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「グロリアの青春」 第二の人生を過ごす新しい伴侶を求めて

きっと面白そうな映画という雰囲気を感じて見始めました。2013年の映画で、チリ・スペイン合作作品。ベルリン国際映画祭のノミネート作品となり、ヒロイン役のパウリナ・ガルシアが銀熊賞(女優賞)を受賞。その他、エキュメニカル審査員賞など独立賞も受賞しました。監督は、セバスティアン・レリオです。
原題:Gloria (2013)

あらすじ
離婚して10年が経ち、二人の息子と娘も独り立ちしたグロリア(パウリナ・ガルシア)は、老後を一人で過ごしたくないと、独身者の集まるパーティに通っていました。そこでの出会いは一夜限りで、いつも失望していましたが、ある日ロドルフォ(セルヒオ・エルナンデス)という少し年上の男性に出会います。ロドルフォは1年前に離婚し、二人の娘がいました。二人はデートを重ね、生涯の伴侶となることを意識し始めましたが、ロドルフォは、離婚した妻の間に二人の娘があり、仕送りは勿論ですが、何かあるごとにロドルフォに連絡してきて、彼自身も二人の娘は独立できず、まだ助けが必要と思っているようでした。

グロリアは、ロドルフォが所有するアミューメントパークに同行して、存分に遊びました。そして、そこにはペイントボール場もあり、グロリアも射撃を楽しみました。その後、グロリアの息子の誕生パーティーで、ロドルフォはグロリアの家族と元夫夫婦に紹介され、食事を楽しみますが、グロリアと子供たちが、元夫と昔語りに興じ、写真を撮り始めると、ロドルフォは居場所を失い、ひっそり帰宅してしまいます。この行動にしばらくグロリアは腹を立てますが、ロドルフォは和解の為に、リゾートに招待します。二人は再び関係を取り戻し、部屋に入ったところで、ロドルフォの娘から、母親が事故に遭ったので帰って来て欲しいと電話が入ります。ロドルフォは帰りたがりますが、グロリアとの関係を思い直し、愛し合います。

その後、夕食の時に、ロドルフォはすぐに戻ると言いながら、元妻の家に向かってしまったため、グロリアは失望して一人ナイトクラブで羽目を外し、酔払って男と遊びますが、翌朝グロリアはビーチで持ち物すべてを失い目を覚ましました。メイドに連絡して何とか家に戻ると、グロリアはロドルフォの家に向かい、彼の家や、出てきたロドルフォにペイントボールを乱射しました。やがて、スウェーデン人と交際して、妊娠していたグロリアの娘は、結婚式を挙げスウェーデンに向かって旅立ちます。そして、グロリアは気持ちも落ち着くと、再び出会いを求めて、ダンスフロアーへと戻って行くのでした。



グロリアの青春

まさに、同年代の映画ですね。こんなに頑張れるんだと、元気づけられるような映画でした。物語の中にもあるように、この年になるといろいろなしがらみがついて回り、体もいろいろな所が変調をきたし始め、そして、相応の年をとったことによるプライドが、いろんな悪さをする。そんなプライドが妙ないたずらをして、子供みたいに黙って帰ったりします。そのあたりの、50歳とか60歳とかの状況が、鋭い視点で描き込まれていると思いました。それはきっと二人とも同じですね。体のどこかが悪いことが共通の話題になったりします。

グロリアはそれでも前向き、信じられないような失敗をしつつも、また前を向いて生きるところに元気づけられます。人生には、死ぬまでの時間しかない。それをどう使うかは自分次第。もちろん周りの迷惑も考えてと…。そういう割り切った考え方を思い出させてくれました。ロドルフォの家にペイント弾を撃ち込むのは爽快です。相手は、見ようによっては二股をかけて不倫しているのとあまり変わりません。というか、事実上そうでしょう。おかげでひどい目にあったというのは多少逆恨みではありますが、立ち直ったので良しとしましょう。

セバスティアン・レリオ監督の映画は初めて見ますが、人物描写が面白いと思いました。オスカーを受賞したナチュラルウーマンも是非見てみたいと思いました。この映画の監督自身によるハリウッドリメイク版「Gloria Bell」は、2018年に公開されていますが、日本未公開になっているようです。予告編を見る限りは、グロリアの青春とほぼ同じ場面が多く再現されているようでした。ジュリアン・ムーアだし、そろそろ公開されるのでしょうか…。

2021.2.21 HCMC自宅にてGayo!よりのパソコン鑑賞
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「El Mago (2014)」 ラテンを感じるチリ産サスペンス  (邦題:トリック 消えた男たち) 

アマゾンの特典動画に知らないチリ映画が出現。ということで、ラテンの暑苦しさが楽しそうなので見てみました。2014年の映画で、監督は、マティアス・ピノチェト、という人です。原題は、「魔術師」という意味になります。

あらすじ
風呂桶に潜って、潜水の練習をする男、そして船上で痛めつけられ、最後のマジックを見せろと、ネグロ(Victor Montero)にすごまれるオラシオ(Jean Paul Olhaberry)の場面から、この映画は始まりました。そして、取調室でマジックを見せ係官の関心を買うアンヘル(Alonso Quintero)。刑事がやってきて、サーカス団皆殺し事件で、なぜ一人だけ生き残ったのか問い詰められ、アンヘルは話し始めました。

無許可のバラックが立ち並ぶ、チリのとある町に、父親と、オラシオ、アンヘル兄弟の3人は住んでいました。兄弟はマジックが好きで、兄のオラシオはプロ級の腕前。ある日、サーカスがやってくると、兄弟は自分たちのマジックを売りこみに行き、サーカス団の女性のカルロタ(Ingrid Isensee)の関心を引きます。団長のネグロに、荒涼とした土地を走る車が、瞬間的に消え失せるマジックを見せられ、夜中にカルロタと現場に向かい、秘密を探りました。そして、マジックの種を突き止めると、ネグロに面会し、サーカスで採用され、マジックを見せるようになります。

その頃サーカスでは、ペルー人の双子が来ないことが問題になっていました。そのうち一人が現れると、もう一人を連れてくるように脅します。そして、オラシオとカルロタは親密な関係になっていきます。面白くないネグロは、ペルー人のショーの途中でオラシオを舞台に上げ、箱の中で横たわるペルー人を切断するショーをさせます。それは、ペルー人の双子の片方を、マジックに見せかけて、本当に切断してしまうものでした。

オラシオは、水の中で息を長時間とめる練習を始めます。彼は、ネグロが麻薬の密売で金を貯めていることを突き止めており、その麻薬と現金を隠すと、カルロタと逃亡計画をたてます。そこにネグロが踏み込み、隠し場所を吐かせようと、オラシオを拷問した上、アンヘルと二人を船に乗せ、口を割らないと見るや、オラシオを木箱にいれて沈め、アンヘルは海の中に放り込んでしまいました。アンヘルは漁船に助けられて家に戻ると、オラシオが、幼い頃遊んだ廃車のキーを残していました。アンヘルは、そこで現金などを発見し、ネグロの曲芸の道具に細工して怪我をさせると、ネグロが寝込んだ頃、銃を持って殺しに行きますが、すでに、ネグロは死んでいたのでした。

アンヘルは、刑事に、ペルー人が兄弟の敵討ちで殺したと証言しますが、刑事は信用しません。そして、刑事が席を外すと、アンヘルは残った係官を気絶させ、警察をでました。そしてちょうど、オラシオとカルロタが車で迎えに来ます。オラシオがマジックを使って水中の木箱から抜け出し、ネグロを撃ったのでした。そして、オラシオは、ネグロから奪った資金で、自分のサーカス団でマジックをするという夢をかなえ、三人は、自分たちのサーカス団のロゴの入ったトレーラーに乗って旅に出るのでした。



トリック 消えた男たち

わかりやすい展開の、サスペンスで、なかなか楽しめました。構成は、アンヘルの証言を映像化していくという形式。アンヘルが実際に見ていない場面もあると思うので、多少は想像も入って膨らませているのでしょうか?映像は美しく撮影されていて、オラシオとカルロタのラブシーンや、マジックの場面などは幻想的な映像でもありました。

ストーリーはそれほど入り組みません。まず冒頭で、水の中で長時間息を止めて過ごす練習をしているので、クライマックスは予告されているようなもの。その分見ていて安心感があり、その場面に至るまでの、話の筋を追っていくという見方になります。あとはどれだけ、エピソードが膨らんでいくかが楽しみですが。それはまぁ。そこまででもなく、まぁ、普通でした。

ラテン的な雰囲気が良く出ているのと、全体に荒涼とした風景と、美しい海という素晴らしいロケーションで撮影されているので、開放感があります。海と荒れ地と断崖という、あまり見たことがないような風景に、プライベートビーチのような砂浜がある映像など、美しいと思います。女優さんもラテン的な美人ですし、兄弟もイケメンの部類。対するネグロはいかにも悪役という感じで、それぞれステレオタイプの配役で、ネグロ役の俳優さんは、なかなか雰囲気が出ていました。チリの映画、なんとなく粗削りな感じが、昔ながらのラテン的な雰囲気を漂わせていていい感じです。

2020.4.11 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ザ・インフェルノ」 圧政時に育てられた悪魔の住む村

かなり胸糞が悪い映画という前評判を知りつつ、見てしまいました。2017年の映画で、チリの製作です。監督はルシオ・A・ロハスです。チリの映画は久しぶりですが、この前見た「フルリベンジ」のリメイク元映画がチリ映画ということで、その関連でいろいろ探していた時に出てきた映画です。原題はTrauma。まぁ、トラウマですね。

あらすじ
1978年、ピノチェト政権下のチリ。妻が共産主義者と組んでいると気付いた夫は、その共産主義者を射殺。妻を椅子に拘束し、息子のファンに、妻を犯させ、その最中に妻の頭を撃ち抜きます。ファンはその後も、この暴力的な父親に虐待されながら育てられました。

2011年。サンティアゴから4人の女性が、田舎の別荘にバカンスに向かいます。4人は、アンドレア(カタリーナ・マーティン)とカミラ(マカリナ・カレル)の姉妹、カミラの女性パートナーのフリア(シメナ・デル・ソラ)。そして、アンドレアの友人のマグダ(ドミンガ・ボフィル)でした。途中の酒場で道を聞きますが、不穏な雰囲気で追い出され、外で店の娘ヨヤ(フローレンシア・エレディア)や、地元の保安官・ホルヘとペドロ(エドゥアルド・パヘコ)に出会いました。そして、屋敷へついた彼女たちは、近況を語りあっているうちに、窓の外に人影が見えます。

酒場にいた2人の男、ファン(ダニエル・アンティヴィロ)とその息子マリオ(フェリペ・リオス)でした。2人は銃を取り出してレイプをはじめ、マリオはマグダをレイプする途中で、頬を噛みちぎり、傷口に塩を塗り込みます。一夜が明け、気が付いたマグダは、銃をファンに向けますが、弾が入っておらず、逆にファンに射殺され、2人はそのまま去っていきます。通報で駆け付けた2人の保安官は、パトカーで3人を連れて酒場に行くと、店主が、娘のヨヤがファンに攫われたと訴えました。店の中にいたファンを拘束しようと、2人の保安官と店主と息子が銃を向けますが、ファンはこれを返り討ちにすると、ヨヤを連れて立ち去ってしまいます。

女性3人と負傷したぺドロで、サンティアゴの警察に応援を頼み、ファンのアジトに乗りこみます。ファンのアジトの工場には拘束されているファンの妹のカルメン(クラウディア・アラベナ)と赤ん坊、そしてマリオがいました。ファンとマリオに対峙した4人ですが、マリオは仕留めたものの。ペドロは薬品で殺害され、カミラとフリオも惨殺されてしまいます。ファンとの一騎打ちになったアンドレアは、強酸性の薬品を、ファンに浴びせて仕留めると。赤ん坊に銃を向け、生かしておくと、いずれファンのようになるとつぶやき、引き金を引こうとしたとき、駆け付けた応援部隊が到着。アンドレアは警官隊に射殺されてしまいました。家の裏口から、拘束されていたファンの妹のカルメンは、ヨナを連れて二人で町に向けて歩き始めるのでした。



ザ・インフェルノ

チリ映画は久しぶりというか、せいぜい2回目くらいかもしれません。記憶にあるのはシネパトスで見た「ハッスル!」。青森県住宅供給公社巨額横領事件で有名になった、チリ人妻アニータ・アルバラードが出演していることで、話題になった映画です。その一作を見ただけで、チリ映画は暗いという印象を持っていました。暗いというのは内容というよりは画面で、特に夜が暗いみたいな…。

さて、かなり衝撃的な映画なので要注意、という評判のこの映画、確かにそうでした。特に、冒頭の過去のトラウマ場面は、ピノチェト独裁時代に、権力者の父親から拷問を受け、縛り付けられている思想犯の母親を、息子が無理やりレイプさせられ、さらにレイプ中に、父親は母親の頭を撃ちぬき、息子はそのまま犯し続けるという場面は、深く印象を残します。そして時代は移り、レスビアンシーンが、少し長めに映されます。まず、この連続する2シーンで観衆をつかみ、物語は展開。そこから女子4人の田舎へのバカンスという事で、それぞれの人物背景や、相性など細かく描かれていきますが、ここが先ほどのシーンの反動でグダグダと妙に冗長に感じてしまいました。

そして、第二の鬼畜シーンがこの4人へのレイプシーン。相当に病的かつ破壊的なレイプで、ここも衝撃的です。そして、残ったメンバーで犯人へのリベンジへと移っていきます。ここからは普通にヴァイオレンス映画的な展開でした。最後は男の住む工場のような建物の中でのバトルとなりますが、まずその建物の全景が映されると、ああ、これからこの中で延々とバトルが繰り広げられるんだなと、妙に見切ってしまう感じになったので、そこはちょっと残念でした。バトルの場面ではグロな殺し方が工夫されています。工場なので化学薬品も使われます。このバトルは、ホラー系ではよく見かける残虐タイプのものでした。

まずこの男ファンが、4人に囲まれても動じない、撃たれても動じないほどの強さです。過去に母のレイプから始まり、残虐な経験を続けてきており、そういう殺しに慣れて鍛えられてきたという印象を持ちます。少年期の精神的傷が生んだ部分は、彼の行動の凶悪性として現れますが、一方でこの強さは、訓練されたという印象でした。「怪物を生かしてはおけない」と赤ん坊(おそらくファンとカルメンの子供か?)に銃を向けたアンドレアは射殺され、閉じ込められていた二人は人知れず脱走して行く訳ですが、これは解放されたというよりも、過去がまだ生きていて野に放たれたという印象を持ちました。一方で、外から来た人に助けられた地元の人という構図もあり、よそ者の虚しさ的な情緒も少し感じられます。冒頭のショッキングな映像や、残虐な殺害映像が印象に残る映画ですが、ドラマ的要素も持っているという印象を残すラストでした。

2020.4.1 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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