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「ジェイン・エア」(1996) 美しいだけに残念な映画

たまには、オーソドックスな文芸作品もいいかなと、GAYO!に上がっていた、「ジェイン・エア」を見ました。フランコ・ゼフィレッリ監督、シャルロット・ゲンズブール主演。シャルロットは「小さな泥棒」以来、好きな女優の一人ですので、再び出会えることに期待大です。1996年の映画です。

あらすじ
幼くして両親を亡くしたジェイソ・エア(アンナ・パキン)は、叔母のリード夫人に引き取られるが、持て余した叔母は、ローウッド寄宿学校に預ける。寄宿学校は冷酷な人物に運営されており、生徒たち過酷な日々に耐えていた。ジェインの唯一の味方は、女性教師のミス・テンプルと同級生のヘレンだったが、陰湿な仕打ちが元で、病弱なヘレンは死に、ミス・テンプルの励ましを支えに10年間を耐え抜き、成長したジェイン(シャルロット・ゲンスブール)は、家庭教師の職を得て、ロチエスター卿の屋敷に向かう。
ロチェスター卿が面倒を見ている10歳の娘アデールの家庭教師となった彼女は、家事を取り仕切るフェアファックス夫人に暖かく迎えられ、夢のような待遇を得る。そんなある日、ジェインは森の中で落馬した男を助けるが、その魅力的な男性こそ、当主ロチェスター(ウィリアム・ハート)だった。ロチェスターは次第に聡明なジェインにひかれていき、彼女も、彼の態度の中に潜む孤独の影が気になり始める。だが、彼女の恋心も、華やかな夜会でロチェスターと貴族の令嬢ブランシュが踊るのを見て、決して実らないものだと思い知らせれた。
数日後、ジェインは死の床に横たわる叔母リードを見舞い、父の弟がジェインを捜して財産を譲りたがっていたことを知らされた。そして、ソーンフィールドに戻ると、ロチェスターに呼び止められてプロポーズされる。結婚式当日。弁護士が来て「この結婚は認められない。卿には妻がいる」と言われ、それは、屋敷の最上階の部屋に幽閉された、狂気にとらわれた女だった。ロチェスターは、財産のために彼女と結婚させられ、以来、15年間苦しみ続けて来たのだ。ジェインは「行かないでくれ!」と言うロチェスターの叫びを振り切って飛び出したが、やがてロチェスターの元に戻ると、失明したロチェスターと再会し、ようやく結ばれるのだった。



ブロンテの小説ジェイン・エア。たぶん読んでいません。嵐が丘は読んだ記憶がありますが…。映画のストーリーは上記の通りで、基本原作に忠実に展開されていますが、残念ながら省略部分もあるようで、原作を知らないと、話が繋がりづらくなっているようです。これは、大きなマイナスポイント。なんで彼女がロチェスターのもとに戻ったのかが、きっちり描かれていないため、唐突に作ったようなラストになってしまいました。

フランコ・ゼフィレッリは、「ロメオとジュリエット」が有名で、そちらは、若きオリビア・ハッセーを見ることができる美しい映画でした。あとは「チャンプ」?オペラの演出家という一面を持っていますので、美しく演出することにかけては右に出るものがいないのでしょうが、どうもこの映画、いろいろな場所で、妙なぎこちなさが残る印象を禁じ得ません。

ジェイン・エア

それは、さておき、シャルロット・ゲンズブール、凛としていますが終始無表情ですねぇ。その中で、いろんな感情を演技しているのは大したものなのですが、もう少し柔らかくてもいいのではないかと…。これも演出なんでしょうが。子役のアンナ・パキンはなかなか溌溂として素晴らしかったので、ちょっと硬さが目立ちました。

やはり、それにしても、メイソンがなぜ現れたかとか、かなり唐突ですし、リード夫人から話を聞いてから、どう繋がるのかなども何もないし、読んでない原作と、シャルロットと、美しい絵には敬意を表しますが、映画としてはどうかと思いますね、これは。普通に見て、面白い映画にはなっていますが、題材や格調などを勘案すると、どうしてこうなの?という疑問が残る残念な映画でした。

「ジェイン・エア」そのものは、過去に何度も映画化された名作であり、日本でもそのうちいくつかが公開されていますので、むしろそちらの方に興味を惹かれます。最新では、ミア・ワシコウスカ主演による2011年のもの(オスカーの衣装部門ノミネート、古くは、オーソン・ウェルズ、ジョーン・フォンテiインによるもの(1940年)。きちっと物語を確認する意味でも、切に見てみたいと思っています。ちなみに、この1996年作品以外は、邦題が「ジェーン・エア」になっています。

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ジャンル : 映画

「ゾンゲリア」 果たしてかつて見た映画はどれだったのか?

GAYO!の新着に、ゾンゲリアの名前を発見!この時期のホラーって似たような名前のがあって、実際どれを見たのか思い出せない状態なのですが、今回みられることになったのでさっそく鑑賞です。似たような名前とは勿論サンゲリアとかのことです。

あらすじ
テキサス州の小さな村で、カメラマンの男が海辺で襲われた。黒焦げになった男の姿を発見した保守官のダンは、彼がまだ生きていることを確認。しかし、男は再び何者かに襲われ、殺されてしまう。さらに村では、泥酔した漁師が殺されるなど、怪奇な連続殺人事件が起こり始める。調査を進める中でダンは、死んだはずの人間の皮膚を見つけたり、行方不明の少年が学校に通っていた事実を掴み、遂に、ある人物にたどり着く。



という、あらすじでした。謎が謎を呼ぶミステリーの様ですが、それはあくまで保安官にとってであり、映画上は最初から現場が写されているのでミステリー的ではありません。

設定は、テキサス州の南部の小さな村ボッターズ・ブラフ。秋のある日、1人のカメラマンが海辺で風景を撮影している時、突然美しい女が現われ、彼を挑発します。このあたりの映像はホラー映画とは思えないような映像でした。女優さんはリサ・ブロント。美人女優で、しかも製作者としてオスカーを受賞しています。カメラはマミヤのもの。ファインダー越しの映像に、今からすると若干違和感がありますが、このカメラは、こういったファインダーだったのでしょうか?

さて、ここからホラー映画として展開。男は村人の集団に襲われ、ガンリンをかけられ焼かれてしまいます。村の保守官ダン・ギルズ(ジェームズ・ファレンティノ)は、その晩、車の中の黒焦け人間を発見しますが、彼はまだ生きていたようです。さらに、泥酔して漁船のデッキを歩いていた1人の漁師が、何者かによって殺されるという事件も発生、ダンは小さな町で起こる連続殺人に途方に暮れてしまいました。

ダンは、かろうじて一命をとりとめたカメラマンの証言を得ようと病院に向かいますが、実は看護婦だった海辺の美女にその場で殺されてしまい、その後も村では相次いで怪奇な事件が続きます。ダンは自らも交通事故に遭遇し、フロントの部分に残っていた人間の皮膚を病院で調べますが、その皮膚が3カ月前に死んだ人間のものであったり、行方知れずになっていた家族の自家用車が海中から発見されるが家族3人の姿は見えなかったり、若いヒッチハイカーの娘が襲われ、顔を潰されたりと。すべて村人たちの集団が関与していますが、このあたりから、見ている方としては、誰が正常で、誰が異常なのかわからなくなってしまいました。

後半に入ると首謀者級の怪しい人間が絞られてきます。一人は、村の検死官であり葬儀屋であるドッブス(ジャック・アルバートソン)。彼は、芸術的な死体の修復を行い、葬儀から埋葬まで管理していました。もう一人は、ダンの妻ジャネット(メロディ・アンダーソン)。小学校の教師で、子供たちの興味を引くために、学校でブードゥー教の魔術を教えたりしています。ダンは調査を進めるうちに、ドップスがかつて、身許不明の死体を勝手に使ったため仕事を解雇されていることを突き止めます。そして、ドッブスの所に行ったダンは、彼の口から恐しい事実を耳にするのでした…。

ゾンゲリア

というお話で、ストーリーはかなりしっかりしていますが、若干強引なところもあってちょっと戸惑ったりします。ラストシーンは、よくある終わり方ではありますが、見せ方がとてもいいので良かったと思いました。怖さや気持ち悪さといった、ホラー的な要素もまずまずで、全体として良い映画だと思います。

ゾンビの埋葬シーンで、ゾンビたちが花束を持って次々と現れるなんて、気の利いた演出だと思います。一方でゾンビ化するメカニズムはブードゥー教で一言で片づけられているのはちょっといま一つでした。

冒頭のリサ・ブロントのシーンはなかなか絵になっています。ゾンビ系の映画とは思えないような美しさ。一方で、ジャネット役のメロディ・アンダーソンも美しいし、演技でも負けていません。でも、ゾンビなんですよね。

それで、この映画を見たことがあるかと言うと、記憶に無いような感じですので、きっと見たのはサンゲリアの方ですね。サンゲリアって、西日本の飲料メーカーをどうしても思い出してしまうというのは、私だけではないでしょう。あちらの語源は、「山河あり」ですが。

そういった感じで、この辺の映画の題名については、悩みが尽きないのでした。

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「赤い手帳」 フランスの寒村における洒落たサスペンス

GAYO!の無料動画の中から、全く予備知識のない映画を見て、それがとても面白いと、幸せな気分になる。この映画もそういう映画の一つでした。フランスのサスペンス映画。マリリン・モンローの死にまつわる謎をモチーフにして現在のフランスの田舎を舞台とした映画。ちょっと雰囲気のいい映画でした。

あらすじ
ミステリー作家のルソーは、立ち寄った寒村で地元の大スター、キャンディスの死に遭遇する。警察は睡眠薬による自殺と断定するが、ルソーは殺人を疑い、小説の題材として過去を取材していくうち、彼女の人生がマリリン・モンローと酷似していることに驚く。そして彼女の部屋に残された数冊の日記のうち、最後の一冊がなくなっていた…。



ルソーは親類の遺産整理のため、フランス・スイス国境にある寒村を訪れ、帰路遺体を搬送している現場に遭遇します。その後、宿泊した小さなホテルで、原稿の催促の電話を受けつつ見ていたテレビで、地元のスター、キャンディスの死が報道されているのを見て、次の題材はこれだと直感し、キャンディスの死にまつわる調査を始めました。

死体が発見されたのは国境の立ち入り禁止の中間地帯。そこに侵入した彼は警官に追い払われますが、懲りずにキャンディスの自宅に侵入。そこでも警官に発見されてしまいます。それにもめげず地道に聞き込み調査をする彼に、やがて身を脅かすようなトラブルも起こり始めました。彼を追い払った警官もキャンディスを自殺として片付けようとする上司に疑問を持ち、やがてルソーと共同で操作するようになります。

彼らの捜査の元となっているのが、キャンディスが残した数十冊の日記。そこには、ガソリンスタンドの店員からスカウトされてスタートして上り詰めていく様子が、彼女の心情も含め克明に記録されていました。その様子が、ルソーの調査と合わせて並行して描かれていきます。しかし、あるべき事件直前の様子が書かれたはずの最後の1冊がありませんでした。

ルソーは彼女の日記をもとに、彼女の交友関係を図にしてみると、それが偶然マリリン・モンローのそれと酷似していることに気づきます。そして、マリリン・モンローから類推して調査の焦点を定めていくと、驚くべき事実にたどり着くのでした…。

赤い手帳

それで、まぁ。この映画気に入りました。ミステリー的要素はそれほど多くなく、サスペンス的と言っていいと思います。調査に明らかに妨害が入るので、町のおえら方が噛んでいるのは見え見えなので、事件に至る過程が問題なのですが、その過程とか、マリリン・モンロー的な要素とか、日記とか、推理小説家と本棚の作品とか、何かさりげなくいろいろなものが洒落ている。ハリウッド映画のように、前面に出したおしゃれではないですが、小さな寒村の雪に埋もれた風景の中で、いろんな小道具が洒落ている。そんな気がします。

そして、音楽の雰囲気がとても良い。日本未公開なので、サントラのCD発売などはないのですが、iTuneに音源はあることは解りましたし、YouTubeでも聞くことはできますし、でも、思わずイギリスのアマゾンに低価格で中古CDがでていたので、思わず注文してしまいましたよ…。

ストーリーは、後日談まで、あくまでもマリリン・モンローに沿ってということで、JF〇は頭を打ちぬかれるということが語られますが、その辺も、最後までこだわりをもっていますし、すべて番号をつけるものは5番になっていますが、これはシャネルの5番の意味ですかね??

主演は、ソフィー・カントンと、ジャン=ポール・ルーヴ。ソフィー・カントンはなじみのない名前なのですが、IMDbを見ると結構たくさんの映画に出演しているようで、フランスでは中堅の女優さんでしょうか?

いろいろな知らない映画を見ていて、時々行き当たる、ちょっとしたお気に入り映画となりました。GAYO!無料動画恐るべし…。

「愛のさざなみ」 アメリカン・ニューシネマでラブストーリーを作ったら

更新の間隔が開いてしまいました。実際、映画を観る時間が無かったのですが、昨日時間が出来てから、一気に6本鑑賞。しかし、あまりブログに書こうと思う映画が少なく、とりあえず一番書きやすそうなこの映画から…。「愛のさざなみ」は邦題で、この言葉にさしたる意味は感じませんが、きっとラブストーリーであることを示したかったのだと思います。現題は、「Fools」。複数形なので、愚か者だらけの映画のようです。

あらすじ
サンフランシスコの昼下がり、海に近い公園に憩いを求め集まってくる。男は、夢破れた往年のホラー映画俳優マシュー(ジェイソン・ロバーズ)、女は夫に満たされず空虚な心をもてあそぶ人妻アナイス(キャサリン・ロス)。2人はなりゆきで言葉を交わし、肩を並べて公園をあとにする。数時間後、2人は湖の木陰で唇を重ねる。心の傷に吐息をもらしながら、アナイスはマシューの人柄に生き甲斐を覚え、マシューはアナイスに人生のすべてを感じた。そして、2人の愛の生活が始まり、再び希望をもち、新たな人生を再スタートさせようと、語り合うようになった。一方、アナイスの夫デイヴィッド(スコット・ハイランズ)は妻に未練を持っていた。私立探偵に妻の行動を報告させ、あんな貧しい中年男とは別れて戻って来いと迫るデイヴィッドだが、アナイスは夫と決別する。さらに、未練のさめないデイヴィッドは悲劇を呼ぶ行動に出るのだった。



1970年製作のアメリカ映画。ストーリーは、公園でで出会った夢破れた初老の男と、夫に不満を持つ若い人妻が、お互いに惹かれあって愛の生活を始め、これから再び夢を追おうとした矢先に、悲劇が襲うという物語。いきなりネタバレで恐縮ですが、単純なので一言で言ってしまいました。

冒頭は、金門橋からの俯瞰から。70年代の雰囲気が強烈で、今みると、ファッションといい、インテリアといい、全編にわたって強いノスタルジーを感じてしまいます。そして、まさにキャサリン・ロスのための映画といった感じで、ほぼ全編に彼女が登場し、背景に歌も流れプロモーションビデオの様でもあります。

さて、1970年といえば、アメリカン・ニューシネマの全盛期。単純なラブ・ストーリーでありながら、アメリカン・ニューシネマの雰囲気をプンプン漂わせています。そう思って、冒頭から思い返しますと…。

愛のさざなみ

出会いのシーンは、市民たちの憩いの場ですが、穏やかな公園のわりには、厭世的な人々が登場してきます。マシューは、犬を挑発し、静寂を乱す子供たちをたしなめますが、子供の母親からクレームを受け、犬の持ち主から殴られる始末。それを眺めるシニカルな人々。その中で、アナイスがマシューを手当てし、それが出会いとなります。このような、社会の不条理感からスタートです。

彼らは、金門橋に侵入し警察から咎められ、また自宅では部屋の間違いからFBIにも踏み込まれますが、このあたりに社会への反発も見て取れます。また、歯の治療中に隣のカウンセラーの部屋で起こることは、「Fools」の一人によるものでしょう。このカウンセラーは、若き日のマコ岩松でした。このエピソードは、「皆、異常さ。心は死んでいたが、愛を求めていた。俺は死んでいないか?」といったセリフに繋がりますが、この世の閉塞感を現しているのでしょう。

そして、2人は愛で結ばれ、束の間の幸福の日々が展開します。このあたりの雰囲気は、「明日に向かって撃て」を彷彿させます。アナイスはディヴィットとの食事での喧嘩別れの後、再びマシューと森の中でのデート。そこでは、ちょっと異常なヒッピーと遭遇。そして人生を考え直し、マシューはアナイスとともに、ロスに戻って俳優に復帰することとしました。そこに、不吉な電話の音。それは電話会社からの支払いの督促でしたが、アナイスはなにか不吉なものを感じ取ったようです。

そして、支払いを済ませ、2人で将来を語り合いながら歩いているところへ、ディヴィッドと遭遇。凶弾に倒れることとなります。

最後は、冒頭の公園のシーンで出てきた2人。事件の新聞報道を見て、興味本位に噂をしあっています。マシューは頭の中で、アナイスのことを回想するのみです。

途中の愛の場面では、優しい歌と共に、キャサリン・ロスのアップが沢山でてきて、いかにも若手女優主演のラブストーリー風のイメージですが、話の筋やセリフはかなり辛辣なのです。やはり、アメリカン・ニューシネマ全盛時代で、軽いながらも物語の根底に、アメリカン・ニューシネマに強く支配された展開となっています。

さて、キャサリン・ロスは、70年代は華々しく活躍されていましたが、最近もごくたまに映画にも出ているようで、まだまだ現役のようです。新作では、「Attachments」が撮影を終わっており、主役級で登場していますのですが、見る事ができるでしょうか…。
プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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