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「ファースト・コンタクト」 フェイクドキュメンタリースタイルの本格SF

ちょっと面白そうなSF映画があったので、なんとなく見始めました。フェイク・ドキュメンタリーの手法を使った映画で、見せ方が目新しい映画のようで、楽しみです。監督は、ハズラフ・ドゥルール2017年の映画です。
原題:The Beyond (2017)

あらすじ
スペースエージェンシーの所長、ジリアン(ジェーン・ペリー)は、自宅で広報用の取材に応じている時、異常事態が発生の連絡を受けました。国際宇宙ステーション付近に謎の物体が発生、活動中の宇宙飛行士のジム・マルセル(ウェス・ナイキ)が行方不明になってしまいます。エージェンシーではチームを編成して対応。ジリアンは物体を「ヴォイド」と名付け、ヴォイドから出てくる電波が1420MHzであることから、生命体の可能性が示唆されます。ジリアンは無人探査機を送り、ヴォイドにワームホールがあることを発見。その先に惑星らしきものがあると判明しました。ジリアンは、ワームホールへ飛行士を送りたいと発言。その頃から、ヴォイドから無数の黒い球体が地球へと向けて放出され、ヴォイドから不可視波が発生し始めます。

黒い球体を脅威と認識し、国防機関からも連絡が入りますが、飛行士の派遣が困難だと答えると、ヒューマン2.0という、人工ボディーに人間の脳を移植するプロジェクトの存在を知らされます。最後の望みをかけて片道切符の候補者を選考し、専門医のクレス(エズラ・カーン)によって脳移植された青年は、拒絶反応を起こして死亡。さらに改良を加え、親和性が高い人物をスタッフの中から選ぶことになり、適合したのはヴォイドを良く知る宇宙論学者のジェシカ(ノーリーン・カミスキー)でした。ジリアンは彼女に直接打診し、ジェシカは悩んだ結果、ジリアンに家族を頼み、脳移植へと挑むことになります。そして、移植は無事に完了。ジリアンとチーフのアレックス(ナイジェル・バーバー)は、彼女と言葉を交わし、ジェシカはボディーの動きに慣れるための訓練を始めました。

宇宙船はジェシカ2.0の他にソルジャー2.0も搭乗し、ヴォイドへと侵入しますが、ソルジャーは排除された後、ワームホールの向こう側へと抜けていきます。その5日後、ジェシカを乗せた宇宙船が帰還。意識を失っているジェシカの脳内を分析し、解析を開始しました。すでに地球を覆う黒い球体が活発化し、警戒は最高レベルへと引き上げられていました。やがて意識を取り戻したジェシカは、ヴォイドを経て惑星へ到着し、地球外生命体とのファーストコンタクトを語ります。そして、行方不明になっていたジム・マルセルもそこに出現したのでした。間もなく、大量のデブリが太陽系の外部軌道の衛星を破壊し、地球へと降り注ぎます。同時に黒い球体が、地球を包むように網を張りはじめ、地球は脅威から守られたのでした。彼らは地球の紹介映像から、人類が救済に値すると判断したのです。彼らは仕事が終わると地球を去り、後日ジムもアリゾナ砂漠で発見されました。

ヴォイド消失後、地球の軌道上に新たな惑星が生まれました。それは人類とって理想的な惑星で、アース2と呼ばれ、さっそく移住計画が立てられ、1年後、初めての有人宇宙船がアース2へ向けて打ち上げられました。最初に乗り込んだのは全員がヒューマン2.0。彼らは将来の人類の移住に向け、アース2で準備作業を進める為に向かったのでした。



ファースト・コンタクト

フェイクドキュメンタリーで表現されたSF映画です。インタビューシーンを中心に、あたかも宇宙エージェンシー製作の記録映画として構成されています。見せ方は斬新ですが、内容は古典的なSF。かなり既視感のある本格SFストーリーです。このストーリーの雰囲気は、アーサー・C・クラークの著名なSF小説を想い出します。忘却の彼方に行ってしまいましたが、絶対同じような小説があったぞという印象でした。もちろんそれは、普通のSFで、フェイクドキュメンタリーではありませんが…。ついでですが、原題のビヨンドからは、ルチオ・フルチを連想してしまうのは私だけでしょうか…。ちょっとトラウマの題名です。

ストーリーは、スペースエージェンシーという研究施設のドキュメンタリーで、民衆の動きなどはあまり描かれていませんが、普通の映画にしたら、そちらの方もかなりメインになって来るのでしょう。そういった意味では、一面的な部分を切り取ったという感じがしないでもありません。いろいろと広がりのあるテーマだと思いました。最後のアース2は余計だと思いました。ジェシカが先鞭をつけたヒューマン2.0がここしか出てこないので、そういう意味では必要かもしれませんが、それ以外は蛇足に感じます。

この映画を見ながら、ドキュメンタリーを演技するのはどういうもの何だろうと考えていました。普通に演じればそうなるという訳ではなく、それなりの演技の仕方だと思いますが、普通の映画のようなアクションは控えめになっていると思います。そうしてみれば、普通の映画は、かなりオーバーアクションになるのかなぁなどと他愛もなく考えていました。試みとして面白いと思いましたが、ストーリー展開的には一部の事象が重点的に描かれる分、サイドストーリー的になって、全体感は少々薄くなったのかなというのが感想です。しかし、古典的な本格SFストーリーを体験できたので良かったと思います。

2020.7.9 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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「スラムドッグ$ミリオネア」 スラムからの躍動的な成長記

名画を見る8月その12。「スラムドッグ$ミリオネア」は、アカデミー作品賞含む8部門受賞。その他英国アカデミー賞やゴールデングローブ賞を始め、たくさんの賞を受賞しています。2008年の映画で、ダニー・ボイル監督の作品です。
原題:Slumdog Millionaire (2008)

あらすじ
ムンバイのスラム街に育ったジャマール・マリク(デヴ・パテル)は、クイズ番組のミリオネアに出演。正解を連発し、あと一問正解で最高額獲得となった時、時間切れで番組は翌日に繰り越されます。そして、不正を疑われ警察に拘束され拷問を受けると、釈明の為、自分の生い立ちを語り始めました。

ジャマールは、幼い頃に暴動で母親を失い、兄のサリーム(マドゥル・ミッタル)と共にスラムを抜け出し、途中で出会った少女ラティカ(フリーダ・ピントー)と一緒に生活を始めます。ゴミ処理場で、ママン(アンクル・ヴィカール)一派の男たちに誘われ、保護施設で男たちの金儲けのために、失明されそうになったところを、3人は逃亡しますが、ラティカが取り残されてしまいました。その後、ジャマールたちは、各地を転々としながら、路上で日銭を稼ぐ生活を続けながらも、ラティカのことが頭から離れず、ムンバイに戻ってラティカを探し始めます。ようやくラティカを見つけ、連れ出そうとしたところで、ママンたちが戻り、サリームは手に入れた拳銃でママンを撃ち殺し、金を奪って逃亡しました。

サリームはその後、ムンバイのギャングのボス、ジャヴェド(マヘーシュ・マーンジュレーカル)の手下となり、ラティカも奪ってジャマールを追い出してしまいました。ジャマールはその後、コールセンターの茶くみとして働いているとき、会社のコンピュータでサリームの連絡先を調べ再開。その後、彼の後をつけたジャマールは、ジャヴェドの情婦となっているラティカを見つけ、一緒に逃亡しようとしますが、サマールやジャヴェドの配下たちに奪い返されてしまいます。そして、ジャマールは再びラティカを見つけ出すために、彼女がよく見ていた「クイズ$ミリオネア」に出場したのでした。

クイズの問題は偶然にもこれまでの人生の中で知りえた知識が連続。司会者プレーム(アニル・カプール)の仕掛ける罠も交わし、正解を連発します。警察も不正はないと認定し、翌日の番組に復帰。スラム出身者が億万長者という話題に、インド中が注目していました。テレビで見ていたサリームは、ジャヴェドが席を外した隙に、ラティカに対して今までのことを詫び、自分の携帯を渡して彼女を逃がします。最終問題でテレフォンを使用したジャマールは、唯一知っている兄の番号に掛けると、出たのはラティカ。ラティカは答えられませんでしたが、声を聞いて満足したジャマールは、最後の問いに勘で答えて大正解。見事二千万ルピーを獲得しました。しかし、ラティカが電話に出たことを放送で知ったジャヴェドはサリームを疑い、サリームはジャヴェドを撃ち殺すも、配下の者に殺されてしまいました。ジャマールはその後ラティカとの再会を果たし、ようやく二人は結ばれたのでした。



スラムドッグ$ミリオネア

クイズ番組をベースにした映画で、どうなるのだろうと、期待半分、不安半分で見始めましたが、いきなり拷問とスラム街が登場して、そのギャップに驚きました。スラム街の描写はなかなかリアル。トイレネタは、トレインスポッティングにもあって、監督の趣味なのかなと…(笑)。そして、兄弟とラティカの生活と成長の姿が大変躍動的に描かれていました。生きるためには何でもやってきたという感じが出ています。それは、この二人だけでなく、皆がそうなのでしょう。そして、元々乱暴なところのある兄でしたが、弟たちを助けるために発砲したところから、彼の人生は狂っていきます。

その後は、大人にもなり無茶せず生活していくジャマールですが、ラティカのことになると、思い切った行動に出るようになっていきました。このあたりからラブストーリーの様相が濃くなっていきます。ジャマールのことを思いやって、ちょっと抑制的な対応をするラティカですが、成長の中であった、いろいろな苦労がそうさせているのでしょうか。そして、最後のクイズとともに、これまでの事が一気に清算されました。見事です。すでにさっぱりした気持ちになって、当てた二千万ルピーはこれまで苦労してきたことのご褒美で、インド中にちょっと夢を与えました。最後もインド風にまとめていてお見事です。

「これがインドだ」という表現は面白かったのですが、劇中にもあったように、インドの成長は目覚ましいと思います。私が出張によく行っていたのは、1996年。そして、2010年代になって久しぶりに行ってみると、変わりように少々驚きました。映画は、クイズ番組と物語の組み合わせがうまく噛み合って、見事だと思います。そして、クイズの進行とともに、テンポよく進んでいき、目が離せません。ラストもしっかり決まって、冒頭の場面や三銃士が戻ってきて、綺麗に完結します。素晴らしい構成です。そして、インドお約束のダンスは最後に登場。大団円となりました。満足度の高い、楽しいエンターテインメントだったと思います。

2020.8.11 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「アバウト・タイム 愛おしい時間について」 反則でしょう…

ちょっと人気の高そうな映画があったので、ドラマかな?、ロマコメなのかな?と思いつつ見始めました。2013年の映画で、監督はリチャード・カーティスです。

あらすじ
ティム(ドーナル・グリーソン)は、コーンウォールに住む青年で、父(ビル・ナイ)、母(リンゼイ・ダンカン)、叔父のデスモンド(リチャード・コーデリー)、そして、奔放な妹のキャサリン(リディア・ウィルソン)と暮らしていました。21才になった時ティムは、父から一族の男にはタイムトラベルの能力があると教えられ、それは自分の過去にしか行くことはできず、またこの能力は、金儲けではなく、理想の人生を送るために使えと諭されました。その夏、妹の友達のシャーロット(マーゴット・ロビー)が休暇を過ごしにティムの家に滞在した時、恋に落ちたティムは、その能力を使ってみましたが、シャーロットの心をとらえることはできませんでした。

ティムはロンドンで働くようになると、友人と行ったレストランでメアリー(レイチェル・マクアダムス)と出会い意気投合しました。ところが、電話番号を教えてもらったものの、その後のタイムトラベルのおかげでメアリーと出会わない世界に進んでしまってしまいます。メアリーがケイト・モスのファンであったことを思い出して、写真展に毎日通い、ついにメアリーと再会しますが、この時のメアリーにとっては初対面で、変な人に思われてしまいます。メアリーには恋人がいることを知ったティムは、二人が知り合った時と場所にタイムトラベルし、二人の出会いの前にメアリーを連れ出すことに成功。ついに結婚にこぎつけました。

やがて娘ポージーが生まれ、幸せな日々を送っていましたが、妹のキャサリンが事故を起こしてしまいます。ティムは過去に戻って問題を解決し現在に戻ると、子供がポージーではなくなっていました。ポージーが生まれる前に戻った事が原因と判り、ティムは妹の過去を元に戻し、事故後の妹の人生をサポートすることにします。妹の人生は好転し、二人にも第二子が授かりました。そして、父が亡くなると、父の元気な頃にタイムトラベルを繰り返すようになります。その頃、メアリーに三人目の子供が欲しいと言われ、新しい子供が産まれると、もう二度と過去に戻って父と会うことができなくなるため躊躇しますが、父の望みは未来だと感じたティムはメアリーに同意。出産直前に、父に会う最後のタイムトラベルを行い、涙と共に別れを告げました。メアリーは無事出産し、妹も母となって、ティムは毎日を一度だけ過ごし、二度目であるかのように楽しんで生きていくのでした。



アバウト・タイム 愛おしい時間について

前半はロマコメ、後半は家族の物語と、二部構成になっているお話でした。二人があまりにも早くゴールインしてしまったので驚きましたが後半がありました。しかし、そもそも何回もやり直しがきくのは反則ですよね。ゴルフでもいいスコアが出そうです。コースの茶店に行った時に、大たたきした原因のポイントに戻る。セックスと同じで疲れるかもしれませんが…。でも、ゴルフの場合、何度やっても同じスコアになるかもしれません。きっとそういうものなのです。まぁ、ある意味人類の夢を引き合いに、いま生きることの大切さを表現した映画だと思いました。

過去に影響しない様に子供の頃に戻るとか、そんなのもアリか?と思いましたが、こういう映画なのであまりとやかく言うものでもないのでしょう。それまでに見る側に十分感動させておけば、こういう内容でも受け入れられるのかな?と思いました。そういう風にして作られた家庭ですから、ある程度は理想に近いものになるでしょうね。したがって、今生きることが大切と言われても、そんな能力を持った人に言われても実感がわきません。

とはいいつつ、レイチェル・マクアダムスが最高です。これも役柄が理想の奥さんみたいな感じで、あまりに敷居の高さを感じてしまうのではありますが、映画なのでそういう理想をきれいに可愛く見せてくれると、映画をみるのは楽しいネ…。と思ってしまいます。ところで、彼女にしても、マーゴット・ロビーにしても、出会った(再会した)その日に、部屋まで男を入れようとしてしまうのですね。これが自然なのかな??

2020.4.12 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「インターセプター 地底迷宮のデスレース」 地雷注意!

何か軽く見てみようと思って、漠然と見始めたのが良くなかったようです。なかなか行き当らないような地雷を踏んでしまいました。ということで、2016年の映画で、イギリス作品。監督はチャーリー・スティーズという人です。IMDbの評価は、星一つの人が47%を占めているという快挙(笑)。
原題:Deadman Apocalypse (2016)

あらすじ
太陽の膨張の影響で気温が上昇し、水も枯渇し地上は灰塵と化した近未来。地下のトンネルを探索に来た少人数の兵士の部隊は、そのトンネルに生息する異形のものによってとらえられます。そして、時は流れ…。

その地下坑道に君臨し、手下を顎で使いながら暮らすラムセス(バーリントン・デ・ラ・ローシュ)。その坑道の奥深くで、少年がボロボロの姿の男と出会いました。ジャック(コスタ・チャード)と名乗るその男は、かつて恋人のアルバ(ケイト・マリー・デイヴィズ)や仲間たちと、水を求めて坑道の探索に来て、迷って以来ずっと住み着いている元兵士でした。その少年テグ(ディラン・カーティス)は、アルバの息子で、ラムセスは彼女を幽閉し、その子供を育てているのでした。ジャックは、テグに案内されラムセスの元へと向かいます。

ジャックはラムセスに出会うと、口論の末にアルバを解放させ、二人でその場を逃げますが、ラムセスは手下たちに、生け捕りにするよう命じます。そして、狭い坑道の中でカートのような車両でのカーチェイスが始まりました。再び捕えられたジャックとアルバに、ラムセスはすごみますが、テグの協力で武器を取り戻して再び脱走。アルバはテグが自分の息子だとジャックに告白します。アルバとテグを先に逃がしたジャックは坑道に火を放ち、ラムセスと決着をつけるために再び戦いに挑みました。

ラムセスとの戦いを制したジャックは、逃げる方向に火を放っていたため脱出出来なくなっていました。一方アルバたちは外に脱出すると、そこは灼熱の世界などではなく、緑豊かな森の中の小道でした。彼らは近くの村の住民に出会うと、そこで暮らせると聞いて村に向かうことにします。するとテグの前になんとか脱出してきたジャックが現れ、テグに自分は行かないと語り、アルバたちを陰から見送るのでした



インターセプター 地底迷宮のデスレース

まぁ、時々変な映画に手を出して地雷を踏むことはあるのですが、これは一生に何度もない最大級な地雷でした。主義主張が全く合わない映画というのも地雷ではありますが、この映画はあまりにも低予算過ぎてショボ過ぎる…。IMDbによると、当初予算が1500ポンドとか…。それでも世に出して、まったく映画中に登場しないような場面の素晴らしいジャケを作って、DVD化して販売するするところなど、ちょっと勘弁という感じでした。

一番の衝撃は、地下に逃れた人類が作った地下迷宮の洞窟が、上下左右スノコ貼りでできていること。10年の時の経過が流れたといいながら、全部真新しいスノコ。最近全部張り替えたんでしょうか?そんなセイゼイ1メートル四方くらいの空間で追いかけっこをするのに、銃を撃っても全然当たらない。わざと外しているなら相当な腕前です。敵ボスの行動も穴だらけで支離滅裂。真面目にストーリーに付き合えません。ダイナマイトの爆発範囲がショボいのですが、これはまぁ、坑道の中ですから、このくらいで丁度いいのでしょう。

そして、敵ボスを倒すとき、洞窟のスノコに火をつけるのですが、なんで逃げる方向につけるのですか?自ら退路を断ってもしかたないと思います。(後で考えると、自分がやられてもラムセスからアルバを守るためか?)外に出たら、何かっこつけて合流しないのでしょう。意味が解りません。それに、外に出てから意味もなく講釈ばかりで長い。もういい!早く終われ!とヤジりたくなります。こんな映画も、思い切りDVD化されるのですね。いやまぁ、それはよくあることですので、そういう事実を教えていただいて感謝しましょう。見た方が悪いのです…。いいところを無理に探せばあるのでしょうが、甘えると困るので止めておきます。

2020.4.12 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「スパイ・ミッション シリアの陰謀」 手ごろなスパイ映画

手ごろなアクション映画ではないか?ということで、直近でAmazonの無料動画に出た中から見始めました。スパイ映画は、それほど積極的に見る方ではないですが、見始めるとアクションや二転三転するストーリーが楽しめます。2017年の映画で、イギリス製作。ダニエル・ゼリック・バークの監督です。
原題:Damascus Cover (2017)

あらすじ
ベルリンの壁崩壊の頃、ハンス(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、シリア側に寝返ったスパイを射殺し、組織のリーダーのミキ(ジョン・ハート)に会いにイスラエルへ向かいました。与えられた次の使命は、シリアにいる「エンジェル」の救出です。その頃シリアでは、将軍(イガル・ノール)が捕虜の交換の手はずを整えていますが、実権を握り台頭してきたサラージ(ナヴィド・ネガーバン)が妨害し、交換は成立しません。ハンスはシリアに商人として侵入する途中で、アメリカ人ジャーナリストのキム(オリヴィア・サールビー)と出会い、やげて彼女はハンスのベッドで過ごすようになります。そして、救出作戦を手はず通り進めていたところで、ハンスは襲撃を受けてしまいました。彼は常にマークされていたのでした。

ハンスは監視下で動きが取れなくなり、緊急コンタクト先の仲間をたずね、今回の作戦の本当の目的は、サラージを失脚させることだと知らされます。自分が一つの歯車のように扱われていたと憤るハンスは、さらに、シリアの手下であるキムを、始末するようにも言われました。その頃、サラージはキムに会い、ハンスから「エンジェル」について情報を得るように、言い含めていました。ハンスはホテルを襲撃され、キムを連れて逃げると、途中でキムの正体を見破っていると話し、それでも一緒に逃げると話します。そして、コンタクト先に着くとシリア側の追手が現れ、仲間がキムの裏切りだと言って彼女を射殺。ハンスは敵の前に崩れ落ち、シリア側に拘束されました。

収容所に入れられたハンスは、将軍の前に呼び出されます。将軍はハンスに事の次第を語りました。将軍が「エンジェル」で、今までミキとはいい関係を続け、困難な状況の中で、無駄な死を避け、敵ながらお互いに交渉しあってきた仲間だと。そして、キムは無実であり、サラージは「エンジェル」を逃亡させたことで辞表を提出。この国の為にもサラージが権力を握るのは良くないと。そして、将軍はミキに電話し、顛末を伝えると、ミキは友人からの電話の様に応対するのでした。



スパイ・ミッション シリアの陰謀

スパイ映画で、設定はベルリンの壁崩壊の頃の、イスラエルとシリアのスパイミッション。スパイ映画ということで、複雑な設定を頭に入れつつ、登場人物を誰をも疑いながら、先入観をもって鑑賞します。もちろん、いかにもという形で登場する、アメリカ人ジャーナリストの彼女が思い切りフラグが立っていて、どういう役割で、どんな活躍をするのか、というのが興味があるところ。全体的には堅実な展開で、派手なアクションがある訳ではありませんが、緊張感も持続し、かなり楽しめました、

イスラエルとシリアのボスは敵対関係にありながらも、お互いうまく収めるためにトップは戦友のような関係。その中で、一人のスパイとして行動する主人公が、自分の立ち位置な何なのか悩み始める。一方、シリアで頭角を現してきた、狡猾なサラージを失脚させるため、シリアのボスはイスラエルのボスと連携していたという内幕。緊張関係にありながらも、お互いの組織の維持の為、連携してバランスを保っているというオチでした。

ヒーローもヒロインも普通っぽいところが、スパイ映画としてちょっとリアル感があります。その分、アクション派控えめといった感じでした。物語は全体的にはしっかりしていて、好感が持てるものだったと思います。ヒロインのオリヴィア・サルビーがなかなかいい感じでした。登場の仕方は少々強引ではありましたが…。

2020.4.26 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「家族の波紋」 絵に描いた様な風景の中での家族の葛藤

いかにも、ヨーロッパの静かなドラマの雰囲気を醸し出しているような、ジャケットであり邦題です。ということで、少し構えて鑑賞しました。イギリス製作の作品で、2010年の映画。監督はジョアンナ・ホッグです。
原題:Archipelago → 「群島」といった意味です。

あらすじ
エドワード(トム・ヒドルストン)は、エイズ対策のボランティアで、約1年のアフリカに滞在を前に、母のパトリシア(ケイト・フェイ)と、姉のシンシア(リディア・レオナルド)と、旅立ち前の家族旅行として、シリー諸島の別荘にやってきました。住み込みの料理人のローズ(エイミー・ロイド)が現れると、感謝するエドワードですが、姉から使用人に気遣いしすぎる必要なないと言われます。そして夕食では、普通に仕事をするべきと意見され、心穏やかではありませんでした。次の日、母と姉の絵の指導役として画家のクリストファー(クリストファー・ベイカー)が現れ、歓迎しました。次の朝、家族にクリストファーやローズも加えてピクニックを楽しみ、思い思いに会話をして過ごしました。

エドワードは時間があればローズに声をかけ、親しくなろうとします。そして、難色を示す母と姉を押し切って、ローズを食事に誘いましたが、そもそも気に入らなかったシンシアは、料理の件でシェフにクレームし、険悪な雰囲気になってしまいます。エドワードは途中で席を立ち、家に帰った母は、父に早く来るように連絡します。そして次の日も、クリストファーやローズとの会話を楽しみながら、過ごしていきました。しかし、夕食の会話になると、相変わらず気まずい雰囲気は続き、エドワードの恋人との話になって、またしてもシンシアは口論になって切れてしまい、食事中に席を立ってしまいます。母は、娘の態度をクリストファーに謝罪し、戻ってきた姉は、自分のことも気遣ってほしいと母に喚き散らしました。母は、一向に来ない父に、これ以上耐えられないと電話しました。

外で絵を描いているクリストファーに話しかけたエドワードは、強い信念を持つべきだと励まされました。別荘に戻ったエドワードは部屋に閉じこもると、落ち着いてきたので、シンシアに謝罪し食事の時間を知らせます。母は、結局来ない父に切れて、興奮しながら食卓に着いたため、シンシアとエドワードは気遣います。エドワードは旅立つ前の日にローズと親しげに会話を交わしましたが、ローズはそのままメモを残して別荘を去り、翌朝、エドワードはショックを受けました。そして、クリストファーと再び話をし、自分の道を信じて進むよう助言されました。その後、クリストファーは、家族たちと別れを惜しみ、その場を去っていきます。一行は、別荘を着た時の状態に戻し、休暇を終えて、シリー諸島をあとにしたのでした。



家族の波紋

シリー諸島で、絵のような風景の中で、画家が絵をかいています。そこから物語は始まりました。母と姉と弟の3人の家族。父親は後から合流する予定の様です。そして、滞在中に母と姉に絵を教える画家。住み込みの料理人のローズ。弟がアフリカにボランティアに1年間旅立つ前に家族旅行で2週間滞在するようです。上流階級の家庭で、あくまでもそれらしく振舞うべきと考える母。現実的な姉。自信なげで、進路に迷いがある弟。弟はローズが気に入って、しきりに一緒にいようとしますが、母も姉も明らかに身分の違う人間に対する、冷めた対応をしています。そんな中で家族の感情の微妙なずれが始まり…。

絵が美しいといいますか、絵画の中で人が動いているイメージでした。カメラは風景や背景に固定され、その中を人が動く。会話も固定したカメラの中で行なわれます。会話する人をアップにするのはラストの画家の語りの部分だけだったと思います。目新しい手法でした。家族の中のすれ違いや、居心地の悪さは、自分でも身に覚えがあるようなものです。テレビもスマホも登場しない別荘での、人との会話だけで過ごす2週間。今では体験できないようなことですが、この様な状況でこそ、人間力が鍛えられるなぁと思いました。

エドワードが好意を示しても、役目が終わればあっさり消えてしまうローズは、階級社会での身の振り方をわきまえています。そんな大人の行動が要求される2週間。エドワードにとっては一つの成長があったのかもしれません。裕福そうで羨ましくも見える、上流階級の日常を切り取った一コマ。堅苦しい作法を、エドワードもシンシアも身につけていくのでしょうか。最後まで、淡い絵画のような画面が見事でした。

2020.4.14 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「第3逃亡者」 ヒッチコックの逃走劇で、原作はJ・テイ

アルフレッド・ヒッチコックのイギリス時代の映画の鑑賞です。1937年の映画で、原題は、Young and Innocent。原作はジョセフィン・テイのミステリーである、「ロウソクのために一シリングを」です。

あらすじ
女優クリスティン(パメラ・カーメ)は、夫のガイ(ジョージ・カーゾン)から浮気の疑いをかけられ、翌朝、死体で浜に打ち上げられます。発見したのは、被害者と顔見知りのロバート(デリック・デ・マーニー)で、通報しようと駆け出したところを見られたロバートは、犯人と疑われ、逮捕されてしまいました。そして、凶器は彼のコートのベルトだったのですが、ロバートはコートは盗まれたと主張します。そして、取り調べ中に失神し、来合わせた警察署長の娘エリカ(ノヴァ・ピルビーム)に介抱されました。裁判の日に起きた混乱に乗じて脱出したロバートはエリカの車に隠れ、疑いを晴らすため、なくしたコートを二人で探しに行きます。

コートを無くした酒場で、ウィル(エドワード・リグビー)という男が持って行ったとの証言を得て、ウィルの居場所に向かう途中、近くのエリカの叔母の家に立ち寄ったため、検問にひっかかり、二人とも追われる身となります。そして、ウィルの定宿にのりこみ、ウィルを連れだすと、エリカの車で逃走。ウィルからコートを奪い返しますが、ベルトがついていませんでした。隠れた廃坑の中で、エリカは逮捕されてしまい、ロバートは逃走しましたが、手がかりもとぎれてしまいます。軟禁されているエリカを訪れたロバートは、ホテルのマッチがコートのポケットにあったことを知り、ホテルに向うと、警察に連行される寸前に、ホテルで演奏する楽団の、黒人に扮装したドラマーか失神。応急処置をしようとしたエリカは、真犯人の特徴を発見し、犯人は自白したのでした。



第3逃亡者

第3逃亡者とはなんぞや?という感じですが、命名者に聞いてみたいと思いました。純粋な興味で…。さて、印象としては、ミステリーというか、サスペンスの筋立てがかなり大味なので、サスペンスに期待すると、ちょっとがっかりするという感じだと思います。ハラハラする場面もそれほど多くはありません。警察の行動もかなり緩いです。時代性かもしれませんが…。関係者の発言も、今の常識とは違って、かなりまどろっこしいというか、のんびりしている感じです。

とはいっても、展開は十分引き付けるものがありました。まず、冒頭の二人の場面が良かったです。これで引き付けられます。そして、1.5往復ビンタが登場します。おおっという感じ。波間に腕が伸びているので、生きているかと思いました。そして、あんなに全力疾走すると、さすがにおかしいですね。という冒頭でした。ストーリーは、ラブストーリーを絡めながら話が展開していきます。何かこう、確実なヒントを見つけて絞り込んでという訳でなく、かなり運任せなのが弱いところです。犯人も自滅です。

ヒロインのノヴァ・ピルビームについては、良く知らなかったのですが、ヒッチコック監督の「暗殺者の家」にも出演していたようです。引退は早かったのですが、95歳まで長寿を全うされた方のようですね。原作の作家のジョセフィン・テイは、初期のハヤカワ・ミステリを思い起こさせる懐かしい名前です。これで、イギリス時代の後半の作品はだいたい見た感じなので、前後の作品に進んでいきましょう。どの映画を見ても、すんなりと映画の中に入っていけるので、楽しく見ることができます。まだまだ楽しみが多いのです。

2020.5.26 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「サボタージュ(1936)」 二転三転のヒッチコックサスペンス

ずいぶん久しぶりにアルフレッド・ヒッチコックの作品を見ます。おそらく、このブログを始めたころに見た「めまい」以来。ずいぶんと間が空いてしまいました。この映画はイギリス時代の作品で、1936年の映画で、ゴーモン・ブリティッシュにより制作されました。原題も同じくSabotageです。

あらすじ
ある日、ロンドンの町が停電になり、当局は破壊工作によるものと断定、復旧にはそれほど時間がかかりませんでした。停電のさなか、映画館主のヴァーロック(オスカー・ホモルカ)は、映画館裏の自宅に戻り、手の砂を洗い落とします。彼が破壊工作の実行犯なのでした。隣の八百屋には、店員になりすました刑事スペンサー(ジョン・ローダー)が監視しており、停電中にひそかに戻ったことを確認します。そんな中、発電所への工作が、大きな成果を上げなかったことから、ヴァーロックは、ピカデリー・サーカスに時限爆弾を仕掛けるという指令を受け、爆弾の入手先を教えられます。

爆弾は、小鳥屋の主人が作っており、ヴァ―ロックの家に、爆発時刻のメモと共に、鳥籠に入れた爆弾が届けられました。そして、決行当日は、ちょうどスペンサー刑事がヴァ―ロック夫人(シルヴィア・シドニー)を訪問していました。スペンサー刑事は情報収集のため、彼女に接近しましたが、いつの間にか好意を持つようになっていたのです。ヴァーロックは外出することができず、妻の幼い弟スティーヴィー(デズモンド・テスター)に、映画のフィルムの修復と言って、爆弾の小包をフィルムと一緒に持って行かせました。しかし、スティーヴィーは、道中で見世物などに立ち寄って道草を食い、設定時刻になってもまだバスの中。爆弾は車中で爆発してしまい、バスは吹き飛び、スティービーは爆死してしまいます。弟の死にショックを受けた妻は、夫が爆弾を持たせたものと気づき、夫が迫ってくると、咄嗟に刺殺してしまいました。

現れたスペンサー刑事は、ヴァーロック夫人に好意を抱いており、夫人の告白を受けると、自首はやめて一緒に国外に逃げることを提案します。一方、小鳥屋が証拠を隠滅するためにヴァーロックの部屋を訪れますが、ヴァ―ロックの部屋に入ったところで周囲を警察に取り囲まれ、ヴァ―ロックの遺体とともに自爆してしまいました。夫人がヴァーロックを刺殺したという証拠もなくなり、夫人はスペンサー刑事に支えられてその場を去っていくのでした。



サボタージュ(1936)

幼少の頃より慣れ親しんだヒッチコック作品。まだまだ見ていない作品が多いのですが、これはそんな作品の一つ。イギリス時代の比較的短いお話です。短いと言っても中身が濃いもので、ラストも二転三転して楽しませてくれました。スティーヴィーが小包を持って、時間が迫り、時計が次々と映される場面とか、大変緊張感があります。そして、その前に彼がいろいろな見世物に首を突っ込んだり、引き留められたりする場面は、観客を大変イライラさせる効果を持っていて見事だと思いました。

映画館主のカールの、事件後の責任転嫁ぶりも見事で、比較的人道的とも思われたカールは、失敗してスティーヴィーを失った時の、言い訳や逆切れぶりが見事で、そのあと彼が妻に殺されることを正当化していきます。そして、ラストに向かい、小鳥屋の主人のくだりなど、二転三転のサスペンスも、一筋縄ではいかない面白さがあり、さすがヒッチコックだと思いました。短い中にサスペンスが詰まった作品です。

この映画の原作小説は、コンラッドの「密偵」とのことです。ざっとあらすじを見た感じで、大枠や人物設定は似ていますが、ストーリーは全く同じという訳ではないようでした。力点を置いているところも違うような気がしますが、実際読んでいないので詳しくはわかりません。ヒロインのシルヴィア・シドニーは、初めて見ると思います。長いキャリアを経て、1973年にオスカー初ノミネート。息の長い女優さんのようです。さて、ヒッチコック作品。まだまだ楽しみたいと思います。

2020.5.24 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ザ・リトル・ストレンジャー」英国らしい静かなミステリー

英国のミステリー作家、サラ・ウォーターズの「The Little Stranger(邦題:エアーズ家の没落)」を原作とするミステリー映画。叙情豊かな英国らしいミステリーでした。2018年の映画で、英・愛・仏合作。監督はレニー・エイブラハムソン。ルームを作った監督で、それも鑑賞の動機になっております。日本未公開、ネット配信ありです。
映画原題も同じくThe Little Strangerです。

あらすじ
ファラデー医師(ドーナル・グリーソン)がエアーズ家の古い館を訪ねたのは、メイドのベティ(リブ・ヒル)の病気の往診でした。館には、顔に大きな戦争の傷痕を残し、足の不自由な当主ロデリック(ウィル・ポールター)と、母エアーズ夫人(シャーロット・ランプリング)、姉のキャロライン(ルース・ウィルソン)が住んでいました。ファラデー医師にとってこの屋敷は、彼の母がメイドとして住み込んでいた館。小さい時に、普通だと入れない村人の自分が、母のおかげで入ることができた時、その館を歩き回り主になったような錯覚をしたものでした。今や、エアーズ家は没落し、栄華は過去のものになっていました。そんなある夜、数人の客を招いてのパーティーの最中、客として来ていた少女が犬に襲われ重傷を負ってしまいます。その日、ロデリックは惨劇を予言していましたが、その後も彼は家に悪霊が住んでいると話すようになります。

キャロラインに惹かれていたファラデーは、屋敷から出ることの少ない彼女の気分転換のためにダンスに連れて行くと、帰りの車の中で彼女はファラデーに迫りますが、その日は思い直して別れました。ロデリックが病気の治療の為に屋敷を離れることになり、ファラデーは母と娘とメイドだけの生活になったキャロラインを訪問し、結婚を申し込みます。その頃、屋敷では不思議な現象が続いており、亡くなった姉のスーザンの痕跡を残しながら、騒乱が起きるようになっていきます。ファラデーは騒霊ではないかと友人と語り合っていましたが、エアーズ夫人はファラデーに、キャロラインを屋敷から連れ出して欲しい。自分はスーザンと屋敷に残ると話すと、不思議な現象が起こる中で昏睡状態になり、そのまま自殺してしまいました。

母の葬儀の日に帰って来たロデリックも、キャロラインを屋敷から連れ出すように言い残して去りますが、2人は六週間後に結婚しファラデーが屋敷に住むことを約束します。しかし、しばらくしてキャロラインは気が変り婚約を破棄、屋敷も処分し、弟とアメリカに移り住むと言い始めます。ファラデーは茫然とし、何も手に着かない日々が数日続いたあと、往診で外に出ていた時に、屋敷からベティの通報があり、キャロラインがかつぎこまれましたが即死状態でした。ベティの証言によれば、その日夜中にキャロラインは一人で誰もいない3階に上がった時、空き部屋にいる人影を見て、「あなただったの」と驚きの声を上げ、階段から落ちたとのこと。この事件は精神錯乱状態に寄る事故死として処理されました。

荒れ果てた屋敷を中を一人ファラデーが彷徨っていました。子供の頃に村人がとても入れないこの屋敷の中を彷徨って、自分が当主になった気分になっていました。そして、荒れ果てた今も、その執着が続いていたのでした。



The Little Stranger

イギリス女流作家のミステリーらしい作品でした。終始ただただ穏やかな雰囲気。ゆっくり時間が流れます。謎解きについても、はっきりしたものではなく、かなり叙情的で、ドラマに近いミステリー。原作はThe Little Stranger (2009) 邦題:エアーズ家の没落で、サラ・ウォーターズの作品。サラ・ウォーターズは読んだことはないと思いますが、同じイギリスの推理作家、ルース・レンデルを思い出しました。同じような雰囲気があると思いました。

キャストは、監督はじめ、ビッグネームも多数出演しています。そして、シャーロット・ランプリングが出ていたのは驚きました。ラストはちょっと曖昧な感じもしますが、なるほどという結末で、話の落としどころとして、すっきりはします。途中で伏線も回収されています。事件は物語の後半に集中して起こりますので、それまでは少しホラー仕立てのドラマになります。その中で伏線が盛り込まれていき、ミステリーは最後の10分というバランスです。全体的に、暗い雰囲気の中で、終始一貫、どんよりした田舎の古い館の生活で、見ていると結構気が滅入る雰囲気です。

途中は、なにが起こるかわからないというある程度の緊張感を保ちながら、騒霊(痕跡のみ)とか出てくるので、惹きつけるものはあったと思います。緩やかな雰囲気ですが、見ていて飽きることはなかったです。まさに、イギリスでしかできないような映画で、たまにはこういう映画もいいかなと思いました。

2019.12.31 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「わたしは、ダニエル・ブレイク」このリアルさは衝撃的です

ちょっと前に評判が良かった映画ですが、内容も知らずスルーしていました。そして、たまたまAmazonで見つけたので、確かけっこう評判の映画だったよなと思い、見始めたということです。カンヌではパルムドールを獲得。英国アカデミー賞では、作品賞ノミネートで、英国作品賞を受賞。そして、キネ旬1位も獲得。そのほか、世界の映画祭でたくさんの賞を受賞しました。2016年のイギリス映画(フランス・ベルギー合作)。ケン・ローチ監督の作品です。

あらすじ
大工のダニエル・ブレイク(デイヴ・ジョーンズ)は、心臓の病で医者から仕事を止められ、国からの手当を受けていましたが、継続審査で手当は中止とされてしまいました。ダニエルは抗議の電話をしても、職業安定所に行っても埒が明かず、ネットで申請をするよういわれます。頭を抱えるダニエルに言葉をかけてくれたのは、女性職員のアン(ケイト・ラッター)ですが、目の前で子連れの女性が職員と口論し始めました。なんでも遅刻してきたので手当を停止するということです。見かねたダニエルは激昂し、職員を非難すると、親子もダニエルも職安を追い出されてたのでした。

女性はケイティ(ヘイリー・スクワイアーズ)というシングルマザーで、やっとのことで見つけたアパートも古いもの。生活の見通しがたたないケイティの為に、ダニエルは大工の経験を活かし助けていきます。その傍らダニエルは手当中止に対する不服申し立てをなんとか完了。ケイティ親子に付き添ってフードバンクへと向かいました。やっとケイティたちの番が来ると、突然ケイティが手にした缶詰を貪り始めます。ずっと飲まず食わずで限界だったのです。ダニエルはケイティ親子を夕食に招き、ケイティを励まします。一方、行政システムは二人を徹底的に追い詰めていきます。不服申し立ても却下され、見せかけの職探しをさせられ、ダニエルはますますやる気を失います。

疲れ果てたダニエルは、生活費のために家財道具を売り払い、ケイティはついに万引きをしてしまいます。警備員はケイティの窮状を見て見逃し、彼女に娼館の仕事を斡旋しました。ケイティはどうしようもなくそこで働くことにしましたが、ダニエルはこれを察し、その娼館を訪れます。ショックを受けたケイティにダニエルは辞めるよう説得しますが、ケイティは悩んだ末の事、説得には応じません。職安に向かったダニエルは、持参したスプレーで職安の壁に落書きをし、行政システムを批判します。街の人々はダニエルに共感しますが、すぐに警察に連行されてしまいました。釈放されたダニエルはすべてに疲れ切り、引きこもるようになってしまいます。ある日、ケイティから支援が差し伸べられ、弁護士の協力を得て、あと少しというところまで来ましたが、ダニエルは突然の心臓発作に襲われ、発見された時には手遅れとなっていたのでした。ダニエルの葬式でケイティは、ダニエルの行政システムへの怒りを語り、そして「わたしは、ダニエル・ブレイク。一人の市民だ。それ以上でも以下でもない」というダニエルの言葉を読み上げるのでした。



わたしは、ダニエル・ブレイク

有名な映画を続けて見ていると、だんだん慣れっこになって、だんだん感受性が落ちてきているなと思っていたのですが、その中で、この映画を見てしっかり目を醒ましました。いろいろな映画で、貧しいということをどれだけ描けるかということが試されていますが、これは普通に驚きました。配給にケイティが子供を連れていって、思わず缶詰(これは、ミートソースだろうか?)を開けて貪ってしまい、みんなから介抱されるところは、かなりショッキングな映像です。コメディでなく、ガチですので。

全体がどんよりした感じに支配されている映像が、この映画の内容を際立たせています。また、ヘイリー・スクワイアーズはじめ、出演者の演技も、ごく自然で好感の持てるもの。カット割りも含めて、その演技の効果でドキュメンタリータッチになっており、これが現実だという主張が強く出ていると思いました。羽目を外すのは、壁に落書きする当たりくらいかな…。しかし、この逃げ場のないシステムは矛盾点も含んで、ちょっとやりすぎですね。

こういった問題に対して、何かできることは無いものかとも考えてみるのですが、個人ではできず、相手も色々で、なかなか難しい問題だと思います。ただ、小さな行動が大事かなというくらいです。ケン・ローチ監督、ほとんど見たことがありません。大昔に「ケス」を見たくらいでした。よく見る分野でもないもので。ヘイリー・スクワイアーズは良かったと思います。見るのは初めてですが、いろいろな役が出来そうで、これからブレイクするといいなと思いました。そして、この映画はカンヌのパルムドールでした。さすがです。

2019.12.30 HCMC自宅にて、Amazon Primeよりのパソコン鑑賞

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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