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「Three Days in September (2015)」 9月のマケドニアの湖畔に響く銃声 (NET邦題:本当の目的)

久しぶりに、ネット配信の面白そうな外国映画をあさってみました。2015年のマケドニア映画で、モントリオール世界映画祭ほかに出品されています。監督の初長編に関する賞(Golden Zenith)にノミネートでした。そこそこの評価なようですので、じっくり見てみましょう。「本当の目的」という邦題がついていますが、これは魅力のない邦題で、見たいと思わせないような気が。まぁ、テーマは解りますが題名でネタバレかも!監督は、Darijan Pejovski。読み方はダリヤン・ぺヨフスキでいいのでしょうか?

あらすじ ※ネタバレ注意

スコピエの町で、顧客に車の中で襲われ、ナイフを男に突き立ててしまった街娼のマリカ(Kamka Tocinovski)は、町を離れるために汽車に乗ります。マリカは、長い間離れていた故郷に帰るというヤナ(Irena Ristic)と、同じコンパートメントに乗りあわせ、行先の無い彼女は、ヤナが降りた駅で自分も降りると、小さな村の店で買い物を済ませたヤナを追いかけて、今は無人のヤナの家にたどり着きました。ヤナは迷惑そうですが、家の前で行き場なく佇んでいるマリカを家に入れます。

ヤナは、マリカの怪我の手当てをしながら、自分は元医学生で双子の妹がいることや、父は狩猟が趣味の役人で、地域の発展に貢献したが、夢半ばで倒れたことなどを話しました。翌朝ヤナは店に出かけ、新聞で売春婦が客を殺した記事を見てマリカだと確信し、家に帰るとマリカに猟銃をつきつけ、出ていくように言います。マリカは承諾しますが、そこに雑貨屋の息子で警官のガンツ(Adem Karaga)が現れ、久しぶりに会うヤナと近況を語り合いました。ヤナは少女時代に事故で昏睡状態になり、起き上がる見込みがないとされていましたが、4年後に起き上がったことや、妹のクリスティナは結婚して外国に住んでいること。この村には90になるマリカ伯母さん以外に女性がいないことなどなど。ガンツはレナとクリスティナが相続権を持っているホテルに買い手がいることを話し、村の活性化の為にも売却するように勧めます。

ガンツが帰ると、ヤナはマリカを連れて建設途中で放棄されたホテルまで散歩しますが、湖にボートが現れるとマリカは逃げだし、土砂降りの森の中で迷ったあげくアンカ伯母さん(Milica Stojanova)の家に駆け込みました。アンカ伯母さんによると、クリスティーナの方が姉で、背中に痣があること、かつて銃を持った少年のガンツが少女たちを建設中のホテルに連れていき、1人は昏睡状態でガンツに抱えられ、1人は無言を通して帰ったきたこと、その事件後、父のヨシフは酒浸りで自殺。妻も後を追うように病気になったという話を聞きます。

ヤナは、マリカを探すうちに再びガンツに会うと、マリカが指名手配となっていることを知らされ、ヤナも犯罪者を庇ったということで手錠を掛けられます。そして、ヤナの家まで行くと、逮捕されたくなかったら、明日ホテルを売り、頭金をガンツに渡すように迫り、ヤナは承諾しました。ヤナは家に入ると、マリカと酒を飲みながら打ち解け、マリカは背中の傷を見て、ヤナがクリスティナであることを言い当てます。クリスティナはマリカを自分そっくりに変装させた上で、ヤナの延命治療を中止したことを打ち明け、12歳の時、ガンツに銃で脅されてホテルで強姦されたことや、居合わせたヤナもガンツに追われ、逃げる途中でテラスから転落。そのことについて、クリスティナは沈黙を通してきていることを打ち明けました。

翌朝、ガンツとクリスティナはホテルで契約にサインし頭金を受け取ります。買い手が帰ると、ガンツは金を要求しますが、背後からヤナに扮したマリカが現れ、ライフルを突きつけ、ガンツに手錠をかけます。クリスティナはライフルでガンツをテラスに追い詰めると引鉄を引き、ガンツはテラスから転落。瀕死のガンツにマリカがさらに一発撃ちこみました。その後、クリスティナはマリカが来た件を警察に通報し、家に泊めたら、車・身分証・現金・銃を持ちだして逃走したと証言。一方マリカは、ガンツが発見される頃には、クリスティナのパスポートを使ってブルガリア国境を超えていったのでした。



Three Days in September

ゆったりした流れのサスペンスで、会話は最小限に留め、ドラマ性のある演技や雰囲気で盛り上げていくタイプでした。そして、マケドニアの風景が大変美しく散りばめられて、遠い国に想いを馳せるということもできました。最初の登場からずっと、ヤナは思いつめたような不思議な雰囲気を醸し出していて、いきなりライフルをいじってみたりしますので、邦題の「本当の目的」と併せて、何かの目的を持って故郷に帰って来たなということがよく解ります。そして、マリカの指名手配と同時進行しながら、ヤナにまつわる謎が語られていきます。うまくまとまった進行になっていると思います。

最後は、犯罪関係はマリカがすべて被った格好で、クリスティナは彼女にすべてを渡して逃走を助けた格好ですが、1件の殺人で逃走中とは言え、そこまで全部被るモノかね…。という感想は残りました。物語の前半で、一度人を殺すと、必ずもう一度殺すとヤナは言ってのけますが、それを裏返して持ってきた形です。マリカがブルガリアで失敗すると、追及がクリスティナに返ってくる可能性もあるわけで、ちょっと不安定なのですが、クリスティナにとっては、やり遂げた格好なので、覚悟の上ということかもしれません。

という訳で、ストーリー的にはまずまずでという感じでしたが、やはり全体の雰囲気がなかなか良かったと思います。放置されたようなマケドニアの過疎の山村。色々と場所や趣向を変えて何度も表現される、ヤナとマリカの微妙な掛け合いと関係の発展。そして、マリカを変装させた時の二人の並んだ映像は、ドキッとするほど似ていて、印象に残りました。また、アンカ伯母さんの話や家の様子、冴えないガンツの父など、それぞれの人物描写は素晴らしかったと思います。こういう映画を探して堪能するというのも、やはり大いなる楽しみだと思った次第です。

2019.10.28 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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