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「武器人間」 POVで各種各様の改造人間の造形を楽しむ

なにやら面白そうなジャケ絵にひかれて見てしまいました。いろんな造形の改造人間が出てくるという、遊び心満載の映画です。2013年のオランダ=アメリカ=チェコの合作映画で、監督はリチャード・ラーフォースト。原題は、Frankenstein's Armyでした。2013年のシッチェス映画祭にて、Special Mention goes to a feature film from the In Competition Official Fantàstic Panorama Selection:という賞を受賞しています。賞の内容は良くわかりません…。

あらすじ
第二次大戦の独ソ戦。従軍して記録映画を撮影するディマ(アレクサンダー・マーキュリー)の同行する部隊は、救難信号をとらえます。ノビコフ隊長(ロバート・グウィリム)以下はその信号を頼りに進み、ある謎の教会にたどり着きました。内部はさながら工場のように改造されており、ディマは最年少の兵士サシャ(ルーク・ニューベリー)に発電機のスイッチを入れさせます。すると、建物の中にいた、人間のような形をした者が暴れ始め、隊長を殺害。それを始末したあと、階級上位のセルゲイ(ジョシュア・ザッセ)が指揮の立場につきます。

さらに進むと今度は一人の男性に遭遇。彼はここに一人の博士がいることを吐露し、セルゲイ達はその博士に会うべく、建物の奥へと入っていきます。そこには、殺意を持った謎の生物や、切り刻まれた人体のパーツが多数存在していました。その生物たちは人体のいろいろな部分が武器に改造されており、次々と攻撃をしかけてきます。そしてついにディマは、政府の指令で偽の信号を発して部隊をだまし、この地にいる博士を捕獲するという命令を帯びていることを告白。その博士はフランケンシュタイン博士の末裔にあたり、ここにいる怪物たちを創造していたのでした。

セルゲイ達は隙を見てディマをシュートに落として置き去りにして逃げ出します。そしてディマは博士(カレル・ローデン)に遭遇。博士はカメラに興味を持ち、人体実験の様子を映像に撮らせます。そこではディマを置き去りにした隊員たちが捕まって改造されていくのでした。そして、ディマもついに実験材料にされるべく拘束されたとき、博士は突然サシャの銃撃を受け死んでしまいます。サシャはディマを救出することなく、博士の首を持って立ち去り、残されたディマは、改造され怪物と化したセルゲイに食われてしまいます。その後サシャは偉業を達成した英雄としてスターリンの前で称賛されたのでした。



武器人間

題名とジャケから何やら不穏なものを感じますが、シッチェス映画祭で何かしら受賞しているので、大丈夫だろうと、いやむしろ見逃せないだろうという感じで鑑賞しました。POVで撮影されているので、画像が揺れてあまり好きではないのですが、第二次世界大戦中のPOVという雰囲気の演出がいろいろと見られます。その設定の割に、カラーという贅沢なものですが、そうでないとグロさがでませんですね。

導入の部分は緩い感じですが、まずトップが殺されるという展開で入り、あとは分裂状態でカオスになっていきます。そこに現れる武器人間たち。造形がなかなか面白いです。そして、グロさもかなりのもの。科学者はフランケンシュタインの末裔という設定ですが、ホラーとして怪物が中心に描かれるフランケンシュタインも、創造過程はグロいものですよと語っているようです。

ラストに向けて二転三転する展開も楽しめました。グロさに耐性があれば、なかなか楽しめる映画だと思いました。そこは、さすがファンタスティック映画祭の受賞作品というところでしょう。POVの画面酔いと、グロい映像を乗り越えて、ギャグと武器人間の造形を楽しむという、観客に覚悟と試練を突き付けてくるような映画でした。

2020.3.10 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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「APP アプリ」 変なアプリに侵されたスマホの処置は?


難しい映画や、名画を見続けて疲れた時は、肩の凝らないサスペンス。ということで、オランダ製サスペンスの「APP」を鑑賞です。スマホを題材にしたサスペンスは、携帯時代も含めて日本でもいろいろと作られていますが、その性格上いろんなサスペンスの題材になりますね。2013年のオランダ製作の映画になります。

あらすじ
大学生のアナは、友人とのパーティーで痛飲した翌日、スマホに見知らぬソフトを発見する。そのソフトは、スマホの中で暴れまわるどころか、次々と感染し、人々のプライベートをさらし者にしていく。そして、アナの身の回りの人が次々と命を失いはじめてしまう…。



冒頭、友達と別れたリスべス(Liza Sips)は、家族や恋人との関係を苦に衝撃的な自殺をするシーンからスタート。何やらいきなり強烈なインパクトです。そしてタイトルロールの後本題へ。

大学生のアナ(ハンナ・フックストラ)は親友のゾフィー(Isis Cabolet)とダイビング学校に通ったり、寮でおしゃべりを楽しんだりする毎日。アナの弟はバイク事故のリハビリ中で、医者からの勧めでチップを埋め込む手術をすることになっています。ある日親友の誘いで、寮のパーティに出たアナは、高校時代の元カレと再会。お互いに憎まれ口を叩く二人。そして、翌日朦朧として目覚めたアナの携帯にイーリスという見慣れないアプリがインストールされていました。アシスタントと名乗るイーリスですが、授業中に携帯を鳴らしたりと異常な行動をはじめ、ついに、ゾフィーのセックス動画を拡散したり、授業中に教授のスキャンダルを教室の映像に映し出したりと、暴れ始めます。

その結果、教授は学内で銃を乱射して自殺、アプリを消しに行った修理店は爆破され、そして、通話を妨害したり、冒頭に自殺したリスべスの声を流したりとやりたい放題。そして、このアプリは近隣にあるスマホやパソコンを始め、チップのある機器であれば何でも伝染するようにコピーされていくようです。そして、弟のチップにも感染し、弟は瀕死の状態に、またゾフィーさえも感電死させられ、その恋人も殺されてしまいました。

そして、弟を救うため、すべての医療機器から無理やり引きはがしたアナですが、そこに止めに現れたのは、担当医とパーティで再開した元カレ。過去の動画から、その元カレがイーリスをアナのスマホにダウンロードしたことを突き止めた彼女は、2人と対峙します。担当医は元カレの作ったリハビリ用のチップで一山当てたいと考え、元カレはどうやら昔の彼女を監視するためにも、そのシステムを使っていたようです。しかし、成功したのか暴走しているのか解らない状況で、男2人はお互いに自滅した格好で、アナはその場を逃れ弟を救うことができました。

ラストは、回復した弟と一緒に旅行に出る場面。乗り込んだ飛行機の計器にイーリスが現れ…。で終わりました。

APP アプリ

楽しく拝見しました。動機とか、首謀者の挙動の割には、やることが激しすぎるという感じはしますが、まぁ、そこまでリアルさを求めてないので…。というところです。グロい場面は見せていないので、スムーズに話が流れるのもいいところ。この元カレも、きっとイーリスはもはや制御不能になっていたのではないかと思いました。リスべスの呪いというか、リスべスの呪いをイーリスが受け継いでいたのでしょうね。ありがちなラストで、これは、良くも悪くもというところです。

ハンナ・フックストラさんはいいですね。スレンダー美人。スレンダーという印象はこの映画からではなく、もう一つの日本発売のある「アブノーマル」の画像から来ています。あちらの方はたくさん裸を見せてくれているのですが、映画自体は未見です。いつか見てみたい。この映画では、美しく、かつオートバイを乗り回す活動的な女性でした。気になる女優さんが増えました。

という訳で、肩の凝らない映画と言う意味で、なかなか楽しめました。増殖していくイーリスはなかなか脅威ですし、見ているとなんだかこれに近い話が実際にありそうな、という気もしてきます。スマホは個人情報の塊ですし、クラウドとも共有されていますので、気になり始めるとキリがないですね。そういうアプリに行き当たった時は、SIMの交換とかせずに、さりげなくセメントの中にでも落としてしまいましょう。それでも気づかれるかな???

2019.4.10 HCMC自宅にてAmazon Prime よりパソコン鑑賞

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「裸の診察室」 静かなアートをみながら性愛を考える

GYAO!を眺めつつ選んだこの映画ですが、オランダ作品で、いろいろと期待できそうな怪しい題名です。ただし、邦題は「裸の診察室」ですが、原題は、「ブラウン運動」です。ブラウン運動とは、学生時代以来に聞く言葉なのですが、浮遊する微粒子が、ランダムに運動する現象で、分子の不規則な衝突によって引き起こされる、ということ。原題の方からしてみれば、高尚なドラマのようです。という訳で、内容はエロチックな感じを含むドラマ、邦題は殿方の注目を惹くための題名という図式が簡単に成立してしまう訳ですが、いかがなものでしょうか。ちなみに、先に言ってしまうと、診察室で裸になる訳ではありません。

あらすじ
女医のシャルロットと建築技師のマックスはブリュッセルで息子と一緒に暮らしていた。幸福な生活の傍らで、シャルロットは病院の患者を自分で賃貸したアパートに連れ込み性行為を行っていたが、これが知れ渡ることとなり、二人の間に試練が訪れる。 その後、シャルロットはカウンセリングを受けるようになり、医師資格も剥奪されてしまう。マックスの仕事のため二人はインドに移り、新たな二人の子供も設け、再び平穏な生活が戻ったかに見えたが、マックスはシャルロットが毎日外出していることを知り…。



映画はパート1からパート3に分かれています。タイトルロールはぼやけた黄色いバックの後ろから喘ぎ声が聞こえている不穏な感じでスタートです。そしてまずパート1から。

シャルロットは、きれいに整ったアパートを借りるところからスタート。アパートの住人になると、少しですが美しい肢体をを見せてくれました。そして、幸せそうな夫婦生活の場面、病院でのシャルロットの活躍などの場面を挟みます。そして、医師として巡回中に目を付けた患者に近寄っていく姿。その患者たちはそれぞれシャルロットの部屋を訪れ、性行為の場面となります。連れてくる男性は毛むくじゃらだったり、老人だったりと、基準は不可解です。ある日、夫の建築現場を訪れた時、かつて部屋に連れてきた男に遭遇。男に声をかけられたシャルロットは突然金切り声を上げて暴れだし、気を失ってしまいました。シャルロットは病院で目を覚ましますが、彼女の行為は公のものとなったようでした。

パート2は、ほぼカウンセリングの場面。カウンセラーは行為の理由や心境についていろいろと質問をして、シャルロットは穏やかに答えます。最後には、夫のマックスも同席のもとカウンセリングを受けますが、マックスは穏やかながらも責めるような口調が含まれているようでした。そして、シャルロットは医師資格の剥奪を宣告されます。

パート3は、インドにて。夫婦は平穏を取り戻し、新たに二人の子供を設け、幸せな生活を送っていました。時折夫の建設現場を訪れていたシャルロットですが、ある日建設現場は移動していて無人の状態になっていました。シャルロットはその後も一人でその建設現場に通っているようでした。ある日マックスは家政婦から、シャルロットが毎日外出していることを知らされ、疑惑が心に芽生えてしまい、シャルロットを尾行します。そしてたどり着いた建設現場には、シャルロットが一人でたたずんでいました。そして、車の中の二人。マックスにもたれかかるシャルロットと、複雑な表情で受け止めているマックスの場面でこの映画は終了します。

裸の診察室

この映画はストーリー以上に画像や音響の特徴ある映画でした。会話は極端に少なく、表情も大写しになるが、その時間が非常に長い。そして、その表情の皺の1つの動きみたいな微妙さで心情や背景を語らせるような映画です。画面は常に芸術写真のようにアート感があり、そこには、サンドラ・ヒューラーがいつも微妙な表情で写っている。常に静かで、構図もいろいろ。普通に正面で捉えるときもあれば、画面の端に映って、しかも外を向いているような構図も多く、その位置関係で心情や状況まで語らせようとする感じです。説明されることはごく限られています。が、よく伝わってくる。そんな不思議な映画でした。

ということで、テクニカルな面で、大いに気に入りました。というか、こういう映画はけっこう好きです。絵と雰囲気だけで、あとは感じてくださいみたいな。それでも、ストーリーは簡単なので、難しい映画ではないようです。パート1で連れてくる患者は、どれも醜いタイプ。そこでセックスをするシャルロットの心はどこにあるのでしょうか?結果として、性依存者という分類が正しいようにも思えますが、その欲求の根源は何か?これはカウンセラーの質問の中でも出てきますが、明確に語られることはありませんでした。パート3の生活では、彼女は一人、建築中の誰もいない建物の屋上でたたずみ、横になりという日を過ごしています。何がそうさせているのか?説明はありません。それは、原題にあるように、流れのままにブラウン運動をしているだけということでしょうか?

理想的な結婚生活の中での、男女の関係。シャルロットが爆発するのは、建設現場でかつて連れ込んだ男と会った一場面のみ。あとは、笑みをたたえ、何をするにも平穏な様子で、過激なことをやっている。そういう2時間のゆったりしたアートを見せられて、いろいろなことを考えさせる。その中には、自分を振りかえざるを得ない一瞬もある。そういう映画だと思いました。

主演のサンドラ・ヒューラーさん。東独出身で、2006年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)を受賞しています。日本公開映画はあまり無いようですが、最近日本公開されて、ちょっと好評らしい「ありがとう、トニ・エルドマン」で主演をしていますね。この映画、なかなか魅力的な演技だったので、銀熊賞の「レクイエム ミカエラの肖像」も見てみたいと思いました。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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