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「素晴らしき哉、人生!」 絆で繋がるクリスマスの奇跡

アメリカの映画の中でも、名画と言われているこの映画を、同年に製作されたオスカー作品賞の「我等の生涯の最高の年」に続けて見てみました。アメリカの古いドラマはそれほど見ているわけではないのですが、このあたりが本丸かなぁと思っております。1946年、フランク・キャプラ監督の作品で、オスカーでは5つのノミネートでした。
原題:It's a Wonderful Life

あらすじ
1945年のクリスマスイブに、ジョージ・ベイリー(ジェームズ・ステュアート)は、自らの命を絶とうとしていました。そして、天国からその自殺を思いとどまらせるために、二級天使のクラレンス(ヘンリー・トラヴァース)が派遣されることになります。その準備ためにクラレンスは、それまでのジョージの人生を見せられるのでした。

1919年。ジョージが12歳の頃、弟のハリーが極寒の池に落ちて溺れているのを救いますが、この時片耳の聴力を失います。ジョージは薬局でバイト中に、店主が息子の死によって気が動転し、子供用の調剤を誤ったことに気づき、事故を未然に防ぎました。1928年、ジョージは幼馴染のメアリー(ドナ・リード)とパーティーで再会。二人は良い雰囲気になりますが、父の危篤の知らせが入り、急遽デートを中断して変える羽目に。そして、父の死後、町を牛耳る富豪のポッター(ライオネル・バリモア)の圧力で、父の住宅金融組合は潰されそうになり、ジョージは進学や建築家になる夢も諦め、父の仕事を継ぐことに決め、代わりにハリーを大学へ通わせます。そして、弟の卒業を待つも、ハリーは工場主の娘と結婚し、町に帰ってきませんでした。

幼馴染のメアリーが町に帰ってきたと聞いたジョージは、彼女の家に向かい、そこでジョージはメアリーの想いに気づくと二人は結婚すします。そして、ハネムーンに向かおうとした時、二人は銀行の取付け騒ぎを目撃し、これがポッターによる罠だと悟ったベイリー夫婦は、ハネムーンの費用を銀行が再開するまでの資金援助として、資金を引き出しに来た町の人々に貸し出しました。そしてジョージは、貧しい人々のために宅地開発を行い、ポッターの法外な値段の賃貸住宅から次々と住人が移ってきます。ポッターはジョージを高給で自分の助手として雇うと提案しますが、ジョージは断りました。

1945年のクリスマスイブの日、町は軍功をあげたハリーの歓迎準備をしていました。ところが、叔父のビリーはポッターの銀行に向かい、預金しに行った多額の現金を紛失し、見つけたポッターはこれを隠してしまいます。ビリーはそのことをジョージに伝えると、このままでは金融監査官に見せる帳簿に穴があき、横領で刑務所行きになってしまいます。ポッターに借金を頼みにいきますが、彼は断ったうえ、横領でジョージを告発。ジョージは家族へ八当たりをし、バーでは飲んだくれたうえで、自殺をして保険金を手にいれることを考えました。そこでクラレンスと出会います。自らを守護天使と語るクラレンスですが、ジョージは信じません。

「生まれなければよかった」というジョージに、クラレンスは、ジョージが生まれなかった場合の世の中を見せました。町はポッターズビルという名の物騒な町に変わっていて、人々心は荒んでいます。ショックを受けたジョージは、自分の人生は素晴らしいと気づき、クラレンスに、元の世界に戻してもらいました。家へ帰ると、メアリーの呼びかけで町民たちが寄付に集まり、紛失した金額は無事回収できました。ハリーも戻ってきて、家の中で町民たちは祝いの歌を歌い、そしてクラレンスの「友ある者は決して失敗しない。」というメッセージを見つけるのでした。



素晴らしき哉、人生!

アメリカでは、いつの頃からかクリスマスに上映される映画となっているとのこと。これは、クリスマスイヴの物語で、天使が男に幻想を見せ改心させるのは、クリスマス・キャロルと同じ構造でした。ジョージはスクルージではないので、改心する必要はありませんが、ここでは、自分を含め、一人一人の人生の大事さと、人とのつながりの大事さを改めて気付かされるという、ドラマとしても王道的であり、普遍的な人生物語です。「我等の生涯の最高の年」が当時の世相に大ヒットしたの対比すると、こちらは、いつの時代にも受け入れられる映画になっていました。

監督のフランク・キャプラが、戦後の世相に対して製作した渾身のクリスマス作品なのですが、興行的に失敗して大いに自信を喪失してしまいました。彼の元に天使は現れず、もし、「素晴らしき哉、人生!」が無かったら、どういう世界になっているのかを教えてくれ無かったのでしょうか。とはいっても、それは難しいので、せめて、この映画が将来にわたってアメリカでどれだけ楽しまれているかを見せてあげれば、自身を喪失しなくても良かったでしょうに…。ということですね。

フランク・キャプラ、ウィリアム・ワイラー、ジョージ・スティーブンスが協力して設立したリバティ・ピクチャーズの第1号作品ということで、ここにウィリアム・ワイラーも入っているところは、何か皮肉な感じもしますが、それぞれに戦争体験を経て、一般の映画製作に復帰したフランク・キャプラからの回答は、この映画でした。オチとしては、「情けは人の為ならず」なのですが、何と言いますか、明るいですね。人生を応援してくれる映画だと思います。ちょっと気取った感じの慣れ親しんだ邦題ですが、今となっては、「It's a Wonderful Life」が、最も映画の内容にしっくり来ている様な気がします。

2020.6.19 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「我等の生涯の最良の年」 復員兵を迎えるアメリカの社会

オスカーでは、特別賞や記念賞を含めた9つの賞を受賞。作品賞にも輝きました。1946年のアメリカ映画で、ウィリアム・ワイラーの作品です。当時、この映画は戦後の世相も反映し、大ヒットを記録しました。
原題:The Best Years of Our Lives

あらすじ
第二次大戦が終わり、ブーンシティ出身の三人の復員兵、アル・スティーブンソン(フレドリック・マーチ)、フレッド・デリー(ダナ・アンドリュース)、ホーマー・パリッシュ(ハロルド・ラッセル)は、同じ軍用機に乗り合わせ、故郷に帰ってきます。水兵のホーマーは両手を失い義手を使用。家族と恋人のウィルマ(キャシー・オドネル)の歓迎を受けますが、義手に対し哀れみの目も伺えました。陸軍軍曹のアルは、妻のミリー(マーナ・ロイ)と成長した娘ペギー(テレサ・ライト)、息子ロブの歓迎を受けます。美しく成長したペギーの男性関係を案じつつ、すぐには家庭に溶け込めないアルは、気分直しにミリーとペギーを連れて夜の街に繰り出しました。空軍大尉のフレッドは、質素な実家に帰宅すると、妻のマリー(ヴァージニア・メイヨ)は、ナイトクラブで働きながら一人暮らしをしていると聞き、街に出ますが見つかりません。3人はその夜、思い思いに訪ねてきた、ホーマーの叔父ブッチ(ホーギー・カーマイケル)のバーで再会。アルとフレッドは酔い潰れ、ミリーとペギーが二人を連れ帰りました。フレッドがマリーと再会したのは翌日でした。

アルは以前勤めていた銀行に、副頭取として復職。ホーマーは義手をジョークのタネにし、陽気にふるまいますが、内心引け目を感じ、ウィルマの愛情も哀れみと受け取っていました。フレッドはドラッグストアに復職しますが、安月給で以前の部下が上司という環境、他に仕事も見つからないまま貯金を使い果たしてしまいます。ある日、ドラッグストアに買い物に来たペギーを昼食に誘い、別れ際に彼女に強引にキス。ペギーも妻帯者のフレッドを愛し始めてしまい、マリーが収入が激減したフレッドに愛想を尽かしていることに気づくと、家に帰り、両親に二人を別れさせると宣言しました。驚いたアルはフレッドを呼び出し、娘から手を引けと迫ります。フレッドは折れて、ぺギーに別れの電話を掛けることになりました。

ドラッグストアで起きた、ホーマーと客のいざこざに巻き込まれたフレッドは退職。その時ホーマーに、ウィルマに結婚を申し込むよう諭します。ウィルマは、自分がホーマーの重荷になっているので、両親が離れさせようとしていると告げ、ホーマーはいかに障碍者と生活を共にするのが大変かを示しますが、ウィルマは愛で乗り越えられると答え、二人は固く抱き合いました。ある日、フレッドが帰宅すると、マリーが見知らぬ復員兵といるのを目撃し、マリーは悪びれもせず、離婚を言い渡して出ていきます。フレッドは町を出ることにし、飛行場へ向かうと、そこには夥しい数の解体中の軍用機ががありました。機体に上っているところを呼び止められたフレッドは、解体作業員として雇ってくれと頼み込みます。ホーマーとウィルマの結婚式の日、アルの一家やフレッドもホーマーの家に集まりました。ホーマーとウィルマが誓いの言葉を述べ、皆に祝福されている中で、フレッドとペギーは離れたところから見つめ合い、やがて歩み寄ると、二人も抱き合って将来を誓うのでした。



我等の生涯の最良の年

1946年のアカデミー賞を席巻した名作です。3時間近い長さの映画ですが、まったく飽きることなく、最後まで楽しめました。それぞれの人物描写がはっきりしており、演技も撮影も素晴らしい映画だと思います。当時のアメリカの雰囲気も良くわかりました。インパクトがあったのは、たくさんの解体する飛行機が並んでいるところ。平和になればお役御免となり、維持もできないので解体して、民生用の鉄に再生されます。復員兵の立ち場を象徴しています。その機体に自分の姿を重ね合わせ、平和の世の中に貢献する決意をするフレッド。この映画の名場面だと思います。

同じ年に、「素晴らしき哉人生!」が公開されましたが、興行的には失敗し、アカデミー賞でも無冠に終わっています。今ではむしろ評価が逆転しているくらいと思いますが、この映画はやはり当時の世相に受けたのではないかと思います。あくまで、戦争で苦労をした復員兵を讃える映画で、反戦的な思想は時々表現されますが、叩きのめされています。復員兵を前に言う言葉じゃないということはわかりますが、ワイラー監督はどういう立場だったのでしょう。敢えて入れて少しでも主張したかったのか、あるいは叩きのめしたかったのか?このあと、すぐに朝鮮戦争、ベトナム戦争と続いていくベースに、この映画が受けたという世相があったのではとも思いました。

3つの家族の中でも波乱の展開だったフレッドの家族ですが、この女優たちの中では、実はヴァージニア・メイヨが気になっていて、フレッドがなかなか探し当てないので、出現が待ち遠しかったのです。「白熱」で見た彼女が結構好きだったので、再会を楽しみにしていたのでした。部屋は散らかし放題で、あっさり離婚してしまうという遊び人の人妻でしたが、まぁヴァージニア・メイヨはこういうキャラですからねぇ。しかし、私生活では離婚歴のない女優さんで、ハリウッドで珍しいタイプなのですが。という訳で、名作を堪能しつつ、当時の世相を感じた3時間でした。

2020.6/17 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「バンカー・スクワッド ベトナム地下要塞からの脱出」

Amazon Prime特典に新しく出ていたので、ベトナム戦争時代のトンネルに潜ったことがあったので、その興味もあってみてみました。2014年のアメリカ映画で、ジョー・ブラック監督による作品です。相当B級っぽいのは覚悟の上です。

あらすじ
ベトナム北部の紛争地で行動していた米軍の部隊を、突如同じ米軍の集団が襲います。この部隊は消息を絶った特殊部隊でしたが、この隊を率いるタイベリウス(クリストファー・バール)は、ベトナム軍の地下トンネルを奪って潜み、軟弱な行動に対しては、裏切り者として処刑し、部隊に接近するものは、敵味方問わずすべて彼の部隊を脅かす敵として、捕まえては処刑し、指を切り取っていくという行動を行っていました。そして、この部隊を発見した米軍部隊も、本部に探索開始を連絡すると、敢えて撤退するように指示を受けます。

その頃、消えた特殊部隊を探してクリス中尉(マイク・ブラウン)以下4人の米兵のグループが、トンネルの入り口付近に接近すると、特殊部隊が襲います。結果中尉を含む2人が死亡、ハーウィック(Shane Scaccia)は捕虜になり、シェネック(ジェス・ウェーバー)がこれを単独で救出に向かいます。そして、特殊部隊が3人のベトナム女性と1名の米兵を処刑しようとしたとき、シェネックが襲い、ハーウィックと女性の一人キム・リー(サンデー・スイ)を救出しました。

3人はトンネル内に潜入し、特殊部隊の米兵との戦いを始めます。ハーウィックを失いましたが、トンネル内の戦闘で特殊部隊を倒し、外に逃れると、生き残ったタイベリウスがこれをと応え、キム・リーも射殺されました。そこに救助で駆け付けた本部が到着。タイベリウスは倒され、シェネックを本部に連れ帰ります。そして、シェネックと面談した本部は、このことは一切口外しない様に指示し、新たな戦場へと向かわせるのでした。



バンカー・スクワッド ベトナム地下要塞からの脱出

うむ。これはやられましたね。数年に一度の稀に見るグダグダな映画です。ダメ映画というものは、それなりに愛着も湧くものですが、これは全く湧きません。そもそもいきなり背景が良くわからない。この部隊の存在は秘密になっているらしいですが、救出部隊も存在するという、ややこしい関係。そのうえ、秘密を知ったものは、本部でも容赦なく処刑するという、脈絡のないストーリー。途中で発生してしまう、ラブロマンス。

とにかく、前後脈絡なくエピソードを詰め込み、地獄の黙示録のような話を、低予算とチャチなシナリオが作ろうとしたという映画なんでしょうか?とってつけたようなラストも失笑ものでした。ダメ映画でも、まぁ試しに見て見たら?と言う方ですが、これはまぁ、人に勧めると一生恨まれるような映画なので勧めません。せっかく穴を掘って頑張って撮影したのに、大変だったね、ご苦労さん、でも二度とやらないでねという感じです。

映画の話はこれで終わり。私の今住んでいるHCMCの郊外にも、ベトコンの地下基地が観光地として残されています。もともと閉所恐怖症気味かなぁと思っていた私ですが、このトンネルに入って、見事にそうであることが解りました。1度目はその狭いトンネルの中の移動にかなり圧迫感を覚えてトラウマになり、二度目は無理でした。うさぎ跳びのような姿勢で、延々と数十メートルある先の見えないトンネルの中を移動するのは、多少明かりがついているとはいえ、きついです。立って歩けるようなところであれば大丈夫なんですがね…。

2020.3.5 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「幽霊と未亡人」海辺の風景も美しい映像の幽霊ファンタジー

マンキーウィッツ監督の作品は、とりあえずイヴの総てしか見ていなかったので、イメージがわかないのですが、今回2つ目の鑑賞です。1947年の作品で、オスカーでは、撮影賞(白黒)にノミネートされました。
原題:The Ghost and Mrs. Muir

あらすじ
若く美しい未亡人のルーシー・ミューア(ジーン・ティアニー)は、亡き夫の家人の反対を押し切り、家を出て海辺のホワイトクリフに、一人娘のアンナ(ナタリー・ウッド)と家政婦のマーサ(エドナ・ベスト)とともに移り住みました。ルーシーは海辺の家を大変気に入り、いわくつきだという、不動産屋からの説得を押し切って借りると、さっそくその日に、グレッグ船長(レックス・ハリソン)の幽霊が現れます。ルーシーは、驚かせて追い出そうとする幽霊に啖呵を切ると、その姿を現し、愛するこの家を人にまかせるつもりはなく、出ていくように言いますが、ルーシーも負けずに出ていくつもりはないと主張し、しばらく同居することになりました。

船長は度々ルーシーと衝突しながらも、奇妙な同居が続いていたある日、株の暴落で彼女の財産が無くなってしまい、窮地に陥ると、船長は自分の海の生活が題材の自伝を書くように提案します。そして、本がまとまる頃には二人の間はより親密なものになっていきました。叶わぬ恋が発展するのを防ぐために、船長は、世間の人と交わることを薦め、本の出版の為、ロンドンに行ったときに出会った、童話作家のマイルス(ジョージ・サンダース)と付き合い始めます。グレッグ船長は、彼の不誠実そうな態度が気に入らず、止めようとしましたが、ルーシーがマイルスと結婚したいとまで言い出したために、船長は、彼女が眠っている間に、もう自分は現れないと宣言しました。

その後間もなく、ルーシーがマイルスのロンドンの住所を探し当てて訪ねると、そこには彼の妻がいて、こういうことは初めてではない、申し訳ないと言われます。ルーシーはグレッグ船長を思いましたが、再び現れることはなく、そのまま年月は流れました。アンナも結婚し、ルーシーとマーサも一緒に住んでほしいと頼みましたが、ルーシーはこのなつかしい家を離れることはなく、やがて老年を迎えたある日、初めてこの家に来た日と同じようにうたた寝をしていた時、静かに息を引き取ります。そして、グレッグ船長が現れ、若返った姿のルーシーと静かに部屋を出ていくのでした。



幽霊と未亡人

マンキーウィッツといえば、まず連想するのは「イヴの総て」ということになりますが、古いアメリカ映画は、長らく、西部劇中心にしか見てこなかったという私にとっては、比較的なじみの薄い監督であるのです。とはいえ、アカデミー監督賞を2回受賞したという名匠であり、敬意を払いつつ鑑賞しました。ストーリー的にはそれほど華々しいお話ではないのですが、人物描写や映像美が素晴らしく、また最後まで目の離せない展開でした。

メインは、グレッグ船長とルーシーの掛け合いの面白さだと思います。初めてこの家に入った時から、この展開は予測できるものですが、それも逆に期待通りなのが面白いと思いました。そして、船長と対照的な男と親密になるのは、あまりにもグレッグ船長との先行きに不安を感じたからということでしょうか。そういう結果を招いたので、船長も静かに引いていったという事と思います。船長が消えた後の後日談は、蛇足のような気がしつつ、また長いなと思いつつ、でも綺麗に終わってくれるので良しとします。

幽霊とのラブストーリーとして、思い出していたのが「ジェニーの肖像」ですが、両方とも海が出てきます。幽霊は男と女の違いはありますが、運命を理解し、達観した風情です。いずれも、そういった不死のものに憧れるような、ファンタジーであったと思います。ヒロインのジーン・ティアニーは美しいですね。特に、ラストが良かったです。レックス・ハリソンの船長もいい雰囲気でしたが。そして、娘のアンナの少女時代は子役時代のナタリー・ウッドなのですね。なかなか可愛らしいのでした。

2020.5.31 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ノックアウト」監視カメラ映像の再構成、ツッコミが楽しい

AmazonPrimeで、もうすぐ配信終了というものの中から、何やら気軽で面白そうだったので見てみました。この映画、ジャケットや邦題でちょっと損しているかもしれません。自分的にはけっこう面白かったです。2017年のアメリカ映画で、日本では、「未体験ゾーンの映画たち 2017」で上映されました。ジョン・ライド監督の作品です。
原題:626 Evolution 「No.626の進化」といった感じですか…

あらすじ
「スマホ、衛星、防犯カメラなど、あらゆる手段で監視されている。でも、簡単にハッキング出来る。この物語の映像は、すべて保存されていたものだ。」というナレーションで始まり、映画は保存映像の再生とナレーションで進行します。

武闘家と思しき女性(ダニエル・チャクラン)が、男たちを相手に奮闘中、警官の出現により逃走しますが、屋根から落下してしまいます。少女(ルビー・ジョーンズ)は里親カール(Andrew Dee Jones)にせかされて学校に行きまが、孤児をネタにいじめられ、サイコキネシスでいじめっ子たちを吹っ飛ばします。武闘家女性は収容されていた病院を抜け出しますが、またもや男たちに捕まってしまいます。しかし、彼らを倒して逃走。しかし、警察に拘束されてしまい、彼女はサラという名前で、婚約者もがいることが判明しました。そして、迎えに来た婚約者が連れ帰ります。彼女は記憶喪失になっているようです。この武闘家女性には626番、少女には449番という刺青が首の後ろにありました。

少女449はカールに殴られて、サイコキネシスでカールを殺してしまい、家にあった手紙から自分にサラという姉がいることを知ります。626は婚約者の家で、別の女性の遺体を発見すると、男が豹変。626もサイコキネシスで男の首を折ってしまいました。そこにサラを探して449が現れ、ガレージにあった女性の遺体を見ると、375の刺青がありました。彼女こそ、449の姉のサラと思われます。しかし、再び武装した戦闘員が現れ、二人は逃げ出しました。そして、高架下に隠れると449は鼻血を出し、具合が悪そうでした。さらに、626は追手の男の一人をを捕まえると、男は、626はファミリーの敵で、養女を誘拐し殺害したと言われます。

626は449とともに元里親を訪ねると、彼女は「組織から子供を預かると多額の金が貰えた」と話します。その間449は家のタンスを探り、里親に向けた手紙を発見。そこには、「イブリン病の初期症状は鼻血、症状が出たら施設に送り返して下さい」と書かれていました。再び追手に追われ、倉庫に逃げ込むと、ファミリーのボスが登場し、ボスが449を見て、失った養女とそっくりだと言います。626は、養女を誘拐したのは自分であることを思い出しました。そこにファミリーを一掃しながら武装戦闘員たちがやってきて、その中から626の双子の姉妹が現れます。彼女は626は優秀な回収係だったと言いつつ、626を始末しようとしますが、626はこれを返り討ちにします、しかし、その間に449は戦闘員たちに連れ去られました。

手術室で449は目覚めます。一方、626も施設に侵入します。626は施設の記録センターに入り、1ヶ月前375の遺体を家族に返そうとし、婚約者が追跡装置を外そうと提案している映像がありました。そして、626は手術室を襲い、処分されようとしている449を救出すると、記録センター室にへ連れて行き、2人で一連の映像を見ます。2人は宇宙人のDNAで作られ改良を重ねてきたクローンで、初期には、236番のイブリンで成果が出たが、問題も発生。さらにクローンを作り、多様な環境に配置し 里親のもとで生活させ、監視システムで観察していたのでした。そして、626は不良クローンを回収するクローンだったのです。

626と449は、自分の追跡装置を壊して施設から逃走し数ヶ月が経過。いままで監視映像を見ながらナレーションしていた449がカメラの前に現れ、これから他の姉妹を探して、凶暴な人間たちと戦う決意を話すのでした。



ノックアウト

監視社会を描いているような紹介文だったので、そのつもりで見始めましたが、そうでは無くてこの2人を監視しているだけだったんですね。ずっと中学生の女の子(449)のナレーションがはいっていますが、これがツッコミだったり自虐だったりで、なかなか面白かったです。無いなら無いで、また違った雰囲気になるかもしれませんが、この映画の魅力は落ちてしまうと思います。監視映像と監視対象者に埋め込まれたカメラによるPOVを中心に構成した映像上、このナレーションはアリと思いました、

オチは丁寧に解説してくれているので、安心です。それはSF的要素を入れたもので、まとまりも良かったと思いました。この結末に対する伏線もうまく作られていて、最後に種明かしをしましたという感じです。626さんは、最初武闘家のようなアクションを見せていますが、特殊能力もだんだん研ぎ澄まされ、グレードアップしていきます。特殊能力は449さんだけかと思ったんですが、626さんは、身体能力+特殊能力なので万能ですね。

という訳で、短い映画ですが、なかなか楽しめました。このクローンプロジェクトの背景とかには、話は突っ込んで行かないので、SF的深みは多少薄いと思いますが、映画の造りとしては面白いアイデアですし、ストーリーがしっかりまとまっているので好感が持てました。

SF的にまとめてみると、ある遺伝子操作の研究所で、宇宙人の遺伝子から作ったクローンの実験体を作り出しては里親に出し、社会に中で生活させてみて、問題があれば回収し処分するという研究を行っている。その実験体のクローンが進化をとげ、自らの出自とその研究を知り、殺人や遺体損壊を繰り返す人間たちに、仲間のクローンたちを結集し立ち向かうのだ。というお話になります。クローンたちの能力は既に人間を上回り、進化してきました。残酷な人間たちと戦うという決意で終わるこの映画は、今後のクローンのさらなる進化が予測されるだけに、かなりブラックな終わり方でした。

2020.4.6 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」

Amazonで、おすすめっぽく、露出度が高かったので、面白そうなので見てみました。2018年のアメリカのロマコメ。主演は、エイミー・シューマーです。アビー・コーンとマーク・シルヴァースタインの共同監督になります。

あらすじ
レネー(エイミー・シューマー)は少し太めの女性。高級化粧品会社で働いていますが、オフィスは薄暗い地下でした。唯一の同僚のメイソン(エイドリアン・マルティネス)はコンピューターオタク。親友のヴィヴィアン(エイディ・ブライアント)とジェーン(ビジー・フィリップス)とは、一緒にふざけた写真をインターネットに投稿するのが楽しみです。ある日レネーは、仕事で憧れの本社ビルに向かい、美しい創業者一族のエイヴリー(ミシェル・ウィリアムズ)を見て憧れ、受付を募集していることを知ります。そして、会議室では創業者のリリー(ローレン・ハットン)が大衆向け化粧品を全国のスーパーで売ることを企画していました。

レネーは、スポーツクラブで頭を強打し、鏡を見て、美しくなった!と叫び、勘違いが始まります。本社の受付業務の面接に挑戦。自信を持ったレネーは、ポジティブに押して採用され、街で出会ったイーサン(ローリー・スコーヴェル)とも仲も進み、デート中に水着コンテストに飛び入り参加。明るくアピールし、観客の喝采を浴びます。そして、エイヴリーから、スーパーで売る化粧品について、大衆の視点からアドバイスを求められ、ボストンでの製品のプロモーションに同行することになりました。ところが、大喜びのレネーは、親友のジェーンとヴィヴィアンに思い上がった態度で接して怒らせてしまい、ホテルでは部屋のシャワー室で頭を強打。自信の持てないレネーに戻ってしまい、イーサンにも別れを告げました。

奇跡の再現を狙って、スポーツクラブで頭を強打しようとしますがうまく行かず、宅配業者に扮して本社に忍び込むと、製品発表のパーティがあることを知ったレネーは、ヴィヴィアン、ジェーンに謝罪すると、パーティーの件を話して協力を頼み、パーティ当日、レネーはプレゼンのコンピュータ担当のメイソンと裏口から忍び込みました。エイヴリーのプレゼン中に、電気を落とし、当惑するエイヴリーの後ろからレネーが登場します。レネーはメイソンの映し出す写真に乗って、小さな少女の夢を持ち続け、自分に自信と誇りを持ってと呼びかけ、大衆向け化粧品のプレゼンを行い、大きな拍手で迎えられました。エイヴリーは喜んでレネーを抱きしめ、パーティ後、イーサンとも復縁し、自信に満ちた日々を取り戻すのでした。



アイ・フィール・プリティ!

冒頭から面白くて笑えます。しっかり捕まってしまいました。その笑いは、殊に前半は絶好調で、レネーが笑いの中で成功を収めていくわけですが、さすがに絶好調になると、いささか調子に乗り過ぎた感じで、少しづつ狂いはじめ、見ている方もオイオイと不安が胸をよぎります。そして、ガラスにぶつかる体当たりの演技。そして、感覚が現実に戻るわけですが、ずっとこれが現実であったということを認識すると、自分の容姿へのコンプレックスから解放され、ハッピーエンドとなりました。面白くて、まさにコメディの王道的な展開で、文句はありません。

全体としては、きわめて一般的かつ普遍的なメッセージ性を持っていますが、まぁ、それはよく言われることでもあります。全体の内容を通してみても、レネーの性格が転落前と後で変わったとはとても思えず、変わる前だって、十分ポジティヴで面白い性格だったように思います。本人的には、変わったのかもしれませんが、周りから見れば何も変わってないという状態。ただ、本人が少しポジティブに表現していくようになっただけ。あるいは、ちょっとハイになっただけみたいな感じでした。それは、ある意味より現実的なのかもしれません。

それはともかくも、下ネタあり、痛い演技ありで、笑える時間が多いので、とても面白いと思いました。どうかなぁ?と思って見始めたのですが、いきなり捉まれてしまい、久しぶりに笑いが止まらなくなる映画を見させていただきました。やはり、この手のコメディ時々見るといいものだと思います。ところで、あまりレネー、レネーと言われると、ブリジットに繋がっていくのですが…。体型も大きめですし、何か意識しているのかな???

2020.3.23 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「海底のヴィーナス」アネット・ケラーマンの水中撮影を見る

百万弗の人魚で見た、アネット・ケラーマンを見てみようと探したら、一本出てきました。1924年のサイレント映画で、アネット・ケラーマンの最後の映画。監督は、夫のジェームズ・サリヴァンです。この映画は、ニュージーランドで撮影され、2004年にアメリカ議会図書館により復元されました。
原題:Venus of the South Seas

あらすじ
南海の小島マネアに、真珠の採集を営む白人ロイヤル(ローランド・パデュー)と、その娘ショーナ(アネット・ケラーマン)が、豊かな自然の中で、原住民に仕事をさせながら、のびのびと暮らしていました。原住民の中には真珠を掠め取ろうと企むものもいましたが、泳ぎの達者なショーナに、水中ではかなうものがなく、盗難を未然に防いでいました。しかし、父親の友人であり、島への定期船のドレイク船長(ノーマン・フレンチ)は、原住民の一部と通じ、騙して真珠を掠め取ろうと企んでいました。

ある日、島の沖に豪華なヨットがやってきて、好奇心から泳いで船に乗り込んだショーナはそこで資産家の息子のロバート(ロバート・ラムジー)と出会います。ロバートはひと目でショーナを好きになり、二人は島の中で楽しい時を過ごしました。そして、ヨットの出航の時間になると、ロバートはショーナとの再会を約して帰っていきました。その後、ショーナは島の子供たちに物語を聞かせたりして、のびのびと暮らし、ロバートは、一旦港に戻ると、ドレイク船長の船に水夫として乗り込むことに成功しました。

ある日、ショーナの父親が亡くなり、ドレイクの手先の原住民が、父親が隠していた真珠の小箱を狙って、ショーナに迫ります。ショーナは海に逃げ、追いかける原住民を倒して漂流していると、ドレイク船長の船に救助されました。しかし、真珠を狙っていたドレイクは、ショーナを船室に監禁。ショーナは真珠を渡すまいと海に投げ入れます。船員が海に潜っても深くて到達できず、ショーナが海に潜って真珠の小箱を回収すると、ロバートのボートに浮き上がり、二人は無事その場を脱出したのでした。



海底のヴィーナス

百万弗の人魚を見た時に、動画を探していて発見したので、続けて見てみました。これは、百万弗の人魚のモデルとなった、アネット・ケラーマンの最後の作品になります。そして、監督のジェームズ・R・サリヴァンは、映画にも出てきた、アネットの旦那さんですね。これが、彼の唯一の監督作品と思われます。成立年代はサイレント作品の中では比較的新しいのですが、残念ながらメジャー作品と比べると、ちょっと見劣りがする感じがしました。

この映画の見せ場の一つが、アネット・ケラーマンが子供たちに語る物語のシーンで、その物語の内容が、水中の演技で表現されています。水槽の中での演技のようですが、まったく地上と同じような表情で演じているところはすごいと思いました。そして、一部海底の魚など、プリズマカラー方式で彩色されていました。ストーリーは真珠の盗難をたくらむドレイク船長を阻止する若い二人の活躍というものですが、船長は顔のアップとかも少なく、悪人らしく見えないので、よくわからない感じ。あまり人物描写がうまくいってないと思いました。いろいろな要素を見せて楽しんでもらおうという趣旨の映画かな?

今回は、伝説のアネット・ケラーマンを見られて良かったということですが、やはりハリウッドで撮られた全盛期の、この10年ほど前の作品を見てみたいなと思いました。サイレント映画鑑賞は、映画の歴史を追いかけつつ、往年の名女優を楽しむとか、ちょっとエポックメイキングであるとかなどで興味を持った作品が、時折ネットで全編視聴可能になっていることもあり、サイレント映画の字幕くらいの長さの英語だと、それほど読むのも大変ではないので、たまに楽しんでいます。このあたりの映画も、一つの楽しみの宝庫だとは思います。

2020.6.7 HCMC自宅にて YouTube よりのパソコン鑑賞

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「百万弗の人魚」 エスターの演じるアネット・ケラーマン

初めて見るMGMの水中レビュー映画。主役は、水中レビュー映画のスター、エスター・ウィリアムズです。1952年のアメリカ映画で、監督はマーヴィン・ルロイ。20世紀初頭の水中レビューのスター、アネット・ケラーマンの半生を描くもので、オスカーでは、撮影賞(カラー)にノミネートされました。

あらすじ
20世紀初めのシドニーで、ケラーマン音楽学校を経営するフレデリック(ウォルター・ピジョン)は、一人娘アネットの足が弱く、歩くのをあきらめていたところ、アネットは一人で水泳を楽しむようになり、競泳では連続して州のチャンピオンになるほどになりました。やがて経済恐慌から音楽学校は閉鎖され、友人を頼って、美しく成長したアネット(エスター・ウィリアムス)と共にロンドンに向かいます。船中で、父娘はジェームズ・サリヴァン(ヴィクター・マチュア)という興行師に出会い、彼はアネットの美しさに惹かれ、いっしょに水泳を武器に一儲けしようと勧められます。二人は断ったものの、ロンドンに着くと、友人は既に亡くなっており、途方に暮れたアネットのところに、ジェームズが現れました。

アネットとジェームズは、新聞記者に予告してテムズ河の遠泳をしたところ、たちまちロンドン中に知れ渡り、ジェームズはアネットと組んで、ニューヨークの大劇場ヒッポドロームに売り込もうと全財産をはたいて海を渡りますが、支配人のハーパー(デイヴィッド・ブライアン)はすげなく断り、ジェームズたちはボストンのビーチで遠泳を試みるも、ワンピースの水着姿が不謹慎と騒然となり、裁判ざたにまでなりました。その水着で有名になったアネットは、小さなショーをやるようになって人気を博しますが、ある日、ジェームズは飛行機とアネットのショーをミックスした企画をたてる一方、アネットは堅実な道を主張し、喧嘩別れになります。そして、ジェームズが一人で旅立ったところに、ニューヨークから、水上ショーへの出演依頼の知らせが入りました。

ニューヨークでは、父もオーケストラの指揮者に雇われ、アネットのショーは大人気となります。しかし、まもなく父は演奏中に倒れてこの世を去り、アネットはハーバーからの求婚を受けます。ちょうどその頃、ジェームズは大陸横断飛行レースに出場、しかし墜落してしまい、幸い軽傷で済んだものの、再びどこかへ立ち去ってしまいました。アネットのハリウッド進出に合わせて、二人で西へと向かったハーバーとアネットですが、水中レヴュー映画の撮影中、思いかけない事故でアネットは重傷を負ってしまい、ジェームズは病院を訪れ、毎日のように面会を申し入れました。ある日ハーパーも同席して面会。その場で、アネットとジェームズが本当に愛し合っていることを知ったハーバーは身を引き、二人は結ばれるのでした。



百万弗の人魚

水中レビュー映画で活躍したエスター・ウィリアムズの代表作の一つ。エスターと言えば、「私を野球につれてって!」を見ましたが、水中レビューではありませんでした。水中レビュー映画自体見たことが無かったので、楽しみに鑑賞しました。やはり、ヒッポドロームでの壮大なレビューが素晴らしかったです。今でいうと大規模なアーティスティックスイミングですね。ストーリーは、やはり水中レビューや、映画女優として活躍した、オーストラリアの女優、アネット・ケラーマンの半生記。エスター・ウィリアムズとの経歴がダブります。

エスター・ウィリアムズは水泳選手で世界記録保持者。1940年の東京オリンピックに出場する予定がかなわず、スカウトされて女優の道に入りました。ケラーマンもオーストラリアでは無敵の少女でアメリカにわたり、水中レビューやハリウッドで大活躍。この映画の内容の様に、新しいワンピース水着スタイルの先駆者であり、ハリウッドでは人魚役や水中撮影で活躍し、またメジャー女優として初のフルヌードを披露しています。(「神の娘」…残念ながら失われた映画です)。二人とも水泳選手だけあって、がっしりとした体格をしています。

スターの半生を扱った映画は、たくさん作られていますが、ショービジネスの舞台裏も良くわかり、大変興味深いです。また、関連していくつかの作品を見たくなるという効果も持っています。エスター・ウィリアムズは、水中レビューが下火になって女優を引退してしまったのは残念ですが、後年、ザッツ・エンタテイメントPART3などにも出演していますね。エスターとアネットの関係も興味深く、劇中で出てきた「海神の娘」は、エスターも同名の映画を撮影していますし、(邦題:水着の女王)、そもそもこの映画の題名は、アネットの「神の娘」が、上映時間3時間の超大作で、予算が百万弗であったという事も関連していると思います。まさにエスターはアネットの再来であったということでしょうか。「神の娘」が失われていることが大変残念です。

2020.6.7 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「クワイエット・プレイス」 沈黙のワンシチュエーション

音に反応して人を襲う怪物と戦う映画。2018年に公開され、オスカーで音響編集賞にもノミネートされました。監督はジョン・クラシンスキー。全米大ヒットとなり、続編も製作されています。

あらすじ
2020年。メキシコに落ちた隕石と共に、進入してきた怪物は、盲目ながら聴覚が異常に発達していました。彼らは、少しの物音でも聞きつけて、人類を襲い始めます。圧倒的に大きく、凶暴な怪物に、人類はなすすべなく駆逐されていきました。

アボット家は、手話を使いながらかろうじて生き残っていました。ある日、町の雑貨店に必要なものを取りに行った帰りに、長女のリーガン(ミリセント・シモンズ)が与えたおもちゃの音で、まだ幼い次男が怪物の餌食になってしまいます。時がたっても、リーガンは弟のことにずっと責任を感じていました。また、彼女は聴覚障害があり、父のリー(ジョン・クラシンスキー)の作った補聴器を使っていますが、満足には音を聞くことができませんでした。そして、母・イヴリン(エミリー・ブラント)は臨月を迎えようとしていました。

怪物はこの一帯では、3匹確認していました。イヴリンの予定日も迫り、リーはリーガンに、新しく作った補聴器を渡しています。そして、リーガンに母親のケアを頼み、長男のマーカス(ノア・ジュープ)を連れて、滝に出かけました。滝では声がかき消されるので、会話ができます。イヴリンは、破水したため、地下室に移動しているときに、釘を踏み抜きますが、何とか声を抑えると、非常を知らせるため、家のライトを赤に変え、バスタブで出産の準備を整えました。リーは赤い光を見て、怪物をひきつけておくため、花火をあげるよう指示します。一方、留守番のはずのリーガンは、滝に行けなかったことが不満で、一人で外に出ていましたが、花火の音で、母の出産を知りました。

イヴリンはバスタブでなんとか出産を終え、戻ったリーは赤ん坊に小さな酸素マスクをつけて箱の中に入れます。一方外にいたリーガンはマーカスと合流しますが、穀物サイロに落ちてしまいました。そこにやってきた怪物は、リーガンの新しい補聴器の共鳴音を嫌い、去っていきます。リーは子どもたちを助けると、トラックに向かいますが、怪物は二人の乗ったトラックを襲おうとしたため、リーは声でエイリアンをひきつけ、自分は殺されてしまいました。トラックで家まで帰った二人はイヴリンに迎えられると、そこにも怪物が出現。リーガンは、サイロでの警官から補聴器をマイクに近づけて拡声し。怪物にダメージを与え、そこへイヴリンが猟銃で撃ち殺しました。そして、周囲に群がっている怪物に対して次の攻撃の準備をするのでした。



クワイエット・プレイス

これは、劇場で見てみたかったと思いました。以前、パラノーマルアクティビティを劇場で見て、これを家で見るとだいぶ印象が違うだろうなと思ったのですが、逆にこれを家で見ていると、静寂の緊張感が劇場でどういう風に体感できるものか感じてみたい気がしてきます。音を立ててはいけないという緊張感は、そのまま張りつめた静寂の緊張感となって、少しの物音も劇場で響き渡るという効果があると思います。観客の誰か変な音を立てたにしても、すぐにわかってしまうでしょう。

内容は、全体を俯瞰して見ると、いろいろツッコミどころもありそうで、ワンシチュエーションを楽しむホラーという格好になります。途中で出てくる、突然叫びだす老人が、顔をゆがませて爆発していく演技とか、小技ではありますが、なかなか面白かったと思いました。クリーチャーも最後の方でアップで全貌が見られますが、まずまずいい出来であったのではないかと思いました。

失笑してしまうような場面もあり、どうしても都合の悪いところは飛ばしている感じですので、まぁストーリーは語ると落ちるのはもちろん、問いにも落ちるという感じです。ただただ、アイデアと雰囲気の勝負については、見事です。今年は、続編のクワイエット・プレイス PARTIIも公開されるようですが、この農場から出て、外の世界で戦うことになるようです。エミリー・ブラントといえば、このシリーズという事になってしまうのでしょうか…(笑)。

2020.3.28 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「サリヴァンの旅」 笑える楽しいコメディながらも社会派です

サリヴァンの旅は、コメディ映画の名作として、アメリカ国立フィルム登録簿にも登録されました。1941年のプレストン・スタージェス監督の作品になります。

あらすじ
映画監督のジョン・サリヴァン(ジョエル・マクリー)は、コメディ映画監督として、ハリウッドで成功を収めていましたが、自身は現実の矛盾を抉り出す、社会派作品を取りたいと考えていました。そこで、映画会社の重役たちの反対を押し切り、実際の貧困を体験するために、浮浪者に扮装して旅に出ると言い出します。ところが、重役たちは宣伝用にトレーラーに乗って彼の跡をつけ、取材させることにしました。サリヴァンは、少年の運転する自動車を拾い、振り切ろうとしますがうまく行かず、ラスヴェガスで落ち合うことを決めて、一人で行動を始めます。

トラックをヒッチハイクして、車から降りるとなんとハリウッドに戻ってしまいました。浮浪者姿で入ったカフェで、俳優を諦めて田舎に帰ろうとしている女性(ヴェロニカ・レイク)と出会い、サリヴァンを貧しい浮浪者だと思った彼女は、彼にコーヒーをふるまいます。サリヴァンは身分を明かして一旦自宅に戻ると、二人で旅を再開することにしました。そして、本物の浮浪者として貧しい人々の生活を共にしてきた二人ですが、だんだん耐えられなくなり、ハリウッドに戻ると、自らの体験に、貧困の悲惨さを感じたサリヴァンは、街の浮浪者に紙幣を配り始めます。

ところが、一人の浮浪者に逆に強盗に会ってしまい、遠くの街に運ばれ、たまたま警官を殴ってしまったことから、6年の強制労働を宣告されてしまいます。外界との連絡も取れないまま、奴隷のように働かされ、その頃ハリウッドでは、サリヴァンを大騒ぎで捜索。身元不明の死体が上がると、サリヴァンだと断定されてしまいます。ある日、サリヴァンは慰安として、囚人たちとコメディのアニメを見て、コメディがすべての人を幸せな気分にさせることに気づくと、自分がサリヴァンを殺したと名乗り出て新聞に写真を載せ、ハリウッドのメンバーがそれに気づき無事帰還。成果としての社会派作品の計画を立てる重役たちの前で、再びコメディ映画を撮ることを宣言するのでした。



サリヴァンの旅

成功したセレブであるサリヴァンが、社会派の映画を撮影しようと、浮浪者に扮して貧困を体験しようというプロット。そんなの、体験はしても、本当の所は解るはずがないと思うのですが、まずは、うわべから入って何度もサポート部隊に助けられ、実質失敗し、やがて軌道に乗ると、一通り貧困生活を過ごして、耐えられなくなって、ここらが潮時と帰還します。そして、自ら金を配るという暴挙に出て、解ってないのよねと思っていたら、今度は偽装貧困でなく、本当に奴隷のように強制労働させられました。そして、自分の役割に気づくというお話です。最後はかなり感動的でもありました、

ジョエル・マクリーと言えば西部劇というイメージですが、ここでは映画監督というコメディドラマの主人公であることが、新鮮でした。この映画では、強制労働させられているあたりが逆にジョエル・マクリーの雰囲気が出ています。そして、ヴェロニカ・レイクが美しくて、凄く雰囲気が良かったと思いました。ノワール映画が有名らしいのですが、残念ながら見ていないので、私には「奥様は魔女」のジェニファーのイメージしかありません。あの映画のヴェロニカ・レイクも大好きですが、これも良かったです。追っかけてみたくなりました。

前半のカーチェイス場面はなかなかの見ものでした、そして、二人の貧困体験の旅がセリフもなく続いていく場面は、かなり迫力があると思います。プレストン・スタージェスも、ワイルダーやマンーウィッツと同様、脚本家出身の監督。コメディが持ち味と言う意味ではワイルダーとイメージが被ります。プレストン・スタージェスの映画は数本見ただけなのでよく解らないのですが、今のところ、ワイルダーのコメディは柔らかなお洒落な感じがするのに対して、こちらは硬質でドラマチックなコメディのイメージを何となく持っています。どの映画も安心して見られる監督と思うので、こちらも追っかけてみたい監督さんなのです。

2020.6.12 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
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