
「シャーロック・ホームズ 死の真珠」 ホームズの失地回復

あらすじ
ドーバーに向かう客船内で、「ボルジア家の真珠」を奪ったナオミ・ドレイク(イヴリン・アンカース)は、うまく持ち帰ったつもりが、シャーロック・ホームズに奪い返されてしまいます。シャーロック・ホームズ(ベイジル・ラスボーン)はベーカー街の事務所で、ワトソン(ナイジェル・ブルース)に真珠を見せ、訪れたレストレード警部(デニス・ホネィ)と同行して、王立博物館へ向かいました。博物館の責任者たちが、セキュリティは万全だと示すと、ホームズはシステムを破って見せますが、その隙に変装していたコノヴァー(マイルズ・マンダー)が、真珠を奪って逃走してしまいます。システムを破ったことを責められたホームズは、真珠を取り返すために動き始めました。
その頃、ハーカー少佐が背骨を折られて殺され、現場は割れた陶器が散乱していました。そしてホームズはコノヴァーから狙われ始め、さらにキャリーという老婦人が背骨を折られ、現場は同様に陶器が割られていました。さらに3人目も殺され、残された陶器の破片を収集したホームズは、カモフラージュの陶器の破片の中で共通して存在するのは、ナポレオンの胸像の一部だと気づきます。博物館で聞き込み、陶器工房にコノヴァーが入ったことを確認、その時にナポレオンを6個作っていたことを知り、真珠がそのうちの1つに隠されていることを確信。胸像の行方を追い、2つはすでに壊され、残りの1つは医師に売ったと聞くと、ホームズはその医師の診察所に向かいます…。

ベイジル・ラスボーンの一連のシャーロック・ホームズものの第9作。シャーロック・ホームズについては、ご多分に漏れず、子供の頃から原作をかなり読んだので、それなりにイメージが自分の中にできているのですが、シャーロック・ホームズ俳優として有名なベイジル・ラズボーンが、自分のホームズのイメージにピッタリかというと、何となく違う気がするのです…。実際には、最高のシャーロック・ホームズ俳優と言われているらしいので、アメリカではこれが一般的なシャーロック・ホームズ像として定着しているのでしょう。
この物語は、シャーロック・ホームズがもったいぶってやり過ぎたため、財宝を盗まれてしまい、失地を回復すべく奔走するお話。失敗に対して何も悪びれず行動するので、可愛くありません。そのあたりマイナスであり、もう少しアタフタと慌てろ!と思うのですが、それをやっちゃうとシャーロック・ホームズでは無くなるのかな?とも思うわけです。ついでに言えば、ワトソン医師も、ナイジェル・ブルースというよりは、もっと書生っぽい感じなんですけどね。自分的には。
といっても、やはりこれが定番ですので、あくまで個人的に醸成されたイメージの話。このシリーズは見るのも、まだまだ2本目なので、本数を重ねていけば、このイメージが自分の中に定着してくるかも知れません。ストーリー自体も、今となっては正直古臭い感はありますが、往年の推理小説の雰囲気を楽しめることは間違いなので、また機会あれば見続けていきたいと思います。
2019.7.6 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞