝うのだった。



テレビアナウンサーの宇田川圭子(吉永小百合)の司会で始まる群像劇でした。久々に横浜に入港する貨物船月光丸の船員と家族や恋人たちとの、短い横浜での一夜に起こるいろいろなエピソードを紡ぎあげたコメディです。

柱となるストーリーは、五郎(山内賢)ととも子(和泉雅子)の物語です。五郎と実(杉山俊夫)は恋敵ですが、どうも五郎に分がありそう。しかし、五郎の田舎の母親が、五郎を慕う幼馴染の光子(有田双美子)を連れてきたことから話がややこしくなります。出産騒ぎで部屋もめまぐるしく変わる中、五郎はとも子の部屋だと思い込み、光子の寝ている横で、とも子への熱い愛の告白をしてしまいます。これを聞いてしまった光子は、「五郎ちゃんのバカ」と一言つぶやき、潔く身を引きました。とも子は光子からこの話を聞き、二人は相思相愛の仲に。恋の成就です。

もう一つのストーリーは、一等航海士谷村(川地民夫)の物語。彼は、元々洋子(芦川いづみ)と恋人同士の関係にありました。しかし、物事がうまく運ばず、洋子は別の男性と結婚したものの夫と死別。谷村も結婚し一児を設けたものの、洋子のことが忘れられず、キャリアウーマンの妻とは別居状態。息子は洋子があずかっているという状況でした。翻弄される子供を不憫に思った五郎ととも子は、母のもとを訪れますが、離婚届を渡されて返される始末。しかし、気丈な彼女は窓の下に佇んでいた洋子を見て、「私はあなたに負けたのよ」という言葉が哀愁誘うのでした。

そして、いろいろなエピソードがある中で、背景を演出しているエピソードが出産の物語。この1日の休暇に夫に会いにやってきた臨月の三好無線士(桂小金治)の妻、君江(新井麗子)が産気づいてしまいます。産婆である五郎の母の助けを借りて、女性は交替で、徹夜で出産に立ち会い、あまりに遅れて、母体が危ないとも騒がれます。そして迫る出航時刻を船長(清水将夫)の計らいで1時間延長。ついに、かもめホテルに双子の産声が響き渡ったのでした。

こんにちは赤ちゃん

罪の無いコメディといいつつ、それは少々きついんでは?という部分も多いのですが、明るいテンポで一気に楽しめます。家族と離れての航海はなかなか大変なところもあり、この出会いの時間は凝縮されたひと時ということになります。そこに集う人々や受け入れる人々。特定の相手がいなければバーへ、ということも有りですね。という明るい話でありながら、やはり少々きついです。光子さんとか、谷村の奥さんとか、負け組がはっきり分かれる訳で、そこは反面無情な厳しさが入っています。

ラストのコメディは決まっていました。とも子が救急車を呼んで、みんな騒然としますが、担ぎ出されたのは…。そして、双子の誕生というおめでたいエンディングで、「こんにちは赤ちゃん」を歌いながら大団円。ここは歌謡映画ということで、しっかりと楽しませてくれました。あとは、上に書いた以外に、大野夫妻の話など、もう一つ二つエピソードがありますが、ちょっと小ネタに近いので、それほどインパクトはありませんでした。

有名な女優さんたちが出ています。和泉雅子、吉永小百合、そして芦川いづみなどなど。和泉雅子は、かわいいとか美しいとかより、楽しいという感じで(ごめんなさい)、吉永小百合は若い。でも、もう少しふっくらした方が好きではあるのですが。芦川いづみは終始哀愁が漂う大人の演技でした。その中で、ちょっと気になったのが有田双美子なんですが、彼女は主役級の映画もあったようですがあまり売れなかったようですね。ちょっといいと思ったのですが…。

2018.12.16 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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