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「ゾンビーバー」 ビーバーがゾンビ化してしまう映画

公開時に予告編を見て気になっていた映画。お色気系つきゾンビ映画で、気になっていたのはコートニー・パームだったのですが、見ることができなかったので、SUSHI GIRLの方を見てしまいました(笑)。監督はジョーダン・ルービン2014年の映画です。
Zombeavers (2014)

あらすじ
田舎道を走行するトラック。いい加減な運転で、鹿と衝突し、積み荷の汚染廃棄物の一つが川に落ちてしまいました。ドラムは川を流れ、ビーバーの巣の前で怪しげな緑色の液体を放出します。その頃、メアリー(レイチェル・メルビン)、ゾーイ(コートニー・パーム)、ジェン(レクシー・アトキンズ)は、女子会キャンプのために、メアリーのいとこの小屋に到着しました。企画したメアリーの目的は、スマホや男もいない環境で、週末の2日間を過ごすことでした。その後、彼女たちは、小屋の前の湖で水遊びを楽しんでいると、熊に遭遇。偶然ハンターが現れ、熊を追い払いますが、危険だから水着になるなと説教されました。

その夜、彼氏や元彼である、サム(ハッチ・ダーノ)、トミー(ジェイク・ウィアリー)、バック(ピーター・ギルロイ)が到着。メアリーは、男たちに帰るように言いますが、ゾーイはさっそく彼氏と遊び始めます。そんな中、ジェンが浴室のバスタブでシャワーを浴びようとすると、狂ったビーバーを発見。トミーがそのビーバーを野球のバットで撲殺します。しかし、その死体は翌朝消えていました。翌朝湖で遊ぶ6人ですが、バックの足に何者かが噛みつき、一帯に赤い血が広がります。それはビーバーの仕業であることが分かり、なんとか小屋に戻りますが、小屋にもビーバーが待ち構えていました。

夜になり、足を切断されたバックを病院に連れていくために、ゾーイとトミーは車で出発しますが、ビーバー木を倒して車は通れず、途中で出会ったハンターと共に戻ってきます。戻ると、仲間たちとビーバーの戦いが始まっており、近所の家でも住人が殺されていました。そして、ビーバーに噛まれた者は次々とゾンビ化し、お互いを殺害して何とか生き残ったのは、メアリーとゾーイのみ。二人は行けるところまで車で走り、歩き始めますが、メアリーは、ゾーイが血まみれなので、ゾンビーバーに噛まれているのではないかと疑いを持ち銃口を向けます。しかし、すぐにメアリーの方がゾンビ化し、ゾーイは斧でメアリーの頭を打ち砕くと一人でその場を去りました。再び、事件のきっかけとなった廃棄物のトラックがやってきました。彼らはまたわき見運転をしており、にゾーイを轢き殺してしまったのでした…。



ゾンビーバー

ふむ。軽いですねこれは。予告編で見て、ビーバーのゾンビ化というアイデアと、エロチックな楽しみがあって、ちょっと面白いかと思って期待していました。それはその通りでしたが、思ったよりチープだった感じがします。ビーバーのゾンビもあまりしっかりしていなくて、ストーリー展開はありきたりな感じで、十分楽しめはするのですが、何か突き抜けた面白さか、あるいはバカバカしさがありませんでした。ラストはうまい落とし方だとは思いましたが、まぁそれだけでは…という感じです。コートニー・パームを見るのであれば、やはりSUSHI GIRLの方が良かった感じです。

彼や元カレ入り乱れての、乱交パーティや、裏切り的なお話がスパイスとして入っていますが、その話自体はゾンビーバーに襲われるため、中途半端で終わってしまいます。裏切りは殺される順番に多少影響したかもしれません。しかし、結局最後は同じことなのですが…。そういう訳で、ビキニ姿の女の子と、一風変わったゾンビ映画として水準的に楽しめるのではないかと思いました。女優さんたちで見た事あるのはコートニー・パームだけなんですが、AmazonPrimeで見られる「ファイトクラブ・レディズ」にも出ているようです。懲りずに見てみようかな・・・。

という訳で、楽しかったのですが、ちょっと乗り切れなかった感じの一本。コンパクトにまとまった映画というか、ギャグなので、何か難しく考えたくない時に見るには良いと思いました。エンドロールの所で予告される、スズメバチのゾンビ化は、ゾンビーという事なのですね。いろいろなものに伝染していく映画でもあります。オーソドックスなゾンビ映画をパロディでなぞっていったような感じもあります。軽いノリで楽しみたいときにどうぞ…。

2021.1.21 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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「ビキニ・カー・ウォッシュ」 とても楽しいお色気コメディ

ずっと長らく名作映画を見続けた反動がこれです。いや、こういう映画は楽しいですね。気分よく見ていられるというか、至福の一時のようでもあります。2015年の映画で、監督はニムロッド・ザルマノウィッツという人。日本では、やはりDVDスルーでした。
All American Bikini Car Wash (2015)

あらすじ
大学4年のジャック(ジャック・カリソン)は、父から借りている家の家賃が払えず、同級生たちに余った部屋を貸してしのいでいました。男女学生が入り乱れる一軒家は、毎日がセックス三昧。ジャックに落第の危機が迫ってきます。そして、教授に呼ばれたジャックは、経営学の単位取得の条件として、洗車場を一週間任され、その業績で評価することになりました。そこで、友人ヴェックス(ジェイソン・ロックハート)の、ビキニ洗車場の提案にのり、美人学生のトリ(スカーレット・レッド)や、お色気学生のケリー(カイラ・コリンズ)たちの応援で、ビキニで老紳士の車を洗車すると、高額ながら喜んで帰っていきました。ジャックは、ヴェックスに面接を任せて女子学生を集め、経営はマーヴィン(J.R. Ritcherson)の知恵を借ります。ヴェックスはお色気基準で採用。そして同居住人の根暗なアマンダ(Dora Pereli)は事務に、そして、エイプリルの友人のミラ(Emma Lane)という美女も加わります。

メンバーが揃うと、ギャングのトニー(Heath Centazzo)と、ボビー(Brendan Nagle)がショバ代を請求しにきます。そして顔の広いミラは、高級車ディーラーの客を呼び寄せ、ビキニ・カーウォッシュは大盛況。これを見ていたジャックの幼馴染の、映画科のブリタニー(アシュレイ・パーク)は、この様子を映画にするため、撮影を始めました。ブリタニーは、ケリーがサービス過剰の乳首洗車をやっていると報告。ジャックは適正なサービスが必要だと説教します。マーヴィンは、スタイルのいいトリに恋していました。告白出来ずにミラに相談して、マーヴィンはトリをデートに誘いますが、そんなトリは、アマンダをレズに誘っています。マーヴィンとアマンダは元々根暗同士で仲が良く、マーヴィンはトリの事を相談しているうちに、アマンダが好きになり、二人はいつの間にか結ばれていました。そして、吹っ切れたアマンダもビキニになり、一緒に働き始めました。

売り上げを伸ばす洗車場に、再びボビーがやってきて暴れ出します。するとブリタニーは、ボビーを大人しくさせます。実はボビーは演劇科の学生で、課題の為にギャングに入っていたのでした。そして、ボビーとヴェックスは男版として水着で洗車に加わります。すると高級車に乗った中年女性が訪れ始めました。そこに、ジャックの父と教授が現れました。状況を見て驚いた教授が怒り出すと、回りの学生がジャックを褒め湛えました。それは売上実績だけでなく、労務管理なども上手くやっていたのです。父は、ジャックの能力を認め、教授は洗車場を立て直したことに喜び、ジャックに単位を与えることにします。そして、ジャックは、ブリタニーに告白し、二人も結ばれるのでした。



ビキニ・カー・ウォッシュ

深刻な映画を見るのが続いていたので、箸休めに見ました。こういった映画を見てリラックスするのも映画の効用です。ビキニだけかと思ったら、普通に露出度も高かったです。お色気女優さんたちもたくさん出ているようでした。ストーリーはいたって簡単で、ビキニ洗車場を思いついて、勘当と落第のピンチを乗り切る話。ストーリー展開はスムーズで、収まるところに収まる感じ。そういった展開の中に、ラブストーリーを中心にエピソードが挟まれる訳ですが、どれもスリルがあったり、破綻が起こるものではありませんので、大きな波乱なく、平穏に終わってくれました。

アメリカのこういった女優さんたちには疎いので、誰がどうということはできませんが、いろいろなタイプの女優さんが登場、プレイガール出身の女優さんもいたようです。主人公のジャックが意外にしっかりしていて、この取り組みを通じて経営を学んでいるところがポイントでしょうか。過激に走ることを抑え、従業員の生活を支え、信頼関係を築き、客を捕まえと、従業員と一体となって成功を導いていると言っても過言ではないと思います。実は、派手さに隠れてそういったボスの苦労と、真摯な経営が重要であるという事を語っている、良心的な映画でもあるのでした。

とはいっても、この映画を見る楽しみは、やはりビキニの女性たちにある訳で、正直裸でセックスにふける映像よりも、洗車しているビキニの美女の映像の方に、思わずいいなぁと思ってしまいます。ビデオの世界でいえば、着エロに近い世界です。やはり、時々こういった映画を見るのもいいもんだ、というのが正直な感想なのでした。

2020.9.7 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ラブ・レクチャー セックスの指南書」 実話による愛憎事件

最近映画を見る意欲が減退しているのですが、それでも何か見ようと思ってこれです。短い、何かありそう…。という選択基準。それでも、ロサンゼルス国際アンダーグラウンド映画祭というところで、いろいろ受賞しているようです。監督はマイケル・マッテオ・ロッシ2013年の映画です。実際の題名は、ミソジニスト(女性嫌悪者)です。
Misogynist (2013)

あらすじ
女性からの別れの手紙を持って嘆いているハリソン(ジョナサン・ベネット)を、女性に関しては一家言あるという風情のトレバー(ジョン・ブリデル)が呼び止めます。そして3年後、ハリソンは、トレバーの怪しげな、女性をコントロールするためのアングラセミナーを手伝っていました。それは、暴力まがいのセミナーで、女性は支配され痛みを望んでいるという主題で、男に女性の扱い方を伝授するというものでした。

セミナーのあと、トレバーとハリソンはビルの屋上で3年間を回想し、トレバーが女性にナイフで襲われたことや、ハリソンが3年越しの恋人エイプリル(ダニエル・ロゾー)と結婚することを語ります。ハリソンは3年間の付き合いの中で、カトリックの彼女に一切体を求めず真摯に我慢してきたのです。当のエイプリルはハリソンを全面的に信用していました。しかし、彼女の母親は、定職を持たないハリソンを信用できない人間と語り、エイプリルと口論になります。一方、ハリソンはエイプリルと付き合ている間も、常に他の女性と夜を共にし、エイプリルとの結婚には良心の呵責を持っていたのでした。

トレバーは、ハリソンに結婚の日に、エイプリルを目茶苦茶に犯して服従させるように話し、ハリソンも当然そのつもりだと答えます。そして、結婚の初夜、痛がるエイプリルを押さえつけ乱暴に犯すハリソンに対し、エイプリルは怒りと疑問を爆発させ、ハリソンが自分の金目当ての結婚であったということを悟ります。これから上手くいくはずがないとハリソンを追い出すと、エイプリルは枕元のハリソンの拳銃を見つけました。ハリソンが部屋の外に出ると、トレバーが様子をみに訪ねて来ました。ハリソンは今回の結婚で、3年間の時間を無駄にしたうえ、相手をひどく傷つけたことを後悔し、トレバーに詰め寄ります。トレバーは自分が女にすべてを奪われてしまったことを語り、二人が乱闘になったところで、出てきたエイプリルが背後から拳銃を発射。ハリソンは絶命し、トレバーに拳銃をつきつけるエイプリルですが、その顔を見て、トレバーが自分の父であることを悟るのでした。



ラブ・レクチャー セックスの指南書

かなりの部分をセリフが占める映画で、会話劇を見ている雰囲気もあります。特に前半はトレバーの奇妙なセミナーで占められ、ある程度それがこの映画の主題を示唆するものではありますが、残念ながらストーリーに絡むものではありません。そして、過去の経緯とかはフラッシュバックや語りで表現され、実際にストーリーが展開するのは、ラストの数分なのでした。きわめて変なバランスの映画です。ただ、最後まで見て全体を振り返った時、そのストーリーが興味深くて、ラストがうまく決まっているので、前半がかなり残念な感じでした。

題名は、ミソジニストなので、女性嫌悪ということ。トレバーの女性嫌悪は妻にすべてを奪われて追い出されたことがかなり影響しているように思えます。その後、女を支配することに没頭し、アングラセミナーを開くようになったという事でしょう。トレバーがハリソンの交際相手の写真を見て、初めてハリソンの相手が自分の娘だと気が付いたのか、それともトレバーが仕向けたのか定かではありませんが、ハリソンはトレバーの教えに忠実に、女性を支配し財産を奪い取るという最終目的の為に、彼女との結婚を三年越しで作り上げたようでした。

結果としてストーリーは面白いのですが、前半のセミナーの部分は、これから起こることに期待しながら見るのですが、内容に頷けると言うものでもなく、途中でエイプリルとの実際の交際も一度も出てこないので、もっと動きのある映画にもできたような気がしました。周辺の情景描写に終始し、メインのストーリーはラストだけという感じで、それも会話での説明が多いので、ちょっと見ているのに疲れる映画でした。

2021.4.11 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「原爆下のアメリカ」 次なる戦争に備えるプロパガンダ映画

ちょっとB級っぽい題名の映画があったので、とりあえず見てみることにしました。1952年の映画で、監督はアルフレッド・E・グリーン。B級感のある俳優が出演しています。なんと当時、日本公開もされた映画でもあります。
原題:Invasion U.S.A. (1852)

あらすじ
冷戦の時代、ニューヨークのとあるバーに集まった人々。ニュースキャスターのヴィンス(ジェラルド・モア)は彼らに政府の戦争への施策についてインタビューします。従妹のカーラ(ペギー・キャッスル)に会いに来ていた、サンフランシスコのトラクター工場主のジョージ(ロバート・バイス)は、陸軍に戦車の製造を頼まれたことを批判。牧場主のエド(エリック・ブライス)は税制を批判、孤立主義の上院議員アーサー(ウェイド・クロスビー)も政策を批判しますが、オマーン(ダン・オハーリー)は、好き勝手な要求を並べる国民を批判し、人々の目を揺れるグラスの液体に引き付けました。

その時、アラスカ大陸に共産主義勢力が進行したニュースが飛び込んでくると、敵は原爆を使用し次々と西海岸の街を制圧。彼らは、慌て故郷の職場へ戻っていきます。しかし、ジョージは敵に制圧され戦車の製造を強制されると、これを拒否して死亡。エドも牧場に戻り家族を連れて逃げようとしますが、敵に破壊されたダムの濁流にのまれて死亡します。ニューヨークに残ったヴィンスとカーラは互いに恋に落ちますが、ニューヨークも原爆を投下され、ワシントンも制圧されると、生き残ったヴィンスは敵にプロパガンダ放送を頼まれます。そして、カーラの元に戻ると敵兵に狙撃され死んでしまいました。

そして、彼らはバーで目覚めます。そこには戦争は無く、すべてがオマーンの仕掛けた集団催眠でした。テレビでは冷戦の解説を続けていましたが、催眠体験で戦争の悲惨さを知った彼らは、それぞれ自らの使命を果たすために、バーを去っていくのでした。最後に、ワシントンの言葉「戦争に備えることは、最も効果的な平和を守る方法だ」を引用して終わります。



原爆下のアメリカ

B級映画というよりは、きっとプロパガンダ映画なんでしょうね。多分。戦争シーンは色々出てきますが、あまり真に迫っていなくて、何かのフィルムを繋いだ感じ。集団催眠だったというのも、言わば夢落ちで、肩透かしを食った感じです。その中でも、登場人物の演技がある部分は、一応映画らしくて、それなりにまとまっていましたので、まずまずでした。当時の冷戦や赤狩りの時代、その状況を考えると、こういった世相はなるほどという感じもします。雨あられと原爆を降らしたようですが、きのこ雲は映るものの、地上の悲惨さはなし。それは意図して描かれないのでしょう。

という訳で、それほど面白くもない感じではありますが、B級SF映画的な雰囲気は感じられて、一つの時代の流れを感じますし、当時の放射能に対する認識がこの程度で表現されるものかというのも、そうなんだろうな…。と何となく慮って見ていた次第。そのあたりに、ちょっと興味深いと思った点もありました。俳優陣は、B級映画や西部劇で見られる方々。ヒロインのペギー・キャッスルは、50年代から60年代にかけて、映画やテレビで活躍された方のようです。キャストを見ると、エドワード・G・ロビンソンなんかも出ていたのですね。

実際に日本に原爆が落ちてから7年後に作られた映画。この映画では、アメリカ全土に原爆が落ちるという催眠状態になっているようですが、そこには次々と、新たな戦争へと進んで行くアメリカがあります。そんな中で、こういった映画の表現が、矛先をいろいろな方向に向けながら、次の世代のB級映画やSF映画に発展していくのかなとも感じられて、ちょっと面白いなと思った次第でした。

2021.4.10 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「緑色の髪の少年」 反戦ファンタジー映画からのメッセージ

Amazonにあった、アメリカの古い映画から、気軽に見られそうなので鑑賞してみました。戦争で犠牲になるのは、常に子供であるという主題の反戦映画です。ジョセフ・ロージー監督の、1948年の映画です。
The Boy with Green Hair (1948)

あらすじ
警察に、つるつるの坊主頭の少年(ディーン・ストックウェル)が保護されました。質問に一言も答えぬ少年に手を焼きますが、児童心理学の権威エヴァンス博士(ロバート・ライアン)が問いかけを始めると、少年は信じられない物語を語り始めます。

少年ピーターは、ロンドンの富裕な家庭で幸福な日々を送っていましたが、大戦の戦火で、両親と別れて疎開します。やがて、両親からの音信が絶え、ピーターはアメリカ人の芸人と渡米してきました。ピーターは彼をおじいさん(パット・オブライエン)と呼び、孫のように可愛いがられ、やがて学校に入ると、ブランド先生(バーバラ・ヘイル)や級友たちと仲良く遊ぶうちに、淋しさを忘れていきます。しかし、学校のイベントで、戦災孤児救援のための衣服供出が行なわれ、ふとしたことから両親が亡くなったことを知り、悲しさと戦争への恐怖に捉われ、朝になると頭髪が鮮やかな緑色に変わってしまいました。おじいさんは驚き、町の人々からは好奇の眼で見られ、医者は首をかしげるばかりでした。

やがてピーターは、町の人や友達から仲間外れにされていきます。孤独に堪えかねたピーターは、郊外の森に迷いこむと、そこには、学校のポスターで見た、悲惨な姿の戦災孤児たちの姿がありました。そして彼等から「緑の髪は戦災孤児の象徴で、子供たちにとって戦争がひどいものという事を世界に知らせるためだ」と教えられます。使命を教えられたピーターは町に帰り、道行く人に緑髪の由来を説き始めますが、誰も彼に耳を貸さず、それどころか噂が噂を呼び、ピーターの立場は厳しいものになっていきます。町の人々から緑髪を切るように要求されたピーターはやむなく同意し、皆にとり囲まれて坊主にされてしまい、屈辱に堪えかねて家出したのでした。

聞き終わった博士はピーターを励まし、おじいさんに引き渡します。そして、おじいさんは両親の遺書を読んで聞かせ、彼の自信を取り戻させると、ピーターは再び信念に燃えて家路についたのでした。



緑色の髪の少年

雰囲気から、若年層向けかなと思いました。シンプルなファンタジーで、主張もはっきりと織り込まれている映画だと思います。まずは、戦災孤児が主人公になることから、反戦映画なのですが、戦争のおかげで子供が不幸になると語られています。そして、森の廃墟で出会った子供たちは、戦争の犠牲者となった子供たちの様にも見ることができます。その他のポイントとしては、一人だけ変わっていると、集団から拒絶されるということや、その変わった者に対する不安が集団に伝染しデマを呼び、拡大していくことなどが描かれていました。印象的だったのは、剃髪を終えた後の、陪席者の何とも言えない気まずい雰囲気。ドラマ的な表現としては、この部分が最も印象に残りました。

ストーリーは劇的な展開がある訳でもなく、演技も平凡なものに思えたので、あまり映像に惹きつけられるという感じではありませんでした。この時代のテクニカラーを使った緑の髪はなかなか綺麗で、また、緑になってしまった時のピーターの反応は面白かったのですが、その後も全体的に平凡に感じ、映像を見つつ、思いは初音ミクは緑だよな…。ラムちゃんも緑だっけ…。みたいな妄想の方に行ってしまいました(笑)。森の中の少年たちは、雰囲気が出ていたと思います。特にやせた少女とかインパクトがありました。

時代は、第二次大戦が終わって、アメリカは朝鮮戦争へと向かっているところです。戦勝の雰囲気の中で、次なる敵に向かって準備している世相での、反戦映画という思い切った作品です。ジョゼフ・ロージー監督はこの映画が初監督作品でした。そして、赤狩りでアメリカを追われ、亡命という形で、ヨーロッパに渡り、ヨーロッパでは監督としての成功を収めました。ファンタジーに包まれた、ふんわりした感じの映画ですが、当時の製作者の想いが、いろいろ詰まっている作品という事だと思います。

2020.9.6 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「グレンとグレンダ」 最低の監督エド・ウッドのデビュー作

史上最悪の映画監督として名高いエド・ウッドですが、「プラン9…」を見たくらいで、あまりイメージがありませんでした。今回、長編デビュー作である、この映画がAmazonに出ていたので、見てみました。1953年の映画です。
原題:Glen or Glenda (1953)

あらすじ
不可解なコメントをする科学者(ベラ・ルゴシ)が話を進行していきます。生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声の後、生きづらい為自殺した女装趣味者の場面となり、捜査にあたるウォーレン警部(ライル・タルボット)は、困惑してオルトン博士(ティム・ファレル)を訪ね、女装について話を聞きに行きました。オルトン博士は警部に、参考として、グレンとグレンダの話を始めます。

グレン(エド・ウッド)は、若い時から女装好きで、ハロウィンでは、妹にドレスを借りて仮装していました。しかし、その後も妹の服を着続けるため、敬遠されるようになります。グレンは同性愛者ではなく、バーバラ(ドロレス・フラー)という婚約者がいましたが、彼女には破綻を恐れ、女装趣味を隠していました。そして、結婚の前に話すべきか悩んでいました。バーバラも彼の女性的分身をしらず、他に彼女がいるのではと疑いを持ち始めます。そして、そのグレンの苦悩の中で、グレンや科学者の登場する、数々の夢や幻想的なシーンが展開されます。グレン/グレンダは夢から目を覚ますと、バーバラに真実を話すことを決意。バーバラは、最初は戸惑いますが、最終的には彼と共に努力することにし、グレンに自分のアンゴラのセーターを渡すのでした。

オルトン博士は、更に別の物語を始めます。アラン/アン(トミー・ヘインズ)と呼ばれる別の男の話。母親は女の子を欲しがり、女のように育てられました。子供の頃は友達から相手にされず、自分を女性として認識すると、第二次大戦に従軍中も女性の服を持ち歩いていました。そして、負傷して病院で治療中に、性転換手術について知りました。そして、帰国すると性転換手術を受け、第二次大戦の勇者は、若い女性になったのでした。



グレンとグレンダ

最低の監督とか、最悪の映画とか言われている、エド・ウッドのグレンとグレンダ。そこには一定の愛情を持って称されている部分もあると思います。見ての感想は、今一つな映画には間違いないが、最低かと言われるとそうでも無いという感じです。世の中に最低な映画はもっと沢山あると思いますので。映画の構成としては、基本はフェイクドキュメンタリーで、ベラ・ルゴシが進行します。彼の警句に満ちた語りに、物語との関連性を見いだせず、語られる二つの物語は、女装趣味と性転換の話。その間に、幻想的でシュールな場面が挟まれます。物語はインパクトのあるものではなく、流れも良くないので、最初は寝落ちしました。

そうは言っても、70分の枠で我慢して見られる範囲内でもあります。この映画は元々は性転換手術について描かれる予定で企画されましたが上手くいかず、エド・ウッド自身の趣味である、女装趣味に主題が移ってしまったもの。当時のガール・フレンドのドロレス・フラーが相手役を務めましたが、当時はエド・ウッド自身が女装趣味だとは知らなかったとの事。後に知ったドロレスは、エド・ウッドのプロポーズを断り、エド・ウッドは彼女の家の前で泣いていたとのことでした。映画エド・ウッドでは、彼女は、サラ・ジェシカ・パーカーによって演じられました。

この映画自体、いろいろと使いまわしもあり、主張もよく解らず、ただただ女装趣味について述べて、幻想的な場面と、落ち目のベラ・ルゴシを復活させたというだけの映画というものだと思いますが、幻想場面はシュールですし、それなりに見どころはあると思いました。流れが悪いのが一番の欠点で共感もできずという事で、なかなか難しいのですが、愛される要素も持っているとは思いました。エド・ウッドが思いのままに、自分の事を語りたかった映画という事かもしれません。まだよく解らないので、エド・ウッド作品も機会があればまたみて見たい…くらいかな。

2021.1.20 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ユッカフラッツの野獣」 シュールな荒野のZ級追跡劇

昨年見たAmazonにいくつかある、古のZ級SF映画。見逃せない作品ばかりなのですが、今回はユッカフラッツの野獣を鑑賞です。内容は基本未知なので、どんな作品なのか、興味津々です。1961年の映画で、監督はコールマン・フランシスです。
The Beast of Yucca Flats (1961)

あらすじ
シャワーから出たトップレスの女性が、いきなり何者かに首を絞められる場面で始まります。

鉄のカーテンの向こうから、秘密を持って亡命してきたヤボルスキー(トー・ジョンソン)は、セスナでユッカフラッツの核実験場に到着すると、待ち構えていた東側のエージェントとの銃撃戦が発生。ヤボルスキーはその場を逃れ、核実験場に迷い込み、丁度実施された核実験の放射線を浴びてしまいました。その頃から現場では不思議な事件が起こり始めます。

砂漠地帯に通りかかった夫婦は、車が故障してしまい、夫は修理に降りますが、現れた野獣(トー・ジョンソン)に絞殺されてしまいます。その野獣こそ、核爆発の影響で人を殺すことだけを目的とする姿に変わったヤボルスキーでした。野獣は妻を気を失わせて引きずり下ろし、岩山を登って自分の住む洞窟に運び込みました。夫の死体を発見した男の通報で保安官のジムとジョーが出動。一帯を捜索し、洞窟の女性を救出。殺人鬼を求めて、あたりを捜索し続けます。そこに現れた二人の幼い子供を連れたラドクリフ一家。二人の男の子は付近で遊びまわっているうちに道に迷い、砂漠の中で迷子になってしまいました。

父親は、母親を車に残して子供たちを探しに砂漠に入っていきます。元空挺部隊の保安官は、セスナで上空から捜索を開始。「まず撃て、質問はそれからだ」という方針で、殺人鬼を捜索。しかし、目に入ったのは子供達を探す父親で、保安官は上空から銃を乱射。逃げまどう父親は、ついに撃たれてしまいますが、傷は浅く再びセスナから逃げ始めました。そして、あたりを徘徊する野獣も、二人の子供たちを見つけ、父親、保安官、野獣、子供たちを巡る砂漠地帯の追跡劇が続いていきます…。



ユッカフラッツの野獣

Amazonにあった、60年代のB級作品。B級という言葉の範囲に収まるかという所ですが、評点は軒並み低評価が並ぶ作品で、かつ、愛着も持たれている作品のようで、カルトという範囲には入っていると思います。ストーリーはそれほど目茶苦茶ではなく、むしろ超単純なストーリーで筋が通っています。鉄のカーテンの向こう側から情報を持ってやってきた男が、ソ連のスパイに追われ、入っていった核実験場で被爆し、獣になって人を襲うようになるというもの。そして、そこに紛れ込んでしまった、一般庶民が巻き込まれてしまうというお話でした。

数あるツッコミ所は枚挙に暇が無いのですが、それを差し置いても見せてしまう、シュールな映像感覚と、これも意味不明でシュールなナレーションが一風変わった雰囲気を掻き立てます。ところどころに現れる、人物の大写しが大変シュールな雰囲気をだしていきます。そして、ベタと言ってもいいくらいのサスペンス的な音楽が、雰囲気を書く立てています。ストーリーがあまりない分、描き方もじっくりと丁寧で、ある意味なかなか面白い映画になっていました。内容はというと身も蓋も無いのですが、人類の発展に貢献しようとする科学者が獣に豹変しているという、一応はアイロニーになっていました。

レストアされた映像なのか、はっきりした画像で見られたのも好印象でした。やはり、常に酷評され続けながらも、レストアされてDVDも出て、語り継がれているという作品なので、それなりに愛されている作品ということなのでしょう。愛されているという言葉は適当でないかもしれません。見てしまえば、妙に気になってしまう作品という事でしょうか。監督のコールマン・フランシスは、本業はB級映画の俳優なのかな?日本公開では、ラス・メイヤーの映画の出演者にクレジットがありました。冒頭のシーンは、本編とはさして関係ないのですが、つかみとしてのサービス映像ですか?見てしまったから、最後まで付き合いなさいという事でしょうか(笑)。

2020.9.13 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「X星から来た吸血獣」(宇宙怪獣) コーマン作品を楽しむ

昨年見た映画から…。ロジャー・コーマン製作総指揮のB級SF映画。むしろこのあたりになると、B級という表現が正しいのかもわかりませんが、ジャケットなども、いかにもと言う印象を醸し出しています。NETでの邦題は、「宇宙怪獣」となっていますが、やる気のない変な邦題です。原題はかっこいいですね。1958年の映画で、監督はバーナード・L・コワルスキー。やはり、コーマンの作品で見覚えがある監督です。
原題:Night of the Blood Beast (1958)

あらすじ
地球に帰還中のパイロット、ジョン・コーコラン(マイケル・エメット)は、トラブルに見舞われ、山中に墜落してしまいます。墜落地点に急行したスティーヴ(ジョン・ベアー)とドナ(ジョージアナ・カーター)は、ロケット内でジョンの死を確認しますが、その機体には奇妙な泥がついていました。捜索隊のリーダーのワイマン博士(タイラー・マクヴェィ)と、ジョンの婚約者のジュリー・ベンソン博士(アンジェラ・グリーン)、隊員のデイヴ(エド・ネルソン)も到着し、検証を始めると、ワイマン博士は死後硬直が無いことを不思議がります。研究所に戻ると、基地の電装品がすべて使えなくなり、孤立してしまいます。また、ジョンは死んでいるにもかかわらず血圧が正常に戻り、血液のサンプルには、血球以外に奇妙な細胞がいることが判りました。

真夜中の悲鳴に、デイヴとスティーヴが診察室へ駆け込むと、ワイマン博士が頭部をもぎ取られて死んでいました。そして、ジョンが蘇生してきます。ジョンは体のあちこちに奇妙な傷があり、全く記憶が無いと主張します。血液からは、異様な細胞は消えましたが、レントゲンを見ると、体内にタツノオトシゴ状の生物が何匹かいるのが解りました。そこに怪物が乱入。隊員は銃で応戦しますが効果が無く、ランプの火を投げつけると、退散していきました。ジョンは、これはファーストコンタクトなので、意図を理解するため会話すべきだと主張。ワイマン博士を殺した怪物は即刻始末すべきという隊員と対立した結果、明朝コミュニケーションを試行することにしますが、スティーヴとデイヴはジョンの態度を怪しみ、火炎瓶を大量に用意します。

翌朝になって怪物の捜索に向かい、怪物を庇うジョンは、自ら接触すると主張し、隊員を怪物の居場所に導きます。怪物のいる洞窟の前で対峙する隊員と怪物。怪物は、ワイマン博士の脳を食べたため、地球人の思考や言葉が判るようになったと切り出し、平和的な目的で来たと主張。母星が核戦争で滅び、地球に警告にやってきた。人類と一体化することで、地球を救い、新しい種族を繁栄させることができると力説します。ジョンは自分の体が彼らの侵略意図に使われたと気づき、隊員に自らを殺してくれと要求しますが、彼らが躊躇すると、ナイフで自殺。スティーヴとデイヴは、怪物への攻撃を開始し、怪物は炎に包まれ息絶えました。隊員たちは、この判断が正しかったのかは判らない、と呟いて立ち去るのでした。



X星から来た吸血獣

ツッコミさえ楽しみでもあるB級SF。いろいろとショボいところはあるのですが、意外とまともでした。まず、最初の宇宙船は低予算ですから仕方がないし。墜落しても大したダメージが無いのは、まぁいいでしょう。煙が上がっていたようにも見えましたが、焦げた跡も無く…。と言い出したらキリが無いのですが、俳優さんたちは、けっこう熱演です。まともに演じていて、頑張っていたと思います。クリーチャーは、まぁ着ぐるみです。ドナを捕まえようとして失敗し、藪の中に逃げる時、いかにもな着ぐるみ人形のジャンプを見ました。あと、レントゲンの映像は、笑ってしまいました。

そんなこんなで、ストーリーは基本骨格はまともです。但し、前触れもなく、思いついたという感じで、事態の解析にどんどん正解を出しているところは、どうして判ったの?と聞きたくなるところがいくつか。そうやって、どんどん物語を進めています。ラストは、一応SF的に、人類に警鐘を鳴らします。しかし、納得感を出そうと宇宙人が語りますが、信じてもらえずというか、魂胆を見破られた感じで、捲土重来を期していました。最後に、この判断が正しかったのか…というナレーションで、ちょっとだけまた警鐘を鳴らしていました。セットもセリフもショボいのですが、ストーリーは一応筋が通っているので、好印象でした。

エイリアンの元ネタという説もあるようですが、ちょっとネ…。人体に寄生するSFはいろいろありますからねぇ。さすがに、これが元祖ではないでしょう。と思います。脳を食べると、言葉や地球人の考え方が解り、話もできるようになるというのは、なんとも安易な理論ですね。そういう、小学生の書いたSFみたいなところが、やはりこの手のSFの何でもありなところ。もちろん、そこまで作りこもうとはしていないのでしょうが…。といろいろ言いつつ、ニヤニヤしながら、昔を懐かしみむ1時間10分を過ごせたことも事実。楽しませて貰ってありがたいと思っています。(笑)。

2020.8.31 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「上海特急」 マレーネの退廃的な雰囲気にどっぷり浸る

最近見ている日本の1930年代前半の映画。その同時代にアメリカではこういう映画がありました。スタンバーク=マレーネコンビの映画で、この作品は、ハリウッドでの全6作中の3作目になります。きっと面白いと、期待しての鑑賞しました。1932年の映画ジョセフ・フォン・スタンバーグ。オスカーでは撮影賞を受賞し、作品賞・監督賞にもノミネートされていました。
原題:Shanghai Express (1932)

あらすじ
内戦下の中国。ごった返す北京北平駅から、上海特急は出発します。一等車には、英国軍人のハーヴェイ(クライヴ・ブルック)、宣教師のカーマイケル(ローレンス・グラント)、浮名を流す上海リリー(マレーネ・ディートリヒ)、したたかな中国娘のフイ・フェイ(アンナ・メイ・ウォン)、地方の名士チャン(ワーナー・オーランド)などが乗り込んでいました。上海リリーはマデリンというハーヴェイのかつての恋人でした。しかし、マデリンがハーヴェイを試したのが裏目に出て別れ、以来上海リリーとして中国の夜を転々としていたのでした。デッキで再会した二人は、お互い愛が残っているのに気づきますが、いまや立場が違い高い壁が立ちはだかっていました。やがて列車は政府軍の検問に出会い、一人の反乱軍の青年が連れ去られます。この報せは反乱軍の間に広がり、奪回しようと動き出します。

その夜、反乱軍は列車を襲撃し、乗客たちを駅に降ろし、チャンは自分が反乱軍の長であることを暴露し、交換のための人質を探します。チャンはハーヴェイを、人質として確保、上海リリーに屋敷に来るように迫りますが、ハーヴェイはチャンに殴りかかり、思いとどまらせました。チャンは人質に手出しはせず、フイ・フェイを部屋に呼びつけます。列車に戻ってきたフイ・フェイは思いつめてナイフを取り出し、リリーに宥められました。翌朝、仲間は返されましたが、人質のハーヴェイが出て来ません。リリーが確かめに入ると、昨日の恨みから、チャンはハーヴェイの目を焼き鏝でつぶそうと考えていました。リリーはハーヴェイを助ける為、チャンの条件をのみ、列車から降りてチャンに従うことに決めます。そしてハーヴェイは解放されリリーを残して列車は出発の準備を整えます。

その頃、チャンの部屋にフイ・フェイが忍び込んでいました。彼女はチャンに忍び寄ると、不意をついて刺し殺し、ハーヴェイにそのことを伝えます。ハーヴェイはリリーを駅から連れ出し列車に乗せると、事情を知らないハーヴェイは、リリーがチャンの元に行こうとしたことを責め立てます。しかし、カーマイケルはリリーがハーヴェイの為に一晩中祈っていたことを知っており、事実は別にあることを聞き出していました。しかし、リリーはハーヴェイにそのことを話させませんでした。そして、列車は上海に到着。ハーヴェイは駅から立ち去りがたく、リリーがハーヴェイの為に時計を買うのを見て、リリーの本心に気づき、駅前でたたずむリリーに近づくと抱き寄せて、再びかつての恋人同士に戻ったのでした。



上海特急

マレーネ・ディートリヒを楽しむ映画でした。彼女がアップになる場面が多数。それも、光と影を巧みに使い、退廃的な美しさに仕上げていきます。マレーネ・ディートリヒに魂を奪われた男が作った映画。スタンバーグは一連の作品を撮って、彼女とのコンビが解消されてしまうと、魂が抜けてしまったようです。という視点で見てみて、なるほどと納得のできる映画でした。ストーリーも二転三転して面白いもの。そしてもう一人のアンナ・メイ・ウォンも、いい雰囲気を出していますし、二人の退廃的な雰囲気の競演が、この映画の一番の見どころだと思います。

改めて、この雰囲気が好きだったことに気づきます。というのは、マレーネ・ディートリヒを聞いていたというよりは、この雰囲気のマレーナを見ていると、高校時代から聞いていた、ロッテ・レーニャの、クルト・ワイルの歌の雰囲気を思い出します。ロッテ・レーニャとマレーナ・ディートリヒの競演の録音もあったと思います。近年でこの雰囲気を味わせてもらった映画として、ニーナ・ホス主演の「あの日のように抱きしめて」にいたく感動したことがありました。みんなドイツ系なんですけど、アメリカにおいても独特の雰囲気を放っています。なんか、どっぷり沈んでいきそうな感覚に襲われます。

さて、スタンバーク=マレーネのコンビのハリウッド映画は、6作あります。「モロッコ」は、そうは言っても、比較的普通だったのですが、他の4作はどうなんでしょう。やはり、この映画のような雰囲気で押しているのだとしたら、ちょっと見てみたいですねぇ。また楽しみが増えてしまいました。続けて見ると胸焼けしそうなので、ちょっと間を置いてみて見ましょう…。

2021.1.23 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「海底1万リーグからの妖獣」 放射能による海洋生物の変異

これは、昨年の夏に見た作品なんですが、改めてアップします。この映画は、いかにも、古き良きSFっぽいジャケットが目を引く作品でした。日本でもDVD発売があるようです。1955年の映画で、監督はダン・ミルナー。往年のB級SFを期待して鑑賞しました。
原題:The Phantom from 10,000 Leagues (1955)

あらすじ
沖合で奇妙な妖獣が漁師を襲い、漁師の死体はボートと共に浜辺に打ち上げられました。現れた海洋学者のテッド・バクスター(ケント・テイラー)は、政府の調査官グラント(ロドニー・ベル)と出会い、素性を問いただされている時、二人を物陰から監視する男を発見。彼は地元の海洋大学の助手のジョージ(フィリップ・パイン)で、身分を明かした後、立ち去ります。テッドの目的は、海洋大学のキング教授(マイケル・フェーレン)に会う事。そして、テッドは教授を訪ねますが、娘のロイス(キャシー・ダウンズ)には会えたものの、教授には会うことができませんでした。

その頃、この海域で不審な死が相次いでいました。教授は極秘の研究に没頭していましたが、それは放射能の専門家でもあったテッドの論文を参考に、海洋生物に放射能を照射し、変異を起こしていたのでした。そして、ジョージと秘書のエセル(ヴィヴィ・ジャニス)は教授の秘密を何とか突き止めようとしていました。テッドは漁師のボートから放射線が検出されると、海底に潜ってみましたが、不思議な光を発する岩を発見するも、妖獣と遭遇して逃げ帰ります。その後、海に入った男女が死体であがり、テッドはグラントに状況を話して二人で潜りますが、妖獣を撃退できず、逃げ帰りました。

テッドは、海底に露出するウラン鉱脈が妖獣に影響を与えていることや、教授の放射能を使って妖獣を生み出す研究を突き止め、教授にすべて危険な研究を破棄するよう迫りますが、あくまで人類の為の学術研究という事で、相手にしません。一方、エージェントに教授の研究の秘密を盗むことを指令されていたジョージは、秘密の一部をかぎつけ、ジョージにも不審の目を向けるエセルを殺害。その嫌疑は教授にかかります。その時、問題の海域で大きな船が爆発を起こし、教授はテッドが正しいことを悟り、テッドにロイスを託すと、海底の岩を妖獣もろとも爆破しようと海に潜りますが、戻る途中、妖獣につかまってしまい、一帯は教授と妖獣を巻き込み大爆発を起こしたのでした。テッドは、ロイスとともに、吹き上がる水柱を見守り、研究が侵してはいけない領域について思いを新たにするのでした。



海底1万リーグからの妖獣

往年のB級SF作品。ストーリーの発想としてはゴジラです。ただし、このモンスターは、等身大のタツノオトシゴみたいな雰囲気でした。それほど敏捷ではなく、特殊能力も発揮して無いようです。そんな1955年のSFの物語は、十分面白い素材であり、楽しめるものと思います。なのですが、この映画は出来は今一つですね。全体的に、話の構成が良くありません。表現の仕方も下手。演出も下手。もっと、サスペンスフルに、叙情的にも作り上げられる話のハズです。進行も中途半端でとんで行ってしまい、つながりもあまりよくありません。ちょっと残念な作品でした。

当時のB級作品として作られているのでしょうから、演出とか、映画として見せるとかよりも、きっと新奇なものを衝撃的に見せ、まだ黎明期だったSFの社会的警鐘の側面を加え仕立て上げたという事と思いますが、残念ながらそれ以上の展開にならず、したがってドラマにもならずと言ったところでしょうか。一方でサスペンス感も出しているようですが、これも空振り。何度も言うようですが、表現が下手です。いろんな娯楽主体のB級映画で、こういった映画はたくさん作られたと思いますが、これでは素人が練り直しても、もっと面白いものができるだろうなという感じでした。

映画の出来はそうなんですが、このテーマ自体は何度も作られているSFテーマの一つで、ストーリーは組みなおせば面白いものができると思います。俳優陣では、ケント・テイラーは今まで意識したことがありませんでしたが、活動期間が長く、いろんな映画に出続けた俳優さんの様です。IMDbで見ると、出演作としては151クレジット。ウォーク・オブ・フェームにもその名が刻まれています。ヒロインの、キャシー・ダウンズは、なんといっても「荒野の決闘」のクレメンタインですね。1947年にFOXから離れて以降は、B級映画に出演を続け、1950年代の低予算SF映画に彼女の姿が多く残されているようです。彼女も、ウォーク・オブ・フェームにその名が刻まれています。

2020.7.26 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

テーマ : 映画レビュー
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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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