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「8年越しの花嫁 奇跡の実話」 実話をそのまま真摯に辿る映画

飛行機の中での鑑賞の2本目。まぁ、こういう場合は、1作目が本命なので、2作目は軽くみられる作品を、という感じで見ることが多く、今回もそういった感じです。題名だけだと、スルーするかもしれないのですが、土屋太鳳主演と言う事で、見てみることにしました。

あらすじ
結婚を約束した尚志(佐藤健)と麻衣(土屋太鳳)。結婚式を間近に控え、幸せの絶頂のある日、麻衣が突然、原因不明の病気で倒れてしまう。意識が戻らず、いつ目が覚めるかわからない麻衣の様子から、彼女の両親からは「もう麻衣のことは忘れてほしい」と言われるが、尚志は諦めずに麻衣の傍で回復を祈り続けていた。長い年月を経て、ようやく目を覚ます麻衣、ところが、さらなる試練が2人を待ち受けていた…。



岡山が舞台の物語でした。
真面目な自動車整備工の尚志は、体調が悪い中友だちの誘いを断り切れず合コンに向かいます。会場でも気乗りしない風情で押し黙っている尚志を、麻衣はずっと気にしていました。そして先に帰ろうとした尚志を追いかけ、麻衣は尚志の行動を糾弾します。しかし、尚志の事情を知って納得、その後も二人は会い続けることとなりました。そして、ある日プロポーズ。結婚式の会場選びをする2人は、幸せいっぱいの中にいました。

ある日、麻衣が「抗NMDA受容体脳炎」という300万人に1人が発症するという、とても珍しい病気にかかってしまいます。そして、長い昏睡状態に陥ってしまいました。尚志は、麻衣の元に通い、麻衣が目覚めることを祈り続け、その間に起こったことを麻衣の携帯に動画にして送り続けます。しかし、意識の戻らいない娘と悲観し、いつまでも通い続ける尚志を見かねた麻衣の父母は、これ以上麻衣と会わないで欲しいと告げます。

それも、克服した尚志は、ずっと麻衣のもとに通い続け、そしてついに麻衣が目を覚ましました。しかし、麻衣は記憶障害により尚志の事を覚えていませんでした。尚志は大きなショックを受けながらも麻衣の元へと通い、リハビリのサポートをしますが、お互いが愛し合っていたことを全く覚えてない麻衣にとって、尚志とは恋人の関係になれないようでした。そんな麻衣の気持ちを悟った尚志は、麻衣の元を離れ、町も離れてしまいます。ある日、麻衣はかつて尚志と決めた結婚式場を通りかかると…。

8年越しの花嫁 奇跡の実話

題名がいまいちですね、というのが第一印象なんですが。そうなんですよ、そう、あからさまに説明しなくても、という感じです。ストーリーも、お約束通り。最後まで安心して見られるものでした。だって、奇跡の実話なんですから。伏線は、回収されるべく回収され、それも全く予想を裏切らない方向で。昏睡状態の麻衣を看病し続ける間、仕事はどうしてたのかな?と気になってしまいましたが、それも工場の人たちの暖かい応援があったからこそでしょう。

実話を映画化すると、すごい実話でもそう突飛な話にはならないので、そのあたりは奇跡といわれても、アメージングな期待をしてもダメかな?と思います。この映画を見た感じとして、サラっと見たいると、サラっと流れて行くのですが、よくよく背景とかいろいろと考えてしまうと、すごいことだなと思います。この奇跡の物語のテレビ放映が、実話としてYouTubeで見ることが出来ますが、そちらの方は凄く感動しました。映画と思ってみる時と、実話として見る時と、ちょっと感じ方が違うなと体感しました。思えば、この題名も、飾らず実話として、というコンセプトだったのかな、と納得した次第。

土屋太鳳さん、相変わらず顔が大きめの印象。熱演で、大変立派であります。映画は、全体的に緩い雰囲気で、ご当地映画かと思ってしまう程なのですが、でもそれよりは、よく締まっている感じです。母(薬師丸ひろ子)と、父(杉本哲太)の存在も、この映画がキリっと締まるのに一役かっているかなと思いました。全体的には語りすぎずに、程よい展開が良かったかなと思います。

実話として、身近に起これば大変な事なのですが、映画としてみるとちょっと普通になりますし、実話は空想以上に遥かに凄まじいこともあります。とか、言いつつ、この映画は見て良かったと思ったのでした。

2018..4.2 JAL機内(成田→ホーチミン)にて
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「愛と欲望 ミラノの霧の中で」 ミラノを舞台に漂うような群像劇

買い置きのDVDからの鑑賞。内容も全くわからず買っておいたもので、どんなんかいな?と見始めました。原題は、「A casa nostra」で、「私たちの家で」というlこと。劇中にもセリフとして出てきます私たちの家とはミラノの事。そして、ミラノの街に生活する人々の群像劇なのでした。

あらすじ
イタリアの財界の大物であるミラノの銀行家ウーゴ(ルカ・ジンガレッティ)の不正取引を追う、女性財務警察官のリタ(ヴァレリア・ゴリノ)は、電話を盗聴して不正をつかもうとしている。スーパーマーケットの店員ジェリー(ルカ・アルジェンテロ)は、ウーゴの愛人でモデルのエロディ(ラウラ・キアッティ)と関係を持つが、それがきっかけでウーゴに利用されることになる。ガソリンスタンドの店員オテロ(ジュゼッペ・バッティストン)は、娼婦のビアンカ(クリスティナ・スキーウ)を愛していたが、ある時彼女が強盗に襲われ、昏睡状態に陥ってしまう。それぞれの物語がミラノの街で交錯する…。



ミラノの街の象徴的な風景も取り入れながら、いくつかの生活が交錯する群像劇でした。そういった話なので、前半はなかなかストーリーが捕らえづらかったのですが、いくつかの物語を軸に前提がまとまっていきます。そういった話なので、人物ごとに話をまとめてみます。

ウーゴ
冒頭からでてきますが、ミラノの銀行家。権力を振りかざしつつ、強引な取引をしている様子ですが、財務警察官のリタのグループに付け狙われています。日本でいうと国税庁というところでしょうか。一方で、彼には妻がいましたが、妻は子供を亡くしており、それが彼女の精神を不安定にさせています。ウーゴは彼女の為に子供を手に入れようとしています。

リタ
リタは、盗聴などを駆使しながら、ウーゴを追い詰めるグループのリーダー。一方でマッテオという恋人がいますが、彼は堅苦しいリタの仕事とは正反対の、アングラアートのイベントを主催しています。お互い仕事のことには立ち入らず、時々会っているという状況です。ある日、リタは彼のことをもっと知りたいという要求から、突然マッテオのイベントを見に行きますが、そこから二人の関係が動き出していきます。

ジェリー
看護婦の彼女を持つ、スーパーの店員ジェリーは、彼女とのデートの最中にモデルのエロディに誘惑されます。その後、関係を結んだエロディは、ウーゴの情婦でした。それがもとで、ジェリーはウーゴに利用されるようになります。そして、恋人の看護婦は、急に羽振りがよくなったジェリーをいぶかしむのでした。

エロディ
モデルのエロディは、ウーゴの情婦でしたが、めったに会いに来ないウーゴの代わりにジェリーと一夜を過ごします。そればウーゴに発覚。絶縁され、金策が必要になったエロディは、テレビでウーゴに中絶させられたと暴露します。

マッテオ
リタの恋人マッテオは、大学教授の家庭に育っていました。めったに家に寄り付かないマッテオでしたが、父母はマッテオのことはいつも気にかけている様子。マッテオの父は、納税申告漏れから税務署の勧告により金策に走ります。なんとか完了し家に帰ると、母が倒れており、病院に担ぎ込まれていました。

オテロ
ガソリンスタンドの店員オテロは、街娼のビアンカの元に通ううちに愛するようになり、彼女を食事に誘い親密になります。売春組織から横やりが入る中、愛を温めていきますが、ビアンカが強盗に襲われ、病院に担ぎ込まれます。ベッドはマッテオの母のとなり、看護婦はジェリーの恋人でした。

というストーリーが絡まります。そして、子供の欲しいウーゴは、妊娠していたビアンカの父親に成りすまして、昏睡状態のビアンカから手術によって取り出された赤ん坊を得ようとしますが、オテロに邪魔されて成功せず、この取引を、人身売買組織と交渉していたジェリーは、ウーゴを付け狙っていたリタに、情報から全貌を把握され、警察に追われることとなり…。

愛と欲望 ミラノの霧の中で

ストーリーをまとめると、こんな感じですが、かなり細かなエピソードが盛りだくさんで、それもあって前半はストーリーを追うのに少し苦労しました。あえて言えば、霧の中を行くような物語展開。そして、概して静かに進む物語の中で、徐々に霧が晴れ、いろいろな階層の人々の行動と思惑が交錯し、我々の家であるミラノを形作っていく。そんな映画です。後半の展開は見事だと思います。その中で、時々俯瞰され、象徴的な場所が映し出されるミラノ。これが私たちの家、ということでした。

静かで、何がどう解決したか解らないような群像劇ですが、個々の人々の描き方がとても秀逸です。盛りだくさんの美しい一つ一つのエピソードから、そのパーツが美しく嵌っていく様に、しみじみとした感興を感じました。そして、時折挿入される、ヴェルディの椿姫の旋律。あまり報いのないこの話の展開に大変マッチしていて、心に残りました。

一番の美人役の女優は、エロディ役のラウラ・キアッティで、いくつか日本公開の作品があります。主役のヴァレリア・ゴリノは、数々の出演作のある名女優。ヴェネツィア国際映画祭女優賞をしており、「レインマン」や「あるいは裏切りという名の犬」などへの出演、そして監督としても活躍しているようです。そして、一番印象に残ったのは、この映画が唯一の出演作と思われる、クリスティナ・スキーウなんですが、エピソードが解りやすいということもありますが、五里霧中の中一番オテロとビアンカの筋が追いやすかったからでしょうか。ちょっと崩れた哀感のある演技は良かったと思います。

いや、この手の映画は、好きなんだなと改めて思った次第です。日本では、2007年イタリア映画祭、2007年東京国際女性映画祭でて上映、一般公開は無く、DVDスルーでした。

2018.4.1 DVDにて鑑賞

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「勝手にふるえてろ」 綿矢りさの魅力を再確認

JAL機内での鑑賞です。何があるかな?とパラパラ画面をめくって見た中で、気になった1本。それは、原作「綿矢りさ」の文字でした。ひところ、彼女の小説をいくつか楽しんだことがあったので、懐かしく見始めました。そして、予想以上の出来だったので、満足した次第です。

あらすじ
絶滅した動物を愛するOLのヨシカ(松岡茉優)は、10年間中学時代の同級生「イチ」(北村匠海)に片思いを続けていた。そして、イチとの過去を思い出しては胸をときめかせている日常に、突如会社の同期「ニ」(渡辺大知)から告白され、生まれて初めての経験に舞い上がる。しかし、いつまでも心の中にいる「イチ」のこともあって、「ニ」との関係は一進一退。そして、ある日ヨシカは、現在の「イチ」に会ってみようと思い立ち、同級生の名前を騙って同窓会を計画。ついに「イチ」との再会となったが…。



冒頭から、心の中の語りがセリフで多くを占めますが、その雰囲気がなんとなく小説を読んでいるようで楽しかったと思いました。主人公は、OLのヨシカ。あの「ちはやふる」の松岡茉優です。

ヨシカは、生まれてこのかた彼氏もいず男性経験もない、26歳のOL。彼女には中学生の頃から思いを寄せ続けている“イチ”という男性がいました。ヨシカは当時から、焦点を合わせず、視野の端で彼を見るという方法で見ていたのですが、ほぼ言葉を合わすことなく卒業。以来、良香の頭の中は様々なシチュエーションのイチがいっぱいなのでした。そんあある日、良香は会社の飲み会に参加、会社の同期である“二”に、付き合って欲しいと言われます。

ニへの返事は保留のまま、ヨシカはイチへの思いを絶つこともできず、イチに会うべく同窓会を企画。同窓会当日、ヨシカの頭の中の“イチ”そのままの姿で、彼は現れ、周りからチヤホヤされる“イチ”と懸命に接触。次の少人数での飲み会をセット。そして、再開のその日、偶然にもヨシカを見つけ、しぶとく付きまと“二”を振り切り飲み会に参加。奥手なヨシカは終始浮いた存在ですが、なんとか二人だけの場を確保、絶好のチャンスに、勇気を出して中学時代の思い出を語りはじめ、共通点もみつけ、すっかり打ち解けますが、最後の最後でイチから出た言葉は、「ごめん。名前なんだっけ?」というものでした。

深く傷ついたヨシカは、微妙な表情のままその場をあとにし、家に帰ると一気に泣き崩れてしまいます。その後、ニとのデートを繰り返すヨシカでしたが、奥手なヨシカは肝心なところでうまくいかないうちに、二が親友の来留美(石橋杏奈)から、ヨシカのコンプレックスを聞き出していたことに怒って親友とも二とも破局。自棄になったヨシカは、妊娠したと嘘をついて会社を休み、なにもかも失って、ひとりきりの生活を数日を過ごし、孤独を身に染みて感じることになりました。徐々にニのありがたさが解ってきたヨシカは、大雨の中、ニを呼び出しますが…。

勝手にふるえてろ

最初にも書きましたが、やはり冒頭から綿矢りさの小説を読んでいるような雰囲気が良く伝わってきて、楽しかったです。なんとなく、ふわっとしていて、不条理で。全体を通してこの雰囲気が維持され良かったと思いました。主人公の松岡茉優はなかなかの熱演。中学生時代の眼鏡セーラー服姿はなかなかのものでした(笑)。

圧巻は、イチに名前を憶えられていなかったことが解った時の絶滅の唄と、慟哭ともいえる部屋に戻ってからの主人公の演技。この時に、ハンバーガーショップの店員や、釣りのおじさん、コンビニの店員との今までの会話が、すべてヨシカの妄想の産物であったことが発覚。そして、バーガーショップの店員が突然中国語で話し始めた時の、ひとかたならぬ疎外感は秀逸。そのバックに流れている絶滅の唄は、昔の中島みゆきの歌を思い起こすほど、インパクトが強く、このまま完結してもいいというくらいのクライマックスであったと思います。

綿矢りさの原作がいいと言ってしまえば、身も蓋もないので、さらにその原作をうまく映像化した大九明子監督の熱演の松岡茉優あっての作品。あえてマイナス点として思ったのは、大きなクライマックスが真ん中になっているので、その後が少し冗長に思えたことかな?とりあえず、大九明子監督の映画を見るのは初めてなので、しっかり記憶しておきます。綿矢りさ作品は、今まで「インストール」がありましたが、あちらもなかなか面白かったので、また本でも買ってみようかな??という感じです。

2018..4.2 JAL機内(成田→ホーチミン)にて

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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