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「先生と迷い猫」 現在の日本の懐かしいような風景

出張のお供に、機内用にダウンロードしての鑑賞です。今回はLCCなので、楽しみはこれしかないという訳です。この映画は、2年前になりますが、日本にいた頃で予告編で何度も見ました。それを見ても、実際に見に行くには至らなかったのですが、たまたまiTuneの今週の100円レンタルだったので、気になって見てみたという訳です。実際に見てみると、予告編を見て思っていたイメージとはちょっと違いました。2015年の映画で、深川栄洋監督の作品です。

あらすじ
妻に先立たれて独り暮らしを送る元校長先生(イッセー尾形)は、偏屈な人柄のため、近所では浮いた存在だった。訪ねてくるのは、亡き妻が餌を与えて可愛がっていた三毛猫のミイくらい。ミイはどんなに追っ払っても毎日やってきて、妻の仏壇の前に座り続けていた。ところがある日突然、その姿が見えなくなる。そうなるとなぜか心配になり、探し始めたところ、自分の他にもミイを探している人たちがいたことが判明。彼らと関わってゆくうちに、頑なだった先生の心も変わってゆく…。



背筋を伸ばして、ジャケットを着て歩く校長先生は、あまりにも真面目で堅物なため、近所の人々からも、敬して遠ざけるような存在でした。ある日、パンの味が変わったとクレームにパン屋に行ったところ、これを汐にパン屋が廃業を宣言。校長先生は狐につままれた様な格好になります。校長先生は、晴耕雨読の生活で、教え子らしき人物から勧められた、ロシア文学を翻訳する毎日で、一方で、校長先生が取りだめた町の古い写真をスキャンさせています。そして、毎日現れるミィは、いつも仏壇の前に陣取っていますが、校長先生は亡き妻を思い出すと言う事で、これが嫌でたまらないようです。

ミィは、実は校長先生の家だけでなく、町のいろいろな人の家を時間通りに巡回していました。美容院から、雑貨屋、そして深夜のバス停で迎える高校生。それぞれがミィに思い思いの名前をつけて呼んでいて、彼らはミィに毎日癒されているのでした。ある日、猫が数匹いたずらで殺されたりするニュースが飛び交います。それでも、ミィは来ているのですが、なんとなく不安な空気が漂います。そして、町にはナイフで切られた猫も発見されたりします。

ところが、校長先生がミィの入ってくるのを拒んだ日から、ミィは街に現れなくなってしまいました。しばらくして街を行く校長先生は、猫を探すポスターを美容院に発見。その猫のことを尋ねると、どうやらミィと同じ猫で、そうと解ると気になって仕方がありません。やがてミィを知る人たちが集まって、皆で猫を探し始め、校長先生は老体に鞭打って、昼も夜も町中を探し回るのでした…。

先生と迷い猫

舞台となる町の、美しい風景というか、懐かしいような風景。画面に映る場面は、小さな坂道や渓流のある風景が多く、山間の町と言う感じで、例えば丹沢の麓のような印象を受けましたが。言葉や雰囲気で比較的東京に近い設定だろうとも思ったのですが、でも丹沢とはバスも違うようですし、そもそも漁港もあるという街なので、山と海と両方ある町なんですね。最後にエンドロールを見ていると、ここは下田だったのでしょうか?

予告編を見た印象では、もっとコミカルなコメディタッチの映画化と思っていました。実際は、静かなドラマだったのですね。一匹のネコにまつわる先生や、町の人々の想い。それぞれの人にとっての、それぞれの思いが猫に投影されて、それが猫につけられた名前の数だけあって、というところなど、なかなかいいお話だと思います。実際、見た印象以上に盛りだくさんだと思います。

あの山の中にいる少年の役割は何だったのでしょう。猫を助ける子供か、猫を傷つける子供か、あるいは猫の化身なのか?場面によって全く印象が異なっています。なかなか解釈が難しいところです。

先生を取り巻く人々の位置づけや性格も面白い。尊敬されているというところは多少はあるが、一方で揶揄されたり、怒られたりいろいろです。校長先生だったと言うブランドを見て話す人は、それなりの話し方をしますが、そうでもない人は結構きつい話し方もする。先生を通じて、登場人物の性格が見えて来ます。先生も先生ですが、ピエール瀧ももっと年長者を尊敬した話をしていただきたいものです。彼の切れ方は、凶悪を思い出しましたよ。

物静かな雰囲気と音楽も良かったです。最終的には、群像劇的とも言えますし、エピソードを積み重ねたような感じにもなる訳ですが、かといって何か物語の結論を示したという訳でもなく、映画は終わります。それぞれの人と登場人物から何を感じ取れるかは見る人にゆだねられている感じの映画でもありました。雰囲気が極めて日本的であり、現在の邦画の良い所がいろいろと現れていると思いました。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「サンブンノイチ」 爽快な?映画論が印象的

このての映画って、そんなに好きなジャンルでは無いので、積極的には見ていなかったのですが、たまたま手元に会ったのと、他に特にすることが無かったという大変消極的な理由で見てしまいました。ただ、見始めればそれなりに面白いので最後まで見てしまいます。とはいっても、映画と言うよりはコントやバラエティーを見る趣で…

あらすじ
川崎にあるキャバクラ「ハニーバニー」の店長シュウ(藤原竜也)は、競馬場で店の売上金が入ったセカンドバッグを盗まれてしまい、オーナーの破魔翔(窪塚洋介)への露見を恐れたシュウは、金貸しの渋柿多見子(池畑慎之介)から借金をする。しかし、1週間の借用期限が迫り、絶望的な状況に陥ったシュウは、ボーイのコジ(田中聖)と、常連客の健さん(小杉竜一)を巻き込み、銀行強盗を決行。この金を三人で、三分の一ずつ分けようとするが…。



物語は簡単な背景説明の後、シュウ、コジ、健さんの3人が収穫を等分する場面から始まります。この場面は、お約束通り3人の騙し合いとなり、拳銃も取り出し、ナイフ殺人も発生し、収拾がつかなくなりますが、コメディ的に進んでいくので、激しいアクションがあるとかではありません。言葉だけで進められる密室劇のような感じです。これと並行して、銀行強盗をするに至った経緯が1週間前から、一日づつ発生するエピソードを順番に辿っていきます。

銀行強盗までの経緯は、シュウが店の金を盗まれる。まりあ(中島美嘉)に会い、渋柿からの借金を提案されれ、借金をする。返済できない。まりあから銀行強盗を提案される。一方で、破魔翔とまりあがつるみ、銀行強盗を仕組ませる。シュウがコジと健さんを招集する。三人が、若槻(木村了)から武器を調達する。シュウは渋柿から裏切りを強要される…。等々、話はいろいろな登場人物が出現して、お互いに騙し合う複雑な展開へと発展していきます。

そして、現在時間に統合、盗んだ金を分けようとしてもめる三人と、それをねらうまりあ、破魔翔、渋柿一味が入り乱れての争奪戦となり、結果はいかに…。

サンブンノイチ

謎解きというよりは、騙し合いのネタバレを連発していくようなストーリー展開です。前半に、いろいろとネタが仕込まれて、順番にネタや種明かしが出されていく感じです。説明を聞いているようで、ああそうなりますか、という気にもなりますが、キャラも筋書きも現実的なものではないので、ドラマやコメディというより、コントを映画にしたというのが当たっていると思います。銀行強盗で、追われているシチュエーションですが、警察全然出てこないんですね。

後半も同じく、話やネタをどんどん上書きしていく感じなので、それはそれで面白く見られます。だからどうしたという感じになりますが、映画ではなく、コントを見ていると思えばいいんでしょうね。ある意味、延々とホラ話を聞くという感じかな?

ついつい、映画ネタに振っていくところは面白く、このあたりは映画ファンの気を惹いているところでしょう。そして、破魔翔のセリフの、「自称映画好きの奴は、自分以外の奴は皆映画を見る目がないと思ってやがる。…カット割りがどうの、音楽がどうの、役者がどうの語るんだよ。そのくせほかの奴の映画論は右から左。聞いちゃいない。」というのは、いい得て妙だと思いますよ。ただま、これは映画に限ったことでは無くて、何にしてもそういうもんだよね。

でている役者さんは、それぞれ熱演して立派だと思います。おかまを掘られたり、洗濯ばさみで遊ばれたりと、体当たりの演技が盛りだくさん。(おかまを掘られるのは、体当たりでは無いでしょうが…。)やはり自分的には健さんがキャラとしては一番面白かったかな…。という感想でした。でも、結局このての映画は、好きなジャンルではありませんというのは変わらないのでした。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「オンディーヌ 海辺の恋人」 美しい風景とファンタジックなロマンス

ここしばらく、いろいろ行き当たりばったりで映画を見ていて、なんとなくストライクにはまらないなぁ…とモヤモヤしつつ、手持ちのものを探したりしていましたが、まぁこれなら大丈夫だろうと、「オンディーヌ 海辺の恋人」を見始めました。極上の一本でなくでもいいので、なんかこれ好きだなという満足感が欲しかったのです。

あらすじ
アイルランドの海辺の田舎町で暮らす漁師のシラキュース(コリン・ファレル)。ある日、引き上げた網に美しい女性がかかっているのを発見した彼は、自分の存在を誰にも知られたくないというその女性オンディーヌ(アリシア・バックレーダ)をかくまうことにする。オンディーヌを見たシラキュースの娘アニー(アリソン・バリー)は、彼女をセルキーだと信じ、シラキュースとオンディーヌは互いに惹かれ合うようになりるが…。



美しい、アイルランドの入り江の田舎町と海が舞台です。漁船に乗るシラキュースは、いつものように網を引き上げていると、意識を失った女性が引っ掛かっていました、彼女は名も言わず、病院に行くのも拒否。とにかく人に会うことを拒絶します。シラキュースは人目に付かない自分の家に連れて帰り、とりあえず面倒を見ることにしました。彼には、元妻のマウラ(デヴラ・カーワン)との間に腎臓を患うアニー(アリソン・バリー)がいました。病院に連れていくのを頼まれていて、透析の時間の間に、おとぎ話として漁師が海で女性を助ける話をします。アニーは彼女がセルキー(アザラシと人間に姿を変える民間伝承上の生き物)かも知れないと言い出しました。

翌日、シラキュースは彼女を船に乗せて漁に出ると、彼女は歌を歌いはじめ、突然滅多に獲れないロブスターが大漁に捕れはじめます。そして、彼女は自分の名前をオンディーヌ(水の精)と話します。やがてアニーもオンディーヌの存在に気付き、互いにセルキーの話をします。セルキーは、あざらしの服がないと海に帰れず、服を埋めると地上で7年間生きることができ、その時セルキーは7つの涙を流し、その後幸せがやってくるのです。オンディーヌは海でアニーに泳ぎを教えている時、あざらしの服を見つけ、二人だけの秘密の場所に隠しました。

シラキュースとオンディーヌはお互いに愛し合うようになり、漁も好調続きで、すっかり運が回ってきたと喜びます。一方で、オンディーヌを探す謎の男の影が見え隠れし始めます。謎の男に追われて隠れている彼女を見つけたシラキュースは、オンディーヌの幸福と、アニーの快復について、二人で願いを唱えます。そんなある日、アニーとマウラ夫妻の乗った車が謎の男の車と衝突。マウラの夫は死亡しますが、彼がドナー登録をしていたことから、アニーに腎臓の移植手術が行われ、無事成功。一方で、葬式で泥酔したシラキュースは、謎の男をセルキーのオンディーヌの夫と思い、海へ帰れと、彼女を海の孤島に放置しますが、家に帰ってテレビを見ていると、オンディーヌの歌っていた歌が、ただのヒットソングであったことを知り、彼は再びオンディーヌを追って海に出ますが…。

オンディーヌ 海辺の恋人

内容の完成度とか、いろいろあるとは思いますが、久しぶりに個人的には当たりでした。まず、のどかな背景や、花の咲く道など、舞台となった場所の風景が素晴らしい。撮影も美しく、このようなのどかな風景をみていて、幸せな気分になります。そして、ストーリーも前半は水から引き上げられた女性を中心に、ファンタジーともサスペンスとも思えるような微妙な展開。物語は急激に進行するわけではありませんが、画面に惹きつけられ時間を感じさせないのもいいと思います。そういう意味で、この手の映画は好きなんだなと、自分でも思えました。

後半は、急転直下クライムサスペンスになりますが、この物語の結末の付け方としてはこれでいいのではないかと思いました。ファンタジー的には、あの男がセルキーの元夫で、なんていう展開になると思いますが、やはり現実的に結末をつけたと言う事で、これで良かったのではないかと思います。結局はいろいろと犠牲を払ったので、手放しでは喜べない部分もありますが、願いが叶いましたと言う事になりました。アニーがなかなか可愛いというところも、ポイントアップです。

コリン・ファレルは、「フォーンブース」以来気になる俳優の一人になっています。私生活はいろいろあるらしくて、この映画で共演したアリシア・バックレーダとも、一児をもうけたらしいのですが、それはそれとして、見ていて安心感のある俳優の一人です。そして、この映画は、名画の風格と言うものはありませんが、美しい画面やサスペンスで、最近のちょっと合わないなという映画を見続けていた欲求不満をリセットしてくれたので、良かったなと思いました。

テーマ : 映画レビュー
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「レインマン」 トム・クルーズとダスティン・ホフマンに尽きる

買い置きDVDを見る。しかし、このDVDは相当古いはず。前の前の赴任地にも持っていっていたぞ…。ということで、10年以上前に買ったものと思われます。この映画は、アカデミー賞・ゴールデングローブ賞・ベルリン国際映画祭と、なんと三つも大きな賞を取っている訳ですね。ただ、それだから構えてしまって、今まで見ずに残っているのではなく、単にあまり興味がわかなかったということです。じゃぁなんで買ったのということですが、まぁ、良くあることで。

あらすじ
チャーリー(トム・クルーズ)は高級車の輸入ディーラーをしているが自転車操業。そんな彼のもとに突然長い間連絡が途絶えていた父の訃報が届く。遺産目当てに故郷にかえったチャーリーだが、クラシックカーとバラの木以外は、信託財産として運用されることとなっており、管財人を訪ねると、自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)がいたことが判明。管財人は彼の主治医だったのだ。遺産を手に入れようと、チャーリーはレイモンドを強引に連れ出し、引き換えに財産の半分を要求、レイモンドをロサンゼルスに連れ帰ろうとするが…。



小さな事務所でカーディーラーを営むチャーリーは、借金してランボルギーニを輸入したものの、輸入検査の遅れて入金が叶わず、借金の返済の催促の板挟みとなっていました。なんとか口八丁でその場を逃れて、週末のドライブに恋人のスザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)と出かけたものの、途中でかつて喧嘩別れをして、長らく絶縁状態にあった父の死の連絡が入ってきます。そして、ドライブを中止し、財産分与を期待してスザンナと故郷へ向かい、遺言を聞かされたチャーリーは、車1台とバラの木だけという内容に愕然。300万ドルは分与されず、信託財産として残されることになっていたのでした。納得がいかないチャーリーは、事の真相を知るために管財人を訪れ、そこでレイモンドという兄がいたことを知らされます。彼は、自閉症(サヴァン症候群)として、長らく管財人の経営する病院で生活していたのでした。

チャーリーは、300万の財産目当てに、貰った車にレイモンドを乗せて連れ出すことにしました。そして、管財人に150万ドルを渡せと要求しますが聞き入れられません。とりあえずロサンゼルスに連れ帰り、保護権を争うことにします。そんな誘拐同然のことをしているチャーリーに愛想をつかしたスザンナは帰ってしまい、兄弟は二人でロスを目指すことになりました。しかし、サヴァン症候群のレイモンドは奇行を連発、飛行機に乗ることも拒み、車でロスに向かうことになってしまいます。

さて、ここからのロスまでの長旅が、この映画のメインです。初めて会った二人の間にいろいろな発見やトラブルがあり、ロスまでの長い時間をロードムービーとして、2人の変化が語られていきます。一方で、何日もかかる長旅の間に、ロスで続けられていた商談は末期的な様相を迎え、チャーリーの焦りも募っていきます。この長旅の間に、レイモンドとチャーリーにお互いの幼い時の記憶が少し蘇ったり、また特殊能力を発見したチャーリーはそれを利用してラスベガスで一儲けしたりと、いろいろなエピソードが織り込まれていきます。

ロスに帰り着いた2人は、保護者を争う裁判に臨みますが、チャーリーは敗北。そして、連れ帰られるレイモンドを見送るチャーリーでしたが、2人の間には、確かな兄弟の絆が生まれていたのでした。

レインマン

見終わった感想として、大変恐縮なのですが、少々疲れました。メインのストーリー展開とそれにまつわるエピソードはありますが、それはすべて回収されるわけではなく、むしろそこは省略して二人の変化を重点的に語っているような構成になっています。その二人の場面は、逆に細かいところまで丁寧に語られるので、なかなか進まない感じがしてちょっと疲れたという感じでしょうか。それも、トム・クルーズとダスティン・ホフマンが終始白熱した演技を見せるので、息も抜けない感じ。おなか一杯という感じです。

ダスティン・ホフマンがすごい演技をしています。それは、だれしも認めるところ。妥協のない演技です。どちらかというとテクニカルというか、技能賞というところでしょうが、これだけの演技は脱帽です。トム・クルーズは最初は嫌な奴のような感じでしたが、やることはひどい時もありますが、兄に対する付き合いは想像した以上に真摯なもの。これは良かったと思います。この2人並んでみると雰囲気が似てますね。兄弟という感じが良く出ていると思いました。

ヴァレリア・ゴリノって、この顔は良く見るなと思ったのですが、あまり認識ありませんでした。確認すると、最近見た映画でも、「あるいは裏切りという名の犬」とか、「エスケープ・フロム・L.A.」とか出てたんですね。そういえばちょっと気になる感じで出ていました。現在でも出演作の多い女優さんのようです。

という訳で、名作を語るというところまでいかず、簡単な紹介になってしまいましたが、ロードムービーは嫌いな訳ではありませんよ。「パリ・テキサス」とか大好きですし、この映画もロード・ムービーの雰囲気はなかなかいいと思います。ダスティン・ホフマンの演技や、2人のエピソードの面白さから、かなりの名作であると思います。ただ、私にとってはストライクでは無かったかな?というだけです。

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「Amityville: The Awakening」(原題) は悪魔の棲む家のリメイク

映画館での映画鑑賞。今週は、キングズマンとか公開されていましたが、あまり思い入れが無く、これにしました。といっても、悪魔の棲む家も見ていませんので、このシリーズも初めての鑑賞です。「アミティヴィル:ジ・アウェイクニング(原題)」ですが、いろいろと紆余曲折あり、元々2015年公開予定でしたが、遅れていた様です。

あらすじ
ベル(ベラ・ソーン)、ジュリエット(マッケンナ・グレイス)、そして寝たきりのジェームズ(キャメロン・モナハン)の三人は母親のジョーン(ジェニファー・ジェイソン・リー)に連れられて、ジェームズにかかる高額な医療費を工面するために、格安の家賃の新居に引っ越してきた。しかし、その後一家の周辺では不思議な出来事が起きはじめる。そんな中で、ベルは、一家のこの新居が、悪名高きオーシャン・アベニュー112番地にある家だったことを知る…。



導入は、実際に起きたデフェオ家一家殺人事件のドキュメンタリーフィルムのような映像で開始。そして、家族の引っ越しから物語が始まります。しかしスタート早々家族の不和。引っ越しをめぐっての母ジェーンとベルの応酬があります。そして、その夜から少しづつですが、奇妙な現象が始まりました。翌日はベルの初登校。授業中クラスメートのテレンス(トーマス・マン)に、オーシャン・アベニュー112番地に越してきたことを尋ねられ、その噂は学校に広まりました。

家では、寝たきりのジェームスが覚醒したり、ベルが事件にまつわる悪夢にうなされたりと、奇妙な現象が頻発していきます。主治医のミルトン博士(カートウッド・スミス)も幻覚に襲われ、もうここにはいられないと逃げ出す始末。その中で、昏睡状態だったジェームスに動きが少しづつでてきて、僅かながら意思の疎通ができるようになってきました。そして、事故に至った経緯を詫びて、許しを請うベルと家族。

一方、ベルとテレンス、そのガールフレンドの3人は、その家で「悪魔の棲む家」のDVDを見る計画を立て、夜中に見始めますが、犯罪の起こった時刻になると停電。その復旧のため屋敷内を探索し、殺戮の当事者である長男が閉じこもっていたという地下室に侵入…。

Amityville: The Awakening

予告編を見ると、怖いシーンが満載だったので、そのあたりを期待して見に行きました。確かにそういうシーンはあり、映画館も盛り上がっていましたが、ただし怖いシーンは予告編でほとんど体験済みという感じでした。心霊現象的な、ゾクゾクするような不気味さは確かにあるのですが、むしろドキュメンタリー性を持たせたストーリーや、悪魔の棲む家(1979)へのオマージュという感じが強くて、恐怖度はそれほどでも。クライマックスも激しいアクションや、凶悪モンスターという感じではありません。むしろ、ちょっとした淋しさと、緊張感はあります。

やはり、ジェニファー・ジェイソン・リーが一番不気味です。事故やベルとの関係と、母としてのジェームスへの執着。このあたりの雰囲気がこの映画の見どころだと思います。一方で、べラ・ソーンの方は、いろいろと活躍しますが、彼女自身が怖い化粧をして登校するので、ちょっと雰囲気が相殺された感じでした。マッケンナ・グレイスは普通に可愛いです。

という訳で、90分に満たない作品の割には、少し長く感じられたという感じもあり、ドキドキしながら見るというまでには至らなかったという感じが残りました。普通に楽しく見てしまったかなという感じです。また、過去作品のリスペクトがあり、テレンスが一緒に見るために、2005年リメイクを含めてDVDを3本用意し、どれを見る?ってところは良かったです。映像も映画の中で流されますし、それもその後のストーリーへのキーになっていきますので。

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私の好きな100本の映画⑥ 日本のモノクロ映画から

私の好きな100本の映画第6回

第6回になりました。ひと通りベスト5とそれにまつわる映画を紹介してきましたので、あとはフリーで好きな映画を5つづつ選んでいこうかと思います。一つの視点で5つ選んでいくと、そのうち端数がでてきて収拾できなくなるというのは想像できるのですが、まずは、5本選べるテーマとして、日本のモノクロ映画を選んでみました。1950年代から60年代の作品になります。これもほとんど著名な作品で、感想を書くのも憚られるような作品もありますが、臆せず並べてみました。



26.生きる
  1952年 日本 監督:黒澤明 出演:志村喬 金子信雄

まだ、会社に入ったくらいの時でしょうか、テレビで見て素直に感動した映画です。いろいろと心に残っている部分もあり、その後志村喬の真似をしてみたり、ゴンドラの唄をカラオケで歌ってみたりと、いろいろしたものです。若干不謹慎ではありますが。3日前に食べたものが、胃の中に残っていると、もういけないねぇ、という言葉も印象に残っています。そして、それを聞いている志村喬!余命少ないと宣告されたあとの頑張りが、神々しいまでに描かれ、見る人に人生を考えさせる映画だと思いますが、一方で、小田切みきとの会話で思い当たる、お役所仕事の情けなさ。三十年間退屈さをかみ殺して、事なかれ主義の盲目判を機械的に押していたにすぎないと悟るところ。お役所でなくたって、そういう事は無いとはいえませんね。周囲の声をよく聞いて、常に振り返りたいところです。



27.東京物語
  1953年 日本 監督:小津安二郎 出演:笠智衆 東山千栄子

この映画も、何度か見ています。たぶん最初に見た時はそれほど印象に残らなかったはず。自分の中では、年を経て繰り返し見るたびに、味が出てくる映画だという認識です。普通の生活のにおける家族の心情を、穏やかでかつあからさまに描いた映画と言えるでしょうか。出てくる家族のすべての人物が興味深く描けていると思います。私にとって、この映画で一番印象に残っているのは杉村春子なのですが、なぜでしょう?この映画の名前を聞くと真っ先に思い出してしまいます。この家族の映画、また年を取って見ると感じ方が違うかもしれません。その時は笠智衆に共感してしまうのでしょうか?



28.愛と希望の街
  1959年 日本 監督:大島渚 出演:藤川弘志 望月優子

前半から、格差を前面に押し出し、不穏な空気が流れています。それが終盤にきてエネルギーが爆発します。それは決して暴動とかそういったものではなく、内に押し殺したような爆発に思えます。 鳩の籠を壊すシーンは圧巻でした。少年は籠を壊して決別し、少女は鳩を撃たせて決別する。何からなにへ?それが希望でしょうか?そして、後半は母の表情が多くを語るようになります。子を思う母の物語は普遍的な物です。そして、自分の育った環境が、生きていく上での尺度となり、それは他人には理解しがたいもの。いくら折り合っても、根底はそれほど変わってはいかないでしょう。少年も、少女もこれから自分で生きていかなければなりません。未来に向けてという意味でいい終わり方だと思いました。

愛と希望の街



29.肉弾
  1968年 日本 監督:岡本喜八 出演:寺田農 大谷直子

1968年がどういった時代だったかは、記憶の彼方なのですが、戦後23年でまだまだ戦争を記憶している人が大半という時代です。その中で描かれている、戦争の意義やバカバカしさを強烈に皮肉った作品だと思います。今は戦争から70年を過ぎ、現実に記憶している人は大変少なくなっています。また、戦争は過去のものになってしまっているので、日本ではここまで辛辣な映画は作られようがありません。作っても頭の中で考えたものでは、本当の反戦の魂が入ってこない。見る方も、銀幕の中でそういうもんだと思うだけです。邦画で気骨のある反戦映画を見ようと思えば、この時代以前に遡らないといけないのですね。そういう意味で、戦後30年くらいまでの戦争関連の映画は、今や財産ともなり得る物かもと考えてしまいます。



30.お嬢さん乾杯
  1949年 日本 監督:木下恵介 出演:佐野周二 原節子

こちらは、戦後4年経過。定石通りと言うますか、展開に全くほころびの無い、非の打ちどころのないラブコメだと思いました。見事でした。素直に脱帽します。4年たっての戦後復興をストレートに感じさせ、理屈抜きで楽しく見られる映画になっています。若い2人も素晴らしいし、祖父母の延々と続く嫌味もすごい。お嬢さんの奥ゆかしさは、こんな人いるの?というくらい、壊滅級であると言えます。それをぶち破ったマダムも偉い!周りの恋も成就し、めでたしめでたし。絵にかいたようなラブコメで、感服しました。



さて、私の好きな100本の映画。第6回の6本は、日本映画のモノクロのものを選んでみました。どれも押しも押されぬ名作ですので、一度は見ておきたい映画ですね。やはり、60年代までは映画が娯楽の王様みたいに輝いていた時代なので、形式ばらずいろんな趣向の作品があって面白いと思います。そして技術の進歩も肌で感じられるような気がします。さて次回以降まだまだ続きます。まだ30本なので、しばらく大丈夫です。

テーマ : お気に入り映画
ジャンル : 映画

「Seventh Code:セブンスコード」 前田敦子のPVがローマ国際映画祭受賞

予備知識なく見ていたのですが、元来前田敦子のPVだったのですね。ちょっと仕事が立て込んでいたり、ネットの接続の問題で、1時間の映画を3日がかりで見る羽目になってしまいました。黒沢清監督のPVという、これまた贅沢なお話です。

あらすじ
秋子(前田敦子)は六本木で会った松永(鈴木亮平)を追いかけ、ウラジオストクまでやって来る。そこで出会った二人は、カフェで話をした後松永は姿を消し、しつこく追いかけるとマフィアに捉えられ麻袋に入れられて捨てられる。秋子は日本人の斉藤(山本浩司)が営む食堂で働きながら、松永を探し続け、ある日廃工場に松永らしき人物が出入りしていると情報を得、秋子はそこに向かうが…。



ということですが、あまりストーリーを追ってもナンなので、場面の断片を。

松永を見つけ、駆け寄る秋子。大きなスーツケースを振り回すように持ち、最後は投げ捨てて駆け寄ります。オイオイと思いますが、スーツケースを捨てて駆け寄るシーンは2回ほど。2回目ですべてを無くしますが、面白い駆け寄り方で、ちょっと壊れた感じが出ています。

麻袋の割れ目から出てくる秋子。もともとコークスでも入っていたのかというような、墨だらけの顔で出てくるところがなかなか良かったですよ。そして、空き家に侵入して衣服を着替えるのですが、これは空き巣ですか?普通の人と思えば、ただものではないですね。着替えた後、入った日本料理屋で沢山の皿を並べてモリモリと食べる秋子。というより前田敦子。全部食べ終わった後、お金がない。困りますね。空き巣の次は無銭飲食ですか。

松永の車を追ってから、戻ってきた斉藤と秋子。斉藤のレストランで待っていたのは、準備をしているアイシーで、その影と背景の光のコントラストがなかなかいい感じを出しています。この映画では一番いいなと思ったシーン。そして、秘密を握った斉藤の決意。しかし、なんか少年漫画みたいな展開に。普通は無いでしょう。

松永と秋子の格闘。どう見ても秋子の格闘は、格闘家のそれではない。これはご愛嬌ですね。

路地で大金をザックに移し替える秋子。そんなところでやると、人だかりができるのでは?

という訳で、最後のシーンも含めて面白いシーンや綺麗なシーンはいろいろとありました。

セブンスコード

普通に映画と思って見ていくと、なんじゃこれ?というような展開です。こんな奴いるわけないと言うようなあり得ない行動を、秋子は連発します。従って、ストーリーに素直に入っていけるようなものではありません。漫画なら許すというような内容です。アイシーや斎藤は人生を語りますが、それほど感心するようなものでもないし。そして、2人とも消えてしまい、再開する松永と秋子。格闘シーンあたりから、話は急展開。ここで、おっ!と思います。前半のあまりの非現実さと、ちょっとストーリーらしくなったこのあたりの落差は面白いです。で、盛り上がったところで本来のPVの役目へ。最後はご想像にお任せしますという形です。

映画としてみれば、相当不完全ですが、それでも意外と面白く感じて、これもありかなとついつい思ってしまいました。しかし、今一度冷静に考えれば、いかがなものか?というようなもの。この間で揺れ動く自分を発見します。支離滅裂な話で、しかし、持っていき方にちょっと上手さを感じて、それで最後にPVにもなっていて。どう評価していいかわからないという感じでした。しかし、映画だと思ってみれば、やはりこれはダメなのではと思うのが正直なところです。

ウラジオストクが舞台になった映画って、見るのは初めてかもしれません。すぐそこにあって、なじみ深い名前なのですが、実際には映像でもあまり見たことがないような気がします。坂の多い街なのですね。東京からだと、ソウルより近いようです。思い立ったらすぐに行ける範囲ですよね。

テーマ : 映画レビュー
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「幸せのバランス」 現実にどこにでもありそうな一コマを描く

今回は、GYAO!の無料配信にあった、イタリアのドラマを鑑賞です。2012年制作で、主演のヴァレリオ・マスタンドレアは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を受賞。きっと見どころのある映画と期待して見てみます。

あらすじ
妻と二人の子どもと共に幸福な家庭を築いてきたジュリオ(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、ある日、同僚と不倫を妻に知られてしまう。これを許せず思い悩む妻を見かねて、家を出るジュリオだったが、元々ギリギリの生活は、別居の費用まで支える余裕はなく、生活は困窮していくが…。



タイトルバックで、オフィスの資料室と思しきところで情交を交わすカップルが映り、その後ジュリオの家庭の様子へと進みます。その事件からは、しばらく時間が経過した様子。ジュリオの、娘のカミラ(ロザベル・ラウレンティ・セラーズ)や息子のルカ(Lupo De Matteo)を学校に送る光景は、ごく普通の幸せそうな父子の様子です。しかし、家に帰って見れば、妻のエレナ(バルボラ・ボブローバ)は不幸に苛まれているような様子で情緒不安定。はっきりと言葉には出ずとも、エレナはその事件を許すことが出来ず、一緒に暮らすこと自体に耐えられない様子。そして、それがジュリオを責めたてているようです。

そんな生活に耐え兼ねたジュリオは、一人家を出ることとします。しかし、出るとはいっても子供の送り迎えなどの家事を分担。家計には援助し、その残りで暮らしていくという生活でした。最初は友人の家に泊まりましたが、その家の事情から出ざるを得ず、安ホテルに宿泊。しかし、かさむ教育費や家のローンなどの出費で、ホテル代は払えなくなり、車の中で夜を過ごす生活に。昼間は市役所の職員として働き、夜は市場の作業員として働く生活を送りますがそれでも足りません。作業員の仕事が出来なくなると、福祉関係の援助措置などを申請しますが、今の状態では受給する権利が得られず、心が荒んでいく中で、家族との付き合いも避けるようになってきました。

娘のカミラはそんな父の姿を心配し、時々会って話をしようとしますが、それさえ拒否するようになり、連絡も断ってしまったジュリオ。エレナにとっては、未だに不倫した夫で、今でも外で何をしているか解らないという疑念の中にいますが、カミラはそんなジュリオの行動を追い、クリスマスの日に教会で施しを受けている父を見て、連れ帰らねばとエレナに連絡をして、一緒に父を探します。ちょうどその時、魔が差したジュリオは、市電に飛び込もうとしましたが、電車が急停止して難を逃れ、茫然としているところで家族からの救いの電話が入ってきたのでした。

幸せのバランス

ストーリーには大きな飛躍もなければ、ハプニングもあまりなく、いわばミニマルなお話でした。夫婦2人の関係と、子供。主にカミラとの関係。夫は、真面目だがけっこう意地っ張りというか、見栄っ張りというか、そういう性格。妻は、ちょっと付き合いにくいかも。両方ともあまり爆発せず、感情を押し込めてしまうタイプでしょうか?まぁ、教会で施しを受けてたのを目撃して、あわてて探しに来るくらいですから、基本的には大きな誤解があったのでしょう。そして、2人の性格がちょっと違えば、また異なる展開になったという状況だと思います。不倫相手に、家に泊まればと言われて、転がり込んでしまうような男だったら…。

この映画は、きっとイタリアの実態をある程度表現したものかと思います。でも、それを考えるにしても、この2人のこの状況から推測するのもちょっと無理があるような気がしますし、家もあって車もあってという状況なので、それが貧困なのかというと、文字通り貧困ということでもない。普通だけど、ちょっとずれてしまったという状況でしょうか?なんか、はっきりどうだと言いがたい、中途半端な状況。その中でもがく人々。その中でカミラはしっかりと現実に立っていますね。

そういうような、えもいわれぬ状況を演じている俳優さんたち。やはり、主役のヴァレリオ・マスタンドレアは、いい演技をしていると思います。微妙な性格、徐々に追い込まれて変わる心。譲れることと譲れないこと。見ていて飽きない演技でした。構成も細部まで練られていて、冒頭での自宅の歯磨きが、後半の公衆トイレでの歯磨きに変わり、まだしっかりしている時は、髭を手入れし、身だしなみを整える。周りのかかわる人たちも、出来ることはやっている。結局この映画は何だろうかと考えても、私にははっきりと表現できず、捉えどころのない現実を映し出してしまった映画。そんな感じがしました。

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「メタル・トルネード」 B級SFパニック映画は定石通りで安心でした

時々思うのです。敢えて超B級映画を見てみたいと。後悔するかもしれませんし、腹立たしくなるかもしれません。でも、なんか90分程度のB級映画を見て、ちょっとだけ楽しめればいい。あまり深く物事を考えたくないという瞬間。そういう時は、たまたま目についた、いかにもという映画を選択。ジャンルは深く考えない。カナダ制作のTVMovieというのも、いかにもですし、IMDbの評価が3.3点というのも怖いもの見たさであります。

あらすじ
究極のクリーンエネルギーを目指すヘリオス計画は、太陽フレアのエネルギーを宇宙空間で捕捉し、地球に転送して貯蔵するというものだった。しかし、その装置に設計ミスが発覚。計画を推し進めるプロジェクトは、それを無視し推し進めようとするが、最初のトライアルですでに巨大な磁気竜巻が暴走し始めていた…。



アメリカのヘリオスワールド社が進めていたヘリオスプロジェクトは、太陽フレアを地球上で使用できるエネルギー化するという、画期的なものでした。しかし、設計者のウインタース博士(Todd Duckworth)は自宅での実験中に、そのシステムの欠陥を発見するとともに死亡してしまいます。プロジェクト担当のマイケル(Lou Diamond Phillips)は、再婚を計画している恋人のレベッカ(Nicole de Boer)と共に、システムをテスト起動。短時間のトラブルがありましたが、ほぼ成功したかに見えました。しかしマイケルたちは蓄積したはずのエネルギーの2%が消失していることに気づき、不安に駆られます。

そのころ、研究所からさほど遠くない山中で、伐採作業中の男がチェーンソーを何かに吸い取られて行ってしまう現象が発生し、さらには、ガソリンスタンドでは、竜巻のような被害にあい、金属のみが飛んで行ったという異常現象が発生したと言う事で、保安官から連絡を受けたマイケルとレベッカは、消失した2%のエネルギーが起こした磁気竜巻ではないかとの可能性を懸念し、会社に戻ると、次のフランスでのテストを止めるように社長(Greg Evigan)を説得。しかし、すでに成功し投資家たちと意気投合した社長は次のフランスでのテストを中止するつもりは全く無いようです。

発生した竜巻は、地下の鉄鉱脈に沿って進んでいることを解明。その先にはフィラデルフィアがありました。一方で、死亡した発明者の妻(Sophie Gendron)から情報提供を受けたマイケルは、システムの欠陥が竜巻を作ったことの証拠を得て、研究所に戻るとデータを解析し、関係機関に連絡して竜巻を止める手段を講じますが…。

メタル・トルネード

深く突っ込まず、普通にストーリーを楽しんでいくという前提であれば、普通に楽しめました。あまりいろいろと考えてはいけませんね。B級たる所以です。そういうものなんです。正義感の強い秀才科学者だが恋人に目がない父親。彼が後妻に迎えようとする才媛のレベッカ。彼女に反発する息子。そして、危機に対して全員一致で協力し、危機を乗り切る過程で息子とレベッカとの信頼関係が生まれていく。そういうストーリーです。メインの方ではありませんが。いかにも定石ですよね。

仕掛けは太陽フレアを人工衛星で集め地上に送るというものですが、その地味ですが破天荒な設定は危なすぎ。でも、ちょっと地味な感じでインパクト的には損をしているかも。その手のSF的仕掛けや、解決方法は非常にB級なのであまり深く考えない。特撮も地味であります。ホラー的要素もチラリ。チェーンソーでヘルメットが十字に切りつけられているとか、鋤が飛んでくるとか、ちょっと怖いですね。

ということで、私利に走る企業と、秀才家族が世界を救う物語でありました。ラストのオイオイと言いたくなるような能天気さは、さすがB級らしいとも言えます。まぁしかし、けっこう面白く90分楽しめるので、それはそれでちょっと楽しかったりするのであります。出演者も監督も全く知りません。監督のゴードン・ヤング氏は、香港生まれでGordon Yangというつづりですから、きっとヤングではなく「ヤン」さんではなかろうかと思います。ニコール・キッドマンの「誘う女」などの、location managerなんかに名を連ねています。地味です。でも、この作品は決して嫌いではありませんよ。

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「本能寺ホテル」 休日のひと時を気軽なコメディで楽しむ

休日の午後のひと時に、久しぶりにゆったりと映画鑑賞です。そういう時は何を見てもいいのですが、今日はさらにゆったりと「本能寺ホテル」。そんな感じの時に、さらに何も考えず楽しめる映画と思うので、それはもう、大変まったりしてます。

あらすじ
倉本繭子(綾瀬はるか)は、勤めていた会社が倒産してしまい、目的のない生活を送っていたところで、付き合っている恭一(平山浩行)のプロポーズをうけ、吉岡の両親の金婚式パーティに出席するため京都を訪れる。しかし、予約していたはずのホテルは手違いで泊まることが出来ず、路地裏にひっそりと佇む、不思議な本能寺ホテルに宿泊。宿泊階にいくはずのエレべーターが開くと、そこは本能寺の変の前日の本能寺だった…。



繭子は、婚約者の恭一の誘いで、恭一の父の金婚式パーティーに出席するために京都を訪れます。予約したはずのホテルのフロントで、予約日が間違っていたことが判明。満室だと言われ、途方に暮れる繭子が見つけたのは「本能寺ホテル」。古風なそのホテルはタイムスリップの入り口なのでした。

繭子がエレベーターを降りると、そこは「本能寺の変」の前日の本能寺の境内。そこで森蘭丸(濱田岳)と出会った繭子は行きがかり上茶会に出ることに。その席上、信長(堤真一)の横暴さを目の当たりにした繭子はずけずけとこれを諫め、怒った信長は、繭子を手打ちにしようと追いますが、いつのまにか繭子はホテルに戻っていました。どうやら、ホテル側のオルゴールの起動と、呼び鈴が行き帰りのトリガーになっているようですが、そんなことは知らず、命からがら逃げることができた繭子は茫然としています。

現在に戻った繭子は、恭一やその友達と、金婚式パーティーや、結婚式の準備を忙しくこなします。恭一は繭子の意見を聞かず、自分の判断でいろんなことを決めて進めますが、恭一は繭子にはそういう面での意見はないと思っており、繭子も言い出しても仕方がないと思っている様子。このことは恭一の友人からも指摘されますが、さりとて、繭子は自分にはやりたいことなんか無いんだという意識に支配されているので、自分の意見を言おうとはしません。

さて、またトリガーが作動してしまい、再び本能寺に戻った繭子は、信長の前に引っ立てられますが、信長は繭子に興味を持ち、お忍びで京都の町を案内。繭子も城の中の張りつめた状況とは違って、街の人たちが生き生きと生活している様に驚き、信長の太平の世を作りたいという言葉に共感します。一方で、信長は繭子から指摘された部下の疲弊を反省し、部下とともにゲームに興じることとなり、本能寺の雰囲気も改善しました。

そういう中で、その日も夕暮れ、本能寺の変の発生時刻は近づき、信長の人柄を見直した繭子は行動に出ますが…。

本能寺ホテル

ネタバレのストーリー解説はこのあたりにしておきますが、ここからの感想には思いっきりネタバレが登場すると思いますのでご注意ください。

この映画は、なかなか楽しめました。コメディそのものの作りですので、肩も凝りませんし、綾瀬はるかのちょっと天然な魅力で迫る映画でもありました。その上、話の内容には感動もしました。信長や、周囲の人々や恭一のお父さん(近藤正臣)のいろいろな思いが交錯し語られます。そして、京都の町を美しく移した映像もなかなか素晴らしいと思いました。そんなこんなで、気楽に見られて面白かったです。

一方で、話が回収しきれていない感がちょっと残ってしまう映画でもあります。よくよく考えてみると何だったのだろうという。いや、タイムパラドックスの解説とかではなくて、ストーリーや主題そのものに。何となくです。あとは想像にお任せしますということかもしれません。信長は、本能寺の変が発生することが解っていても、死を受け入れたのは、きっと、繭子の来た将来がとても幸せそうな太平の世に見えたので、自分の理想が実現されていると思ったのですよね。あるいは、繭子の住む世界や、繭子の存在にも影響を与えたくなかった?

このあたりは、大体示されるのですが、はっきりそうと言われるわけでもないですし、いろいろと考えないといけない部分があるようで、それとなくいろいろとメッセージを織り込んだという感じなんでしょうか?

綾瀬はるかだけでなく、他の俳優陣も良かったです。濱田岳とか出てくると、締まるというか、全体に安定感が生まれるような気がします。堤真一も良かったです。そういう訳で、いろいろとありますが、何よりもまったりした時間を過ごせて、面白くて、感動もあって、京都の映像も美しい。これはこれで、なかなかいいではありませんか。という気分になりました。

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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