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「インプリズン -修道女の悪夢-」 イタリアン・ホラーの伝統があるか

休日の昼下がりに家で見る映画は、そんなに深刻なものでないほうがいい。そう思いつつこの映画を観てみました。ホラーは決して好きな訳ではなくて、スプラッタ物もどちらかと言うと敬して遠ざけている方ですが、耳・目・手・口と奪われると言っても、それほどでもないだろうと思ってのチャレンジです。それほどでもないって意味わかりませんが、まぁ感触です。

あらすじ
修道院で新しく生活を始めようとイタリアにやって来たサラ。神に近づくための彼女の新しい生活が始まるはずだったのだが…。彼女が入ることになった修道院には、恐ろしい秘密の儀式が存在した。その儀式とは、耳をふさぐことで神の声を聞き、目を潰すことで神の姿を見、手の感覚をなくすことで神に触れ、舌を失うことで神と対話するという儀式であった。



冒頭サラがアメリカから修道院生活のため、この修道院を訪れますが、いきなりシスターたちの応対がイヤな感じです。寒々とした部屋に入れられ、下着まで全部脱がされ、持ち物はすべて没収。でも神のために生きると誓った彼女はそれを受け入れ生活を始めました。

すぐに妄想や幻覚が始まります。サラはここから一定の間隔で、耳をとられ、目に薬品をかけられ、手を焼かれ、舌を切られという風にされていくのですが、その間妄想の世界と行き来しています。
その向こう側の世界とは、老司祭と若い女が住む家。子供が生まれて母親が同時に亡くなり、司祭は子供を一人で育てますが、彼らの家にちょっかいを出してくる隣人や医者を開かずの部屋に監禁。どうやら死に至らしめている感じです。子供にニンファとなずけた司祭は、常に神が「飢え」という言葉を発しているということに取りつかれており、その発作が起こる毎に異常な行動を起こしているようです。そして体に飢えの文字が切り刻まれ命を絶たれてしまいます。

一方ニンファは立派に成長し、マルコという優しい伴侶を得て、一見幸せそうに見えていますが、彼女は子供のころから気になっており開かずの部屋がトラウマになっており、時々幻覚に悩まされているようです。マルコはその幻覚を断ち切ろうと、開かずの部屋に一緒に入って、懸念を払拭することを提案します。

インプリズン

その間、サラはニンファの母親やニンファの幻覚をずっと見ており。ニンファのキスによって耳目手が回復し、普通の体に戻ったりします。そして、向こうでは、マルコとニンファは、家族にまつわる秘密を詳細に知ることとなり、同時にサラは元の体に戻るのですが、シスターから儀式への参加を告げられます。彼女は幻覚の中で起こったことは予知夢であったことを悟りますが、強引に祭壇に連れていかれることとなりました。

話の概略はこんな感じですが、いずれにしても非現実的な話なので、なんとなく納得いかない部分がありますが、一応のまとまりを見せているので良しとしましょう。

で、感想は...

・決して、エログロとまでは言いませんが、見た感じは結構強烈です。あまり怖さはないですが、どちらかというとトラウマ系で迫ってきますので、ご注意下さい。
・イタリアンホラーの伝統はあるか?と書きましたが、これはあると思います。ドアがひび割れて戻ったり、血がドアに流れたりするシーンが繰り返し見られますが、この感じはかつて見たような雰囲気です。アルジェントとか...
・いろいろな幻覚(夢?)の中の現象について、ラスト近くで最終的に種明かしされます。ちょっとチープでもあります。しかし、それがサラの今の境遇にどう繋がるのかは、ちょっと納得感がない感じがします。きっとニンファに接した周囲の人たちがこういう儀式を作り上げたのでしょう。
・同様に、他のシスターたちは五体満足なのに、なんでサラだけ?と思いましたが、これも一定期間毎に行われる儀式の生贄ということだろうと解釈しました。サラは神に近づき(ニンファを受け継ぎ)、シスターたちはそれを讃えるのみなのであろうと。
・視覚効果も気味悪いようで意外とそれ自体は奇麗です。と個人的には思います。
・大人になったニンファはとても美しいです。キャロライン・デ・クリストファロという女優さんが演じていますが、正直もっと見たいです。と思ってIMDBを見ましたが、出演作は他に短編が一つあるだけのようでした。

イタリアン・ホラーテイストは、ホラーの中でも好きなので、このズッコン監督(日本語で書くと面白い名前になりますが)ちょっと注目しておきましょう…
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「ヒトラー最終兵器」 怪力無双のソ連兵によるアクションが見もの

休日の寝起きの一本。そんなシチュエーションで見るような爽やかな映画でないことは解っているのですが、とりあえず何か軽く見てみましょうということで。戦争映画もしばらく見ていないと思うし、それよりもこれはゾンビ映画ですかね?たぶん。
2014年のカリコレで上映された一本でもあります。

あらすじ
1945年、東部戦線。ドロコフ率いるソ連軍の特殊部隊は、ナチス軍を追いつめるために山中に罠をしかけていたが、逆に追い詰められ部隊を全滅させられたあげくに捕えられてしまう。連れて行かれたのは、ナチス軍の極秘研究所。そこでは恐るべき人体実験が繰り返され、不死の戦士を作ることに成功していた。一人、恐怖の部隊に立ち向かうことを決意したドロコフだったが…



戦場場面は森林地帯とそこを横切る道路からスタートです。知られてはいないようですが、ドロコフは近くにナチスの秘密基地が隠されていることに気づいていました。通りかかったナチスの一団を全滅させ、その確証を得ますが、ナチスの改造人間を含む狩猟部隊に会い、捕らえられてしまいます。
このナチスの連れている改造人間はドッグと呼ばれていたような気がします。まさに犬のように森を駆け回り人を食い殺すのが特徴です。それから、最初からいきなり敵味方入り混じっての戦闘になりますので、判りづらいです。ソ連兵なのにドイツの紋章をつけている奴もいますし...

さて、捕らわれたのは、ドロコフ・フョードル・怪力のアルカディの3人。そこにはチャラいアメリカ人スパイがいましたが、ナチス部隊の改造人間の実験や検証を見せられ、怪力の改造人間を部屋に送り込まれると会えなく敗退。彼の役目は脱出口のダクトがあることを知らせることのみであったようです。そしてアルカディも怪力同士の真っ向勝負に敗退します。

ヒトラー最終兵器

フョードルは実験材料にされ、ドロコフのみ幽閉されますが、我らが怪力ドロコフは自力で手錠と牢獄を破り廊下に脱出。途中でフョードルを助け、2人の脱出行です。この脱出行がこの映画のメインで、激しい肉弾戦と銃撃戦が続き、迫力のあるものでありました。
途中、フョードルは実験の効果で体が変貌し始め、自ら犠牲となって名誉の戦死を遂げ、その後はドロコフの単独のアクションが続きます。最後に地上に出て、ドッグも倒しますが、さすがにここまでくると負ける気がしません。

という内容でした。とにかくドロコフが強すぎです。改造人間と銃器を持った人間なら多少見せ場は作れますが、一般の丸腰の兵士や高級将校などは散々偉そうなことを言っていた挙句の瞬殺でした。地下深く作られたナチス実験施設も、マッチョな体力派が暴れれば何もかもあっさり壊されるという、まさに筋肉質のストーリーです。したがって頭を使わないので、脱出への経路探索とかは問題ではありません。そのあたりは省略して、どこをどう通ったかなぞ考える余地もなく地上に出てきたのでした。

最初と最後は老いたドロコフがしみじみウォッカを飲む場面。この物語はドロコフが取材に応じて語ったものという構成となっています。

そうそう、観る前に誤認がありました。ゾンビではなく改造人間でした。これは伝染しないんですね。改造人間の造形はまぁまぁ。怪力派はフランケンシュタインみたいなのが多いようですが、いろいろと種類があったようです。
原題の「OutpostIII: Rise of the Spetsnaz」は、知識がなく訳しづらいのですが、「キャンプ3:特殊部隊の台頭」みたいな感じですかね???

ポイントは、ドロコフの幽閉された部屋からの最初の脱出の部分でしょうか。手錠を自らの筋力のみで引きちぎり、鉄の扉を蹴破る。これを見せられれば、こいつは不死身だという安心感を植え付けられてしまいます。その後の展開もその通り。まさにドロコフ(ブライアン・ラーキン)によるノンストップアクションを楽しみましょう!という1本でした。

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「あのバスを止めろ」  しっかりした二転三転のストーリーとロマンス

今日もGYAO!の新着から、「あのバスを止めろ」。イタリアのクライムサスペンスです。新着と言っても、何度も消えたり出たりしていると思うのですが、こういう選び方はあまり主体性が無いと思いますけど、先入観無くスッとみられるのでいいと思っています。中には思いがけず嵌るのに出会えると嬉しい限り。評判もそこそこの映画なようで、ちょっと期待して観ました。

借金の返済を迫られていたバスの運転手フランツ。ある晩、フランツのバスに裸足の美女が飛び込んできた。女はある男から盗んだパスポートに恐喝用のマイクロチップが仕込まれていたとは知らず、シークレットサービスの男たちから追われる身だった。マイクロチップと400万ユーロの札束を巡る争奪戦に二人は巻き込まれる。



冒頭で、マイクロチップが登場、まず会計士からバーテンダーの手にわたり、争奪戦のスタートです。で、タイトルバック。街の風景をぼかして、車や街頭のライトを8角形ににじませた背景に、古き良きヨーロッパのサスペンス映画を感じ、ちょっとワクワクします。このチップは大統領のスキャンダルにつながるようで、シークレットサービス側と敵対勢力の争奪戦が始まりますが、持ち主はこれを大統領側に渡せば、400万ユーロが貰える。敵対勢力はこれを力づくで奪おうという算段です。

バーテンダーは、チップをパスポートの写真の裏に隠し持っているのですが、睡眠薬を飲ませる手口の女に奪われてしまいます。彼女はチップのことは知りませんから、パスポートを転売業者に渡してしまいますが、両陣営は彼女が持っていると思い込み、彼女は狙われる羽目に。
この辺りは、取引が二転三転しながら、両陣営とも振り回される訳ですが、その間に登場人物の立場や性格などを肉付けしていきます。体感的に地味な進捗ながらも、描きこむべきところをしっかりと描いているので、目が離せません。そして、彼女は逃走中に持ち物をすべて失ってしまいバスに乗って悲嘆にくれることになりました。

あらすじでは、冒頭からいきなりバスに彼女が乗り込んで来たように読めますが、それは大分時間がたってから。それまでは結構ネタの仕込みが長いのでした。さて、フランツは裸足の彼女を助けるつもりで家に泊め、プラトニックな一夜を過ごすことになります。ケバい感じの彼女もかつらをとれば普通の美人。その身の上話に耳を傾けながらフランツは少し惹かれるものがあるようです。

彼女は翌朝彼の金を奪って逃走しようとしましたが、追っ手に阻まれ再び彼のところに戻ることに。フランツも嘘で固められた彼女に言動を信用できず、彼女を突き放そうとしますが、フランツの家まで追っ手が迫り、否応なく巻き込まれて二人で逃走する羽目に。追っ手から問いただされて、何のことやら解らなかったチップも、国外脱出をしようと偽造パスポートを作ろうとしたことから、再び彼女の手に戻り、現金を手にして脱出しようと策を練りますが...

あのバスを止めろ

さて、ここからラストへと突き進んでいく訳ですが、まだまだ二転三転して、大変面白く見られました。

ストーリーもあればロマンスもありで、ロマンスの方は一つはシークレットサービス側の男と昔の恋人。女性が強く活動的で一緒になれませんでしたが、彼女が独り身となった今、再び一緒に暮らそうと約束します。彼は自分の経験から、フランツに活動的な女性と付き合うのは難しいと諭しますが、フランツの心は彼の方に向いています。もう一つのロマンスは、もちろんフランツの方です。さんざん騙され利用されているのですが、逃走を重ねるにつれ、お互いに意識して邪険にできない状況となっていきます。この2人のエピソードが最高で、あまりないタイプのハラハラするようなロマンスでした。

敵対勢力側は徹底してデコボココンビのような、情けない描かれ方です。非情で暴力を厭いませんが、携帯電話の着信音とその相手がポイントです。困った家庭事情を抱えているようで、よく電話がかかってきますが、敵のアジトに侵入する時くらいは携帯電話はさすがに切っておくべきでしょう。

全体として、ストーリーは二転三転して面白いし、仕込みもきっちりしていて、登場人物の性格描写もよく描かれており、ロマンスありコメディありで、軽快さや激しさはそれほど感じないのですが、なかなか中身の詰まった一本だと思いました。

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「ブラッディ・マリー」 都市伝説では何でもアリ??

お疲れモードだったので気軽に見られる1本をと。GYAO!にあった目に付いたもので、後悔するかどうかは見てのお楽しみとスタートです。中にはけっこう大ハズレの場合もありますからね。で、これはどうだったかと言うと・・・。微妙...

あらすじ
州立精神病院。廃墟と化した地下で一人の看護婦二コルが姿を消す。彼女を強制的にその場へ向かわせたジェナたち同僚は、責任を問われるのを恐れ、事実を隠蔽するが、仲間内に動揺は広がっていった。いっぽう、二コルの身を案じる姉の事件作家ナタリーは、妹のボーイフレンド、ポールから「鏡ゲーム」という儀式の存在を教えられる。だが、その詳細について聞き出す前に一人、また一人と当事者たちは命を奪われていくのだった…。



舞台は州立精神病院というところが、いきなりB級感をかきたてます。それもお決まりの前近代的な病院です。ルールを破った(このゲームのことを口外した)ということで、ニコルはナース仲間のみんなに詰め寄られ、仕方なく1人で地下道に入ることになるのですが、入り方がゲームのルールでは全裸になって入るという、いかにもという嬉しい演出。そして、鏡の前で「ブラッディマリーを信じます」と3回唱えると、それが現れるという訳です。

さて、全く予備知識は無かったのですが、このブラッディマリーというのはアメリカの都市伝説ということで、調べるとこういうことでした。

<ウィキペディアからの引用>
ブラッディ・マリー(英:Bloody Mary)とはアメリカ合衆国の都市伝説に登場する女性の幽霊。
真夜中に鏡の前に立ち、名を呼ぶと姿を現すとされる。肝試しとして行われることが多い。呼び出す方法は、真夜中に一人で鏡の前に立ち3回名前を呼ぶというものが基本だが、その場で3回まわる、蝋燭を灯すなどいくつかのバリエーションが伝わる。
多くの場合長い髪の比較的若い女性で、血まみれの衣装を身につけているとされている。彼女を呼び出した場合、顔を引っかかれて気絶する程度で済む場合から、発狂、死亡までさまざまなバージョンが語られるが、何らかの怪我を負わされるという点は共通している。
<以上一部略>

ニコルがいなくなって姉が捜索に現れますが、またまた刑事が今夜の予定を聞くあたり、この刑事のいい加減さというか、さらにB級感が高まります。さて、ここから事件が本格的に展開するのですが、まぁ順番に殺されていく訳です。ただし、いったい何の目的でというのがはっきりしません。秘密を知る物を狙っているという様にも見えますが、実際そうでもないようです。
殺されると、くりぬかれた目がキープされるようですが、これも目的がはっきりしません。幽霊はいろんな所に出現して、本人が唱えた場合でなくても突然出てきたりします。あまり法則性も無いようです。

ブラッディ・マリー

そして、姉はいろいろと潜入捜査を行い、刑事を同行して精神病院に向かい、刑事は病院の過去を知る医者に襲われてしまい、これを撃ち殺しますが、そもそも医者の方も動機が明確にされません。ナース仲間でこのゲームのリーダーであるジェナは、入院患者で顔に吹き出物の多いブラッディマリーの信者らしい人間と密接にかかわっていますが、これも背景が明確に描かれません。このゲームの最終目的は何なのか、結局何も説明されず、事件は大量殺人事件が明るみに出るという一定の終息を見ますが、かといって何も解決されたわけではありません。

で終わります....

というようなお話でした。

まぁいいです。
都市伝説ですからきっと何でもありなんですよね。都市伝説の幽霊は不滅ですので、撃退される訳はないです。被害にあうのは、関係したいろいろな人で、彼らの間の利害関係は一応ありますが、幽霊の前では、それまでの行動にはそれほど明確な襲われる理由はないようです。

映画としては、地下のへの潜入はそれなりに怖かったし、ナースはすべてブロンドの美人ぞろい。それが全裸やランジェリー姿になってくれる訳ですから嬉しい限りです。つまり、ストーリーを追っても伏線を回収していかないのであまり意味が無いようです。とにかく都市伝説の恐怖と理不尽さ、ただならぬB級感と、美しい女性を堪能する映画と理解しました。

ブロンドの女優さんの中では、シェルビー役のBrianne Wigelandさんが一番美人でお気に入りです。もちろん首謀者級のジェナ役のDanni Ravdenさんもなかなか良かったですよ。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

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「ハゲ鷹と女医」 痛い破滅へのスパイラル

GAYO!にあった無料動画から、またまたアルゼンチン映画を見つけて鑑賞。あらすじからもサスペンスフルな感じがプンプンしていて、ラテンアメリカの生々しく熱い世界が覗けそうな予感。アルゼンチン映画批評家協会賞受賞、カンヌ「ある視点」部門ノミネートと、それなりの箔のついた作品です。2010年の映画で、監督はパブロ・トラペロです。

あらすじ
年間の交通事故死が8000人、負傷者が12万人というアルゼンチン。保険金をめぐる闇社会に住むソーサは、交通事故専門の弁護士。病院や警察から現場に向かいクライアント探しに走り回る日々だが、彼の法律事務所は被害者へ斡旋した保険金・示談金をピンハネしている悪徳組織であった。そんなある日、事故現場で若き女性医師ルハンと出会う。懸命に人命救助に励んでいる彼女に会い、今の状況を変えたいと思うようになるソーサ。が、彼を辞めさせたくない事務所はルハンに圧力をかけ始めるのだった・・・



しっかりと交通事故の場面からスタートします。痛々しい怪我人を救出する救急救命医ルハン(マルティナ・グスマン)。その戦場のような世界に、リーク情報を元にピッタリと駆けつける悪徳弁護士ソーサ(リカルド・ダリン)。しかし、ソーサはいかにも悪徳という感じではなく、どちらかと言えば知性派・人情派のような描かれ方です。そして、病院で度々言葉を交わす毎に2人は接近し・・・
接近してからベッドインまでちょっと早くありませんか??但し、彼女が寝てしまって事には至らないのですが。そのあたりは過酷な職場がそうさせるのかな?とも考えてしまいました。

ハゲ鷹と女医

親密にはなったものの、ソーサは保険金目当ての偽装事故を演出したところ、これが死亡事故となってしまい、ルハンにその汚い仕事が発覚して、一旦二人は険悪な関係に。そして、ソーサは彼女への愛から、全うに生きるべく、汚い仕事から足を洗おうとし、ルハンは過酷な仕事に疲れ、薬に頼るようになって行きます。そして、ルハンは大事故に遭った家族の生活を少しでも救うべく助けようとし、ソーサはこれに応え、悪徳弁護士から家族を守るように動いていきますが、彼の事務所はこの大きな金のなる木を逃すつもりは毛頭無く、ソーサとルハンを暴力的に脅迫し始めました。

ソーサは事故当事者全員の委任状を集め、この事故の交渉権を独占することに成功しますが、事務所側はルハンを脅迫して暴行を加えます。ルハンを痛めつけられたソーサは復讐に燃えて、事務所の元同僚を滅多打ちにして殺してしまい、警察とグルになった事務所長は、これと引き換えにソーサを脅迫してソーサが勝ち取った保険金を自分のものにしようとしますが・・・

そして、ここから怒涛のラストへと向うことになります。

前半のルハンは凛としてテキパキ活動する、若き救急救命医なのですが、疲労が重なり薬物に頼るようになると、加速度的に物事がうまくいかなくなり、不幸を背負っていくように見えます。ソーサは抜けようともがけばもがくほど周りから痛めつけられ、ますます深みにはまっていきます。映像では、交通事故や怪我人の場面が多く、互いの暴行もあって、血の出でいる場面が絶えません。痛々しく、荒々しく、暑苦しく、生々しい演出で疾走していく感じです。人物像もさることながら、このとてつもなく濃い感じがいいです。

ハリウッドでリメイクされるとのこと。南米の映画の持つ毒気のようなものが魅力なのですが、なんか綺麗な映画になりはしないかと心配です。それはそれで別の映画として魅力のある作品になるかもしれないのですが。

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「ル・コルビュジエの家」 普通でない2人。軍配は?

ル・コルビュジエの家・・・言いづらい。有名な建築家ということですが、この方面まったく知らないので、なじみがなく、題名が覚えられないのです。多分明日忘れている。原題は、「El hombre de al lado」で、訳すと「隣の男」。これでいいではないか!覚えやすいから。
邦題は芸術的な気取った題だが、原題は平凡な題名。邦題は家が主人公で、原題は人が主人公。ちょっと着目する点が違いますね。ともかく、GAYO!の無料動画にあったので、シュールそうな内容に惹かれて観ることにしました。たくさんの賞をとった映画のようですが、予備知識はありませんです。2009年製作のアルゼンチンの映画です。

あらすじ
世界的に有名になった工業デザイナーのレオナルドは、ラプラタにあるクルチェット邸に、妻のアナ、娘のローラと暮らしている。ある朝、レオナルドは大きな打撃音で目を覚ます。隣家の住人ヴィクトルが自宅に向かって、部屋に窓を開けようとハンマーで壁に穴をあけていたのだ。ヴィクトルは、レオナルドが違法だと指摘しても動じない。それでも、心配する妻や娘の前で強気に出たレオナルドは、ビニールで覆い穴を塞ぐよう、なんとか約束させる。しかし、ハンマーの音は時間に関係なく響いてきて、仕事にも手が着かなくなる。・・・



あらすじを読むと、はた迷惑な隣人に翻弄される善良な市民を描いたように見えますが、実はそうではないところがポイントです。さっそくネタバレですが、ストーリーを要約すると、隣の家の壁に穴が空き、プライバシーが保てなくなる。これを閉ざさせようとするが、話は平行線を辿り、収拾がつかなくなっていくという話で、隣人はその穴から見ていたおかげで、デザーナーの家に強盗が入ったことを知り撃退に向うが、返り討ちにあって死亡してしまう。と単純に書けばそういうストーリーです。あとはやりとりとエピソードの積み重ねです。興味深いのは登場人物の描写です。これが素晴らしくて面白い。

工業デザイナー:レオナルド
・世界的に有名な建築物に住み、デザインした椅子で世界的なデザイナーになった成功した人物。
・妻にはほぼ逆らえない。
・子供からは無視されている。
・弱い者には高圧的な態度をとる。(ヴィクトルの伯父、好きではない生徒 など)
・ヴィクトルを上から目線で見る。
・自分の言葉で話さず、人の言ったことにして言い訳する。(誰々がこう言っている など)
・短気で神経質である。
・生徒を口説いてあっさり撃退される、自意識過剰の勘違い男である。

ル・コルビュジエの家

隣の男:ヴィクトル
・窓のない暗い部屋に少しでも太陽の光が欲しい。
・話し方が恫喝しているように聞こえる。あるいは、その気になれば本気で恫喝する。
・マッチョで、ちょいワルオヤジタイプである。
・女性の意をとらえるのがうまく、遊び人タイプである。それだけに話術もうまい。
・情報通であり、観察が鋭い。
・レオナルドとは隣人として友好的に付き合いたいと願っている。レオナルドに贈り物を何回かしている。
・レオナルドの妻アナにも花を贈るが、レオナルドに捨てられる。
・指人形劇がうまく、これでローラを楽しませている。
・エロチックでアヴァンギャルドな美術品を製作する。
・弱いものを助けたくなる。あるいは弱いものをいじめているのを見ると懲らしめたくなる。
・最後は、隣家の押し込み強盗を単独で撃退するが、返り討ちにあってしまう。

そのほか、アナは、ヴィクトルを恐れてか、見下してか、全く相手にせず、汚物のように嫌っている。夫にはなにかあればキスしてといい、愛されていることを確かめないと気が済まない。しかし、ヴィクトルから、夫が人の名前を使って、引き合いに出して交渉していたことを聞いて、夫が信じられなくなる。
ローラは基本的に父親は無視で、話しかけられても、イヤホンを聞きながらダンスをしている。しかし、ヴィクトルの人形劇を見て2人は打ち解けあっている。

まぁ、この2人を比べると、恫喝調の強面なところとか、与えようとするものが妙に面白くずれているところを除けば、人間的魅力はあきらかにヴィクトルの勝ちで、市井のヒーローと、性格的に欠陥のある上司あるいは役人タイプの対比になってしまいます。

ラストの場面、虫の息のヴィクトルが倒れているところで、レオポルドは、救急車を呼ぶからと妻と子を現場から遠ざけ、そのまま電話をしません。ヴィクトルが、死んでしまえばすべてが丸く収まるという考えがよぎったのでしょうか。娘を命がけで助けてくれた恩人に対してなので、これが決定的な場面です。誰も見ていないので、いくらでも言い訳ができるシチュエーションです。(その場を離れてしまう家族も家族ですが)

この映画は冒頭で、壁に穴をハンマーで穴を空けていく場面が裏と表からの画像を並べて描かれて始まります。最後は、穴が煉瓦で閉ざされ暗闇になっておわります。殻を破って暗闇から出てきたちょっと変わった才能が、狡猾な良識のある人々に葬り去られ暗闇に閉ざされたという風にも見えます。やはり、家が主人公ではなく、人が主人公です。

そして、エンドロールでイノシシのマリネのつくり方を見て、良心に救われたようで、なんだかほっとするのでした。

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「朝食、昼食、そして夕食」交錯する愛と人生

2010年スペインにて製作の映画。朝昼晩の食事を介し、そこで起こる様々なことを綴った群像劇。原題は「18 COMIDAS」で、訳すと「18の食事」となります。色々な登場人物が交錯していく、群像劇の典型的な展開となり、朝食から夕食までの1日の時間の中に、愛と人生がこめられています。

スペイン巡礼の終点ガリシア州。ストリート・ミュージシャン、エドゥのギターで、その街の朝が静かに始まる。前夜から呑み続け、そのまま朝食に突入する二人の男、腹をすかして市場のチョリソを盗むマケドニアの青年、兄にゲイであることを隠し通そうとする弟、現れない恋人のためにひたすら料理を作り続ける脇役俳優、そして沈黙の中で質素な食事をする老夫婦。そして、エドゥのもとに、昔愛した女性から突然電話が入り…。



冒頭で、物語のテーマが提示されます。食事はこの町で1日50万回あり、人にとって食事は開放的になる瞬間で、人生の転機にもなりうると。一つ一つのシーンは比較的短く綴られていき、見ていて飽きが来ません。なかなかいい造りだと思います。それぞれの人生と交錯をすべて読み解くのは一度みただけではわかりづらいところもありますが、簡単に並べてみます。

1.ストリートミュージシャン
朝のガリシアでギターを弾きながら歌う。そこにソーセージを盗んできた青年がからむ。そして、突然の昔の恋人からの電話。彼女は結婚して子供もいるが、二人が留守の時間に昼食に訪ねる。彼女の何か物言いたげで煮え切らない態度に痺れをきらし、最後は久しぶりのキスでお別れ。夜再び街頭にたち歌を歌っていると朝の青年が再び現れ、マケドニアの出身で家族から逃げ出してきたという。2人はセッションを始める。

2.飲み続ける2人の男
かなりご機嫌な2人が朝食をとっている。2人は片方のいとこである脇役俳優の家を訪ねる。そこには朝食を作って恋人を待つ脇役俳優がいたが、迷惑そうな彼を尻目に朝食をつまむ。そこにもう一人の友人も現れ、さらに待っていた彼女からは来られないという電話も入る。
2人はプレゼントとしてモダンアートの画家を尋ね、絵を描いてもらい、夕方からの友人のパーティに出席、盛り上がって脇役俳優を電話でさそう。結局彼女に来てもらえなかった脇役俳優もパーティーへと家を出る。

3.寂しげな主婦
子供の朝食をみながら話しかけている主婦。どこか寂しげで悩みがある様子。一人でビールをあけて飲むが夫からなじられる。昼食にストリートミュージシャンを呼ぶ。理由は夢でみたからと。昔話に花が咲くが今は微妙な関係で、彼にどこかへ攫って行って欲しい様子だが、うまく話が進展していかない。結局中途半端なもやもやした状態で彼は帰ることになり、夕食で夫を迎える。そこで再び朝から子供の前でビールを飲むなと諭されるが、彼女は離婚を切り出す。

朝食、昼食、そして夕食

4.老夫婦
2人きりで質素な食事をとる老夫婦。もはや会話はなく、静かな時間が流れていく。昼食も同様に2人だけ。夕食も同様に2人だけ。判で押したような毎日が続いている。この映画のタイムキーパーのようである。夕食のとき、階下から賑やかなパーティーの音が聞える。

5.脇役俳優
身なりをピシッと整え、恋人のためにきれいにしつらえた朝食をつくり待っていると、2の3人が入ってくる。恋人は朝食に現れず、何時になるか解らないと。3人が帰ったあと、再びきれいに盛り付けた昼食をつくる。恋人は来られないとのことで、また一人でたべる。再び夕食を作る。恋人とはうまく連絡が取れず、結局一人で食べることとなり、2のいとこの誘いに応じてパーティーに出かけてしまう。

6.ウエイトレスと兄弟と弟の彼
飛行機でついた男は朝食を取りにレストランへ。そこで出会ったウエイトレスを口説いて同伴し、彼の弟の家に食事に行く。弟はゲイで男と2人で住んでおり、ゲイであることが兄にばれると大変ということで、そういった態度は出さないよう示し合わす。兄とウエイトレスが来て食事が始まったが、雰囲気で兄は弟たちが深い関係であることを悟り、弟の彼が作った料理に難癖をつけたことから口論に。ゲイであることの葛藤のある弟と、世間体を気にする兄の言葉の応酬となるが、何とか和解する。

7.一夜を共にした2人
彼女の家で一夜を共にした2人。彼女となんとなく別れ、脇役俳優の家に乱入。朝食をとる。今日は彼の誕生パーティで、夜は大勢の友人たちが集まる。最後に遅れて朝の彼女がパーティー会場に現れる。

8.マケドニアの青年
朝は肉屋でソーセージを盗み逃走。ストリートミュージシャンと絡む。夜も再び訪れ、マケドニアからヨーロッパの果てまで来たと明かし、2人でセッションを始める。

9.レストランを切り盛りする姉妹
人手不足で、レストランを切り盛りするのが大変な姉妹だが、妹が歌手のオーデションを受けると言い出す。決心は変わらず親子でツアーコンサートを行っているバンドのオーディションを受ける。ところが親の方が食事中に突然命を落とし、妹は彼らを助け、歌手としてバンドに入ることになる。

10.年の離れた2人
高級レストランで夕食をとる初老の男と若い女。女は同居をせがむが、男は同居すると別れたときの喪失感に絶えられないと拒む。結局話は平行線を辿り、2人はレストランの中で別離の熱いキスを交わす。

とまぁ、こんな感じになりました。これらが1分程度の短時間で交錯していきます。比較的長いカットは、昼食の部の、ストリートミュージシャンと主婦のシーンと、ゲイの弟を訪ねた兄のシーン。この2つは静かな心理劇が続き、緊張感が高まりました。

全体として、1日の時間にこれだけの人生が詰め込まれた群像劇で、一つ一つのシーンが凝縮され、それをうまくつないでいく。とても見応えがあり、いろんなエピソードの積み重ねが素晴らしい映画を作っていると思います。

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「サンタクロースになった少年」クリスマスイヴに見る感動秘話

クリスマスイヴの日GAYO!で「サンタクロースになった少年」が配信されていました。ファミリー向けの映画かな?と思いつつ、80分程度と適当な長さだったので、とりあえず見る事にしました。最近あまりこういう童話的な映画はみないし、見ても寄る年波に、あまりひびかなくなっていたので、それほど期待していなかったのですが...。
原題は、「Joulutarina」。邦訳では、「クリスマスの物語」となります。

あらすじ
クリスマスの夜に両親と妹アーダを事故で亡くしたニコラスは村の6つの家族と1年ずつ暮らすことになる。そして、毎年クリスマスになると次の家に移るニコラスは、世話になった家の子供たちのために手作りの玩具を贈るようになった。
6年目になり、村の家族を一巡したニコラスだったが、不作と不漁でどの家も再びニコラスを引き取れる状態になかった。 すると、、村に来て家具を売り歩いている家具職人のイーサッキが、働き手として引き取ることになった。 子供嫌いのイーサッキは、ニコラスにも厳しくあたるが...。



ニコラスが父母と妹をなくし、孤児となる場面から始まりますが、はやくもやばいです。涙腺が緩みそうな予感。ニコラスは6つの家族を転々とし、実父母の家にいた時から好きだった手製の玩具作りを活かして、毎年クリスマスに世話になった家族の子供たちにそっと木製の玩具を配っていました。そして、一個は氷の下の妹のために、湖に沈めます。

6年が経ち、最初はニコラスの引き取り手が無かったら口減らしをすればいいじゃないかと憎まれ口を叩いていたイーサッキが、ニコラスの素質を見込んで引き取ることに。村からは遠く離れた山上の一軒家です。イーサッキは悪役のように登場しますが、昔かたぎの家具職人で、ニコラスに徹底的に家具つくりを教え込みました。ニコラスも自分の好きなことと合致していたので、みるみる上達していきます。このあたりの2人の様子は、厳しい中にも愛情があふれていて、イーサッキが反転しとてもいい奴として描かれています。

イーサッキとニコライは、親子として生活することなり、ニコライのクリスマスのプレゼント配りにも、イーサッキは付き合うこととなります。親子として生活することを決めた場面、イーサッキの身の上話と、馬の玩具を妹のために沈めてメリークリスマスと祝福しあう場面は感動的で、涙腺が決壊してしまいました。寄る年波には勝てません。

サンタクロースになった少年

時は流れ、村も大きくなり、ニコラスのプレゼント配りは続きますが、人口が増えた村の子供たちへの配布先を教えているのはニコライス親友で、最初に世話になった家族の息子でした。かれも結婚し、娘にニコラスの妹の名前をつけていました。老いたイーサッキが実の息子たちの家に引き取られることになり、イーサッキは今まで、こつこつ貯めた財産をニコラスのために残します。そして、この財産を使って彼は近隣のさらに多くの村へとプレゼントを配るようになったのです。トナカイと赤い服を準備して。

さらに年は経ち、ニコライも老人となっています。親友の娘に助けられながらの生涯最後のプレゼントを配り終わると、妹への最後のプレゼントを残して、トナカイとニコラスは天を翔るのでした...。(号泣)

ハートウォーミングないい話ですし、ストーリーつくりがとてもうまいですね。3世代にわたるサンタクロースのお話が80分の間に展開します。さすが、サンタクロースの故郷と自認するフィンランドです。そういえば、サンタクロース村の郵便局に依頼して、クリスマスにサンタクロースからの手紙を送ってもらったことがありました。

この映画、画面のどこをとっても北欧の美しい情景が満載で、その意味でも見ていて楽しいですし、また、家具作りの場面ではこれが北欧家具の原型なのねと一人で納得しておりました。フィンランドはカウリスマキだけではないですね。当然ですが...
そして、クリスマスの夜はこの映画を観て、家族や友人に感謝するということが出来れば、とてもいいことだと思いました。

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2016年 日本映画・外国映画読者ベスト・テンに応募する(外国映画編)

2016年のベストテン。次は外国映画編です。見た本数を数えると58本。邦画と足すと丁度100本なので、ああ、こんなに見たのかと、感動もひとしお。来年からはこんなに観られないのね。たぶん。
やはり、観た時期が前半に集中している。後半は赴任してしまったし、実際いい作品も前半に多いような気がする。それに結構バラエティの富んでいるので、甲乙付けがたいというか、比較しがたいというか、1位以外は順位をつけるときによって気分でコロコロ順番が変わるだろうという気がします。
さて、順位は....

ジャジャーン!

第10位
ボーダーライン (アメリカ)
国境の町の風景インパクトがありました。デルトロさんがいい演技を見せてくれます。迫力のある映像もお見事でした。

第9位
ルーム (アイルランド カナダ)
脱出劇が中心かと思っていましたが、脱出以降の話にも力点が置かれていました。それで映画全体が厚みを増したような気がします。

第8位
ヘイトフル・エイト (アメリカ)
タランティーノによる娯楽大作。最後まで見飽きません。往年の西部劇の雰囲気も十分。ジェニファー・ジェイソン・リーのグジャグジャなメイクの迫力が凄かったです。

第7位
キャロル (イギリス アメリカ)
とても美しい映画。そして、なんといってもラストのケイト・ブランシェットの表情は素晴らしい。ラストに女性の表情のアップで終わる映画は数ありますが、出色の1本だと思います。

第6位
さざなみ (イギリス)
これも、キャロル同様ラストに余韻を残す1本でした。キャロルが2人芝居なのに対して、こちらは1人芝居。シャーロット・ランプリングは終始名演技の連続で、表情一つですべてを表現してしまう大女優の貫禄がみられました。

第5位
マジカル・ガール (スペイン)
ちょっと壊れた映画です。どうしようもなく運命にみんなはまっていくのですが、出てくる人はみんなかなり異常でした。今年の中でもかなりトラウマを残してしまう映画の一つだと思います。

第4位
すれ違いのダイアリーズ (タイ)
どこがという訳ではないのですが、すごく素直な気持になれる映画でした。水上の学校の風景も美しく取られていて、画面にひきつけられます。チャーマーン・ブンヤサックが美人なのも良かったです。

第3位
ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 (イギリス)
みていて幸せになれる映画。お年を召したレニー・ゼルウィガーも魅力的。相変わらず劇中で体重増減していたように見受けられます。続編まだまだ見たい。しかし、何故パンフレット作らなかったんだい?

第2位
最愛の子 (中国 香港)
葛藤と愛憎と。ストーリーも演技も見事でした。力作で、内容がリアルに迫ってきます。事実としての重さも感じられます。ただし、最後の解説的な部分はいらないと思います。

第1位
エクス・マキナ (イギリス)
これは文句なしの不動の1位です。映像もすごくいい。ほとんど完璧です。ブレードランナーのある種の時代と環境を変えた外伝みたいな感じもしました。素晴らしい!


という訳で、洋画は内容がバラエティに富んでいるので、好みが色濃く出てしまいます。他に10位に入らなかったけれど、印象に残っているものは、「消えた声が、その名を呼ぶ」「禁じられた歌声」「10 クローバーフィールド・レーン」あたりが最後に圏外にしてしまった3つ。どれもインパクトのある映画だったと思います。
さて、本番はどういう映画が選出されるのでしょうか??楽しみです。

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2016年 日本映画・外国映画読者ベスト・テンに応募する(日本映画編)

キネマ旬報の読者ベストテンに投票して見ましょうと、リストから見た映画を探したところ、邦画で42本ありました。上位に入りそうな映画で見ていないのも結構あって、例えば「この世界の片隅に」とか「怒り」とか「淵に立つ」とか。まぁ見ていないのは仕方がないのでそれ以外で選びましょう。

ジャジャーン

第10位
蜜のあわれ
10番目というより、圏外に外したくなかったからということですかね。二階堂ふみの一人舞台。なかなか美しい映画でしたよ。

第9位
何者
これも二階堂ふみですが、佐藤健とか有村架純とかも個性的な演技で良かったです。主人公の性格描写が何か身につまされるようで応えました。

第8位
アズミ・ハルコは行方不明
蒼井優さんですね。パズルのような構成がなかなか良く物語にあっていて、ステンシルの絵も特徴的でアートとしても面白かったです。

第7位
SCOOP !
娯楽作品として痛快でした。壊れたリリーフランキーの怪演が印象的でした。ここでも二階堂ふみさんですね。仕方がないですね。好きで見に行っているので。

第6位
太陽
なかなか重厚な作品でした。ゾンビものということになるのでしょうが、それぞれの社会性がよく描かれていて面白かった。これは門脇麦さんですね。

第5位
クリーピー 偽りの隣人
なかなか素晴らしい構成の、緊張感のあるいいストーリーでした。盛り上げ方や壊れ方がすごくいいと思います。香川照之がいい演技を見せてくれます。

第4位
シン・ゴジラ
今年を象徴する映画の一つではないでしょうか。ダイナミックな展開で、最初のゴジラが戻ってきました。抜群な破壊力です。

第3位
あやしい彼女
ベストスリーの1作目これは素直に面白かった。それほど期待していませんでしたが、笑いというかコメディのツボにはまった感じです。多部未華子が好演です。

第2位
ふきげんな過去
評判はよろしくないようですが、コメディとしても最高ですし、二階堂ふみの不機嫌な演技や山田望叶の怪演が素晴らしい。小泉今日子も頑張ってます。見ていて楽しくて、とても良かったです。

第1位
リップヴァンウィンクルの花嫁
1位はやはりこれですかねぇ。黒木華さん本当にいいですし、綾野剛も熱演してますね。岩井俊二の世界ということになりますが、女性が輝くのは、表面的でなくもっと深いところからの表現によるものでしょうか。りりィさんも存在感抜群でした。ご冥福をお祈りします。

と、まぁこんな感じになりました。 二階堂ふみが四つもあるのはご愛嬌です。入っていない、オオカミ少女と黒王子もちゃんと見てますよ。
涙を飲んで最後の最後でベストテンから外したのは、「アイアムアヒーロー」と「湯を沸かすほどの熱い愛」の2つ。良かったですよこれも。

というわけで、今年の邦画Myベストテンでした。洋画は見ているものが偏っているので、もっと選択が難しそうです。
でわ。(^-^)/





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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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