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「空の大怪獣Q」 80年代のB級怪獣映画を堪能

1982年製作、往年のB級怪獣映画、「空の大怪獣Q」。原題は、「Q」。やはり、見る機会があれば、こういう映画は見ておきたいという気がして、GAYO!動画を楽しみました。この類の映画をいろいろと作ってくれた、ラリー・コーエン監督によるものです。気軽に楽しめそう…。

あらすじ
ビルの窓を拭いていた男が何者かに首をはねられ、ホテルの一室では全身の皮を剥がされたおそろしい死体が発見されるなど、ニューヨークで不審な事件が多発していた。シェパード刑事はこれらの事件を捜査のなかで、アステカの民が崇めていたという怪鳥ケツァルコアトルの存在を知り、彼は何者かが儀式を行って怪鳥を現代に甦らせたかもしれないと考えはじめる。その頃、街では「巨大な鳥のようなものを見た」という証言が…。



冒頭はいかにも怪獣映画らしいタイトルロールと音楽で盛り上がり、最初の15分くらいで、ビルの窓拭き作業員、屋上で日光浴をしている女性、ホテルでの皮膚を剝がされた犠牲者と、立て続けに死者が出て、一気に盛り上がります。その後は、継続して時々犠牲者が出ますが、メインは怪獣の巣を発見したクイン(マイケル・モリアーティ)と、捜査をするシェパード刑事(デヴィッド・キャラダイン)の物語に。

出所したばかりのクインは、盗賊一味に車の運転を持ち掛けられ、宝石店を襲いますが、交通事故で宝石を失い逃亡中、偶然登ったビルの尖塔に、大きな巣と卵、そして骨だけとなった女性の遺体をを見つけます。家に帰って怯えていると、クインが宝石を持ち逃げしたと考えている、盗賊の一味2人がやってきて、クインを脅しますが、クインはビルの尖塔の上に隠してあると彼らを導き、2人を怪獣の餌としてしまいました。

その後、警察に確保されたクインは、警察に対し、怪獣の住処を知っている。教えてほしければ百万ドル支払えと要求、要求を呑んだ警察の一隊と一緒に再び尖塔にに向かいました。

一方、シェパード警部は、怪獣と皮膚の剥がされた死体を関連付け、古代アステカ文化の人身御供の儀式にたどり着きました。さらに、心臓をえぐられた死体を発見した彼は自らの推論を確信し、死体の扱いに高度な技術がいることから、元コロンビア大の医学生を容疑者として突き止めました。そして、警察の一隊は古代文化の博物館の一室でまさに儀式を行おうとしているところを急襲、しかし、犯人は取り逃がしてしまいます。

そして、ビルの尖塔での戦闘。1回目は、まさに孵化しようとしている幼鳥を射殺、しかし親鳥は取り逃がしてしまいました、そして、最終決戦の2回目の戦闘となりました…。

という内容です。

空の大怪獣Q

低予算映画なので、怪獣の露出度は低く、合成も見え見えですが、高いビルの尖塔の上での銃撃戦はなかなか迫力があります。怪獣って、普通マシンガンクラスでは歯が立たないのですが、この怪獣はそれで対応できている、行ってみれば等身大の敵というところが、程よい緊張感を出しています。よって、最後まで見て楽しかったという感想が残りました。

途中は、長い時間をかけた逃亡と捜査が続くのですが、これもマイケル・モリアーティとデヴィッド・キャラダインのしっかりした演技に支えられていますので、退屈には感じられません。突っ込みどころは無い事はないですが、筋立てがしっかりしていて普通に見られますので、B級映画として水準を保っている良作を言えると思います。

皮膚を剥がされた死体や、骨だけの生々しい死体、心臓を撮られた水死体等出てきますので、グロさはあります。食事中であれば要注意です。そして、ラストはお決まりのタイプ。これはこれでいいでしょう。なにせ、ケツァルコアトルはアステカの神ですから。

冒頭からすっかり引き込まれる構成もさすがですし、空から俯瞰したニューヨークは、ビルの尖塔部分にいろいろな神々の彫刻が施されており、なるほどと思いました。

いやま、いいですねぇ。7~80年代のB級映画。それを支えたアクションスターたち。見る機会があればいろいろと見てみたいです。なかなか興味が尽きません。
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「カプチーノはお熱いうちに」 生きることの幸せを謳歌したい

何度もシネスイッチ銀座で予告編を見ていたのですが、結局見に行かなかったこの映画。GYAO!の無料動画に上がっていたので、これは必見と思い、早速見てみました。予告編を見る限りは、なかなか面白そうだったのですが、この題名がイヤで見に行かなかったのですよ。内容とのアンマッチ感が半端ない気がしたので、なんとなく足が遠のきました。ということです。

あらすじ
親友のシルヴィア(カロリーナ・クレシェンティーニ)、ゲイのファビオ(フィリッポ・シッキターノ)とともに“カフェ・タランチュラ”で働くエレナ(カシア・スムトゥニアク)はある日、乱暴な男アントニオ(フランチェスコ・アルカ)と出会う。アントニオはシルヴィアの新しい恋人と判明するが、勝気で正義感の強いエレナは真っ向から対立。しかし、エレナは、アントニオの識字障害を知り、彼を傷つけてしまったことから、アントニオのことが気になり始めた。そんな中、カフェを開くための物件を、ファビオが見つけてきた。
そして、13年後。エレナとファビオの“カフェ・ガススタンド”は無事に13周年を迎え、一方で、結婚して2人の子どもをもうけたアントニオとの関係はすっかり冷え切り、夫婦げんかが絶えない。そんなある日、叔母に誘われて受けた検診で、エレナは自分が乳癌に冒されていることを知った…。



雨の中、大勢の人がひしめき合って雨宿りをしている場面からスタート。エレナとアントニオの初対面ですが、アントニオの差別主義的な言葉に、2人は口論になります。その場は収まったのですが、ある日親友たちが集まったパーティーで、シルヴィアの連れてきた新しい彼がアントニオでした。その後、彼女たちが働くカフェにアントニオも来るようになりますが、アントニオはエレナが気になる様子。そっけない彼女は店の機械の修理中に、手が塞がっているので、アントニオに取説を読んでと頼みますが、アントニオは識字障害でした。それを知らず、なかなか読めないアントニオに、「さっさと読んでよ。識字障害なの!」と言い放ってしまいます。それを聞いたアントニオは店を逃げるように出ていき、エレナは自分が差別的発言をしてしまったことを悟り、それ以来アントニオのことが気になり始めました。

その後、2人はアントニオのバイクで2人だけのビーチでデート、一方でファビオと新しいカフェの準備をしているという状況で、一気に13年後に飛んでいきます。

エレナとファビオの“カフェ・ガススタンド”は13周年を迎え、華々しくパーティーが行われています。一方、結婚して2人の子どもをもうけたアントニオとの関係はすっかり冷え切り、夫婦げんかも日常茶飯事。2軒目の店を出そうと忙しく奔走するエレナは、アントニオと、いろいろすれ違っている様子です。

そんなある日、叔母に誘われて受けた検診で、エレナは自分が乳癌に冒されていて、重篤な段階であることを知り、家族や親友の前で打ち明けますが、それを聞いたアントニオは、ショックを隠し切れず、精神的にも追い込まれていきます。病院で化学療法を受けながら、気丈に振る舞い続けるエレナ。しかし、エレナとアントニオは、互いを必要としながらも、何気ない会話しか交わすことができずに涙を流すのでした。

やがて、エレナは仕事中に倒れて入院。同室のお茶目な入院患者エグレ(パオラ・ミナッチョーニ)の存在や周囲の励ましもあり、前向きに治療を続けていました。ある晩、ようやく素直になれたアントニオは、エレナの病室を訪れ、病室の狭いベッドで愛を交わします。しばらくして、隣のベッドにいたエグレが亡くなり、それを知ったエレナは生きる希望を失い、失意のままエグレの赤いスカーフを手に病院を抜け出し、アントニオの家に戻るのでした。アントニオは医師からの連絡を受け、急いでエレナを病院に連れ戻そうとしますが…。

カプチーノはお熱いうちに

あらすじからも解るように、大変重いストーリーですが、実際は、あくまでも明るく仕上げられています。悲嘆にくれる様子なども執拗に挟まって入るのですが、周囲の人たちから、言葉は少なくても、元気づけられている。そんな感じです。我が子のグレンダからの言葉も、実際は突き刺さっているのですが、母親として気丈に耐えている。死に向かって悲嘆にくれるよりも、精一杯人として生きている、という方が前面に出ているように思います。原題の「シートベルトを締めてください」は、山あり谷ありの人生を象徴するような言葉なのでしょう。

主演の、カシア・スムトゥニアクさん、いいですね。ポーランド出身でイタリアで活躍する女優さんとのこと。若々しい時代から、13年を経た病身の時代を、見事に演じています。あとは、母と叔母がいいコンビでした。

この映画の特徴は、まずとても画面が美しいこと。人物も風景もなかなか美しく撮影されていると思います。また、ストーリー展開を省略し、結果だけ見せていく手法がとられています。13年間の省略だけではなく…。したがって、余計な葛藤は飛ばされ、説明的な場面はなく、逆に情緒的な部分や表情の変化などが、じっくりと語られています。見ていると、時間の割には中身の濃いものをたっぷり見たような感じがしました。トルコ出身の、フェルザン・オズペテク監督によるものですが、これは面白いと思いました。

最後ですが、この手の題名は、個人的ではありますが、勘弁して欲しいです。映画とは関係ありませんが、学生時代に発売されたパット・メセニーのアルバムで、「オフランプ」というのがあるのですが、それが日本で、「愛のカフェ・オーレ」という、内容とはかけ離れたタイトルで発売されて噴飯物だったので、それ以来、私はどうもこの手の題名は聞いただけで、「あほか」と思ってしまうのです。中身とマッチしていればOKなんですけどね。

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「日本で一番悪い奴ら」 重い題材のエンターテインメント

出張中の機内で見るため、タブレットにダウンロードして出かけました。選んだのは、「日本で一番悪い奴ら」。昨年の邦画で、見たいリストに入っていましたが、見逃していました。主演は綾野剛、白石和彌監督。東映・日活製作ということで、なんとなく、あーいった雰囲気のエンターテイメントかなぁ、と想像がつくような感じです。

あらすじ
柔道を買われ道警に勧誘された諸星(綾野剛)は、捜査も事務も満足にできず、邪魔者扱いされる。村井刑事(ピエール瀧)は諸星に協力者を作れと説き、諸星はその教えに従い、暴力団組員を覚せい剤・拳銃所持で逮捕、その功績で本部長賞を授与される。要人への銃撃事件の増加に伴い道警本部に銃器対策課が新設され、諸星は第二係長を拝命。新設部署の面子のため手っ取り早く拳銃の摘発をしたいと上司に相談されると、所持者不明の銃をコインロッカーに入れて摘発を偽装する。これをきっかけに摘発手段はエスカレートしていき、ロシア人から1丁2万円でトカレフを購入して摘発件数を水増しするようになる。さらに、諸星は資金不足を補うため、シャブを捌くことに。一線を越えた諸星はさらに大きな計画を立案、税関、道警を巻き込んだ暴挙に出る…。



この映画の元となっているのは、北海道警で実際に起きた「稲葉事件」です。柔道一筋の諸星刑事は、北海道警柔道部の全国制覇のために採用されたようなものですが、いざ勤務に入ると実直ながら不器用な性格でした。その実直さが買われ、先輩刑事から徹底的に教育を受けるうちに、裏社会にも顔が広くなり、あの手この手を使いながら、どんどんシャブや拳銃を上げていき、エースとして周囲から重宝がられます。

そんな中で、国松長官の襲撃事件が起こり、全国に拳銃取締りの檄が飛びますが、これはある意味、各県警間の拳銃摘発競争のようなものでした。道警は成績を上げるために特別チームを編成し、諸星は期待のうちに配属されました。ここでの方法は、摘発とはいえ、とにかく拳銃の数を集めること。金を使って買い集めたり、密輸のために、知り合いをロシアに飛ばせたり、拳銃を入手するためには何でもあり。所持者などどうでもいいので、いわゆる「首無し」全然OKというやりかたでした。

諸星は、思うようになかなか集まらない中で、道警と税関ぐるみの計画を提案します。それは、まず麻薬20kgをわざと見逃して通過させ、その次の拳銃を大量に押収しようというもの。しかし、さすがに金額が大きく、加担する面々も一筋縄ではいかないメンバーたちで、あちこちに破綻が起こり始め、諸星は窮地に立たされました…。

といった感じでストーリーは進み、実話と同様逮捕にいたるまでのお話でした。

日本で一番悪い奴ら

なかなか、面白かったです。立派なエンターテインメントを感じました。「凶悪」のような毒はあまりなく、やはり展開とアクションとがメインでしょうか。そのあたりが、綾野剛なのかなと思いました。ピエール瀧がやっていたら、もっとおどろおどろしい感じになったのでしょうが。

稲葉事件から想像するイメージは、綾野剛なのか?というと、私のイメージは、もっと押しの強いサラリーマンぽい感じですので、この2人でいけば、ピエール瀧的なイメージです。綾野剛だとエンターテインメントを感じ、ピエール瀧だと、それこそ「凶悪」のような、重い映画になるかもしれません。映画の方向性とキャスティング、とても興味深いと思いました。

最後の方で、シャブ中になり、ぐだぐだな生活をしている綾野剛は、なかなかの怪演。それでも復活と道警への貢献をあきらめない諸星が強調されますが、やはり道警の体質、先輩方の教育と信念によるもの。諸星は組織の被害者でもあったということを強調しているように見てとれます。重い題材が時代を経て一流のエンターテインメントになっている。キラリと光る映画と思います。

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「ホラー・シネマ・パラダイス」 コアなファンに受けてしまう映画?

ここのところ映画を見る時間がとれず、少し遠ざかっていましたが、土曜の朝久しぶりの鑑賞です。GAYO!無料動画からの「ホラー・シネマ・パラダイス」。ホラー映画通にとっては面白い映画だと思われるのですが、果たして…。

あらすじ
ある町の小さな映画館。父親が愛した廃館寸前のこの場所を、なんとか存続させようとするデボラだったが、犬猿の母親タミーが売却を決定。勝手に契約を結んでしまう。これに激怒したデボラは、かっとなり思わず母親を惨殺!そして、この一部始終を誤って劇場の大スクリーンで上映してしまう。事態に愕然とするデボラ。彼女が恐る恐る、劇場を覗き見るとそこには、殺人映像に熱狂する観客たちの姿があった…。



という、内容でスタートし、その後はデボラはホラー映画の神が乗り移ったように、監督業に邁進することになります。ところが、最初のきっかけが実際の殺人事件でもあり、次々と製作される短編はどれも実際の殺人を映したもの。観客にはそのリアルさが大うけでした。ホラー映画の大ファンだったスティーブンは、デボラの熱狂的なファンとなりますが、自分の友人が行方不明となるに至り、その実態を悟ります。そして、デボラの観客全員を出演者に仕立てる新作(撮影)がスタートし…。

「ホラー・シネマ・パラダイス」は邦題で、もちろん「ニュー・シネマ・パラダイス」のパロディですが、原題は、「All About Evil」で、これは「All About Eve」ですね。この邦題を見ると、ホラー版「ニュー・シネマ・パラダイス」を連想し、頭の中で二つの要素が融合しますし、実際古い映画館と映写技師が出てくるあたり、この邦題よくできていると思います。2015年に、「未体験ゾーンの映画たち」の一つとして、日本でも上映されました。

主演は、ナターシャ・リオン。かつては、ラブコメなど、若者向けの映画が多かったのですが、一時期の低迷(スキャンダル?)のあと復活し、現在は出演本数も相当多くなっているようです。個性的な女優さんですね。

ホラー・シネマ・パラダイス

さて、感想ですが、ストーリーや全体の構成は、正直いかがなものか?というところ。最初からホラーコメディ全開でスタートしてしまうので、次々とあからさまな犠牲者候補が登場しますが、ああ、こいつもやられるのだな…と見えてしまうので、ストーリーを追ってしまう限りでは、さっさと進めてくれーと言ったような、まどろっこしさが付きまとってしまいます。ラストも、これで終わり、せっかくここまでやったから、もっといろいろ見せてくれよ!という感じでした。主たる人物がみんな死んじゃったので仕方がないのですが…。

とはいえ、一つ一つのエピソードはとても面白いのです。ホラー通ではないので、指摘できないのですが、いろいろなシーンのパロディが入っているのでしょうね。したがって、筋を追うより、そちらを楽しむ映画の様です。

ナターシャの怪演はなかなかのもの。相当に見ごたえあります。気弱な女性が、一気にセレブに変貌する変わりようです。双子の姉妹、ヴェダ・ヴェラの雰囲気がとてもいい。彼女たちは本当の双子の女優さんですね。2人並べば「シャイニング」という感じ。クレアと取り巻きは、「ミーンガールズ」ですか?

製作されたホラー短編が、映画鑑賞前のマナービデオになっているのが、なかなか洒落ています。携帯電話を鳴らすとこうなるよ、とか、おしゃべりするとこうなるよとか…。その短編の題名が「二都物語」や、「じゃじゃ馬ならし」のパロディだったりする。女性の胸のことを「titties」というのですね。two cities が two tittiesになっています。(笑)

そんなこんなで、実は見どころ盛りだくさんでもありますので、これらのパロディについていけるファンだと、たまらなく面白いのではないかと思います。私は、何が何のパロディなのか、ほとんど指摘できませんが…。

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「ミーン・ガールズ」  10代の女性をよく表現した学園ものの名作

買っておいたDVDを一つづつ見ていくプロジェクト。今回は、「ミーン・ガールズ」を鑑賞。しかし、なぜこのDVDを買ったか謎で、当時、リンゼイ・ローハンに何か思い入れでもあったのかしらん??と思う訳ですが、思い当たらず。それでは誰か他の出演者?と言っても、この時点ではねぇ…。

あらすじ
両親と一緒に12年間アフリカ暮らし、16才になって初めてアメリカの学校に通うことになったケイディ・ハーロン(リンジー・ローハン)にとって、ハイ・スクール生活は戸惑うことばかり。奇抜なファッションのジャニス(リジー・キャプテン)と、"タマ付き女"のダミアン(ダニエル・フランゼーゼ)と友人になり、2人は学校のルールをケイディに色々教える。そして、友達にするには最悪のセレブ集団「プラスチックス」たち。リーダーのレジーナ(レイチェル・マクアダムス)が女王蜂で、グレチェン(レイシー・シャベール)、カレン(アマンダ・セイフライド)の2人が召使い。レジーナは本性は最悪らしい。ジャニスから、「彼女たちを崩壊させたいから協力して」と頼まれてしまうケイディ。そんな時、”恋の衝撃”がケイディに走る。彼の名前はアーロン(ジョナサン・ベネット)。なんとレジーナの元カレだった。それを知ったレジーナは仲を取り持つと言って、アーロンとよりを戻してしまい、ケイディはレジーナへの復讐を決意する…



なかなか楽しかったです。最初はあまりにもお子様的で、どうしようかと思ったのですが、だんだん引き込まれました。やることなすこと、コメディが決まって最高です。

いろいろあって書ききれないので、一番印象に残ったのは、単純に、ジャミスとダミアンがホラー映画を見ていて佳境に入った時、突然ハロウィンの仮装をしたケイディが飛び込んでくるところですかね。これは怖いでしょうね…。ポップコーンが見事に散乱しました。

リンジー・ローハンも見事にこの役にハマっています。だんだん純真さが消え、性悪になっていくところ、良く演じられていると思いますが、実はこれ地なんですかね。DVDのインタビューを見ていると、彼女の発言に、「最初はレジーナ役だったが、ケイディで良かった。アイドルとして売れているので、ファンの方に性悪だと誤解されたくなかった。」という言葉が入っていますが、これってどうよ…。と思いますね。その後の彼女の、凋落ぶりから見ると、地でやっていると思ってしまいます。いろいろな経験を踏まえて復活して欲しいものです。

リンジー以外の、この映画に出ていた女優さんたち、現在でもコンスタントに活躍中ですね。レイチェル・マクアダムスは、「スポットライト」でオスカー候補。これが映画デビューの、アマンダ・セイフライドも、ミュージカル映画でヒットを飛ばしています。結果として、この映画で難しい性格の役をやった女優が大成したということでしょうか。

ミーン・ガールズ

さて、この物語は10代の女の子たちの精神状態をうまく表現しているのですが、原作となったのはノンフィクションの様です。実際のこの年頃の女の子たちの性格行動をストレートに表していて、そこかしこにその人の性格などによる実際の反応、習性のようなものが、それぞれの役に散りばめられているということでしょうか。なるほどなぁと思う反面、女性の場合10代だけではなく、もっと成長してもそういう風に考えるのではないかという節も多々あります。

コメディとして表現すれば、こういう映画になるのですが、裏を返せばとても陰惨な映画にもなり得る題材を、数学の先生役でもあるティナ・フェイの脚本により、前向きで明るい話に仕立て上げられています。圧巻は、女子だけの大乱闘の後の、体育館での和解のシーンですが、もう一つは、ケイディが数学大会の決勝戦でPK戦に選ばれた時、語る心境。「人を貶めても、自分が成長するわけではない」に尽きると思います。

最初は、冒頭書いたように、あまりにもお子様的だなぁと思っていたのですが、一つ人生訓を授かり、おまけに相当楽しかったので、見てよかったと思える映画でした。

「チェチェン包囲網」 コーカサスの自然と戦争

GAYO!無料動画(最近こればっか)からの適当な1本、「チェチェン包囲網」です。題名からして戦争映画のようです。が、普通のアクション的な戦争映画というよりは、どちらかというとドラマ寄りの作品のようなので、どういうものか?と興味を持ってみてみました。感想は、ふむ、なるほど。というところでしょか。

あらすじ
泥沼化するチェチェンの攻防戦の中、ロシア軍の一隊が山で砲撃され遭難する。2人のロシア兵は本隊に戻り救出を願い出るがかなわず、捉えた若いチェチェン兵をガイドに、ルートを探ることとなる。最初は敵対同士緊迫した状況の中で時を過ごす3人だったが、厳しい山岳での生活を共に過ごす中で、また別の感情が芽生え始める…。



この話の前半三分の一は、部隊を中心に描かれています。非常に解りにくいのですが、見直してみるとこんな感じ?ロシア部隊が移動中、ゲリラの砲撃にあい孤立。2人は本隊に戻って救出を頼みますが、自力で戻れと聞き入れられません。再出発までの間に部隊の状況がいくつかエピソードで描かれます。上官の、勝手に戻って報告しろという冷たさ、部隊の女性との乱れた関係、チェチェンゲリラ側への武器の横流し(いろいろな派閥があるよう)、人質狩りの様子(これでガイドと武器を集め、武器は横流ししたり、人は捕虜交換につかったりできる?)、若い美しい男を捕まえたら上官に奪われそうになる、等々…。

戦争なので、真剣は真剣なのですが、やっていることは結構でたらめな状況の様です。チェチェン側に武器を売る時の上官の会話、酒を飲みながらしみじみとですが。
チェチェン人 「戦火の中に送り込んだ部下に同情心は?」
ロシア人上官 「感じますがなにもできない」
チェチェン人 「お前の言う通りだ」
という状況の様でした。

チェチェン包囲網

後半三分の二は、チェチェン人の捕虜をつれてのルート探索。生真面目なルバハと、お調子者のヴォフカ、それに捕虜の3人。途中いろいろと事件がありながら山を越えていきます。この山越えシーン、いいなと思ったのは。ちょうど登山の行程を辿ったような山越えになっていること。基地から、その奥の草原を経て森林地帯に入る。沢を渡った後、最奥の集落を経て、森林限界を超え岩場のトレース。そして高度を上げていく。まぁ、その上にも道がありましたので、すべて自然の中という訳にはいきませんが、なぜか懐かしさが漂いました。

途中の大きなエピソードとしては、川の渡渉時に川に落ちて逃亡を図ること、山奥の村に囚われて、リンチに処せられている同じ部隊のロシア兵を発見、捕虜交換をしようとしますが、ロシア兵は殺されてしまったこと、その夜。言葉少なながら捕虜との間にも少し会話が持たれます。土砂降りの中で、崖をよじ登っているところで、捕虜は先行し逃げたと思われましたが、ちゃんと待っていたこと。そして、最後の場面になります。他に選択肢がなかったか?その場合どうなっていたかは誰にもわかりません。

最後に、霧が晴れていく自然の風景が民謡と共に長い時間映されます。コーカサスの山々でしょうか?親しみやすい山の風景です。この映画は、ほとんど誇張もされず、ありのままを淡々と描いたような手法です。その中で微妙な心の動きを追っていくこととなる訳ですが、前半部のいかにも敵味方の間の、虚しい描写から、この小さな戦場の中の一場面を経て大自然の風景を映し出す。いかにも淡々と人間の行為の愚かさを語った映画でした。コーカサスの風景と民謡、これは、自然と人間ということが第一義かと思いますが、もう少し突っ込んでみれば、無言の中に、ここはチェチェン人の土地だということまで踏み込んでいるのかもしれません。

最後に、この映画の邦題は、「チェチェン包囲網」。キャッチコピーは、「敵陣突入! 空挺作戦敢行!」とありますが、さすがに邦題は注目をひくためには、日本では仕方がないとしても、このキャッチコピーは誇大広告ですね(笑)。原題は、「囚人」といった意味の様です。派手な戦闘アクションは無く、地味な戦場のエピソードを語った映画です。確かに、この原題だけでは日本では注目を惹くことは無理かとは思いますが…。

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「ダラス・バイヤーズクラブ」 人間の持つポテンシャルを実感する

アカデミー賞の時期となり、GAYO!の無料動画に、アカデミー賞特集が組まれています。これらの映画が無料で見られるのは大変ありがたいことですが、その中からの1本。「ダラス・バイヤーズクラブ」です。この映画のことはあまり知りませんでしたが、内容も面白そうで、興味深く拝見致しました。

あらすじ
テキサス州の電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、多くの女性と性行為を重ねた末、HIV陽性で余命30日との診断がくだる。突然の事態に困惑するも、エイズについて猛勉強するロン。アメリカでは認可されている治療薬が少ないため代替治療薬を求めて向かったメキシコで、未認可医薬品やサプリメントを密輸できないかと思いつく。同じくエイズ患者であるトランスセクシュアルのレイヨン(ジャレッド・レト)とともに非合法組織ダラス・バイヤーズクラブを設立し新薬の提供を始めたところ、ネットワークはどんどん拡大する。しかしそんな彼に当局は目をつけはじめた…。



これは、まだエイズが拡大した初期のころのお話、いろんな偏見や誤解が渦巻いていた頃のことです。まだ記憶に新しい時代です。

ロンは、周囲の人たちも全く同じで、エイズ=ゲイの図式が頭にありました。そしてゲイは揶揄されるもの、もっと言えば彼らにとっては唾棄すべきものという存在でした。そんな自分がエイズになり、かつ周囲の毎日遊んでいた友人たちはあからさまにロンを見下し、離れていく。そういう時代でした。これはかなりあからさまに描かれています。

病院では、FDAの監督の元、既存の薬での治療しかできませんが、新薬開発にあたっても承認までは10数年がかかる時代。臨床試験という制度がありますが、これはプラセボを混入したもので、いわば人体実験のようなもの。副作用で重篤になる場合もあれば、効果が無い場合もある。それを巨大な研究費をかけ、巨大な富を得ようとする製薬会社と、製薬会社の依頼で試験結果を改竄する医師という、構図が成立しています。

また、そういった規則に縛られた世界では、他国で承認された薬はもちろんのこと、試験薬を自由に入手することすら困難で、あと余命30日と宣告された身にあっては、まったく打つ手が無いという世界になっています。

最初は、病院職員からの横流しで延命しますが、それも規制が厳しくなり、メキシコの非合法の開業医を訪れ、より良い対処方法を教わり、大量の薬を米国に持ち込み、対応します。最初は、それらの薬をアンダーグラウンドで捌いていましたが、ロンはバイヤーズクラブを設立、症状に悩まされ、時々倒れるという身でありながら、日本・中東・欧州と全世界で薬の買い付けを行い、非合法に米国に持ち込み、あくまでも自己責任での使用を前提に、患者に供給するという事業を始めました。

こういった試みは、FDAの方針に真っ向から対立することであり、目をつけられ、取り締まりの規則も強化され、供給ルートはどんどん狭められていきます。そして、最後には、事業資金も底をつき、善意の資金に頼らざるをえなくなっていたようですが、それでも正しい医療を受けさせる為と信じ、ロンは病身を押して日夜活動していきます。規制には、あの手この手で対抗し、最後に裁判まで持ち込んでいきました。

当時は、こういった非合法組織は全米でいくつか存在し、エイズ患者の延命に貢献し、やがて次の時代へ準備として世論形成され、治療法や薬の入手に自由度も付加され、患者の救済に繋がっていくということになったとのことです。

ダラス・バイヤーズクラブ

この映画、事実の深刻さもさることながら、演技が素晴らしいものでした。マシュー・マコノヒーと、ジャレッド・レトの2人、ともに、アカデミー賞の主演男優賞と、助演男優賞を受賞しました。エイズ患者であることを表現する為に、相当な痛々しいほどの減量で役作りを行い、演技にあたっています。それだけでも相当な努力でしょうが、加えて決して普通でない彼らの鬼気迫る日常を表現する演技が素晴らしいものです。

ジャレット・レトは、その上トランスセクシュアル役を演技しており、これがまた強烈な表現力で迫ってきます。常にドラッグを使用せざるを得ない、強度の依存症の、崩れた感じの演技が圧巻です。最後には彼らに同調する主治医のジェニファー・ガーナーも好演で、エイズ患者に接する時の眉を寄せた憐れみを持ったような微妙な目線も秀逸でした。これは、主演助演に2人と比べると霞気味ですが。

主演のロンは、最初から最後までほとんど出ずっぱりで、転落から立ち上がり、社会に大きな影響力を発揮するまでに至りますが、当時の世界の中で、これだけのことを余命30日と言われてからやってのけるということは、人間の持つポテンシャルの巨大さを感じます。最後まであきらめず、厳しい現実に翻弄されながらも目的に一歩一歩近づいていく。目的が単に普通の人間的な生活をしたいというものであってもです。当時のエイズに対する偏見や、社会や法規の仕組みの問題と、それに立ち向かう姿を描きながら、一方では、能力を眠らせるのはもったいない。志を持てば事は成し遂げられるということをストレートに示してくれた実話の映画化であったと思います。

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「エリザベスタウン」 最高にウイットに富んだラブストーリーにハマる

昔買ったDVDを見ていくシリーズは、まだまだ延々と続きますが、今日は「エリザベスタウン」。なぜこのDVDを買ったかって、たぶん当時、かなり人気があったはずですね、この映画。
今となっては当時の状況は忘れてしまいましたが、ちょっと爽やかで、心温まるような話を見たかったのだと思います。

あらすじ
ドリュー(オーランド・ブルーム)は、責任者として売り出した新商品が会社の存亡にかかわる大失敗に終わり自殺を考えるが、そこに妹から父親が急死したという電話が入る。ドリューは葬儀のため、故郷のケンタッキー州エリザベスタウンに向かう。その途中、機内でCAのクレア(キルスティン・ダンスト)と知り合ったドリューは、積極的な彼女が気になり始めていた。エリザベスタウンのホテルで孤独を感じたドリューは、結果的にクレアと朝まで長電話をし、再会した2人は次第に仲を深めていく。しかし、すでに恋人がいるというクレアは、どこか身をかわすところがあった。父親の葬儀の後、ドリューは遺灰が入った壷と、クレアがくれた手作りの地図を車に載せて旅をする。地図の指示通りに車を走らせると、やがてネブラスカの街に着き、そこにクレアが待っていたのだった。



この映画、冒頭から大変丁寧に作られているなという雰囲気の中に魅了されます。会社にいられなくなるような大失敗も、表現の仕方が秀逸で、会社の人々の失敗者を見る温かい?目線を全面に出しており、うまいなぁと思いました。そういう映画なので、どの部分を見ても、思わず見入ってしまいます。

オレゴンからケンタッキーまでの機内は、乗客はわずか(1人では無いようでした)。CAも1名??って、これはどこかに隠れているだけでしょうが、たぶんポートランドからルイビルを結ぶ夜行便という設定でしょう。機体として映るのはB747!優雅な旅です。そこに出てくる、キルスティン・ダンストのCA姿も最高に決まってますね。ホテルのクーポンと言って、連絡先を渡すのも洒落ています。

エリザベスタウンの町も、故郷に錦を飾るような雰囲気ですが、出てくる人はいい人ばかりという感じでした。親類の人たちもさることながら、同じホテルでちょうど結婚式をあげる新郎も、なかなかいい奴です。葬儀までの間、2人の関係は深まりますが、ドリューは、帰ったら自殺するという意思が固く、失意は収まらないようですが、それを見通したクレアの応対はなかなかに用意周到。再生させ、生きる勇気を与えながら、自分に振り向かせようとする荒治療を見事にやってのけます。

エリザベスタウン

そして、最後のクレアの手作りの地図に沿ったドリューのドライブで、彼はすべての失望から立ち直り、新しい人生に向けて歩みだす。うん!いい映画でした。実際には、絶対!!ありえないと思いますが…。

この映画を見ているうちに、全くこれと同じシチュエーションで、日本で撮影したらどうなるだろうと、見ながら考えてしまいました。都会から、地方都市に飛んで、親類や旧友とあって、そこで恋が芽生えて、地図に基づいて走って、高原の町で再会みたいな…。なんか、できることはできそうですが、ずいぶん違った雰囲気になりそうです。やはり、これができるのって、アメリカだから?とつくづく思った次第。

最後に近い場面、「世界第2のファーマーズマーケットへ、先の旅に必要な物がある」。いいですねぇ…。

最初から、最後まで、ウィットに飛んだというか、気の利いたというか、そんなセリフに埋め尽くされたような、そういう世界にいつまでも浸っていたいような、希望のある映画でした。完全に製作者の術中にハマってしまいました。

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「ケイジ」 人間の精神力を感じるドラマ

あらすじからして大変暗い話ですし、またポーランド→ドイツというシチュエーションも、あまり画面に明るさを感じないのですが、何か面白いところもあるだろうと見始めました。GAYO!の無料動画による視聴です。

あらすじ
経済は低迷、地域産業も停滞したポーランド中部の街。だが、若く美しいマリオーラは、ひとすじの希望を見出していた。幼なじみでドイツに移住したアルトルと再会、彼と結婚する見込みが出てきたからだ。同居する祖母に置き手紙を残し、三週間の留守を告げたマリオーラは、恋人の車に乗って彼の親が暮らすケルンへと向かう。しかし、一日目に宿泊したベルリンで、彼女は人身売買組織に売り渡され、売春を強要されることとなった…



冒頭は、彼女たちの豚の解体工場での入社試験の場面。この仕事につくのもなかなか難しいようで、就職難が窺い知れます。無事就職の決まったマリオーラが、友達と3人で部屋で乾杯しているところに、恋人のアルトルが現れ、一緒にアルトルの親の住むケルンに行くことになります。マリオーラは祖母と2人暮らしですが、心配する祖母に女友達と一緒に行くと嘘をついて、アルトルと2人で出発しました。

ベルリンで夜となり、アルトルの友人の部屋で一泊することになりますが、部屋に入ると殺風景でいやな雰囲気。すぐに3人の男が現れ、アルトルに金を渡し、売春婦として売られたと告げられます。その場ですぐにジャスティーネという名前を与えられ、暴力的に犯され、一味の一人ニコが指導役となり、10日で物になれば売春婦としてニコが使い(マネージメントし)、だめならオマーンに売り飛ばすということになりました。

監禁された部屋は地上からかなり高い位置にあり、脱出もできず、周囲に声も届かない状況で、最初はいろいろと試しますが、脱出不可能なことを悟ります。それに、何か不都合があれば、最愛の祖母がただではすまないと脅されていました。万策尽きて呆然とした時間を過ごすうちに、自分がジャスティーネだと言い聞かせるようになり、初めて自らニコにサービスをしました。そこへ、一味がやってきて、マリオーラの売り先が決まったと告げ、話が違うとニコが発砲、マリオーラをつれて逃走し、ドイツ北部の町に部屋を借りて、ニコと共同で新聞広告も出し、売春することになりました。

ところが、ある日アルトルがマリオーラを追って部屋を訪れ、祖母の不幸を知らせると共に、ニコをノックアウトしてマリオーラを連れ帰ろうとします。マリオーラは、持っていたナイフでアルトルを刺殺。3年間服役し、ポーランドに帰ることになりました。帰りの汽車では、私はマリオーラと自分に言い聞かせるようにつぶやき、ポーランドに帰って、すでに結婚している2人とともに、仲良し3人組で浜辺に遊び、いつか自分にも幸せが来るのだろうかと願うのでした。

ケイジ

やはり、全編中欧の暗い雰囲気で統一され、重苦しい雰囲気の映画でした。明るかったのは、ニコが開業した売春用の部屋くらいでしょうか。それに、中盤過ぎまで、ずっと監禁部屋内での場面が続くので、余計に閉塞感を感じます。ラストシーンのポーランドの海も、決して明るいという雰囲気ではありませんでした。ただ、砂浜を走る彼女たちには明るさを感じました。

そういう雰囲気がずっと続くので、この監禁だけで物語が終わりで、後に何か面白い展開が無ければ、いったいこの映画の売りは何なのだ?と思いつつ見ていたのですが、有ったような、無かったような…。確かに、東欧から連れ去られ、人身売買されるという実態は確かに存在するようで、それを告発したドキュメンタリータッチの映画というやり方もあるかもしれませんが、「闇の子供たち」のように児童買春や臓器売買ならインパクトはあっても、成人の場合、ただ監禁を追っただけでは、映画にならないでしょうし、我々は、すでにもっと厳しい事実を連日ニュースでみているご時勢です。

結局、邦題は「ケイジ」と付けられていて、何か監禁物であり、ひょっとすると猟奇的かもよ!と思わせるような題になっていますが、それが大きな間違いで、この映画のテーマは、「Masz na imie Justine」(あなたの名前はジャスティーネ)なのです。原題も、フランス語も、英語もその直訳で付けられています。「ケイジ」なんてちょっと捻ったつもりで、監禁の話で、あわよくばホラーだというような誤誘導するから妙に混乱してしまいました。

マリオーラから、ジャスティーネへの転換、ジャスティーネからマリオーラへの転換。その心情の変化の過程を、主人公のマリオーラの行動や演技からじっくりと見取っていく。そこで初めて、こういう人身売買の酷さを浮き彫りにする。彼女の場合は、立派に転換できているので、この映画の大きな救いになっています。最後の仲間たちの中に駆け寄っていくシーンはとても素晴らしいと思います。そして、一度は自殺しそうになりますが、最終的に、生きて行くことを追求する彼女の心の強さを表現される。そんな映画だと思いました。

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「ザ・サンド」 砂浜が人を襲うB級モンスターパニック

「ゾンビ・ウォー101」を見た勢いで、もう一作の鑑賞に突入。こちらは、モンスター・パニックもののB級映画です。砂が人を襲うという触れ込みですが、実は砂の下にいる生物が人を襲うというもの。普通に面白そうなので、ちょっと期待して見ました。

あらすじ
前夜のビーチパーティの翌日、二日酔いの若者グループは太陽の鋭い日差しで起きた。しかし、予期せぬ恐怖が彼らを襲う。砂浜に降り立った鳥が地中に引きずり込まれてしまう。その後、グループの1人が砂浜に降りた瞬間、地中から現れる無数の触手に体を吸いつかれ、無残に切り刻まれ、血の塊となって地面に沈んでしまう。ビーチそのものが肉食性の怪物と化していたのだった。ありえない事態にとまどいながらも生き残った6名の男女は、彼らは身の回りに残された物を駆使して、砂浜からの脱出を図るが…。



まずは、前夜の乱痴気騒ぎから。ビーチパーティーということで、大人数の若者が飲めや歌えやの大騒ぎ。スマホはすべて一か所に集められ、男女関係も多少入り乱れてしまったようです。その中で、浜で拾ったと、奇妙な粘々した物体が持ち込まれます。しかし、それはすぐに忘れ去られるのでした。

翌日、ジリジリと焼ける砂浜に残ったのは8人。監視塔に男女2人。オープンカーに男女4人。ドラム缶にはまっている1人。トップレスの女性がベンチに1人。こんな状態で、他のたくさんいた仲間たちは消えてしまっています。二日酔いの頭で状況を認識する彼ら。男女関係が入り乱れて、取った取られたの論争が勃発しますが、やがて起こる異常事態に恐怖で震え上がることになります。

まず、目の前で鳥が砂の中に沈み、次にトップレスの女性が砂に足を置いたところ、動けなくなり砂に食われてしまいます。そして、車の中の男が、砂浜に飛び出しますが、1歩で足を取られ消滅。これで6人となりました。手や足を地面に置くと、砂の中から糸状の触手のような物がたくさん出てきて、それが体に食いつき、肉体を食べて行くようです。

6人は、手元にあったもので、いろいろと脱出を試みようとします。ソーセージを投げて、怪物のいる範囲を確かめる。サーフボードを2枚使って移動する。等々…。途中で、パトロールの男がSUVに乗って現れますが、彼は頭から不良青年たちがヤクをやっていると決めつけ、悲痛な助けを求める声に取り合おうとしません。彼も、最初はブーツをはいていたため砂浜を自由に歩いていたのですが、手をついてしまい、あえなく砂に飲み込まれてしまいました。

残った6人のうち、ドラム缶の1人を除く5人は、パトロールが残したSUVを目指すことになります。監視塔→オープンカー→ベンチ→SUVと渡っていくのですが、途中にそれぞれほんの数メーターですが、砂浜が立ちふさがります。男は先に腹を触手にかすられてベンチの上で動けない状態。残り4人は、いろいろと手を尽くしますが、2人が転落等で砂に飲み込まれてしまいます。ドラム缶の男は、ただ救助を待つことしかできませんが、長時間嵌っていたため腹から出た血がそれを刺激し、強く大きくなった触手にドラム缶の底をを破られ吸い込まれてしまいました。

残る3人は、やっとSUVに到達、最後に成長して巨大化した触手と一戦を交えますが、なんとが撃退し、車中で再び夜を明かすのでした。翌朝、人の呼ぶ声で目を覚ました彼らは、人が普通に歩いているのを見て、それが去ったことを知ります。彼らが移動した距離がほんのわずかだったことを知らせる画面と、水中を泳ぐそれが賑やかな砂浜に近づいていく事を暗示してジ・エンドです。

ザ・サンド

普通にモンスターパニックものとして悪くないと思います。いかにもB級映画です。この映画は、ただただ砂浜の一角だけで最後まで撮られるので、独特の緊張感が生まれています。ある意味サバイバルゲーム的に、いかに安全地帯へと渡るかというテーマになる訳ですが、時間をたっぷり使って語っていく形になります。なかなか先に進まないのに、見ている方はずっとじらされ通しで、いざ実行の瞬間は見ているものも緊張してしまうということの連続です。

その緊張感の間に、「昨夜私の彼を寝取った」だの。「愛しているのは君だけだ」といった会話が挟まれますが、思わずそんなこと言っている場合じゃないでしょうと言いたくなります。しかし、登場人物同士で「それって、今言う事?」という会話が為されるので、まぁ、わかってわざと言わしているんだな、ということになります。要は、見ているものをじらしているだけなのです。

先にそれをやれよとか、そんなことしている場合か?とか、いろいろと突っ込みたくもなりますが、あっさり解けてしまっては身もふたもないので、あくまでもじわじわと話を進めていきます。一番痛々しいのは、太った黒人の、ドラム缶に嵌っている彼であり、これは地獄だろうということが想像できます。そして最後まで報われない。パトロールのおやじにも無情にいたぶられるし…。

最後の戦いは夜になりますが、触手が青白い燐光を発するので、そこは効果的に作られています。

登場人物も少なく、場所もほぼ一か所で撮られているという、低予算映画ですが、サービスカットもあり(ビーチですからビギニだけでも満足ですが)、思わず見てしまうような、緊張感もありで、普通にB級映画を見る感覚で楽しめました。

ところで、数あるモンスターパニック映画で、「ブラッド・ビーチ 血に飢えた白い砂浜」(1981年アメリカ)という映画があるようです。残念ながらまだ見ていませんが、全く同じタイプのモンスターが登場するようです。ただし、ストーリーは行方不明者の事件捜査という形で進行するようで、ちょっとイメージは違うかと思います。劣悪画像のDVDが発売されているようで、機会があれば見てみたいと思っています。

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