FC2ブログ

「ダスト・ウォーカー」 アートな雰囲気も持つゾンビ映画

手ごろな時間帯にやっていたので見に行ったB級ホラー映画。日本でも、今年になって公開されていたようですが、評価のほどは今一つみたいでした。2019年のオーストラリア映画で、監督はサンドラ・スキベラスという人。観客3人で、英語での鑑賞です。

あらすじ
オーストラリアの砂漠地帯にある、人里離れた小さな町に、謎の物体が飛来します。そして、停電が発生し、チェックに向かっていたビリー(Ben Mortley)は、奇妙な胞子に触れてしまい、ウィルスに感染してしまいます。ゾンビ状態になって町に戻ってきた彼は、思考をも支配されているようです。胞子は人間や動物に伝染し、町の人々は一人また一人とゾンビ化していき、凶暴になっていきました。

保安官のジョー(ジョリーン・アンダーソン)とルーク(リチャード・デイヴィス)は、事態の原因を調べ始めます。地元の地質学者のアンジェラ(カサンドラ・マグラス)や教師などの協力で、ウィルスの活動や、隕石が落ちたような穴も発見。そして、町の周囲が巨大なサンドストームに囲まれ、隔絶されていることが解ります。ウィルスは死んだ動物から子実体のような物を出し、胞子を作って付着し伝染していくようでした。その時、巨大な触手を持つエイリアンが現れ、感染した人々を連れ去っていくようになります。

ジョーとルークは、町の未感染者をできるだけ保安官事務所に集めようとします。ゾンビ化した人々に襲われますが、感染者も、ある程度元の姿を保っており、なかなか非情に倒すことができません。その時エイリアンが現れ次々と連れ去っていきます。まだ感染していない、ミシェル(Talina Naviede)が一緒に連れ去られそうになり、ジョーはエイリアンに連れ去らないように話すと、彼女は解放されました。エイリアンは集めた感染者をまとめて火を吹いて焼き払うと、砂嵐も消滅し、町に再び平和が戻ったのでした。



ダスト・ウォーカー

オーストラリア砂漠の中の小さな町の、ゾンビとエイリアンを組み合わせたホラー。ゾンビではありますが、中途半端なゾンビ化で、伝染してしまった友人や家族を無慈悲にどんどん撃てないという状況になっています。砂漠の街や、静かに立ちつくすようなゾンビの情景が妙に美しく、これはアートフィルムを意識したホラーではなかろうかとも思った次第。どうしてそうなったかはよく解りませんが、ゾンビ化させるウイルスが来てしまい、エイリアンが伝染者を捕獲して焼却するというお話でした。エイリアンは保健所に勤務しているのでしょうか(笑)?それとも何かやらかして拡散してしまって、火消しに走っている?

焼却処分される豚や鶏と一緒で、やられる方は全貌は判りませんという事の様です。活躍するのはジョーとルークの二人組。ラストの、母親に足をつかまれて切断するところは、そういう中途半端なゾンビであるだけに、無常感が漂います。焼却シーンは、ちょっと脱力感ありでした。仕掛けは面白いですが、ストーリーは極めて単純なので、ゆっくりしたペースで話が進みます。その分映像とか、いろいろ作りこんでいると思います。死んだ虫から子実体が出てきて胞子が飛散する場面あたりから、アートだねぇ…と思っていました。

丁寧かつコンパクトに作られている感じが伝わって来て、ちょっと気に入りました。音やグロで押すだけの作品よりは、こちらの方が好きです。町の中に何体かゾンビが並んで立っている様子や、一人づつ引き上げられていく様子とかは、独特の面白さがありました。そしてそう感じるのも、何にも増して映画館で見ることができたことが大きいのかなと思っている次第です。テレビ画面でみたれ、また感想が違っていたかもしれません。

2020.5.17 HCMC LOTTE CINEMA NEWZONE にて鑑賞
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「マッドストーン」 70年代の雰囲気を色濃く残すB級映画

70年代のアクション映画を探して、いろいろと見てみたのですが、どうも社会派だったり、コメディが勝っていたりと、これというものに出会えませんでした。この映画も内容的にはドラマに近いような感じですが、アクションシーンも多いし、マッドマックスの原型ともいわれているようなので、アクション映画といってもいいかなと思いました。1974年のサンディ・ハーバット監督によるオーストラリアの作品です。

あらすじ
シドニーの公園で公害の責任を追及する演説していた指導者が、何者かに狙撃され殺されます。その時、たまたま現場近くに、アンダーテイカー(サンディ・ハーバット)をリーダーとする暴走族「墓掘り」のメンバーがいましたが、彼らは麻薬で朦朧状態であり、犯人を認識できていませんでした。ところが、その日から暴走族のメンバーが狙われ始め、一人、また一人と殺されていきます。この連続殺人の捜査を開始した警察は、ストーン刑事(ケン・ショーター)をメンバーに潜入させることにしました。暴走族と刑事という関係で、最初は抵抗があったグループですが、アジトで共同生活を送る中で徐々になじんでいき、ストーンも社会的地位を捨て、メンバーとして活動している面々に共感を覚えていきます。

ある日、墓掘りは、対立する暴走族グルーブの「黒鷹」と衝突したことから、これに目をつけた犯人グループが黒鷹の名を使ってグループをおびき出します。決闘の場所へ向かった墓掘りを迎えたのは、環境破壊の張本人である資本家がやとった殺し屋たちでした。銃撃戦で犠牲者を出しながらも、手配中の犯人をつかまえたストーンは、自分たちで復讐するというメンバーの抗議を押し切り、犯人を警察に連行。ストーンは墓掘りメンバーの生き方に共感を持っていましたが、警察の立場を優先しました。墓掘りのメンバーは、ストーンの家を襲いリンチを加え、瀕死の重傷を負わせますが、彼らが去った後、恋人が警察に訴えようと受話器をとった時、ストーンは彼女の手を押さえこむのでした。



マッドストーン

マッドマックスの原型とも言われているとのことですが、確かに70年代の反骨精神など、その面影はあります。一方で、アメリカン・ニューシネマのオーストラリア版というイメージも持ちました。それは、ひとえにバイク繋がり。イージーライダーをイメージさせるからです。ただし、イージーライダーのような強烈な旧社会への反抗や、ヒッピーの文化が強く出ているというところまではいきません。ここはオーストラリアなので、そのあたりは軽めになっています。アメリカほど強いムーブメントでは無かったのかもしれません。でも、暴走族の集団生活を美化して見せるところなど通ずるものがあると思います。

というわけで、この時代の雰囲気をよく表している作品だと思いました。全体的に解りづらいところもあり、映画としてもいろいろと甘いと感じるところも多く、立派な映画だという感じではないのですが、生き生きとした表現で暴走族のメンバーを捉えていて、かなり説得力がありました。ラストは恋人との会話からリンチへと進行していくあたり、いかにも言葉で作ったというような感じもありますが、一方でこの結末には、すっきりしたという感じも残ります。時代を経て見ているという事もあるかもしれません。

ということで、この映画自体はB級の域を出ない感じですが、でも70年代の意気ごみや気合を感じた次第です。見てよかったという感想が残りました。さて、この映画の主役のケン・ショーターですが、なんか既視感があって、有名な俳優かと思って見ていたものの、日本公開作品はこれしかないようです…。う~む、どこで見たんだろう、この顔…。似た顔がいるのかなぁ。と悩んでおります。どうでもいいことですが。

2020.1.25 自宅にてAmazon Prime鑑賞

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター」 美しい海で淡々と進むサメ映画

夏も近づき、シャークムービー。ということで、GYAO!動画から、「赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター」を鑑賞です。オープン・ウォーターというシリーズがあるようですが、残念ながら見ておりません。今年の夏のカリ・コレで第3弾が上映されるとのことですので、これはそのシリーズとは関係ないということなのででしょう。ただ、実話を基にした海洋パニック映画ということは共通しているようですが…。

あらすじ
船を届ける仕事をしているルークのもとに、友人のとマットとそのガールフレンドのスージー、そして、マットの妹でルークの元カノのケイトが訪ねてくる。彼らは、ルークとのヨットクルーズを楽しみに来たのだ。ルークの仲間のウォーレンとともに、ヨットで秘密のスポットの無人島に行き、その帰路、船は水中の障害物に衝突し転覆。大海原に取り残された彼らは、ウォーレンを残して、水平線の彼方の島を目指して泳ぎだすが、そこはサメの出没する海原だった…。



導入部、親しげに挨拶するメンバーですが、ルークとケイトの間には、過去に何かあったようなぎこちなさがありました。5人はさっそく大海原にヨットで出発、無人島に上陸して楽しいひと時を過ごします。そこでも、ルークとケイトはお互いに何かを言いだそうとしています。ちょうどそこへ、潮の流れが変わるので出航するとの合図。再び彼らはヨット上の人となりました。ここまでは、大変美しい海の様子が描かれます。まるで、観光用のイメージビデオのようでもありました。しかし、途中で起こる小さな出来事が、少しずつ不穏な空気を漂わせています。

翌朝、マークとケイトが昨日のちぐはぐな会話を修復しようとしているところで、ヨットが転覆。5人はなんとか裏返った船底に這い上がります。どうしようもない状況で、マークは、このまま留まれば助からないのは目に見えている、座して死を待つよりも島の方向を目指して泳ぐべきだと主張。しかし、このあたり一帯はサメの海。その恐怖にウォーレンは船底の上で待つことに決め、ケイトも残ると主張します。最初は3人でスタートしましたが、思い直したケイトが合流、4人で泳ぎ始めました。

美しい穏やかな海原が続きますが、やはりサメが出現し、4人を恐怖に陥れます。そして、サメの犠牲になる者が出始めました。翌朝、遠くに岩礁が見え、残った者は最後の力を振り絞って泳いでいきます。沖合の小さな岩で休みながら、いくつかある岩を伝うように海を渡っていく形となりました。最後に残ったルークとケイトは小さな岩の上で二人の愛を確かめ合い、岩礁への最後の泳ぎを決行しますが…。

赤い珊瑚礁 オープン・ウォーター

まず、特筆すべきは、前にも書きましたが、海の美しさでしょうか。前半のヨットクルーズの場面は、そこここに美しい映像があり、目を奪われます。ストーりー自体は単純なものなので、どれほど緊張感や恐怖感が煽られるか、あるいは人間性の弱いところが出てくるかといったところですが、それほど強調はされません。ただ、終始海の中に放り出された格好なので、一定の恐怖感が常に付きまとっていて、それがひしひしと伝わってくるという感じでしょうか。そして、最も緊張するのはラストに向けての部分でした。脅し的な効果があまりありませんので、恐怖感というよりも、どうなるどうなる!といった緊迫感です。

最初に、これは事実に基づく物語ですと断られます。とすれば、後で途中までの行程を解明する、何らかの手段があったということで、最も可能性があるのは、生存者がいるということ。でなければ、作りようがないということでしょう。では誰が残るのか?一人なのか、複数なのか?普通は主役級が残るもので、そこは見当がつくのですが、犠牲者に対しては、それほど明確にフラグを立てていない様な気がします。

船が転覆して以降は、洋上を泳ぐシーンがほとんどになり、サメの描写も、恐怖を煽るような凶暴さや、直接的に体を食いちぎる場面を見せるようなグロいシーンも無いので、犠牲者は、淡々とやられて消えていく感じです。従って、コケ脅しの恐怖でなく、大海原にいることの断続的な恐怖と緊張感がベースです。そして、それが延々と続きながらも、緊張感を持たせる原動力になっているということは前記の通りです。ラストについては余計な蛇足がなく良かったと思います。この映画は、獰猛なサメの恐怖やアクションをお目当てにすると期待外れになると思いますが、全体的には、海が美しく撮られていて、あまり細工せず、より現実味を出しながらうまくまとまめているという感じがしました。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

「ベルリン・シンドローム」 監禁状態の心理をとらえた緊張感

ベトナムでの映画館鑑賞。今回は「ベルリン・シンドローム」。製作国のオーストラリアでは4月公開。アメリカ・ドイツでは、こちらと同様に、今週公開のようです。今年のサンダンス映画祭出品。ベルリン国際映画祭では、コンペティション外で上映された模様。日本公開は今のところ未定のようです。さて、どこまで理解できるかどうか…。

あらすじ
オーストラリアのフォトジャーナリストであるクレア(テレサ・パルマー)は、ベルリンでの休暇中に、アンディ(マックス・リーメルト)と出会い、お互いに惹かれあううちに、2人は情熱的な夜を過ごすこととなった。これは、ロマンスの始まりであると思われたが、翌朝アンディが出勤後、クレアは部屋に閉じ込められてしまう。そして、クレアは彼が解放するつもりの無い事を知ることとなったのだ…。



クレアは、ベルリンに着き、目新しいベルリン風景の中をカメラ片手に彷徨います。それは、決して観光地的な情景では無く、生の町の風景です。建物の屋上で集まっている若者たちと飲み明かしたりと、異国の休暇を楽しむクレア。そんな中のある日街角で、交差点で手にイチゴを持ち、本を落としてしまったアンディと出会いました。(ちょっとわざとらしい出会いでもあります)

アンディは、学校の教師。廃墟のようなアパートに住んでいて、目に映る物が目新しいであろうクレアは誘われるままにアンディの家に入り、情熱的な夜を過ごすこととなりました。そして、翌日目が覚めてみると、アンディは仕事に出かけ、閉じ込められてしまっていました。手持無沙汰なクレアは部屋の中を物色しますが、その中で肩に「私のもの」と書かれた自分自身のポラロイド写真を発見。自分の肩を見てみると、マジックで確かに書かれています。クレアは事態を悟り脱出を試みるべく、暴れまわりますが、頑丈にできている窓やドアはビクともしませんでした。

夜になると、アンディが帰宅。メチャメチャになった部屋を見て、翌日からベッドにクレアを縛り付けて外出するようになります。トイレに行けず、ビニールの敷かれたベッドの上で、用を足さざるを得ないクレア。やがて、落ち着いたクレアは、縛られることは無くなりましたが、監禁は相変わらず。一度は脱出を強行したものの、広大な廃墟を脱出できず連れ戻され…。

その様な中で時が流れ、雪が降る季節になると、アンディが時々通って様子を見ていた、老いた父が老衰で死亡。失意のアンディと慰めるクレア。クレアは、監禁されている状況で、ある程度はアンディとペースを合わして接しているようですが、ずっと機を窺っていることには違いありません。そして、クリスマスが過ぎ、年が変わり…。

ベルリン・シンドローム

ストーリーは単純です。最近見たこういった監禁ものの映画は、「ルーム」とか、「ケイジ」とか、監禁と解放後の両面から語られる映画が多いのですが、これは監禁物語オンリーでした。従って、ポイントは監禁状態におけるクレアの心の動きや、アンディの人物描写ということになります。これはなかなかよく出来ていると思います。表題から、ストックホルム・シンドロームを暗示していると思われ、まさにその過程を描いたようでもあるのですが、一方で、アンディの異常性。外では全くの普通の良い人になっている。その対比も一つのテーマかと思います。最近日本でも、松戸市で小学生が殺害される痛ましい事件を経験したばかりですが、外見ではアンディは信頼のおける人物のように作られています。そして、監禁以降ラストまで、外乱要因が入りつつ、微妙な2人心の動きが見どころで、そのほとんどが、言葉以上に行動や表情で語られています。そして、最後まで緊張感を持続させているのは見事です。

さて、こちらではベトナム語字幕で見ることになるのですが、クレアとの会話はいいのですが、ドイツ人同士の会話は、きっとこれ、ドイツ語ですよね!これは、さすがに解りません。まぁ、雰囲気で感じ取ることしかできません。これは残念。アンディの異常性とか、微妙なところが、完全には理解できなかったような気がしています。

この映画の舞台のベルリン。若者たちの夜の世界では、最近「ヴィクトリア」という映画が話題になっていましたが、残念ながらまだ見ていません。これはぜひいつか見てみたい。ビルの屋上で酒を飲むシーンから発展していく話らしいので、この映画と出だしが、被ります。また、最近見た「ケイジ」は、まさにベルリンで監禁されるシーンが長く続きます。その窓からの情景が、この映画と非常によく似ています。中庭があって、廃墟のような建物で…。

夜のベルリンや、廃墟のようなアパートというキーワード。ベルリンはかなり危険な街のようです。

テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR