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「THE BULLET ザ・バレット」 怖い婦人警官です

刑事もののB級映画と思って見始めました。雰囲気は結構好きですが、期待とはちょっと違ったかな?という感じが残りました。2010年のカナダ映画で、監督はノエル・ミトラーニ。日本ではDVD Premiereです。

あらすじ
大手保険会社のフランスの責任者のベノワ(ローラン・リュカ)は、社内研修でカナダに来ていました。研修会場に向かう途中、婦人警官のローガン(アレクシス・ブレデル)が、彼が指名手配犯に似ているため逮捕しようとしますが、人違いと判りその場はローガンが謝罪して事なきを得ます。その夜、ベノワのモーテルを訪ねたローガンは、お詫びの印ということで彼を食事に誘います。そこでベノワに惹かれたローガンはモーテルまで送るとそのまま部屋に入り込んで関係を持ってしまいました。

翌日再びベノワを訪ねたローガンは、トランクの銃をしまう為の箱の鍵が壊れていたことから、銃を持って部屋に入り、その銃についてベノワと冗談を言っているうちに、ベノワが発砲してしまい壁に弾痕を作ってしまいました。驚いたモーテルの管理者が警察を呼び、警察に正直に言おうと勧めるベノワに対し、ローガンはこのことが警察に知られたら首になると、2人でモーテルを逃げ出してしまいます。そして、彷徨の末入ったモーテルで、ローガンは自首を勧めるベノワを射殺。自分は顔を自傷して、ベノワに拉致監禁され、自力で抵抗して脱出したと申告します。

ベノワの妻(ノエミ・ゴダン・ヴィニョー)も本国からやって来て、ベノワの凶行はありえない事だと、ローガンと面談しますが、結局ローガンの主張に誰も決定的な反証を出すことはできず、ベノワの妻も帰国せざるを得ませんでした。



THE BULLET ザ・バレット

見ている間はそこそこ楽しんでいたことも事実ですが、見終わってだから、だから何?という感じの映画でした。突っ込みどころも多く、それは差し引いても、やはり展開も無理があるのではと思いました。そもそも冒頭で、重要な被疑者に、単独で手錠を掛けるような捕らえ方をしますかね…。そして、だんだん彼女はストーカー的な危ない奴になっていきます。

その後の展開も、生ぬるい追及がありますが、美人はお得というか、公権力は常に正しいという先入観もあるのかもしれません。男を殺すところだけは、確かに意表を突かれました。おっ!という感じ。男性の方も大企業の研修で、単独のモーテル住まいで車を乗り回しているというシチュエーションってありかなぁと思うわけですが…。保険会社の責任者の割には、リスク管理ができていませんねぇ。宣伝は刑事ものっぽいかっこいい感じも出していますが、誘いに乗って不倫してしまった男が、代償まで払う話です。

ラストに、逃走中に立ち寄ったガソリンスタンドに、不安になって戻っていくところ。犯罪者の心理をうまく表していて、なるほどという感じがしました。この部分は緊張した雰囲気も出して、うまく作っていると思いました。そういったところもあるので、なんとかバランスが保たれた映画になっています。全体的に、映像にはさほど特筆するような部分はなく、ただアレクシス・ブレデルが可愛いというところが救いです。制服着てるし(笑)。彼女を一番楽しめる映画って何なのでしょう。そのあたりはちょっと興味が湧きました。

2019.9.19 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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ジャンル : 映画

「ヴィクとフロ 熊に会う」 元受刑者に重く付きまとう過去

最近、Amazon Prime 特典に追加されていた映画です。ベルリン国際映画祭での銀熊賞受賞作品。新たな視点の部門で受賞ということで、面白そうなので鑑賞しました。2013年のカナダのフランス語圏の映画。監督はドゥニ・コテです。

あらすじ
無期刑であった元囚人のヴィクトリア(ピエレット・ロビタイユ)は、すでに60代。仮出所となり、叔父の世話もするということで、田舎の小さな家にやって来ました。今まで世話してくれていた、近所のシャロン(Pier-Luc Funk)から世話を引き継ぎ一人になると、保護司であるギョームの訪問を受けます。しばらくの間は頻繁に訪れ、ヴィクトリアの様子を見守るということです。そして、刑務所時代の仲間であったフロレンス(ロマーヌ・ボーランジェ)もやってきます。彼女は一回り若く、2人は愛人関係にありましたが、フロレンスの方は男にも興味はあるようでした。

ある日、ヴィクトリアの元に、マリーナ(マリー・ブラッサール)という女性が現れ、親し気に彼女に接し、家庭菜園を勧めていきます。彼女は近道なので度々敷地内を通して欲しいとのことで、ヴィクトリアは受け入れました。そして、受刑者たちを良く思っていない、シャロンの父がやってくると、彼女たちには世話ができないと決めつけ、強引に叔父を施設に入れ、シャロンが貸していたカートも引き取ってしまいます。そして、森の中に散歩に出ていたフロレンスは、マリーナとの過去の関係からの報復に会い、足を折られてしまいました。マリーナは実はジャッキーという名で、フロレンスを狙っていたのでした。

幾日かが過ぎ、フロレンスのギブスが取れ、ヴィクトリアとフロレンスとギョームは、3人で町の名所を観光しながら食事をします。そして、フロレンスは2人きりの時に、ギョームにヴィクトリアの家から出るつもりだと話します。今の何の史劇もない二人の生活にフロレンスは閉塞感を感じていたのです。ヴィクトリアと2人きりの湖畔で別れを告げるフロレンスと、悲しみに暮れながら受け入れるヴィクトリア。しかし、その時森の中では、ジャッキーが二度目の報復を準備していたのでした。ヴィクトリアとフロレンスはそうとは知らず、森の中を家に向かいますが…。



ヴィクとフロ 熊に会う

元受刑者が隠遁生活を送る中で、いろいろと障害が発生する物語で、森の中の一軒家という状況下、大変静かに話が進んでいきました。前半は、元受刑者に対する世間の目の部分を基調としながら話を作っていき、後半は、嘗ての利害関係者の報復という事件を中心に進展していきました。現実世界でも、色々な角度から話題に上る問題ですが、ここではその生きにくさが主題となっています。無期から仮釈放ということで、若い頃に読んだ吉村昭の「仮釈放」を思い出しました。インパクトのある小説でした。

そもそも、この映画の紹介で、「悲劇的な運命」と書かれていたので、少なくともハッピーエンドでは無いことは解ります。どの程度悲劇なのかというのが興味の中心を占め、見ていった訳ですが、そう来ましたかとというような、意表を突く感じのラストでした。最後に新たな旅立ちのように表現されるシーンで、見る方の気持ちを和らげたりもするのですが、これはこのままの状態で生き続けることへの閉塞感に対する答えにもなっているのでしょうか。ため息の出るような、救いの無い映画だったと思います。

この映画は、2013年のベルリン国際映画祭で、アルフレッド・バウアー賞(「新たな視点」の観点より選定)に選ばれました。ピエレット・ロビテーユと、ロマーヌ・ボーランジェの、化粧っけのない2人の演技でほとんど占められており、なかなか見どころのある素晴らしい演技でした。ロマーヌ・ボーランジェは、「アパートメント」でモニカ・ベルッチに対して未必の故意を演じた女優さんですね。まとまりも良くて、途中は、何か元受刑者がやらかすのでは?と見ている方も、映画に出てくる世間の人と同じ感覚にさせられてしまうような、妙な緊張感で進行に引き付けられ、いい映画だったと思います。

2019.10.31 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞

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「魔処女」 ヴァンパイアの娘カナダへ行くというラブコメ

いろいろと、オークションなど見ていてちょっと気になったこの映画。日本では未公開VHS発売で、未DVDなのです。20世紀の映画には良くある話ではありますが…。ちょっと面白そうなので、久しぶりにVHSを買ってしまいました。DVDになっていてもおかしくない、面白い映画でしたよ。1996年のカナダ映画です。

あらすじ
ヴァンパイアのカルミーナの婚約パーティーの日。相手のブラッドは1回も会った事が無く、ただ財産家ということで両親が大変乗り気になっていた。結婚したくないカルミーラは叔母の住むカナダのケベックへと家出し、そこで人間に変身する薬を叔母に貰い、音楽家のフィリップに恋をしてしまう…。



トランシルバニアの屋敷で、カルミーナと両親が決めた資産家の婚約者ヴラッド(Yves Pelletier)との披露パーティーが行われようとしていました。しかし、カルミーナはこの婚約が嫌でたまらず、屋敷を抜け出し逃亡します。向かったのは大昔に父母と仲たがいして飛び出した伯母のエスメラルダ(フランセ・カステル)の住むカナダのケベック。カルミーナは棺桶トランクで移動し、魔力でイミグレを通過し、伯母の家へと向かいました。そして、逃亡に気づいた両親とヴラッドもこれを追いかけ始めます。

エスメラルダは人間になって、パートナー紹介の会社を経営し順調でした。人間になるためにはある植物から抽出したポーションを飲むこと。しかし、効果のある時間が限られていて、アラームをセットしておいて、切れそうになるとまた飲まなければいけないというものです。カルミーナは人間になって、町で少し騒動を起こしながらうろうろしますが、教会でオルガンを弾いていたフィリップ(ロベール・ブルイエット)に出会いお互いに恋してしまいます。一方、婚約者のヴラッドもカナダに到着。イミグレの係員(Gildor Roy)をヴァンパイアにしてしまい、彼の家に居候してしまいました。そして憂さ晴らしに町に出た2人は、大殺戮事件までやらかしてしまいました。

一方、お互いの住んでいるところが解らない、フィリップとカルミーナは、相手を探して街を彷徨いますが、フィリップはその為にパートナー紹介に登録をして呼びかけます。それを見て気に入ってしまったエスメラルダはフィリップを誘惑しベッドイン。そこにカルミーナが帰ってきたから大変。ひと騒動おきますが、やがてそれも終息。しかし、カルミーナを追いかけてきた婚約者たちと父母とも遭遇し、フィリップも交えて屋上で最終決戦へ。(といってもストリートファイターのり…。)勝利を手にするフィリップでしたが、隙を見せたところで母親の牙が…。そして、教会でのみんな人間の姿での結婚式。新郎はフィリップで、新婦はカルミーナ。関係者は皆参列しています。しかし、皆のアラームが一斉になりだし、慌てて例のポーションを飲み始めるのでした…。

魔処女

冒頭書いた通り、ヤフオクで気になった、DVD未発売のVHSを購入したものです。ジャケットや題名とは裏腹に、なかなか楽しいホラーコメディでした。ほぼニヤニヤしっぱなしで、大満足です。製作された年代も、ちょっと懐かしめのホラー・コメディスタイルで、安定した楽しさです。原題は「Karmina」で、ヒロインの名前。この映画各国のファンタスティック映画祭で、様々な賞を受賞していました(BIFFFでは、シルバー・レイヴンと観客賞)。要は、ヴァンパイアのラブコメで、時々見られるネタではあります。もっといい邦題をつければファンも増えたのではないかと残念。

主演のイザベル・シールさんは、日本で見られるのはこの映画だけですが、結構当たり役ではなかったのでは?と思います。映画賞は、この作品で受賞していますし、続編もカナダでは作られたようです。エスメラルダのフランセ・カステルさんも楽しい役を見せていました。しかし、この人間になる薬は、ウルトラマンみたいなもので、時間が限られていますから不便です。ちょっとしたトラブルで破綻してしまいますね。効き目の長い薬の開発が待たれるところ。彼らと一緒にエレベーターに乗って故障で閉じ込められたりしたら大変です。そして、ラストの決闘はけっこう爆笑物です…必見!

原題のKarmina は、有名なレ・ファニュの「Carmilla(カーミラ)」から来ていると思います。吸血鬼系のガチなゴシック・ホラーも最近あまり見ていないなと思いつつ、ちょっと気になり始めました。ドラキュラとか、ノスフェラトゥとか。なかなか奥が深い世界です。そういったいろいろ繋がる楽しい映画なので、是非DVDで復活して欲しいもの。その時は是非是非、邦題を変えていただきたいと思います。

2019.4.21 自宅にてVHSビデオ鑑賞

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「レッド・イノセンス」 気軽にストーリーの楽しめるB級作品でした


勢いで、大量購入DVDの中にあった映画を鑑賞。この映画、カナダで2004年に映画祭に出品されたほか、他国ではDVD premiereとして世に出ております。そんな映画なので、お茶の目で見る映画という感じかな?などと思いつつ見てみました。原題は「The Good Shepherd」なんですが、いろんな国で思い思いの題がつけられているようです。2004年カナダの製作になります。

あらすじ
ある街で起こった殺人事件。現場にいた神父が犯人として逮捕されるが、神父はその職責を守り、直前に聞いた事件の鍵となる「告白」について、黙秘する。ダニエル神父は調査を任せられるが、真相が語られないまま、逮捕された神父も自殺してしまい…。



ダニエル神父(クリスチャン・スレーター)は、教区の神父としての能力よりも、資金集めなどの能力をかわれた神父でした。ところがある日、神父による信者殺しというスキャンダラスな事件で逮捕されたアンドリュー神父(Von Flores)が、取り調べに沈黙を続け、ダニエル神父を指名しているということで、対応を依頼されます。そのアンドリュー神父と対面したダニエルは、彼が事件前にある告解を聞き、現場に向かった事、そして、告解は完全に秘密であり、神父の立場としていかなる場合でも公表できないということを聞かされました。ダニエルは現状を打開すべく、元恋人のテレビレポーターのマデリン(モーリー・パーカー)に公開インタビューを依頼しますが、成果は得られず、アンドリューも自殺してしまいました。

この自殺そのものも疑問視されている中、マデリンからも、自己保身のみで信者の立場に立たない、教会とダニエルの態度を攻められ、ダニエルは、アンドリューが勤務していた教区の担当を引き継ぎ、独自に調査を開始します。アンドリュー神父は定期的に殺された信者の住んでいた施設を訪れていました。その信者は男娼でもあったようです。これが元で、アンドリュー神父はその信者との関係のもつれから、彼を殺したのではないかと疑われていたのでした。ダニエルはその施設を訪れ、管理人のMrs.ギャラガー(Nancy Beatty)が施設の少年たちに非常に厳しく管理し、さらに告解室に録音テープを仕掛けて、彼らを監視していたことを突き止め、追い込まれたギャラガー氏は、ダニエル神父の行動を教会に訴えました。

これにより、ダニエルは教会幹部から神父の職を解かれてしまいましたが、独自に捜査を進め、ギャラガー氏の自宅に秘かに侵入したところ、彼女が死んでいるのを発見、これによって殺人容疑まで掛けられてしまいました。警察の取り調べを受け、進退窮まったダニエルはマデリンと共に、神父としてはタブーである告解の録音されたテープの再生を試みようとしますが、そこに犯人が現れ、ダニエルを襲います。 ダニエルとマデリンはこれに何とか抵抗し、警察隊も現れ、なんとか窮地を逃れることができました。その後ダニエルは、良い神父となって教区の神父の職を真摯に遂行し始めるのでした。

レッド・イノセンス

ストーリー自体は面白かったです。そして、いろいろと膨らませれば、さらに面白くできるストーリーだと思いました。しかし、出来上がった結果はちょっと軽めで、そこが残念なところだと思います。伏線や小道具はちりばめられてはいるものの、うまく効果的に使われておらず、犯人が解って、なるほどという感じにも乏しく、謎解きの醍醐味があまり出ていません。それもまぁ、ありがちと言えばそれまでですが。

途中、あえて怪しさを醸し出させるのはフンメル神父(Colin Glazer)なんですが、これはいわばブラフですね。で、最終的にはあいつかという…。怪しさだけで犯人の意外性を出そうとしている感じを受けてしまいました。とは言いつつ、全体的には普通に楽しめました。ストーリーの骨格が面白かったからだと思います。DVDプレミアということで、お茶の間で見るドラマという感じで見れば、結構いい線をいっていると思います。カナダの都市で起こる事象も、いろいろと織り込まれていました。

役者で有名どころは、クリスチャン・スレーターで、最近見たインビジブル2にも、戦争の英雄で透明人間にされる役で出ていました。同じ購入ロットにあったので、クリスチャン・スレーターファンが処分したDVDだったのかな?あとは、スティーブン・レイやモーリー・パーカーなど、渋めではありますが、いい役者さんが出ています。そういう意味では、演技は安定していて、気軽に楽しめるB級作品というところでしょうか。見る機会があって良かったとも思える映画でした。

2019.1.13 HCMC自宅にてDVDをパソコン鑑賞

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「スモールタウン マーダー ソングズ」 カナダの小さな町の出来事

上映時間が短いので、気軽に見ようと見始めました。圧倒的な緊迫感が支配するクライムサスペンスという紹介文にも惹かれるものがありました。この紹介は当たっているような、いないような感じですが、ちょっと変わった雰囲気の映画で楽しめました。GYAO!の無料配信からの鑑賞です。

あらすじ
敬虔なメノナイト教徒が暮らす小さな村で、身元不明の若い女性の全裸死体が湖畔で発見された。地元警察のウォルター(ピーター・ストーメア)は、捜査するうちに、通報してきたのが別れた恋人のリタ(ジル・ヘネシー)だと知る。彼には過度の暴力行為でトラブルを起こした過去があり、それが原因でリタとも別れたのだ。ウォルターは改心し、やり直そうとしていたが、やがてリタの新しい恋人スティーブ(ステファン・エリック・マッキンタイア)が容疑者として浮かび上がり、彼をかばうリタを問い詰めようとするうちに、ウォルターの心に、封印したはずの凶暴性が目覚め始める…。



一風変わったロックなどの音楽が冒頭部を支配します。ウォルターの暴行を見つめるリタの場面ですが、暴行の場面が移されている訳ではなく、最初はそうと解りません。そして、敬虔に教会に通う良き警察官のウォルターと、カナダの田舎の光景。そして、スティーブの登場とウォルターの確執の場面があり、女性の遺体発見の場面に映ります。

事件の捜査は、本署のワシントン警部(アリ・コーエン)が当たりますが、実際に活動するのは地元警察のウォルターたち。彼らは事件の通報の録音を聞きながら、それがリタの声だと突き止め、スティーブとリタを警察に連行し尋問します。しかし、明らかに彼らの発言は怪しいのですが、決め手がなく一旦帰されることに。この場面でも、ウォルターは尋問にあたらず、すれ違う彼らとの確執が見られます。

町では、殺人犯が野放しにされていると報道され、警察への批判が出始める中で、ウォルターの心に怒りが湧き始めました。彼らは小さな町によそ者が来る場としてストリップバーに目を付け聞き込みをすると、被害者はその店の踊り子で、事件当日にスティーブと会っていたことを突き止め、リタの証言が嘘だという疑いが深くなってきます。ウォルターは単独でリタに会いに行きますが、暴行事件で別れた二人はそもそも近寄ってはならない関係となっており、スティーブとリタに追い返され、警察にも通報されました。

この行動で、ウォルターは事件の捜査を外されますが、いよいよ捜査の進展に対する町の噂話を聞くと堪えられなくなり、凶暴な心がもたげるのに任せ、再び単独でリタの家を訪れ、スティーブと乱闘になります。ウォルターは心を抑え、暴力を思いとどまり、殴られるに任せますが、この一件でリタが警察に偽証を認め、スティーブは逮捕されました。そしてそこには再び平穏な心に戻ったウォルターがいました。

スモールタウン マーダー ソングズ

サスペンスというには非常に単純なストーリーでした。この映画の特徴はむしろ短い時間に凝縮された一風変わった雰囲気にあります。なかなか書きづらいのですが、いろいろとアンバランスなものが組み合わさりバランスを取っているような感じです。音楽は比較的うるさいような感じです。土俗的な感じのロックのリズム。かなり刺激的な音も入ります。映像はいたって静か。田園風景や美しく、一方でけたたましい音の中で、スローモーションのように動く警察の捜査。少なくとの導入部の光景は、プロモーションビデオのような雰囲気さえ卍ます。

出てくる人物は、敬虔なメノナイト教徒という設定で、不道徳なものに対し大きな拒否反応を見せる一方で、発言が妙に過激だったりして、このあたりのバランスも奇妙なところがありますが、これは宗教感に疎い自分が見て思うことなのかもしれません。いろいろな人の心の動きが出てきますが、それは解るのですが、どうもそれがしっくりこないような雰囲気の人々です。普通の人らしくないというか…。

ということで、ストーリーのメインはウォルターの悩みや心の動きをじっくりと追っていく話なのですが、雰囲気としては、ちょっと一風変わったサスペンスというより、ドラマでした。ある一定の価値基準で構成されているように思えますが、どうも普通の感覚では無いような独特の感じがして、面白い作りだと思います。メノナイトの人々で構成された、小さま町で起こった事件という設定で、浮世離れした雰囲気を演出しているということなのでしょうか。独特の音楽やスローモーションの映像、そして宗教感を押し出した興味深い作品でした。

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「メタル・トルネード」 B級SFパニック映画は定石通りで安心でした

時々思うのです。敢えて超B級映画を見てみたいと。後悔するかもしれませんし、腹立たしくなるかもしれません。でも、なんか90分程度のB級映画を見て、ちょっとだけ楽しめればいい。あまり深く物事を考えたくないという瞬間。そういう時は、たまたま目についた、いかにもという映画を選択。ジャンルは深く考えない。カナダ制作のTVMovieというのも、いかにもですし、IMDbの評価が3.3点というのも怖いもの見たさであります。

あらすじ
究極のクリーンエネルギーを目指すヘリオス計画は、太陽フレアのエネルギーを宇宙空間で捕捉し、地球に転送して貯蔵するというものだった。しかし、その装置に設計ミスが発覚。計画を推し進めるプロジェクトは、それを無視し推し進めようとするが、最初のトライアルですでに巨大な磁気竜巻が暴走し始めていた…。



アメリカのヘリオスワールド社が進めていたヘリオスプロジェクトは、太陽フレアを地球上で使用できるエネルギー化するという、画期的なものでした。しかし、設計者のウインタース博士(Todd Duckworth)は自宅での実験中に、そのシステムの欠陥を発見するとともに死亡してしまいます。プロジェクト担当のマイケル(Lou Diamond Phillips)は、再婚を計画している恋人のレベッカ(Nicole de Boer)と共に、システムをテスト起動。短時間のトラブルがありましたが、ほぼ成功したかに見えました。しかしマイケルたちは蓄積したはずのエネルギーの2%が消失していることに気づき、不安に駆られます。

そのころ、研究所からさほど遠くない山中で、伐採作業中の男がチェーンソーを何かに吸い取られて行ってしまう現象が発生し、さらには、ガソリンスタンドでは、竜巻のような被害にあい、金属のみが飛んで行ったという異常現象が発生したと言う事で、保安官から連絡を受けたマイケルとレベッカは、消失した2%のエネルギーが起こした磁気竜巻ではないかとの可能性を懸念し、会社に戻ると、次のフランスでのテストを止めるように社長(Greg Evigan)を説得。しかし、すでに成功し投資家たちと意気投合した社長は次のフランスでのテストを中止するつもりは全く無いようです。

発生した竜巻は、地下の鉄鉱脈に沿って進んでいることを解明。その先にはフィラデルフィアがありました。一方で、死亡した発明者の妻(Sophie Gendron)から情報提供を受けたマイケルは、システムの欠陥が竜巻を作ったことの証拠を得て、研究所に戻るとデータを解析し、関係機関に連絡して竜巻を止める手段を講じますが…。

メタル・トルネード

深く突っ込まず、普通にストーリーを楽しんでいくという前提であれば、普通に楽しめました。あまりいろいろと考えてはいけませんね。B級たる所以です。そういうものなんです。正義感の強い秀才科学者だが恋人に目がない父親。彼が後妻に迎えようとする才媛のレベッカ。彼女に反発する息子。そして、危機に対して全員一致で協力し、危機を乗り切る過程で息子とレベッカとの信頼関係が生まれていく。そういうストーリーです。メインの方ではありませんが。いかにも定石ですよね。

仕掛けは太陽フレアを人工衛星で集め地上に送るというものですが、その地味ですが破天荒な設定は危なすぎ。でも、ちょっと地味な感じでインパクト的には損をしているかも。その手のSF的仕掛けや、解決方法は非常にB級なのであまり深く考えない。特撮も地味であります。ホラー的要素もチラリ。チェーンソーでヘルメットが十字に切りつけられているとか、鋤が飛んでくるとか、ちょっと怖いですね。

ということで、私利に走る企業と、秀才家族が世界を救う物語でありました。ラストのオイオイと言いたくなるような能天気さは、さすがB級らしいとも言えます。まぁしかし、けっこう面白く90分楽しめるので、それはそれでちょっと楽しかったりするのであります。出演者も監督も全く知りません。監督のゴードン・ヤング氏は、香港生まれでGordon Yangというつづりですから、きっとヤングではなく「ヤン」さんではなかろうかと思います。ニコール・キッドマンの「誘う女」などの、location managerなんかに名を連ねています。地味です。でも、この作品は決して嫌いではありませんよ。

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「ハウンター」 敵を討って成仏するというファンタジー

GYAO!で面白そうなのを物色した結果、今日もホラー系。時節柄そういう時期ではありますが、連夜のホラーもそろそろどうかなと思いつつ鑑賞。さて、これはどうかな?2013年カナダ制作。そこそこ評判の作品だったようです。

あらすじ
少女リサ(アビゲイル・ブレスリン)はある朝、奇妙なことに朝から昨日と同じ事の繰り返しをしているということに気づいていた。翌朝もまた同じ。自分は長い間1985年のその日を、繰り返し過ごしているのだった。家の外に出ようにも、出ることさえできない。家の中で起こる奇妙な音に気付き、少しづつ違和感を感じていた彼女は、奇妙な電話工事の人間や、幽霊のように触れることのできない少女オリヴィア(エレノア・ジッチー)に遭遇。見えないものの妨害にあいながら、真実に少しづつ辿り着いていくが…。



朝、弟ロビーからの無線で目を覚ますリサ。日常の朝の風景が始まりますが、リサは何か違和感を感じています。洗濯を手伝い、パンケーキの朝食をとり、クラリネットの練習をし…。明日はリサの16歳の誕生日で、出かけるため父は車の修理をしています。そして翌朝、また同じように目が覚め、同じことが繰り返されますが、少しづつ違っているようです。それは、リサが同じことの繰り返しということに気づいたからかもしれません。そして、リサは家の中に不審な音を聞き、引っ越しの時の写真に写りこんだ人影を発見し、何かが家にいるということに気づき始めました。そして、夜にはウィジャ盤を取り出し、霊との交信を始めました…。

3日目も同じように始まります。始まりは一緒ですが、様子はかなり変わっています。誕生日の前日を繰り返していることは変わりありませんが、父の様子もおかしく、家族に向かって暴力的になっています。そこに電話工事の怪しげな男が到着。リサにこれ以上詮索するなと告げます。リサは、隠された地下室を発見、そこには遺品のようなものがあり、焼かれる少女の幻影を見ます。部屋では同年代の少女オリビアと交信。その中で、多数の行方不明者の新聞記事のスクラップや、この家で起こった一家4人の中毒死事件のことを知り、薄々は感づいていたのですが、自分が死んでいることを確信し、今オリビアが犠牲になろうとしていることを知りました。そしてそれは、昔からこの家に住み着いている、エドガーという男の霊のなせる業でした。

ということで、リサは過去の被害者の霊たちと交信し、殺人鬼を倒すために行動を始めるのでした…。

ハウンター

普通にホラーのつもりで見始めたこともありますが、まず思ったのは、映像がしっかりしていること。ホラー=B級みたいな感じで見始めましたので、これはうれしい誤算。美しく撮影されている映画はそれだけで見てよかったという気分になります。最初の繰り返しは、少しづつ微妙に違っていきます。そのあたり、プロコフィエフのピーターと狼を使うところも洒落ています。あれは同じフレーズが繰り返される曲なので。逆に言えば、あまりにも綺麗に、少しづつ進んでいくので、身の毛がよだつような恐怖感はありません。むしろ幻想的な雰囲気に支配されます。けっこう私の好きなタイプの映画でした。

難を言えば、話の展開がわかりづらいことでしょうか。いつの間にか、リサは自分が死んでいることが解っていましたし、パラレル的に過去の被害者が現れてくるようになるので、少々混乱してしまいました。外の世界との接触についても、扱い方が微妙で、ある意味、恣意的なところが無きにしも非ず。でも、あの世界のファンタジーだと思えば、逆にそれはありなのでしょう。ウィジャ盤の登場する映画も久しぶりに見ました。これを見ると、「パラノーマル・アクティビティ」の恐怖を思い出してしまいます。あれは、トラウマです。

ということで、普通のホラーと思ってみたら、内容はかなり凝っていましたし、視点も普通のホラーと違って、いわば逆転しているので、わかりづらいのですが、そう思えば面白い。そんな幻想譚という映画だと思いました。画面もいいし、小道具もちょっと凝っていたりして、ストーリーもなかなか珍しい展開なので、これは見てよかったと思います。

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「インサニティ」 牽強付会という四文字熟語を贈呈したい

軽くてインパクトのある映画をGYAO!で探して、これが良さげと思って鑑賞。結果として軽くてインパクトもありました。単純に無人島でのサバイバルゲームかと思いきや、そういうオチですか。インサニティとは何ぞや?と辞書を調べたりしたのですが、最後に原題のほうを見て納得…。

あらすじ
学生6人のグループが離島にバカンスに向かう。一方、シアトルの街では、同時期に無残に人間が食い散らされる事件が発生。生き残った女子学生が病院に収容された。離島に入った6人はその夜パーティーを行うが、そのうち一人が豹変し、突然攻撃的になると、周囲の人間に襲い掛かり始める。そして、その現象は周りの4人にも現れ、唯一原因物質を使用しなかったブリー(デブス・ハワード)のみが変異を免れるが、外界と謝絶された島での、生き残りをかけた戦いが始まった…。



ストーリー1
シアトルの独立記念日を迎えた夜中、騒音のクレームに応えて駆け付けた警官が見たものは、無残に傷つけられた二人の死体と、虫の息の重傷の少女ゾーエ(タチアナ・フォレスト)。ゾーエは錯乱状態で病院に収容され、落ち着いたころ事情聴取を始めたストラドウィック刑事(ジョン・ギリッチ)に、2人に突然襲われたと証言します。ゾーエの交友関係を調査するうちに、ウィーラー(イアン・コリンズ)という少年が浮上。彼は凶悪犯罪を犯した後精神病院に収容され、今は社会復帰しているとのこと。ストラドウィック刑事は、ゾーラの関係者の中で唯一足取りがつかめないウィーラーを手配しました。

ストーリー2
幸せそうなカップル、スティーヴ(ダニー・ザポロザン)とブリー。休暇でスティーヴの友人4人、バッシュ・ウィーラー・トリシュ・ロクサーヌと無人島にバカンスに行くこととなりました。バッシュは辺境を放浪して最近帰国したばかり。この4人は過去に複雑な関係もあったようです。彼らは無愛想な村人に送られて無人島に渡り、緊急連絡などの説明を受け、村人が帰ってしまうと島には彼ら6人だけとなりました。ウィーラーは調子が悪そうで、時々禁断症状のようなものが出るのを必死で抑え込んでいるようでした。

パーティーは盛り上がり、やがてウィーラーの持っていた薬を、みんなで試し始めます。ブリーだけはその雰囲気についていけず、少し浮いた格好。スティーヴは心配そうにフォローします。やがて、彼らのいざこざからウィーラーが突然暴力的に豹変。周囲の友人を襲い始めました。これは、豹変した本人にも周囲から襲われているような幻覚が見え、それに応える形で暴力的に相手を痛めつけるという現象のようです。やがてブリー以外の4人も同様の症状が現れ、殺し合いの惨劇に。ブリーはなんとか村と連絡を取って助けを呼ぼうと行動しますが…。

ストーリー3
閉ざされた、何も置かれていない部屋にいる男と女。男は脱出を求めて叫び、女は陰で震えています。それを外から冷ややかに見ている初老の男(ロバート・リーフ)。部屋の中にいる男に、君は選ばれたのだと伝え静観します。ますます凶暴化する男。そのような部屋が複数あり、実験は並行的に行われているようです。

この映画は、無人島の惨劇を中心として、シアトルの事件と実験室の惨劇が並行して描かれ、話が進んでいきます。そして、これらが結び付き、驚愕のラストへ??

インサニティ

冒頭の、いかにもホラーだぜ!というような、血糊の海のタイトルバックと、ある意味なんじゃそれ!と言えなくもないラスト。終わってみるとこの対比も面白いのですが、このラストを、こうまで思いっきり語られると、やはりいろいろと考えさせるという効果もありますね。それを言いたかったのですかね?いや、かなり性格の異なる3つの進行を、巧みに組み合わせたホラーこそが、この映画の本領だと思いたい。それはそれで、けっこう良くできていて面白かったので。

振り返ってみれば、ゾーヤの事件の真相も納得できますし、そのあたりはしっかり筋が通ってます。険悪そうに見える村人は、きっとただの雰囲気づくり?実験室でそっと手を握るサディスティックな初老の男女の風景は心憎い演出と言えるでしょう。ブリーはスティーヴを縛って出ていきますが、そんな事をすると、生き残った他の人間に襲われた場合、ひとたまりも無いとは思わなかったのですかね?というのはツッコミどころ。そうはなりませんでしたが。というような細かい点は他にもいろいろありました。

で、問題のラストも、仮に今、世の中で起こっているようなことが戦争に繋がっていくとすれば、それはやはり同列に解すべきことですかね?というのがこの映画から見出す答え。また、それをこのストーリーから、ここまで言い切ってしまうのは、牽強付会というほどの、なかなかの強引さだと思いました。邦題ではデフォルメされた原題は、「The Evil in Us」なのか、「The Evil In US」なのか、気になるところ。絶対これかけてるね…と思いました。でも、そういうラストも含めて、いろいろと凝ってて、エピソードもそれぞれ面白いので、かなり楽しめました!という映画なのでした。

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「ある夜のセックスのこと モントリオール、27時」 閉塞感の中の独白

特に何を見る目的でもなく、GYAO!を眺めていて、なんとなく見てしまいました。いろいろな映画祭に出品されたとのことですが、大きな映画祭ではないようです。勝ち取ったのは、ジニー賞、台北映画祭、トロント国際映画祭、バンクーバー国際映画祭。初監督作品に対する賞もありました。ということで、尺も短めなので、気軽に鑑賞。

あらすじ
ナイトクラブのフロアーで踊りに興じる人々。クララはそこで出会った青年ニコライの部屋になだれこみ、玄関ですぐに激しく求めあう二人。そのまま二人はほとんど言葉を交わさず、欲望の赴くままにセックスを始める。数時間後、眠るニコライに気付かれないよう、そっと部屋を出るクララ。その気配に目が覚め、ニコライはクララを呼び止める。そして、お互いのことをぽつぽつと話しはじめ、やがて二人は、互いに誰にも言えなかった心のうちを語り始める。



まず、スタートは若者たちがナイトクラブで踊るシーンですが、音楽に合わせて飛び跳ねているだけ。その飛び跳ね方が、あとの物語の中で若干触れられますが、これは特に大きな意味はありません。そしてそれが終わると、部屋の中からの映像で、部屋に入ってくるや否や、求めあう男女のシーン。激しく貪りあう二人はセックスへと移行します。途中、トイレとか、コンドームは?とかで中断するのもご愛敬というところでした。

激しい性交がのあとはベッドで眠ることとなりますが、女性の方が起きだし、部屋をうろうろした後こっそり帰ろうとすると、気が付いた男が起きだして、黙って帰ろうとしているのを責め立てます。この時の言葉は、責める言葉ではありますが、なかなか気の利いた言葉でもあります。そしてやがて話はすれ違いはじめ、やはり女性は部屋を出ました。

外は雨。しばらく歩いた彼女は途中で雨宿りをしますが、降り続く雨に再び部屋に戻ることに。迎え入れた男は自分の身の上話を始めました、かなり自堕落で無目的な生活をしているようで、若干インテリ風の彼女の言葉に対立。彼女を貶めるような言葉を連発したため、彼女は怒って部屋を飛び出しますが、反省したのか男はそれを追いかけ、捕まえて部屋に連れ戻しました。そして今度は彼女の独白。小学校の先生をやっているが、木曜日の夜から月曜日の朝までは、夜の街を歩き回り、行きずりのセックスをし、ドラッグにおぼれという日々を過ごしているとのこと。何か確かな真実を求めて。しかしそれが決して本意では無い事を承知している彼女は途中で泣き崩れてしまいました。そして、屋上に敷いたマットレスの上での朝の目覚め。

数日後の、学校で先生として仕事をしている彼女が映され、この映画の終わります。

ある夜のセックスのこと モントリオール、27時

という訳で、とくに明確な物語がある訳ではありませんでした。シーンは部屋の中以外は、2度ほど部屋を出た時の周辺の風景。朝の屋上、そして学校とナイトクラブ。それだけです。内容的にも動きが無く単調なのですが、なぜか最後まで飽きずに見てしまいました。きっと画像や会話が面白かったのでしょうね。

最初の三分の一は、ナイトクラブからのセックスシーン。見ごたえがあるシーンで、突飛な物ではなく、馴染みやすいものです。それが終われば、あとはほとんど会話劇。一方的に語る感じなので、身の上話が続きます。とりたてて意味のあるような話にも思えないのですが、それなりに堕落し、興味を引くような話ではありました。ラストでは説明の言葉はありません。アパートの屋上では無言で街を眺め、そして、先生としては子供たちに詩を暗唱させている。その詩の内容に意味を見出すかどうかということですが、最後の子供が諳んじた詩は、とても小学生が読むような内容ではなかったと思います。そしてちらっと窓の外をむる先生の横顔。それだけです。

従って、だから結論は?とも言いたいところではありますが、逆にそこまで突っ込みたくなる訳でもなく、「そうなのね、そういう年頃なのね」となんとなく、閉塞感のただなかにある若者の身の上話を聞いて、気だるく納得して終わるような話ではありました。きっとこの映画を観ている間、引き付けられていたのは、会話の中身が、いろいろな社会を投影していて、行動なども全体的に等身大で語られている感じが、聞いていて飽きないということではないかと思いました。

ニコライの顔をみていると、蟹江敬三を思い出しました…

原題は、「Nuit ♯1」。カナダでもフランス語圏なのでフランス語。「夜#1」というのが直訳です。邦題は説明的ですが、内容が少しずれています。アンヌ・エモン監督はこれが長編第1作。その後間をおいて、2作目も3作目も何らかの賞を多少なりとも獲得しているようで、カナダでは芸術系の新進監督ということでしょうか。

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

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「SUCK」 (ヴァンパイア・サック) あけおめ映画鑑賞です。

2017年明けましておめでとうございます。今年はどんな映画が見られるのでしょうか。新鮮な感動を期待しています。大晦日は最後にニューイヤー・イブを見ようとしましたが、アクセスが多かったのか、よく切れたので挫折。そのまま年越しとなりました。今年最初は何も考えずにポチっと。正直全然知らない映画です。

あらすじ
鳴かず飛ばずのインディーズバンド「ウィナーズ」。ベース担当のジェニファーは、ある夜薄気味悪い男と一緒に消えてしまった。翌日、姿を現した彼女は目の色や外見だけでなく、メンバーも驚くほどの演奏力やカリスマ性を備えていた。なんとジェニファーは一晩でヴァンパイアになっていたのだ…



停滞ムードのバンドウイナーズ。メンバーは先行き不安を感じる中、紅一点のジェニファーがヴァンパイアになったことから人気急上昇。引き換えにヴァンパイアならではの騒動を巻き起こしていきます。それを、かつて恋人をヴァンパイアに奪われたヴァンパイアハンターのヘルシングが追いかけるという構図です。

エピソードは情緒面は、要所要所でミュージックビデオを積み重ねて語られるように作られていて、最初はどうもまどろっこしく鼻についたのですが、単発趣向のミュージックビデオですから、よく見ると一つ一つなかなか凝っています。

SUCK

歌の部分以外は基本コメディタッチでストーリーが進んでいくので、これも飽きることなくストーリーを追えます。その上バンドは霊柩車で旅をしながら進んでいくので、ロードムービーっぽくもなっています。細かいところもちょっと凝っていて、ヴァンパイアハンターの車のバックミラーに飾りでニンニクがぶら下がっているとか楽しい演出です。いろいろ凝っていて正直見ているうちに面白くなってきました。

さらに、往年のロックスターたちが多数出演しており、またLPジャケットのパロディのシーンが多数登場するなどサービス満点。ロックファンなら思わずニヤニヤどころか快哉を叫ぶこと請け合いという内容でした。

最近はロックも、ラップなど他のジャンルの音楽に押され、トップテンに入ることも少なくなり、古いファンには寂しい限りという状況ですが、インディーズにいいバンドもあったりしますので、これで是非盛り上がってという感じでしょうか。懐かしさの中になんとなくひとり納得して、いいねいいねと思っていました。

SUCKとは、吸うという意味ですが、俗語では「へたくそ」ということの様ですので、ヴァンパイアとミュージシャンをかけた、なかなか自虐的なうまいネーミングだと思います。ストローで店員の血を吸う場面。あれが本気のSUCKかな?と思いました。

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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