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「別離(1939)」 バーグマンのアメリカ進出第一作は不倫物語

イングリッド・バーグマンのアメリカ進出の最初の映画となったのが、元々スウェーデン時代に本人が出演した「間奏曲」のリメイクでした。1939年の映画で、監督はグレゴリー・ラトフ。オスカーでは、撮影賞(白黒)と音楽賞にノミネートされています。
原題:Intermezzo: A Love Story (1939)

あらすじ
スウェーデンの名ヴァイオリニスト、ホルガー・ブラント(レスリー・ハワード)は、ニューヨークの演奏会で、伴奏者のトーマス(ジョン・ハリディ)の引退を発表し、妻のマーギット(エドナ・ベスト)と、娘のアン・マリー(アン・E・トッド)の待つ故郷に戻りました。トーマスは後進の指導に専念することになり、その教え子のアニタ(イングリッド・バーグマン)は、偶然にもアン・マリーにピアノを教えていました。そして、アン・マリーの誕生会で、アニタの演奏を聞いたホルガーは、彼女とデュオを組んで演奏を始めます。

二人の関係はいつしか愛情にまで発展しました。アニタは、妻子あるホルガーを愛することに苦しみ、別れを告げ、親類の元に去ろうとしますが、列車の発車間際にホルガーに引き留められます。その後、二人は演奏旅行に旅立ち、各地で絶賛を博しました。演奏旅行が終わり、南仏で二人だけの幸福な時間を過ごしている時、トーマスからアニタがパリ音楽院の奨学生として認められたとの知らせが入りました。今の幸福を失いたくないと、入学しないことに決めたアニタですが、トーマスが南仏を訪れると、アニタは心の内を打ち明け、静かにホルガーの元を去っていきます。

ホルガ―は、家族との関係は既に失われたものと考えていました。しかし、一目でもアン・マリーに合いたいと、一日だけの予定で故国を訪れ、アン・マリーの学校に向かいます。学校に着くと、父親を見つけたアン・マリーが駆け寄ってきて、車に轢かれてしまい、危篤状態になってしまいました。ホルガ―は家に連れ帰り、医師を呼んで、夜を徹しての処置が続きます。翌朝、医師は回復を保証して帰ると、ホルガ―も家を立ち去ろうとしましたが、マーギットに「おかえりなさい」と呼び止められたのでした。



別離(1939)

ストーリーは、普通に不倫ドラマですが、綺麗にまとまっていて、スムーズに展開していきます。美しい音楽と映像を楽しみながら、イングリッド・バーグマンの美しい姿を見るというのが、この映画の一番の楽しみだと思います。これも、映画を見る大いなる楽しみだなぁと感じさせてくれる映画でした。エドナ・ベストも清楚でなかなかいい感じです。最近では「未亡人と幽霊」とかで見ましたが、雰囲気のいい女優さんです。別れの手紙にある、「私はあなたにとって人生の間奏曲でしかない」というのは名セリフですね。

この映画は、イングリッド・バーグマンが3年前に出演した、スウェーデン映画「間奏曲」のリメイクで、イングリッド・バーグマンのアメリカデビューにあわせて製作されました。3年の時を経て、同じく彼女が演じているのですが、3年前の21歳の彼女も見てみたいと思いました。レスリー・ハワードにしても、ラブストーリーの相手役として、素直な雰囲気を出していると思います。監督のラトフは、俳優と監督をこなす人のようですが、監督としてはこれが最も成功した映画でしょうか?堅実さを感じました。俳優としては、「イヴの総て」など出演しています。

イングリッド・バーグマンのピアノの演技には驚きました。音自体は吹替のようですが、映像では、しっかりと弾いているような感じです。この映画で唯一やりすぎかなと思ったのは、アン・マリーが車に轢かれたところを見せているところ。あんな形で轢かれたら、もっと怪我をしているでしょうし、この流れでは見せることに違和感を感じました。あとは、別れてからイングリッド・バーグマンが登場しないのは、ちょっと残念な感じがしましたが、エドナ・ベストによるラストが決まっていて、逆に良かったかもしれません。

2020.6.14 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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「ジーンズブルース 明日なき無頼派」 クールな梶芽衣子

70年代の昭和を感じる9月その10。これが、今月のラストかな…?。今日は、東映の梶芽衣子主演のアクション映画です。監督は中村貞夫1974年の映画です。

あらすじ
都内のとあるバーで繰り広げられている乱交パーティーを、ママの聖子(梶芽衣子)は、物憂げに眺めていました。彼女は、こんな生活に辟易でいて、駐車場に止めたあった車を運転して走り出します。その頃、片桐次郎(渡瀬恒彦)は、殺し屋の仲間に協力して、高利貸しを殺害しますが、彼らが高利貸しから取り上げた500万円を盗んで、一人停めてあった自動車に飛び乗り逃走しました。そして、郊外の十字路で、二人の車は衝突炎上。二人は通りかかった車を奪い、新たに中古車を買い替え、東名高速を京都に向けて走り出しました。

金を持ち逃げされた、ボスの本郷(内田良平)と、手下の3人(室田日出男川谷拓三・橘真紀)は、次郎の足どりを追い始めます。京都にたどり着いたのち、追手に発見された二人は、国鉄コンテナの中に逃げ込みますが、扉が閉められ、そのまま貨物列車で、山陰線を運ばれました。次郎は聖子に、故郷の丹後半島に住む妹が苦境に立たされ、金を届けに行っていることを打ち明けます。コンテナが開けられると、バイクを奪って再び逃走。途中で持ち金を無くしてしまった次郎は、聖子の協力で、ハンターを殺害して猟銃を奪い、ガソリンスタンド強盗や、やくざの賭場荒しなどを重ね、1000万円の大金を得ることができました。

やがて二人は、次郎の故郷に向かいますが、先廻りしに本郷たちは、次郎の妹の百合子(堀越陽子)を脅し、次郎をおびき出しました。百合子も兄の手紙に書いたことは全く嘘で、ただ恋人と暮らすために金が欲しいだけだったのでした。待ち合わせに指定した山小屋に次郎が現れると、本郷たちは彼を滅多打ちにし、かけつけた聖子は、ライフルで本郷たちを追い払い、瀕死の次郎を介抱しますが、聖子は、百合子の前で、痛みに絶えきれず殺してくれと訴える次郎の心臓を一撃します。やがて、山小屋は炎上し、警官隊に包囲され、聖子はやり場のない怒りが爆発、警官隊の前にライフルを持って飛び出していくのでした。



ジーンズブルース 明日なき無頼派

久々に見る梶芽衣子。女囚さそりのおイメージそのままで、やはり美しいです。冒頭からクールで憂いのある表情がたまりません。対する渡瀬恒彦は、先日見た渡哲也の弟。さすがに雰囲気は似て、爽やかな感じですが、ヒーローの兄に対して、弟の方はいろんな役で活躍しているように思います。あとは、内田良平室田日出男川谷拓三の悪役トリオ。コミカルな3人組で、それぞれの役割を果たしていました。そして、この物語は、題名とストーリーからわかるように、「俺たちに明日はない」と似たストーリー展開となっています。

ストーリー展開は、普通に楽しめますが、追手の三人が、逃げる二人を見つける過程が、偶然にも左右され、ちょっと決め手を欠いた感じがしました。当時の背景として、タイトルの後、いきなり新聞記事として現れる、狂乱物価の様子が、当時の世相として認識されます。74年ですから、ちょうど石油ショックの真っ最中ですね。洗剤高騰とか記事がありましたし、当時、節約が叫ばれ、昼間もテレビ放送しない時間帯ができたり、夜も放送終了時間が早くなったりしました。新聞のチラシを見てよくトイレットペーパーを買いに行ったものです。

映像にはちょうど70年代真っ盛りの情景がたくさん映し出されています。DD54牽引の山陰本線の貨物列車。走っているバスも子供の頃よく見かけたタイプで懐かしい。もちろん乗用車もいろいろで当時のもの。娯楽色の強い東映アクション映画なので、深く感じ入るところはあまりないのですが、梶芽衣子演じる聖子の虚無感を感じつつ、冬枯れの山村の風景とか見て、田舎の風景は当時と比べてどう変わったんだろうか?などと思っていたのでした。

2020.9.27 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「ファースト・コンタクト」 フェイクドキュメンタリースタイルの本格SF

ちょっと面白そうなSF映画があったので、なんとなく見始めました。フェイク・ドキュメンタリーの手法を使った映画で、見せ方が目新しい映画のようで、楽しみです。監督は、ハズラフ・ドゥルール2017年の映画です。
原題:The Beyond (2017)

あらすじ
スペースエージェンシーの所長、ジリアン(ジェーン・ペリー)は、自宅で広報用の取材に応じている時、異常事態が発生の連絡を受けました。国際宇宙ステーション付近に謎の物体が発生、活動中の宇宙飛行士のジム・マルセル(ウェス・ナイキ)が行方不明になってしまいます。エージェンシーではチームを編成して対応。ジリアンは物体を「ヴォイド」と名付け、ヴォイドから出てくる電波が1420MHzであることから、生命体の可能性が示唆されます。ジリアンは無人探査機を送り、ヴォイドにワームホールがあることを発見。その先に惑星らしきものがあると判明しました。ジリアンは、ワームホールへ飛行士を送りたいと発言。その頃から、ヴォイドから無数の黒い球体が地球へと向けて放出され、ヴォイドから不可視波が発生し始めます。

黒い球体を脅威と認識し、国防機関からも連絡が入りますが、飛行士の派遣が困難だと答えると、ヒューマン2.0という、人工ボディーに人間の脳を移植するプロジェクトの存在を知らされます。最後の望みをかけて片道切符の候補者を選考し、専門医のクレス(エズラ・カーン)によって脳移植された青年は、拒絶反応を起こして死亡。さらに改良を加え、親和性が高い人物をスタッフの中から選ぶことになり、適合したのはヴォイドを良く知る宇宙論学者のジェシカ(ノーリーン・カミスキー)でした。ジリアンは彼女に直接打診し、ジェシカは悩んだ結果、ジリアンに家族を頼み、脳移植へと挑むことになります。そして、移植は無事に完了。ジリアンとチーフのアレックス(ナイジェル・バーバー)は、彼女と言葉を交わし、ジェシカはボディーの動きに慣れるための訓練を始めました。

宇宙船はジェシカ2.0の他にソルジャー2.0も搭乗し、ヴォイドへと侵入しますが、ソルジャーは排除された後、ワームホールの向こう側へと抜けていきます。その5日後、ジェシカを乗せた宇宙船が帰還。意識を失っているジェシカの脳内を分析し、解析を開始しました。すでに地球を覆う黒い球体が活発化し、警戒は最高レベルへと引き上げられていました。やがて意識を取り戻したジェシカは、ヴォイドを経て惑星へ到着し、地球外生命体とのファーストコンタクトを語ります。そして、行方不明になっていたジム・マルセルもそこに出現したのでした。間もなく、大量のデブリが太陽系の外部軌道の衛星を破壊し、地球へと降り注ぎます。同時に黒い球体が、地球を包むように網を張りはじめ、地球は脅威から守られたのでした。彼らは地球の紹介映像から、人類が救済に値すると判断したのです。彼らは仕事が終わると地球を去り、後日ジムもアリゾナ砂漠で発見されました。

ヴォイド消失後、地球の軌道上に新たな惑星が生まれました。それは人類とって理想的な惑星で、アース2と呼ばれ、さっそく移住計画が立てられ、1年後、初めての有人宇宙船がアース2へ向けて打ち上げられました。最初に乗り込んだのは全員がヒューマン2.0。彼らは将来の人類の移住に向け、アース2で準備作業を進める為に向かったのでした。



ファースト・コンタクト

フェイクドキュメンタリーで表現されたSF映画です。インタビューシーンを中心に、あたかも宇宙エージェンシー製作の記録映画として構成されています。見せ方は斬新ですが、内容は古典的なSF。かなり既視感のある本格SFストーリーです。このストーリーの雰囲気は、アーサー・C・クラークの著名なSF小説を想い出します。忘却の彼方に行ってしまいましたが、絶対同じような小説があったぞという印象でした。もちろんそれは、普通のSFで、フェイクドキュメンタリーではありませんが…。ついでですが、原題のビヨンドからは、ルチオ・フルチを連想してしまうのは私だけでしょうか…。ちょっとトラウマの題名です。

ストーリーは、スペースエージェンシーという研究施設のドキュメンタリーで、民衆の動きなどはあまり描かれていませんが、普通の映画にしたら、そちらの方もかなりメインになって来るのでしょう。そういった意味では、一面的な部分を切り取ったという感じがしないでもありません。いろいろと広がりのあるテーマだと思いました。最後のアース2は余計だと思いました。ジェシカが先鞭をつけたヒューマン2.0がここしか出てこないので、そういう意味では必要かもしれませんが、それ以外は蛇足に感じます。

この映画を見ながら、ドキュメンタリーを演技するのはどういうもの何だろうと考えていました。普通に演じればそうなるという訳ではなく、それなりの演技の仕方だと思いますが、普通の映画のようなアクションは控えめになっていると思います。そうしてみれば、普通の映画は、かなりオーバーアクションになるのかなぁなどと他愛もなく考えていました。試みとして面白いと思いましたが、ストーリー展開的には一部の事象が重点的に描かれる分、サイドストーリー的になって、全体感は少々薄くなったのかなというのが感想です。しかし、古典的な本格SFストーリーを体験できたので良かったと思います。

2020.7.9 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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