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「HELLIONS (2015)」 赤い月の光が起こすファンタジー

ファンタスポルトにノミネートされていた作品なので、気になっていましたが、Amazonの会員特典に出ていたので、さっそく見て見ました。2015年の映画で、監督はブルース・マクドナルド。少し、期待して見ています。
ネット邦題:地獄

あらすじ
ドラ(クロエ・ローズ)は入院中の病院の廊下をゆっくり歩いています。そして、過去の映像にフラッシュバックしました。

17歳のドラは、ボーイフレンドのジェイス(Luke Bilyk)とデートしていました。今日はハロウィンで、二人は夜のパーティーに一緒に行くことにして、ドラは予約してあった病院に出かけます。そこで医師のヘンリー(ロシフ・サザーランド)は彼女に妊娠4週間であることを告げます。ショックを受けたドラは家で塞ぎこみますが、意を決してジェイスに連絡。パーティーへの迎えを頼みました。そして、今日は赤い月の夜であることが放送され、日が落ちると不思議な雰囲気の中で、奇妙な仮装をした子供が周囲を歩き回るようになります。

しかし、ジェイスは現れず、何度も現れる奇妙な子供の籠にジェイスの首が入っているのを発見。ドラは警察やヘンリーに連絡します。ヘンリーは怪我を負って家にたどり着きましたが、家に閉じ込められてしまい、ドラの子供が4ヶ月に成長しているのを発見しました。子供たちの襲撃に会い、ドラは何とか一人で逃走して、小さな小屋に逃げ込むと、子供の声で「お腹の赤ん坊の誕生を待ち、ドラの血を捧げ、ドラは死ぬ」という言葉を聞きます。そして、小屋に警察のマイク(ロバート・パトリック)が現れ、妻のシェリーが同じような目にあい、死んだことを告げます。

ドラは、子供たちが塩に弱いことを察知すると、塩を利用して戦い、いろいろな幻影を見ながら戦ううちに、胎児が成長しドラは腹に刃物を何度も突き立てました。ドラは病院で目覚め、起き上がると廊下をゆっくり歩きます。ここで冒頭のシーンに戻り、ドラは廊下の先の新生児室をガラス越しに覗き、赤ん坊を眺めるのでした。



Hellions (2015)

Hellions とは、乱暴者ということで、特に子供の事らしいです。つまり、腕白小僧とか、悪ガキとか、そういったニュアンスかと思います。ここでは、ドラを襲撃する、子供の悪霊どものことでしょう。ストーリーはごく単純で、ほぼ合理的脈絡とかもなく、謎も全く解明されず、赤い月の夜のファンタジーといったところ、また、物語がほとんど展開していかないので、いろいろな幻想が続きますが、正直飽きてくるという感じでした。

この映画は、特筆すべきは映像なのかと思います。白黒に薄い赤を付けたような映像が、野外風景として映し出されます。これは赤い夜の表現ですが、その映像がシュールで幻想的なので、見どころです。月の光の下の森や、カボチャがたくさん転がる畑、そこに現れる餓鬼どもの集団。その中で追われる天使の仮装をしたドラ。そういったところでしょうか。ストーリーを追う訳でもなく、ミッドナイトシアターで、まったりと映像を楽しむといった雰囲気の映画でした。

そういう映画ですから、評価は高い訳ではありません。雰囲気を楽しむのに徹する映画だと思います。受賞はしていませんが、サンダンスやトロントなど、そこそこ有名な映画祭にも登場しています。ファンタスポルトでも、作品賞にノミネートされていますので、映像面で一定の評価を得ていたのではないかと思います。決してストーリーとか演技とかに期待してはいけません。特に途中で登場する男優二人はパッとしません。脚本のせいかもしれませんが。でも、ある部分で見れば捨てがたい作品だと思いました。

2020.5.23 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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「魔女と呼ばれた少女」 コンゴの騒乱の中で生きる少女

コンゴを舞台にしたフランス語のカナダ映画で、たくさんの賞を受賞している作品です。2012年の映画で、キム・グエン監督による作品。主な受賞としては、ベルリンで女優賞ほか、シッチェスでニュービジョン賞、トライベッカでは、ベストナラティヴフィーチャーと女優賞などなど。そして、オスカーでは外国語映画賞ノミネート作品となりました。

あらすじ
身ごもったコモナ(ラシェル・ムワンザ)が、お腹の子供に過去を語り掛ける様子から始まります。
12歳の時、コモナの村はグレート・タイガー率いるゲリラに襲われ、コモナは両親を銃殺することを命じられ、その後ゲリラの兵士として訓練させられます。ゲリラの中にマジシャン(セルジュ・カニアンダ)という青年がいて、少し世話をやいてくれます。コモナは、亡霊の幻覚を見るようになり、敵が潜んでいると、亡霊が危機を知らせてくれるので、それ以降、コモナは魔女と呼ばれるようになり、生き残っていきました。噂はリーダーにも伝わり、グレート・タイガー(ミジンガ・ムウィンガ)の魔女となりました。

とある岩場で、マジシャンやコモナたちは見張りをしていると、コモナは政府軍の接近に気づき、戦闘になります。勝利の後、マジシャンとコモナはゲリラから逃亡し、途中で、マジシャンはコモナにプロポーズ。マジシャンがコモナの出した課題をクリアし、無事結婚すると、「肉屋」と呼ばれているおじさん(ラルフ・プロスペール)の家に、コモナと共に帰りました。しばらくの間、マジシャンとコモナは、平和に暮らしていましたが、そこへゲリラが現れ、マジシャンを殺し、コモナを連れていきました。ゲリラに戻されたコモナは、夜は部隊長(アラン・バスティアン)の相手をさせられ、彼の子供を妊娠してしまいました。

コモナは村に帰り、両親を弔うことを考えていました。その為に、部隊長をベッドの上で殺し、部隊を逃亡し肉屋おじさんの家に帰ってきます。 コモナはおじさんに家族として迎え入れられますが、夜になると悪夢にうなされ、ついには家族に乱暴してしまい、逃げ出します。途中の森の中で、一人で子供を産むと、故郷の村に帰り、両親の骨や遺品と思われる服などを埋めて弔うと、両親の亡霊は、手を繋いで歩いて去っていきました。そして村を出て、赤ん坊を抱いてコモナが歩いていると、トラックに拾われ、肉屋のおじさんの家を目指すのでした。



魔女と呼ばれた少女

ストーリーは、これ以上ないくらい悲惨な展開をしていきます。そういった映画をみながら、凄惨さ以上に、生きることの躍動感や、亡霊の美しさを感じました。亡霊となって娘を守る親の姿もあります。そういったいろいろなことが、日常になっていて、見ている方も感覚が麻痺してしまったようです。最後は心の重荷から解放されたような雰囲気で終わりました。いい終わり方です。少しづついい方向に向かっていくのでしょうか?

コンゴの広大な国土は、自然や鉱物資源に大変恵まれている地域でもあります。しかし、なかなか安定していかないのは、インフラの崩壊など、社会基盤がなく、戦乱の中で教育も浸透せず、大変難しい状況に置かれ、まだまだ長い時間がかかりそうです。コンゴ川と言えば、コンラッドの「闇の奥」の世界。レオポルド王の植民地支配以来搾取が続き、各国の介入による騒乱が続いている地域で、未だに闇から抜け出せていません。

ヒロインのラシェル・ムワンザは、コンゴ出身。実際、魔女にされてしまった経験をもち、学校に通わなくなり、この映画に出る前は、キンシャサのストリートチャイルドだったとのこと。そのストリートチャイルドのドキュメンタリーフィルムから見出されてキャスティングされ、たくさんの賞を受賞しました。現在ではキンシャサの路上の子供たちの為の活動も行っているようです。才能があったという事でしょうけど、これもまたシンデレラストーリーなんですね。

2020.5.9 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「スプライス」 遺伝子操作により新種創造がテーマのSF

シッチェスの特殊効果賞という事で見始めました。ファンタスティック系の映画祭の中での特殊強化賞、ちょっと興味があります。あらすじを見ると、遺伝子組み換えでクリーチャーを作る話らしい…。2009年の映画で、カナダ・フランス・アメリカ合作。監督はヴィンチェンゾ・ナタリです。

あらすじ
科学者夫婦のクライヴ(エイドリアン・ブロディ)とエルサ(サラ・ポーリー)は、遺伝子結合で作り出した一対の生き物、ジンジャーとフレッドが画期的な可能性を秘めていることを上層部に説明。さらに、人間のDNAを使った結合の実験を提案しますが、資金面と倫理面から受け入れられませんでした。二人は、独自に人間の遺伝子と他種遺伝子の結合を開始。ここで止めるべきだという、クライヴの反対を押し切り、エルサはその遺伝子から新種の生物を誕生させます。その生物の成長は早く、彼女をドレンと名付け、育てていくうちに、文字も認識するようになりました。そして、ドレンの存在が知れ渡るのを避けるため、エルサの母の農場跡の廃屋に匿います。その頃、株主総会でジンジャーとフレッドをお披露目した時、二匹はお互いに殺し合いを始め、騒然となります。ジンジャーがオス化していて、オス同士で攻撃的になったのでした。

ドレン(デルフィーヌ・シャネアック)は、若い娘に成長し、水中でも呼吸でき、羽を出して空を飛ぶこともできました。ある時、クライヴはレコードをかけ、ドレンにダンスを教えていると、クライヴはドレンの中にエルサを見ます。エルサのDNAが入っていることに気づいたのです。エルサは、ドレンが猫を殺した上に、エルサを襲ったので、ドレンを縛りつけ、尾を切り取ってしまいます。そして、その細胞を持って研究所へ行き、新種のたんぱく質を作り上げました。その間に、クライヴが一人で納屋に行くと、ドレンがキスをしてきて、そのまま性行為に及んでしまいます。その時エルサが帰ってきて、あわててクライヴは後を追い、二人で口論の挙句、ドレンを処分することにしました。

納屋に戻るとドレンが瀕死状態でした。そして、息を引き取ると二人は納屋の裏に埋めます。その時、エルサが生成した新種の蛋白質の素晴らしい機能を確認した会社の上司がやってきて、ドレンは会社に帰属するから返せと脅します。エルサがドレンが死んだと話しますが、そこへ死んだはずのドレンが襲撃。乱闘の結果。エルサはオス化したドレンにレイプされ、最後にはドレンも死に、エルサ以外もみな、殺されてしまいました。しばらく経った、会社の一室。経営者のジョアン(シモーナ・メカネスキュ)は、エルサにドレンの細胞からのタンパク質が素晴らしいものだったと評価し、エルサに高額の報酬を提示します。エルサはドレンの子を妊娠していたのでした。ジョアンは中絶しても良いと言いいますが、エルサはもう失うものはないとつぶやくのでした。



スプライス

遺伝子結合で、人と他種を結合させ、新種を創造するという物語。そこから何かしらの災厄が生まれるのは目に見えているのですが、出だしの、作るの作らないのという夫婦のやり取りで、並行して子供を作る話題も入れたりして、ああ、こういう倫理的要素を入れながら、それ見た事かと災厄をまねくパターンかなと思っていました。まぁ、シッチェスで評価された、特殊効果が楽しめればいいかと…。と思っていると意外な進展。エルサは自分のDNAを使っていて、その新種と旦那が性交してしまうという。この性交シーンは見事でした。エクスタシーの表現として、記憶に残ります。

それでも、ドレンが死んでしまったので、ああ、上手くまとまって楽しかったと思っていたところ、もうひと展開。これは、ステキですね。ベタな終わり方のようですが、これで立派にSF映画になったぞ!という感想を持ちました。あそこで終わっていれば、SFだか、ファンタジーだか、ドラマだか…。という感じで、それはそれでいいのですが、このベタなラストが大好きです。往年のSFのセンスを再現してくれた思いました。と思う私は変かもしれません。自分でもそう思います!

期待していた特殊効果も満足しました。コメディ一歩手前の感じですが、この新種のしなやかさや、表情や動作など、大変よくできていました。何をしでかすかわからないような行動パターンも面白いです。農場の廃屋に行ってからが大変面白かった。遺伝子を弄ぶ倫理観も最初のうちは声高に議論されますが。倫理観で言えばこのラストは、エルサは悲壮感を漂わせた表情を見せてますけど、これって遺伝子から言えば近親レイプの子供を産む決意ですよね…。

2020.5.5 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「悪魔の毒々バーガー 添加物100%」 気楽なB級コメディホラーを楽しめます

たまたま見つけたB級ホラーを、突っ込みどころなど楽しみに見ていました。原題は、「The Mad」。2007年のカナダ映画で、ジョン・カランギス監督の作品です。

あらすじ
田舎の精肉工場で作られたミンチが、配達されるシーンからスタートします。妻を亡くして独り者のジェイソン(ビリー・ゼイン)は、娘のエイミー(マギー・キャッスル)とその彼氏のブレイク(エヴァン・チャールズ・フロック)、そして後妻にしようと思っているモニカ(シャウナ・マクドナルド)を連れてドライブ中、ちょうどカーニバルをやっている村のモーテルに泊まることにしました。モニカとエイミーの仲がうまくいってないのが気がかりなジェイソンなのでした。一行は近くのハンバーガーレストランに入り、名物のハンバーガーを注文しますが品切れで、仕方なく別のものを注文します。その頃、ミンチを作った農場では、牛たちに変な薬を与えているのでした。

ハンバーガーレストランでは、ハンバーガーを食べた客達が倒れ始めました。そして、再び起き上がると、口から泡を吐きながら襲い掛かります。まずモニカが襲われ、ジェンソンやブレイクに加え店長のチャーリー(ラザフォード・グレイ)も銃を持って応戦。途中でブレイクが噛まれてしまい、足を引きずりながらブレイクは逃げます。しかし、外はゾンビだらけになっていて、モーテルにも迫ってくるゾンビ達に、3人は再びハンバーガーレストランに戻りました。店内に立てこもりますが、モニカがゾンビ化しており、ジェイソンはとどめを刺します。その時ハンバーガーのパテまでも暴れ始め、ブレイクの顔に飛びつくと、剥がすことができず、そこをゾンビ達に襲われ殺されます。結局ハンバーガーを食べた者だけがゾンビになったことに気づき、ジェイソンたちは出荷元の農場へと向かいました。

農場に行くと息子のジョニーが出てきました。ジョニーはジェイソンとエイミーを中に案内しすると、出てきた父親のアレンがジェイソンとエイミーを拘束してしまいます。ここで牛に与えていた薬がゾンビ化の原因だったのです。ジェイソンはすきを見て父親を蹴り飛ばし、どうにか脱出。その後アレンもゾンビ化し、ジョニーに噛みつくと、二人とも死んでしまいました。後日刑事とジェイソンとエイミーが、農場付近ですべて問題は解決したと話しています。しかし、車に乗った刑事の口からは泡が出始めるのでした。



悪魔の毒々バーガー 添加物100%

B級ホラーコメディで、ゾンビものでもありました。トマトが襲ってくる映画はレジェンドで、ドーナツも最近作られましたが、これは肉が襲ってきます。邦題にはバーガーとありますが、必ずしもバーガーにならなくてもいいようです。肉が緑の液体を出すのも、お決まりのパターンで、この肉は襲ってくるだけでなく、食べた人はゾンビになるという複合的な仕掛けになっていました。

さて、このゾンビは強いのか弱いのかよく解らない感じで、そのあたりはご都合主義で、強くあるべき時は強く、弱い時は弱いという、相手状況によって強さが変わるところははっきりしているようでした。つまり生き残る主人公に対しては弱いという(笑)。活躍するヒーローはビリー・ゼイン。バック・トゥー・ザ・フューチャーやタイタニックにも出演した名優ですね。80年代のニューウェーヴ讃がなかなかクールでした。

ということで、ゾンビは数体うろうろしていますが、パンデミック感はなくこちらも添え物程度で緩い感じ。全体的には緩いコメディホラーで、気軽にニヤニヤしながら楽しめるホラー映画だったと思います。そして、食糧事情に関する風刺もしっかり入っていますが、このあたりは実は笑っている場合ではないかもしれません…。

2019.9.24 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「イカルイト(原題)」極寒のカナダバフィン島における事件

カナダのバフィン島は、グリーンランドの向かいにある極寒の島。そしてイカルイトはバフィン島に位置する、カナダ北東部のヌナブト準州の州都の名前になります。この映画は、むしろバフィン島という所がどんなところだろうかという興味をもって見始めました、2016年の、ベノワ・ピロン監督の作品になります。
原題:Iqaluit

あらすじ
ジル(フランソワ・パピノ)は、イカルイトの建設現場で長年指揮をしていました。ある日部下のノア(Natar Ungalaaq)の家でアザラシの収穫があり、呼ばれたジルは家を訪れますが、帰り際にノアの姪のアニ(Christine Tootoo)から金の無心をされ、すんなり渡します。その後、バーで酒を飲んでから仲間と別れ、帰路に就いたのでした。

ジルの妻、カルメン(マリ=ジョゼ・クローズ)は、イカルイトの空港に降り立ち、同僚のヴィクター(セバスティアン・ユベルドー)の案内で病院に駆け付けました。ジルが町はずれの崖下で倒れているのが発見され、意識不明で担ぎ込まれたのです。しかし、すぐにジルは息を引き取ってしまい、カルメンは生前のジルの生活や、事件の真相を知るべく島に残り、ジルの職場を訪ねると、ノアに出会います。

カルメンはジルが大量に持っていた彫刻から、その訳を知ろうと彫刻家の家を訪ねますが、そこはノアの家でもありました。そしてアニを見ると、ジルが危篤の時に彼女が顔を出していたことを思い出し、ヴィクターに訳を尋ねると、ジルはアニとの間に子供を授かり、彫刻を買う事で生活を援助していたことを告げられます。ショックを受けたカルメンはノアに事情を質しますが、自分は酔いつぶれてしまい、ノアの車で昔ジルも通ったという、河畔のキャンプ場に連れられ、ノアの配慮で傷心をいやすことになりました。

ノアの息子のダニー(Paul Nutarariaq)が警察の訪問に反応し、アニを連れてボートで逃亡したという知らせが入ります。ノアとカルメンは現場に急行し、ライフルを持って立てこもるダニーを落ち着けるため、隣の小屋に泊まって一夜を明かします。そして、アニと二人きりになった時、カルメンは、ダニーがジルに絡んで突き飛ばしたことが原因で、ジルが命を落としたことを聞かされました。翌朝銃声で目を覚ましたノアたちは、飛び起きて走ると、そこには死にきれなかったダニーがいました。謝罪するダニーをカルメンは信じ、一行はボートで街に帰っていったのでした。



イカルイト

夏のイカルイトで、静かに進む愛憎劇でした。離れて暮らす夫が事故死し、調べると現地で子供を作っていたという、ショッキングな事実を突きつけられる妻のカルメン。彼女は、イヌイットの若き娘アニに出会い、言葉を交わす場面は緊張感に溢れています。そしてアニは、ジルがカルメンを愛していたことについて、「ジルはあなたと離婚しなかった。あなたにはいない彼との子供が、私にはできたのにね」と強烈な一言を浴びせました。この言葉は一瞬にしてカルメンを切れさせたうえ、心を打ち砕いたようです。これは凄いセリフでした。ここまで厳しいのは、なかなか無いです。この一言で、この映画の印象が急上昇です。

もう一つは、ジルの死の直接原因となった言葉。ダニーがジルに絡む回想の場面で、「お前らは大金を持ってここにきて、俺たちの女と寝るんだ。彼女はお前の娼婦か?」。いやま、これはよく解ります。子供ができても離婚せず、金だけ出し続けると、こういう結果になったということです。よくある話とはいえ、あまりにもストレートな表現でした。静かで抑制された展開の中で、この2つが突出して印象に残る、激情の映画だったと思います。

主演の、マリ=ジョゼ・クローズは、「みなさん、さようなら」でカンヌの女優賞を受賞した大女優。カンヌ受賞を機に、いろいろな名画に出演されています。彼女と渡り合う、Christine Tootooは、出演作が後にも先にも本作のみ。なかなか見どころを作ってくれたのですが、女優の道を進まなかったのでしょうか。ストーリーは単純ですが、良くまとまった作品で、雰囲気も良く、好感が持てるものでした。カナダ映画もなかなか奥が深いなと思います。

2020.1.11 HCMC自宅にてAmazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「サラは走る」 若き女性アスリートの生き方を読む

見たい映画はいろいろリストに入れているのですが、それらを見るのにあまり気乗りしなかったとき、新鮮で気軽に見られそうな映画があったので、思わず見てみました。監督は、クロエ・ロビショウ。2013年のカナダ映画で、カンヌのある視点部門にノミネートされました。その他、いくつか受賞歴もあります。
原題:Sarah préfère la course

あらすじ
サラ(ソフィー・デスマレー)は高校生の中距離ランナー。地元ケベック・シティで、高校生のトップに立った彼女は、モントリオールの陸上競技チームに推薦されますが、両親から反対されます。それは主に金銭的理由でした。しかし、走る事が何よりも好きなサラは、バイト先の男性の友人アントワーヌ(ジョン・セバスチャン・クルシェヌ)と相談し、二人でルームシェアをし、アントワーヌはモントリオールで仕事を探すという支援を得て、モントリオール行きを決めます。道中で、アントワーヌから補助金目的で結婚することを提案された彼女は、特に愛している訳ではないのですが、承諾し、形だけの結婚式を上げました。

モントリオールでサラの陸上競技生活が始まりました。何より走ることが好きなサラは競技に打ち込み始めます。どうやらサラを愛している様子のアントワーヌは、とりあえず結婚式を挙げたもののそれ以外は何の進展のない関係に、少しづつ焦りが見え始めます。その頃サラは心臓の様子が少しおかしくなっていて、友人たちのパーティーに行ったとき、不整脈が現れ始め、アントワーヌに連れ帰られる羽目になりました。ある日、いつもの通り2人で部屋に入る時、良い雰囲気になっていたのを見計らって、アントワーヌはサラと深い関係になることに成功しますが、サラのセックスは味気ない義理のようなもので、アントワーヌは傷つきます。

ある日サラが帰って来ると、アントワーヌが部屋で酔いつぶれていました。サラが振り向いてくれない様子に追い詰められたアントワーヌは離婚を決意し、ケベックシティに帰ることにします。サラは心臓の問題を解決するために、訪ねてきた母と共に病院へ行き、48時間心臓のモニターをつけることになりました。そして、練習の時、サラはモニターを外して走り始めます。サラはとにかく走る事だけが好きなのでした。



サラは走る

静かな演技で、サラの心情を追っていくストーリーでした。アントワーヌは男ですから、そもそもこういったオファーと結婚までして事実をつくりあげたのは、口には出さずとも最初からサラをモノにしたいという魂胆があったはず。しかし、こぎつけた二人だけの生活は、サラがあまりにも競技一辺倒なため、恋人らしい関係は全く生まれず、アントワーヌは絶望に追い込まれてしまいます。そして、最後まで走ることを優先するサラ。名誉も何もいらない。楽しみは走る事、そしていいタイムを出すことと公言します。そのようなアスリート一辺倒の女性を描いた映画でした。

困るのはサラがとても美人なことです。世の男なら放っておかないような美人。時々、オードリーのような顔立ちに見えたりします。でも、相手を気遣ってはいますが、最終的には走る事しか眼中にない様子で、その落差が男を複雑な気持ちにしてしまうようです。それは、母に対しても、自分に対しても同じ。とにかく走ることが好きということでした。アントワーヌもイケメンの部類。雰囲気は、若い頃の夏木勲の感じです(笑)。そういうことなので、ソフィー・デスマレーさんの映画は、何かあればまた見てみたいなと思いました。

それほど、ストーリー性がある訳でなく、心情や情緒で最後まで押し切ってしまう映画。クロエ・ロビショウはカナダの女流監督で、長編はこの映画を含めてまだ2本のようですが、短編も含めるとカナダではいくつかの受賞作品があるようです。なかなか雰囲気のいい映画を作る方だと思いました。この映画のラストは、不安な歪んだような音楽で終わりますが、それは心臓のモニターを外したサラが走り始める場面。何かを暗示するような終わり方です。心臓の事なのか、別の事なのか、あるいは何も起こらないのか、含みを持たせた感じです。でも、先は解らないから考えても仕方が無い訳で、全体を通したサラの心情を読み取りながら、この映画を見終えることになりました。

2020.1.12 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「アメリカ帝国の滅亡」 別荘でのセックス談義からの発展で

Amazon Primeの会員特典に、フランス語圏のカナダ映画がいくつか登場していましたが、これはその一つ。全くどういう映画かわからぬままに見始めました。ドゥニ・アルカン監督の1986年の作品で、オスカーで外国語映画賞にノミネートされました。そして、この後日談である「みなさん、さようなら」で、同賞受賞となったようです。

あらすじ
モントリオール郊外の美しい別荘で、大学教授たちを中心とする仲間が集まることになり、男たちは先行して料理の準備を始めます。彼らは、料理の準備をする間、ずっとセックスライフについて語り合っていました。一方で、このパーティーに参加する女性たちは、モントリオールのスポーツジムに集まり、こちらの方も話題は男とのセックスライフの話ばかり。その頃、別荘にはディアーヌ(ルイズ・ポルタル)の知り合いというマリオ(ガブリエル・アルカン)が尋ねてきますが、まだ女性たちが来ていないので帰っていきます。

やがて、別荘に女性たちが到着。ディナーが始まると、世間話から徐々に微妙な話に傾いていき、マリオが現れてディアーヌを連れ出してしまうと、一部では暴露発言も出て、大学教授らしく学術的な話も織り交ぜながら、ますます微妙な雰囲気に。そして夜も更け、それぞれが思い思いの夜を過ごしました。そして、夜が明け、ディアーヌも激しい夜を過ごして帰ってくると、前日の余韻を残しながらも、それぞれの想いや苦悩も秘めたまま、また新たな清々しい朝を迎えるのでした。



アメリカ帝国の滅亡

あらすじは、枠組みのみを簡単に記述しました。内容は会話劇のように、いろいろと語られる登場人物のセックスライフや暴露話。歴史学者たちという設定の中での、社会学的持論の展開。多数の浮気のエピソードの中には、登場人物の間の複数の相手とのセックスの関係などなど多岐にわたるので、書き始めるとキリがありません。表題のアメリカ帝国云々に関しては、快楽的生活が浸透し、時短など生活が楽な方向に進むということが帝国の崩壊に至るというものですが、それも一つの話の中のネタ。ネタの中には、なるほどと思うものもありますが、だいたいは他愛もなく頭の中を通過していきました。

この映画を見ている間に、ずっと思い出していたのは、後年の「セックス調査団」というアメリカ映画を、今は無き銀座シネパトスで見た記憶。これも、知識人が別荘に集まってセックス談義をする映画で、いろいろな話題がでてエスカレートして、最後は思い思いの行動にでるというものですが、ほぼ構造が同じです。この映画のパンフレット(無料配布の4ページのリ-フレット)に、篠沢秀夫教授が寄稿しており、アメリカ映画がフランス映画に一歩近づいたようなことが書かれていました。まさに、この映画はカナダ映画の中でも、フランス文化圏の雰囲気を色濃く映し出す映画で、プロットは違いますが「セックス調査団」の元ネタかなと思ってしまいました。

カナダ映画というと、取りとめもない感じで印象が定まらないのですが、文化圏によって、アメリカ映画のB級という感じの映画と、フランス映画の両面が潜んでいて、特にフランス映画は本国に負けず劣らず、いい雰囲気を持っていると思います。派手ではありませんが、何か自己主張を持った特徴のある作品も多く、いろいろな試みにハッとさせられることも多いので、なかなか目が離せないのでした。

2020.1.11 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「真夜中の処刑ゲーム」 楽しめるB級籠城アクション映画

Amazon Prime に古めのB級アクション映画がいくつかあった中の一つ。劇場未公開で、テレビ公開という形だったのでしょうか。IMDBには、日本はVideo Premiereとあります。1983年のカナダの映画。監督は、ポール・ドノヴァンと、マウラ・オコンネルの二人がクレジットされています。

あらすじ
警察のストライキで無法地帯となったカナダの街。グースと陶芸家の妻は、グース(ジェフ・パスティル)の外出の事で喧嘩になり、グースは妻の作品を壊して、迎えに来た男とともに家を出ました。その夜グースたちは自警団と称してゲイバーに侵入。嫌がらせをしながら、バーテンの男に暴行を加えていた時、誤って死なせてしまいます。処置に困ってボスのケイブ(ダグ・レノックス)を呼ぶと、彼は無言でサイレンサー付きの銃で店にいた目撃者全員をの頭を撃ちぬいていきました。そして、一人の青年がなんとか逃亡します。

青年はアパートの一室に逃げ込みました。そこにはホレイショ(トム・ナディーニ)とバーバラ(ブレンダ・バジネット)、2人の盲目の少年、そして隣家の青年チェスター(ダリル・ハネイ)がいました。ホレイショは青年をかくまい、グースたちを追い返します。グースたちは、一旦引き上げると、ケイブと共にアパートのメンバーを始末するために戻ってきました。暗視カメラで監視しながら包囲し、一人の盲目の少年が外に出たところで撃ち殺されます。ホレイショたちは徹底抗戦を準備、武器を自作し、まずは屋上から部屋を狙っている男を倒しますが、殺すまでは至りませんでした。他の自警団のメンバーたちは再びアパートへの侵入を試み、あの手この手で防戦するホレイショたちがすべて倒していきます。そして、最後に残ったケイブがアパートに侵入し、ホレイショたちは協力して応戦。チェスターが殺されますが、匿っていた男も初めて活躍し、なんとかケイブを倒しました。

ストライキも終わり、公園で一人の警官が見回りをしていました。そして、その警官の顔は、屋根の上で狙っていて倒された自警団のメンバーのものだったのでした…。



真夜中の処刑ゲーム

序盤でいきなり、無慈悲な処刑シーンが登場し、あとは、逃げ込んだ家の住人を巻き込んでの、籠城映画。双方犠牲を出しながら、近代兵器に対し、ゲリラ戦的な知恵で対抗するというアクション映画でした。冒頭の人物背景の描写で、少なくともリーダー格のやつは、とんでもないDV男ということが描かれ、視聴者の敵になります。そして、あとは事件の発端となったゲイバーと、男が逃げ込んだ建物の住人宅が舞台。隣の家の住人との、普段からの交流方法がポイントでした。

女性一人で目立っているバーバラが、出ていこうとしたり、わめいたりと、いろいろとハラハラさせてくれる役です。そして、ボスキャラのゲイブは、戦闘員が全滅した後、やおら単独で殲滅行動を開始します。チェスターがいろいろと知恵をひねって考え出す、対抗方法の仕掛けと、いろいろと怖がって戦えそうもないキャラクターが、いざとなると活躍するのがミソで、最後は近代兵器に対して、接近戦のナイフで対抗しました。

ということで、なかなか緊張したサスペンスを楽しめたのですが、2つほど疑問が。このゲイバーに押し掛けたグループは、全員スト中の警官だったのでしょうか?全員そうだったとすれば、ひどいもんですが、武器の所持や扱いから、本当にそうかも…。あと、最初にクレーンで釣り上げたバイクはどうなった?どこかでこのフラグは回収されるかと、気になってしかたがありませんでした。ともあれ、ほとんど暗い画像の、なかなか緊張した映画で、当時のB級アクションの雰囲気も思い出しながら楽しみました。

2019.11.3 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「スキャナーズ」 後続に影響を与えた80年代の名作SF

公開時に気になっていた映画という記憶があって、チェックしておいたものを、やっと見てみることにしました。当時、この映画が気になっていたのは、題名がP.K.ディックの暗闇のスキャナーと似ているという点です。残念ながら、関係はありませんが…。暗闇のスキャナーは、後年、別にアニメ映画化されました。それも見ていないのですが…。スキャナーズは、1981年のデイヴィッド・クローネンバーグ監督の作品です。

あらすじ
ベイル(スティーヴン・ラック)は、ショッピングセンターでハンバーガーを食べているところを婦人客に見つめられ、悪意をもって彼女を睨みかえすと、その女性はもがき苦しみ始めてしまいました。ベイルはその場に現れた男達に麻酔銃を撃たれて捕まってしまい、ある施設のベッドで目を覚まします。そこは国際的警備保障会社コンセック社が設立した超能力者(スキャナー)の研究所で、研究者のルース博士(パトリック・マクグーハン)から、ベイルはスキャナーであると告げられ、スキャナー達を集結させて世界征服を企てるレボック(マイケル・アイアンサイド)の殺害を要請されます。

レボックは、自傷で眉間に穴を開けてしまい、傷跡が残っているのが特徴です。そして彼は、コンセック社の公開実験で、レボックにスキャンを試みたスキャナーに対し、相手の頭部を破裂させたうえ、逃走するという、強大な力を持つスキャナーなのでした。ルース博士によってスキャナーとしての能力を覚醒させられたベイルは、レボックの情報を求めて、各地のスキャナー達に会いに行きますが、レボックのグループによって、従わないスキャナー達は次々と殺害されていました。ベイルは女性スキャナーのキム(ジェニファー・オニール)と行動し、エフェメロルという薬物から、レボック追求の手がかりが生化学研究所にあると突き止めました。

工場では、大量のエフェメロルが生産されており、それはコンセック社とも繋がりがあることを突き止めます。そして、そのエフェメロルを妊娠中に投与された妊婦の胎児は、生まれながらにスキャナーの能力を得るのでした。キムと共にコンセック社に戻ると、ルース博士に、コンセック社内部に裏切り者がいると告げますが、ルース博士は銃殺され、二人はコンセック社からも追われることになると、公衆電話の回線を通じてコンセック社のコンピュータにアクセスし、システムを破壊してしまいます。しかし、そこに現れたレボックに二人は拉致されてしまいました。

レボックは、自分はベイルの兄であり、ルース博士は2人の父親だとベイルに告げると、能力を用いて世界征服を持ち掛けます。しかし、べイルはこれを拒否し、強力なスキャナー同士の戦いが始まりました。壮絶な対決が行われた現場で、ベイルを捜すキムが見たものは、灰と化したベイルの焼死体。そして、部屋の隅でたたずんでいた男は、眉間の傷が消えたレボックで、その男は「僕達は勝ったんだ」とキムに語りかけるのでした。



スキャナーズ

クローネンバーグ初期作品で、いろいろなアイデアをつぎ込まれていると思いました。古典的な巨匠のSFというストーリーではなく、70年代以降の新しいSFのイメージがあります。そして、いろいろな試みを試しているという雰囲気もありました。映像的には、今となっては少々古さを感じてしまいますが、あの頃のSFの雰囲気がよく出ています。スキャナーの対決は、攻撃と守備を顔で表すという趣向になっていますので、変顔としかめ面のオンパレードになっているところが面白いです。その中で、マイケル・アイアンサイドがさすがカナダのジャック・ニコルソンと呼ばれるだけあって、似てます。

ストーリーは、かなり凝った筋立てだと思いました。ただし、SFとしての筋の面白さが映像の特異な表現の中で、何となく目立たないというか、ちょっと生きていない感じがしました。ちょっと、ショッキングな映像とか表現を連ねることに重きをおいたのかなという風に感じました?それはそれで面白いもので、スキャナーの攻撃で頭が破裂するシーンがやはり圧倒的です。この場面も含め、いろいろなアイデアが、後世に影響を残した映画になっているようです。

これより前の作品は見ておりませんが、クローネンバーグ監督の快進撃は、この映画から始まったと言えると思います。映像が過激だったり、グロかったり、あるいは精神的に病んでいたりする彼の世界は、かなり好きなんです。ニューウェーヴのSF作家の作品を原作として使ってくれるところも好みです。まだ見たい作品もたくさんあって、私も、時々チェックする監督の一人なのでした。

2019.12.28 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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「プロジェクト・ゼロ」 B級ジャンキー・ホラー・ムービー

それほど期待せず、漫然と見始めたホラー映画ですが、最初の自殺シーンが強烈、どうなることかと思ってしまいましたよ。実際は、そのあとは、それ程でもなく、ちょっとグロい麻薬ネタのホラー・ムービーでした。ジョナサン・A・ライト監督による、2010年製作のB級カナダ映画です。
原題:Nostrum 欧米向新タイトル:Psychotica 邦題:プロジェクト・ゼロ

あらすじ
麻薬中毒者の数が増加するなかで、麻薬撲滅運動として進められている、ある実験。それは、自殺衝動を持つ麻薬を拡散し、患者を減らしていくというものでした。その実験の責任者シュリ―博士(クリスティアン・バコ)は、実験によりその麻薬を使用した者の一部が凶暴化することが解ると、実験を中止し、実験に係わった売人や所持者を一掃していくことになります。

一方で、この麻薬ベイビー・ブルーを買ったベネット(ベン・ロス)が自殺するのを目の当たりにして、仲間のジェス(ミーガン・ハッチングス)たちは、これを機会に麻薬を断とうと、田舎の屋敷を密閉し、立てこもることにしました。そこには最後の一服ということで、少量の麻薬が持ち込まれていたが、その中にはベイビー・ブルーも混ざっており、使用した一人が凶暴化してしまいます。閉ざされた屋敷で、ある者は逃げ惑い、ある者は自殺していきという中で、麻薬を服用しなかったジェスはなんとか外への出口を見つけ、出ることに成功しますが、そこにはベイビー・ブルーの所持者を根絶やしにするために追ってきた、シュリ―博士が待ち受けていました…。



プロジェクト・ゼロ

これは、ジャンキーホラームービーといった感じでしょうか。ジャンキー仲間の凄惨な自殺をきっかけに、クスリを断つため立てこもった農場の館で、惨劇が展開するという物語。自ら密室を作り絶叫の惨劇の館で右往左往するという、いかにもありがちなお話であります。ただし、ストーリーは意外としっかりしてるし、登場人物の描き訳もある程度できているので、危惧したほど無茶苦茶な映画では無かったと思いました。

ミーガン・ハッチングスが主演で、仲間の中で途中から頭角を現してきます。絶叫も怖がり方もまずまずで好演でした。彼女の長編映画はIMDBを見るとこれだけみたいです。ホラー度はそれほどでもなく、グロ度が高めです。そしてグロについては、最初の方の自傷シーンがいきなりかなり強烈。それ以外は普通のグロさでした。

この映画の違和感は、やられて死んだと思った登場人物が復活してくるところ。確かに死んだとまで確認はされていないのですが、それがある程度の決め手になっているところに、ちょっと反則だよねと思いました。ラストは、主人公にまた悲劇が降りかかるのではと、思わせぶりな場面を経て、エンドロール後にもう一展開。ああ、そっちなんですねと、少しだけ意表を突かれた感じもあり。でも、B級ホラーとしては楽しめました。

2019.9.23 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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プロフィール

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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