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「ブルー・マインド」 15歳の青春の叫びとファンタジー

面白そうなので、ウォッチリストに入れていましたが、そのまま長期滞留していたので、見てみることにしました。2017年の映画で、監督はリーザ・ブリュールマン。スイスの映画です。
原題:Blue My Mind (2017)

あらすじ
転校生のミア(ルナ・ベドラー)は15歳。なじめない中で、不良グループのリーダーのジアンナ(ゾーイ・パスティル・ホルトアイゼン)に興味を持ち、仲間になると首を絞めるゲームをさせられ、その時、水の中を漂うようなイメージに包まれます。自宅に戻ったミアは衝動的に金魚を水槽から取り出して食べてしまい、我に返るとトイレで吐き出しました。ミアは、グループで学校をサボりったりしているうちに、ジアンナ仲良くなっていきます。そんな時、ミアに初潮がやってきますが、同時に、ミアは自分の足の指がつながり始め、動揺して一人で病院に向かうと、合指症だと言われました。遺伝病と言われたミアは、家族で自分だけに起こることから、両親は本当の親ではないのではと疑い始めます。

足の指はどんどんと繋がっていき、自分で痛みに耐えながら処置していました。両親は、ジアンナとの付き合いに不安を隠せず、課外授業も許可しませんでしたが、ミアは勝手に行ってしまい、その時両足にアザのようなものが広がっているのに気づいて泣き崩れてしまいます。アザの部分の皮は、次第に剥がれ落ちていき、ミアはそれをベッドの下に隠します。両親が上司の結婚式のために家を空け、一人になると、ミアは、母が新しく買った熱帯魚を早々に食べつくします。友達のパーティに参加すると、ドラッグと酒のせいでジアンナが溺れる事故が発生。ミアは飛び込んで助けますが、体の異変に気がつき、すぐに帰宅。確認すると、わき腹にエラのようなものができていました。アザも濃くなって足全体を覆い始め、ジアンナは心配しますが、ミアは突き放しました。

翌日別のパーティで自暴自棄になったミアは、男たちから輪姦させられそうになり、ズボンを下ろされると、男たちに足を見られたミアは、好奇の目に耐えられず、喚き散らして去って行きます。指だけでなく、足全体が接合し始め、絶望したミアは自殺を図りますが、死にきれず、翌朝、目を覚ますと、下半身が魚の尻尾のようになり、人魚の姿になっていました。息苦しくなって、大急ぎでバスタブに水を溜め、その中に飛び込み、どうすべきか悟ったミアは、ジアンナに連絡。ジアンナは、ミアの姿に驚きながらも、ミアの頼みで、彼女をトラックの荷台に乗せて海へ向かいました。ミアは母親に最後の電話をかけ、たわいのない会話を交わすと、二人は互いに寄り添いながら夕暮れまで海を眺め、そしてミアは意を決し、ジアンナに感謝と別れを告げると、ひとり海へと入って行ったのでした。



ブルー・マインド

15歳の少女たちの青春ストーリーとファンタジー。初潮と共に体に異変を感じたミアは、誰にも相談できる相手が無く、相談したにしても解決策があるとは感じられず、半ば自暴自棄になっていきます。孤独な闘いは、彼女にとっては死の宣告を受けたに等しいような物にも思われます。ファンタジーの枠で解決しながら、女性としての体の変調、両親とのコミュニケーションの破綻、大人は誰もわかってくれないという若者の悩み、この世との別れに等しい宣告、人と違う事の悲劇、このようなものを、15歳の少女ミアの体に一気に詰め込んだ物語となっていました。

中欧風の情景や雰囲気が映画全体から漂っていました。ストーリーはシンプルですが、ミアの葛藤と追い詰められて行くところや、それでも、仲間たちと交流し気持ちをぶつけあっているところは感動的でもあります。そして、ある日ついに最後の時が来ます。親友となったジアンナへの最後の願い。海に着いて、ジアンナと並ぶミアの表情は、人生最後の日のような、何もかも悟ったような、神々しい表情を感じました。そして、一人海へと入っていくラストは感動的でした。

ところで、この人魚の造形は、「ゆれる人魚」と同じ感じですね。リアルにお魚らしく人魚を表現すると、やはりこういう感じになるのかな?迫力はありますが、アニメのように赤かったり青かったり金色だったりする人魚のしっぽとはだいぶ違います。スプラッシュは赤でした。人魚が浴槽に入る場面は、他の映画でもあったと思いますが、やはり体の大きさから考えると、どうしても迫力あるしっぽになってしまいますね。見ていて、浴槽に入れるのが、人魚のスケール感を一番表現しやすいのかなと思いました。

2020.7.4 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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「カルラのリスト」 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の活動

めったに見ないドキュメンタリー映画。普通にしていればドキュメンタリー映画を見る機会は比較的少ないのでは無いかと思います。今回はたまたま機会を得て見てみました。2006年に製作された映画で、製作国はスイスになります。

あらすじ
多くの犠牲者を出した旧ユーゴスラビア紛争の中でも、スレブレニツァの虐殺の犠牲者の家族の叫びをベースにして、 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の検事局長として活躍するカルラ・デル・ポンテの活動を描いたドキュメンタリーです。戦争犯罪人として、リストに上がった者を確保していく過程が描かれます。

この映画の中で、主に逮捕の目的となるのは、クロアチアのアンテ・ゴトヴィナ元陸軍中将、 セルビアのラトコ・ムラディッチ元参謀総長と、ラドヴァン・カラジッチ初代スルプスカ共和国の大統領の3人。前半はゴドヴィナ逮捕までの活動で、クロアチアのEU加盟に関する、 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所としての評価演説を材料に政府の協力を引出して逮捕するまで。そして、後半はムラディッチと、カラジッチの逮捕に向けてのセルビアとの交渉や、国連及びアメリカ国務省、国防総省を巻き込んでのカルラの活動が描かれています。

製作年代もあり、両者の逮捕にはこの映画の時点では至ってはおりませんが、欧米を頻繁に行き来し、各国の協力を取り付けながら活動するカルラのチームを追ったドキュメンタリーです。



カルラのリスト

旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の検察局長を務めたカルラ・デル・ポンテ氏のドキュメンタリー。戦争犯罪を裁く裁判のために、国連の一つの組織としてこの裁判所は設置されました。この映画では、この裁判所の検察の立場から、旧ユーゴスラビア紛争と、その戦犯裁判を見るという形になります。検察ですので、ある意味刑事ものにも近いもの。政治の世界での、犯人捜索劇が興味を引くドキュメンタリーです。

国連組織ということで、いわば各国の横の連携の組織。それぞれ各国の思惑があり、なかなか思うようにいかないところが描かれます。戦犯に関する考え方も、立場によってはかなり違ってくるのも判ります。それでも検察としては捕まえることが第一なので、そのために全力を尽くす姿を追っていきます。そして、それぞれの国の国益や圧力に左右されない、一貫した組織で追及していく、信念とぶれない力がいかに重要であるかを打ち出していると思います。

さて、この刑事裁判所には他に、裁判局と書記局があり、カルラが先般を捕まえても、それを裁くのはまた別の局になります。2011年にリスト上の総ての対象者は最終的に逮捕され、この映画の大きな部分を占めたゴドヴィナは、裁判の結果無罪となり釈放されました。一方ムラディッチとカラジッチには終身刑の判決が出ているようです。カルラの活躍がこれだけ大変だとしても、それは膨大な裁判の一部であり、国際社会の中の活動というものが、いかに大変な仕事であるかが良く認識できるものでした。

2019.9.21 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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