
「僕の彼女はサイボーグ」 綾瀬はるかのタイムトラベルコメディ

あらすじ
2007年11月22日。自分の誕生日の為のプレゼントを買う大学生ジロー(小出恵介)は、デパートでボディスーツの「彼女」(綾瀬はるか)と出会う。「彼女」はジローが食事に来たレストランにも押しかけ、大胆で奇妙な行動をとりつつ、数時間を一緒に過ごすうちに、「彼女」に惹かれていが、「彼女」は謎めいた言葉を残して突然姿を消してしまう。翌年の11月22日。ジローは再会を期待し、同じレストランに食事にいくと、再び「彼女」が現れ、ジローを災厄から救い、一緒に暮らすようになるが…
綾瀬はるかの為のアイドル的映画と思うので、まぁ、面白ければ良しと、さしてストーリーを気にして見ている訳ではないですが、一応備忘録として書いておきましょう。
まずは、自分への誕生日プレゼントを買っている前に現れた彼女との出会いからスタート。彼女はジローが食事するレストランにも現れ、横ではアメフトのサークルがお誕生会をしていました。ハッピーバースデーのあと、主役の顔をケーキにうずめるいたずらをやっていますが、これがこの映画の中での一つのモチーフとして繰り返されます。そして、彼女の意味ありげな言動と別れを経て1年後同じレストランで再会。彼女は、未来のジローが過去の自分を守るために作りあげ、送りこんだサイボーグだといい、ジローを守るため超人的な能力を発揮していきます。
次第に彼女に惹かれていくジローですが、サイボーグの彼女には思いが伝わらないと感じたジローは、嫉妬させようと他の女性と付き合ったりしますが、我慢ができず、彼女を酔いに任せて追い出してしまいました。そんな時、未曽有の大震災が発生し、彼女は自分の下半身を失いながらもジローを危機から救い、上半身だけになってしまった彼女をジローは抱きしめ、お互いの心が通じ合ったことを悟りますが、彼女はこんな姿を見られたくないと言い残し、落ちてきた瓦礫が彼女を覆ってしまいます。そして揺れも収まったあと、茫然として彼女を掘り起こし、回収するジローの姿がありました。
60年後ジローは彼女の再生に成功し、彼女に看取られて生涯を追えます。そして、22世紀博物館で自分そっくりの展示されている彼女を見て驚く、未来の女子学生がいました。彼女はサイボーグをオークションで落札し、その記憶を自分のものとして取り入れます。すっかり、サイボーグとしての彼女の心をもった彼女は過去にタイムトラベルをして、2007年に最初に出会った彼女としてジローの前に現れました。そして、冒頭と同じ場面を繰り返し、いったん別れますが、震災のあと彼女の上半身を抱きしめているジローの前に、この時代で生きていく決意をして再び現れるのでした。おしまい…

そう、時を超えて成就する恋の物語でした。ストーリーも面白かったので、なかなか楽しめました。10年前の綾瀬はるかの魅力も満開で、今とは違った彼女がいました。劇中で、世界は女で回っているみたいなセリフがありましたが、こういう映画を見ていると、映画は女優で回っているという風に感じてしまいますね。綾瀬はるかの着せ替え人形シーンなんかも、アイドルの魅力発揮のサービスカットで、なかなか楽しめました。
一方でこの映画は、途中かなり流れが停滞し、最後で一気に加速してしまうような展開になります。特にジローの故郷に帰る場面は大変情緒的でいいシーンだとは思いますが、ここで映画が冗長になってしまい、そしてこれは物語の展開上あまり関係ないと思います。このあたりの情緒的な表現は、韓流の監督さんの特徴ではないかと思いましたが、どうなんでしょう。いろいろと思いをはせることのできるシーンではありますが…。
さて、クァク・ジェヨン監督は「猟奇的な彼女」を制作、その後彼女シリーズを数本製作しており、これもその一つということになります。そもそも、私は「猟奇的な彼女」を見ていないので、この映画を見つつ、これは一度見てみないといけないなと思いました。かつて、DVD屋さんを訪れるたびに目についていました。チョン・ジヒョンも一度ゆっくり見てみたいことですし。という訳で、映画を見るひと時を楽しむことができました。
2018.7.15 HCMC 自宅にてGYAO!をパソコン鑑賞