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「朝までの二夜 (別邦題:愛の部屋、裸の2日間)」 人生を見つめなおす繊細な大人のラブストーリー

Amazonで、面白そうな邦題に目が行きました。こういった思わせぶりの邦題のヨーロッパ映画は、男の目を引くためにつけられていて、実は面白いロマンスドラマや、ヨーロッパテイストのロマコメであることが結構多いので、逆にそれを楽しみに鑑賞です。2015年の映画で、監督はミッコ・クパリネン。フィンランド・リトアニア合作です。日本では「フィンランド映画祭2016」で上映されました。モントリオール世界映画祭にて、監督賞を受賞しています。
原題:2 yötä aamuun (2015)
英題:2 Nights till Morning


あらすじ
建築家のキャロリーヌ(マリ=ジョゼ・クローズ)は、顧客との打ち合わせを終え、仕事を終わらせて翌日パリに帰ることにしました。ホテルに戻り、ロビーで仕事を片付けていると、バンドツアーの一行が気になり、そのリーダーと目が合います。リーダーのヤーコ(ミッコ・ノウシアイネン)は、キャロリーヌに近づき意気投合。町のバーで楽しみ、そのまま二人でヤーコの部屋に入りました。翌朝別れを告げ、ホテルをチェックアウトしようとするキャロラインですが、火山灰のため欧州広域で飛行機が欠航し、帰ることができず、その日コンサートを控えたヤーコの部屋で過ごすことにします。そんなキャロラインに、仕事の電話に加え、パリで待つ彼女のセリーヌ(アルリ・ホベール)から、ひっきりなしに浮気を疑う電話が入ってきます。

ヤーコの部屋で一仕事を終えたキャロリーヌは、ヤーコのリハーサルに付き合うと、夜までの時間をヴィリニュスの街を散歩して過ごし、お互いの経歴や考え方について語り合い、あるいはお互いの考え方に辛辣な意見を述べたりします。そして、部屋に戻り食事に出ようとした時、ヤーコに娘から電話が入り、ヤーコは離婚して娘と暮らし、大切にしていることを話します。しかし、その後キャロリーヌの携帯に、彼女がベッドを共にした男女の写真がたくさん入っているのを見てしまい、二人は仲たがいして、キャロリーヌは自室に戻ると、セリーヌに明日には帰ると連絡。状況を勘づいていたセリーヌは、自分の意思で帰って来て欲しいと告げます。

ヤーコのことが気になるキャロラインは、ヤーコのコンサート会場に向かうと、会場に招き入れられ、楽屋で再会。キャロリーヌは、男女の写真について、朝になって裸で誰かの隣で起きると自分が嫌になり、戒めの為に撮っていると語り、ヤーコはホテルの概念はそこにいた人の痕跡を消してくれると語り、二人でヤーコの部屋で最後の夜を過ごしました。翌日、ヤーコは次のツアーが開催されるドバイに向かい、キャロリーヌはパリに戻るためにそれぞれ空港に向かいます。キャロリーヌの飛行機が遅れ、再びヤーコと出会い、お互いの心を求めて抱き合います。そして、パリ行きの飛行機への搭乗を逡巡するキャロリーヌは、セリーヌに電話で別れを告げると、再び空港を出ていくのでした。



朝までの二夜

仕事に打ち込む生活を送りながら、ある程度の年になってしまい、定まらない生活を続けている二人の男女のラブストーリーです。社会に対しても、男女関係に対しても、思う事がたくさんある年代です。それは、お互いに惹かれ合っていく中でも、今までの観念や行動が邪魔をして、対立してしまう事もしばしば。そして、自分を素直にさらけ出せない二人の事実は、少しづづヴェールがはがれるように露見していきます。そのあたりの、繊細な心の動きの展開がとても素晴らしい映画でした。最後に空港で見つめ合い抱き合う二人は、本当に自分をオープンに出来た瞬間のように思えて感動的です。

キャロリーヌは、セリーヌという彼女と過ごしながら、異なる男あるいは女とベッドを過ごすこともしばしばのようです。セリーヌはそれを知っていて、キャロリーヌが戻ってこないことにヤキモキします。ヤーコは、ホテルを転々とする日々。ホテルという概念を気に入っているようですが、それも娘の為に頑張りたいという気持ちがあっての事。ある程度の年になって、浮草のような生活を続けて、頑なになり、かつ不安を抱える二人です。小技もステキで、英語が判らないフリをして付き合い始める導入や、飛行機が遅れて、本来搭乗している時間にセリーヌに電話してしまい悟らせてしまうところなど、うまいと思います。

主演のマリ=ジョゼ・クローズは、カンヌ女優。貫禄の演技で、微妙な心理を表現しています。いろいろなヨーロッパ映画に出演していますが、実力派ですね。ミッコ・ノウシアイネンは初めて見ますが、なかなかイケメン。しかし、演技は素晴らしかったと思いました。こういう繊細な映画は、やはり演技が素晴らしいことが条件です。すっとあらすじを言葉で書いても、その機微は伝えられないと思いますが、静かでアンニュイな雰囲気を持つ、二人の異国の地で出会う恋の映画。設定もいいですし、いい雰囲気を味わえるのでお勧めです。

2021.1.24 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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「サンタクロースになった少年」クリスマスイヴに見る感動秘話

クリスマスイヴの日GAYO!で「サンタクロースになった少年」が配信されていました。ファミリー向けの映画かな?と思いつつ、80分程度と適当な長さだったので、とりあえず見る事にしました。最近あまりこういう童話的な映画はみないし、見ても寄る年波に、あまりひびかなくなっていたので、それほど期待していなかったのですが...。
原題は、「Joulutarina」。邦訳では、「クリスマスの物語」となります。

あらすじ
クリスマスの夜に両親と妹アーダを事故で亡くしたニコラスは村の6つの家族と1年ずつ暮らすことになる。そして、毎年クリスマスになると次の家に移るニコラスは、世話になった家の子供たちのために手作りの玩具を贈るようになった。
6年目になり、村の家族を一巡したニコラスだったが、不作と不漁でどの家も再びニコラスを引き取れる状態になかった。 すると、、村に来て家具を売り歩いている家具職人のイーサッキが、働き手として引き取ることになった。 子供嫌いのイーサッキは、ニコラスにも厳しくあたるが...。



ニコラスが父母と妹をなくし、孤児となる場面から始まりますが、はやくもやばいです。涙腺が緩みそうな予感。ニコラスは6つの家族を転々とし、実父母の家にいた時から好きだった手製の玩具作りを活かして、毎年クリスマスに世話になった家族の子供たちにそっと木製の玩具を配っていました。そして、一個は氷の下の妹のために、湖に沈めます。

6年が経ち、最初はニコラスの引き取り手が無かったら口減らしをすればいいじゃないかと憎まれ口を叩いていたイーサッキが、ニコラスの素質を見込んで引き取ることに。村からは遠く離れた山上の一軒家です。イーサッキは悪役のように登場しますが、昔かたぎの家具職人で、ニコラスに徹底的に家具つくりを教え込みました。ニコラスも自分の好きなことと合致していたので、みるみる上達していきます。このあたりの2人の様子は、厳しい中にも愛情があふれていて、イーサッキが反転しとてもいい奴として描かれています。

イーサッキとニコライは、親子として生活することなり、ニコライのクリスマスのプレゼント配りにも、イーサッキは付き合うこととなります。親子として生活することを決めた場面、イーサッキの身の上話と、馬の玩具を妹のために沈めてメリークリスマスと祝福しあう場面は感動的で、涙腺が決壊してしまいました。寄る年波には勝てません。

サンタクロースになった少年

時は流れ、村も大きくなり、ニコラスのプレゼント配りは続きますが、人口が増えた村の子供たちへの配布先を教えているのはニコライス親友で、最初に世話になった家族の息子でした。かれも結婚し、娘にニコラスの妹の名前をつけていました。老いたイーサッキが実の息子たちの家に引き取られることになり、イーサッキは今まで、こつこつ貯めた財産をニコラスのために残します。そして、この財産を使って彼は近隣のさらに多くの村へとプレゼントを配るようになったのです。トナカイと赤い服を準備して。

さらに年は経ち、ニコライも老人となっています。親友の娘に助けられながらの生涯最後のプレゼントを配り終わると、妹への最後のプレゼントを残して、トナカイとニコラスは天を翔るのでした...。(号泣)

ハートウォーミングないい話ですし、ストーリーつくりがとてもうまいですね。3世代にわたるサンタクロースのお話が80分の間に展開します。さすが、サンタクロースの故郷と自認するフィンランドです。そういえば、サンタクロース村の郵便局に依頼して、クリスマスにサンタクロースからの手紙を送ってもらったことがありました。

この映画、画面のどこをとっても北欧の美しい情景が満載で、その意味でも見ていて楽しいですし、また、家具作りの場面ではこれが北欧家具の原型なのねと一人で納得しておりました。フィンランドはカウリスマキだけではないですね。当然ですが...
そして、クリスマスの夜はこの映画を観て、家族や友人に感謝するということが出来れば、とてもいいことだと思いました。

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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