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「シャーロック・ホームズ 死の真珠」 ホームズの失地回復

シャーロック・ホームズ俳優として有名になったベイジル・ラスボーンは、ナイジェル・ブルースとのコンビで14本のホームズ映画に出演しました。これはそのうちの第9作。原作は短編の「六つのナポレオン」という作品です。1944年のロイ・ウィリアム・ニールの監督による作品です。

あらすじ
ドーバーに向かう客船内で、「ボルジア家の真珠」を奪ったナオミ・ドレイク(イヴリン・アンカース)は、うまく持ち帰ったつもりが、シャーロック・ホームズに奪い返されてしまいます。シャーロック・ホームズ(ベイジル・ラスボーン)はベーカー街の事務所で、ワトソン(ナイジェル・ブルース)に真珠を見せ、訪れたレストレード警部(デニス・ホネィ)と同行して、王立博物館へ向かいました。博物館の責任者たちが、セキュリティは万全だと示すと、ホームズはシステムを破って見せますが、その隙に変装していたコノヴァー(マイルズ・マンダー)が、真珠を奪って逃走してしまいます。システムを破ったことを責められたホームズは、真珠を取り返すために動き始めました。

その頃、ハーカー少佐が背骨を折られて殺され、現場は割れた陶器が散乱していました。そしてホームズはコノヴァーから狙われ始め、さらにキャリーという老婦人が背骨を折られ、現場は同様に陶器が割られていました。さらに3人目も殺され、残された陶器の破片を収集したホームズは、カモフラージュの陶器の破片の中で共通して存在するのは、ナポレオンの胸像の一部だと気づきます。博物館で聞き込み、陶器工房にコノヴァーが入ったことを確認、その時にナポレオンを6個作っていたことを知り、真珠がそのうちの1つに隠されていることを確信。胸像の行方を追い、2つはすでに壊され、残りの1つは医師に売ったと聞くと、ホームズはその医師の診察所に向かいます…。



シャーロック・ホームズ 死の真珠

ベイジル・ラスボーンの一連のシャーロック・ホームズものの第9作。シャーロック・ホームズについては、ご多分に漏れず、子供の頃から原作をかなり読んだので、それなりにイメージが自分の中にできているのですが、シャーロック・ホームズ俳優として有名なベイジル・ラズボーンが、自分のホームズのイメージにピッタリかというと、何となく違う気がするのです…。実際には、最高のシャーロック・ホームズ俳優と言われているらしいので、アメリカではこれが一般的なシャーロック・ホームズ像として定着しているのでしょう。

この物語は、シャーロック・ホームズがもったいぶってやり過ぎたため、財宝を盗まれてしまい、失地を回復すべく奔走するお話。失敗に対して何も悪びれず行動するので、可愛くありません。そのあたりマイナスであり、もう少しアタフタと慌てろ!と思うのですが、それをやっちゃうとシャーロック・ホームズでは無くなるのかな?とも思うわけです。ついでに言えば、ワトソン医師も、ナイジェル・ブルースというよりは、もっと書生っぽい感じなんですけどね。自分的には。

といっても、やはりこれが定番ですので、あくまで個人的に醸成されたイメージの話。このシリーズは見るのも、まだまだ2本目なので、本数を重ねていけば、このイメージが自分の中に定着してくるかも知れません。ストーリー自体も、今となっては正直古臭い感はありますが、往年の推理小説の雰囲気を楽しめることは間違いなので、また機会あれば見続けていきたいと思います。

2019.7.6 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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「修道女ジュリアの告白/中世尼僧刑罰史」 アン・ヘイウッドと中世の芸術的な美しさを

ひさしぶりに、アン・ヘイウッドが見たくなったので、探し出してきました。この映画は、日本では劇場未公開でVHS発売のみというパターン。欧米ではDVD化されています。修道女映画のレスビアン的な印象を狙った邦題をつけられていますが、ヌードシーンは最小限で、かなり美しい美術、衣装を持つ映画でした。邦題につられると当てが外れるでしょう。ドメニコ・パオレラ監督による1973年のイタリア映画です。
原題:Le monache di Sant'Arcangelo (The Nun and the Devil)

あらすじ
1577年。イタリアのサン・アルカンジェロ修道院では、マザー・スーペリアが死に瀕しており、後継のマザー・スーペリアへのシスターの争いが発生していました。年長のラヴィニア(マリア・クマ二・カシモド)、内外にコネクションを持つジュリア(アン・ヘイウッド)、修道院のパトロンであり貴族のドン・カルロス(ピエル・パオロ・カポーニ)と関係をもつカルメラ(クラウディア・グラヴィ)の3人。ジュリアはシスター・キアラ(マーチン・ブロチャード)とレスビアンの関係にありましたが、恋人との仲を遠ざけるため、修道院に入ってきた姪のイザベラ(オルネラ・ムーティ)も可愛がりはじめ、また、貴族のドン・カルロスとの関係もあったようです。

ジュリアは、マザー・スーペリアを手中にすべく、ラヴィニアに毒を盛って緩やかに衰弱させる一方、カルメラは色仕掛けのスキャンダルに陥れ、地位を確実なものにしていきます。そして、教会に多額の寄付を行い影響力のあるドン・カルロスからは、処女のイザベラを差し出すように言われ、渋々承諾。イザベラを一人屋敷に使いにやります。一方で、ジュリアの寵愛を失ったと思い、失意のキアラは、ジュリアの一連の策略の告発を記します。修道院の動きに不穏なものを感じた枢機卿とカラフォ牧師(リュック・メランダ)は、修道院を一斉捜査。毒薬や男関係の証拠、そしてキアラの告発書も押収。多額の寄付者であるドン・カルロスとの関係を考え、このままジュリアをマザー・スーペリアにすべきか、ドン・カルロスの影響力を排除するかで、2人は激論を交わしました。

そして、異端審問の裁判が開かれ、拷問の中で口を割る修道女たち。腐敗と不正に対する厳罰が下されたジュリアは、教会の腐敗を批判しつつ、その場で渡された毒をあおり、息絶えるのでした。



修道女ジュリアの告白/中世尼僧刑罰史

英語版を字幕なしで鑑賞。教会用語とか解らないので、理解にかなり苦労しました。アン・ヘイウッドは端正な顔立ちの美人で好きなのですが、やはりこの映画でも美しさが際立っています。加えて、修道女の服装や、修道院内部の造形なども丁寧に作られていてなかなか綺麗で、また音楽も美しくて、大変楽しめました。修道女物につきもののエロスはあまりありません。ヌードシーンは、アン・ヘイウッドはほんの一瞬だけ。その他はキアラとカルメラがラストの拷問シーンも含めて頑張っていました。

修道女物というジャンルがあって、それは、いわゆる教会や宗教を扱った物から、女性だけの閉鎖空間のエロス映画へと変化してきました。そして、日本では後者のみが一時期作られていました。この映画は、ちょっとエロスの入った前者で、修道院の中での権力と策略の世界。最後には、ジュリアが毒を飲まされることになりますが、その直前に枢機卿に向かって糾弾します。つまり、教会の表向きの活動とは裏腹に、その体制維持のため全体の仕組みとして不正や腐敗は横行しているのではないかということ。何事もそうですが、金と地位に溺れてはいけませんのですがね…。

アン・ヘイウッドを見るという目的においては、全面的に達成しました。クールな姿から、ちょっとエロティックな感じから、美しい感じそして、最後は拷問と断末魔のパフォーマンスまで。彼女の映画、今となっては積極的に見ようとしない限り、なかなか見る機会がないので、また思い出したら探して見てみようと思います。まだまだ尼僧ものとかもあったはずだからね。

2019.9.29 HCMC自宅にてパソコン鑑賞

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「八甲田山」 人生にも影響を与えた映画を久しぶりに再鑑賞

小学生の時に見たこの映画は、かなり印象に残っていました。それどころか、かなりその後の人生に影響を与えた映画の一つかもしれません。最近4Kレストアされてという話を雑誌の記事で読んではいたのですが、BSで放映されていたので、画面が綺麗になっているかなという期待もあって、久しぶりに録画鑑賞して見ました。1977年の映画で、森谷司郎監督の作品です。

あらすじ
日露戦争を前にした明治34年末、青森第五連隊の神田大尉(北大路欣也)と弘前第三十一連隊の徳島大尉(高倉健)は、ロシアと戦うための寒地訓練として計画された八甲田山における雪中行軍の隊長に任命されました。双方が青森と弘前から出発し、八甲田山中ですれ違うというという計画で、その為弘前隊は十和田湖を回り込み、長距離の行程を余儀なくされます。双方とも雪中行軍の方法について研究し、事前準備を十分に行いましたが、弘前隊は徳島の意見が採用され、27名の雪に慣れたものが選ばれたのに対し、青森の神田隊は行程こそ短いものの、神田の少数精鋭で行軍するとの意見は大隊長の山田少佐(三國連太郎)に拒否され、210名という大部隊のうえ、山田少佐以下の幹部も随行することになります。

神田隊は青森を出発。神田が予め用意した案内人も山田少佐に断られ、いつの間にか隊の主導権が山田に移っていき、神田は思うように指揮ができなくなります。その上、低気圧に襲われ、白い闇の中で方向を見失い、行軍は混乱を極め凍死者も出始めました。一方徳島隊は、女案内人のさわ(秋吉久美子)たちの助けも得て快調に進んでいきます。自然を相手に無闇に行動した神田隊はやがて統率者もいなくなり、凍死者が続出。人数は刻々と減っていきますが、自然と無理なく折り合いながら行軍を続ける徳島隊は順調に行程をこなしていきました。

神田隊の中でかろうじて命を保っていたものも次々と吹雪に襲われ、ばらばらになってほぼ全滅。八甲田山中に入った徳島隊は、神田大尉の従卒の遺体を発見。そして次々と神田を含む隊員の遺体を発見し、最終的に神田隊の生存者は山田少佐を含む12名でした。そして山田少佐は帰隊後に拳銃自殺。一方で、徳島隊は全員生還を果たしたのでした。



八甲田山

冒頭に書きました通り、公開時に見て以来の鑑賞になります。そして、この映画の背景となる八甲田周辺は、学生時代何度か旅行で訪れることになりました。そして、鉄道旅行で東北に行くときに頻繁に利用した急行八甲田、十和田の名前(「はくつる」や「ゆうづる」は、高嶺の花であった)、夏の八甲田に登ったこと、その後雪山の登山も何度か経験したことなど、人生の中でも、この映画を思い出すことも多く、映画を見て醸成されたイメージや、その後の実体験を経て蓄積されたイメージも加わって醸成されて行っております。そして、この映画の教訓も良い面悪い面含めて、自分の行動に影響を与えていると思います。

実際に神田隊が遭難した地点は、十和田方面には遥か遠く、八甲田の北東の山麓。八甲田山の名前から登山のイメージもありますが、山麓を迂回しながら峠越えをしていく行程です。そういう意味では、広大な雪の山中の行軍ですので、ルートはかなり解りづらかったものと思います。そして、この膨大な人数を行軍させることと、リーダーへの集中ができていなかったことが、惨劇の最も大きな原因であるとこの映画は表現しています。安全な場所で早め早めに停滞等の対応や、そもそも停滞の準備をしていたかといったことも指摘されています。実際の現場と比較すれば、創作部分もあるとは思いますが、あるべき主張はされていると感じられます。

さて、全編にわたって暗い雰囲気の映画で、初見時から記憶に残っていた、服を脱ぎ捨てて狂死する場面や、玉ねぎの皮がむけるように倒れていく場面を再度じっくりと確認しました。そして、秋吉久美子が一服の清涼剤として良く印象に残っていましたが、それは今回も変わりません。改めて見て、この映画の俳優陣は限りなく豪華です。緒形拳の用意周到さや、下条アトムなど印象に残っています。再見して、いろいろな意味で自分にも影響を与えていた映画だなと改めて感じた次第でした。

2019.7.28 自宅にて NHKBS Premium の録画鑑賞

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