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「素晴らしき哉、人生!」 絆で繋がるクリスマスの奇跡

アメリカの映画の中でも、名画と言われているこの映画を、同年に製作されたオスカー作品賞の「我等の生涯の最高の年」に続けて見てみました。アメリカの古いドラマはそれほど見ているわけではないのですが、このあたりが本丸かなぁと思っております。1946年、フランク・キャプラ監督の作品で、オスカーでは5つのノミネートでした。
原題:It's a Wonderful Life

あらすじ
1945年のクリスマスイブに、ジョージ・ベイリー(ジェームズ・ステュアート)は、自らの命を絶とうとしていました。そして、天国からその自殺を思いとどまらせるために、二級天使のクラレンス(ヘンリー・トラヴァース)が派遣されることになります。その準備ためにクラレンスは、それまでのジョージの人生を見せられるのでした。

1919年。ジョージが12歳の頃、弟のハリーが極寒の池に落ちて溺れているのを救いますが、この時片耳の聴力を失います。ジョージは薬局でバイト中に、店主が息子の死によって気が動転し、子供用の調剤を誤ったことに気づき、事故を未然に防ぎました。1928年、ジョージは幼馴染のメアリー(ドナ・リード)とパーティーで再会。二人は良い雰囲気になりますが、父の危篤の知らせが入り、急遽デートを中断して変える羽目に。そして、父の死後、町を牛耳る富豪のポッター(ライオネル・バリモア)の圧力で、父の住宅金融組合は潰されそうになり、ジョージは進学や建築家になる夢も諦め、父の仕事を継ぐことに決め、代わりにハリーを大学へ通わせます。そして、弟の卒業を待つも、ハリーは工場主の娘と結婚し、町に帰ってきませんでした。

幼馴染のメアリーが町に帰ってきたと聞いたジョージは、彼女の家に向かい、そこでジョージはメアリーの想いに気づくと二人は結婚すします。そして、ハネムーンに向かおうとした時、二人は銀行の取付け騒ぎを目撃し、これがポッターによる罠だと悟ったベイリー夫婦は、ハネムーンの費用を銀行が再開するまでの資金援助として、資金を引き出しに来た町の人々に貸し出しました。そしてジョージは、貧しい人々のために宅地開発を行い、ポッターの法外な値段の賃貸住宅から次々と住人が移ってきます。ポッターはジョージを高給で自分の助手として雇うと提案しますが、ジョージは断りました。

1945年のクリスマスイブの日、町は軍功をあげたハリーの歓迎準備をしていました。ところが、叔父のビリーはポッターの銀行に向かい、預金しに行った多額の現金を紛失し、見つけたポッターはこれを隠してしまいます。ビリーはそのことをジョージに伝えると、このままでは金融監査官に見せる帳簿に穴があき、横領で刑務所行きになってしまいます。ポッターに借金を頼みにいきますが、彼は断ったうえ、横領でジョージを告発。ジョージは家族へ八当たりをし、バーでは飲んだくれたうえで、自殺をして保険金を手にいれることを考えました。そこでクラレンスと出会います。自らを守護天使と語るクラレンスですが、ジョージは信じません。

「生まれなければよかった」というジョージに、クラレンスは、ジョージが生まれなかった場合の世の中を見せました。町はポッターズビルという名の物騒な町に変わっていて、人々心は荒んでいます。ショックを受けたジョージは、自分の人生は素晴らしいと気づき、クラレンスに、元の世界に戻してもらいました。家へ帰ると、メアリーの呼びかけで町民たちが寄付に集まり、紛失した金額は無事回収できました。ハリーも戻ってきて、家の中で町民たちは祝いの歌を歌い、そしてクラレンスの「友ある者は決して失敗しない。」というメッセージを見つけるのでした。



素晴らしき哉、人生!

アメリカでは、いつの頃からかクリスマスに上映される映画となっているとのこと。これは、クリスマスイヴの物語で、天使が男に幻想を見せ改心させるのは、クリスマス・キャロルと同じ構造でした。ジョージはスクルージではないので、改心する必要はありませんが、ここでは、自分を含め、一人一人の人生の大事さと、人とのつながりの大事さを改めて気付かされるという、ドラマとしても王道的であり、普遍的な人生物語です。「我等の生涯の最高の年」が当時の世相に大ヒットしたの対比すると、こちらは、いつの時代にも受け入れられる映画になっていました。

監督のフランク・キャプラが、戦後の世相に対して製作した渾身のクリスマス作品なのですが、興行的に失敗して大いに自信を喪失してしまいました。彼の元に天使は現れず、もし、「素晴らしき哉、人生!」が無かったら、どういう世界になっているのかを教えてくれ無かったのでしょうか。とはいっても、それは難しいので、せめて、この映画が将来にわたってアメリカでどれだけ楽しまれているかを見せてあげれば、自身を喪失しなくても良かったでしょうに…。ということですね。

フランク・キャプラ、ウィリアム・ワイラー、ジョージ・スティーブンスが協力して設立したリバティ・ピクチャーズの第1号作品ということで、ここにウィリアム・ワイラーも入っているところは、何か皮肉な感じもしますが、それぞれに戦争体験を経て、一般の映画製作に復帰したフランク・キャプラからの回答は、この映画でした。オチとしては、「情けは人の為ならず」なのですが、何と言いますか、明るいですね。人生を応援してくれる映画だと思います。ちょっと気取った感じの慣れ親しんだ邦題ですが、今となっては、「It's a Wonderful Life」が、最も映画の内容にしっくり来ている様な気がします。

2020.6.19 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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「我等の生涯の最良の年」 復員兵を迎えるアメリカの社会

オスカーでは、特別賞や記念賞を含めた9つの賞を受賞。作品賞にも輝きました。1946年のアメリカ映画で、ウィリアム・ワイラーの作品です。当時、この映画は戦後の世相も反映し、大ヒットを記録しました。
原題:The Best Years of Our Lives

あらすじ
第二次大戦が終わり、ブーンシティ出身の三人の復員兵、アル・スティーブンソン(フレドリック・マーチ)、フレッド・デリー(ダナ・アンドリュース)、ホーマー・パリッシュ(ハロルド・ラッセル)は、同じ軍用機に乗り合わせ、故郷に帰ってきます。水兵のホーマーは両手を失い義手を使用。家族と恋人のウィルマ(キャシー・オドネル)の歓迎を受けますが、義手に対し哀れみの目も伺えました。陸軍軍曹のアルは、妻のミリー(マーナ・ロイ)と成長した娘ペギー(テレサ・ライト)、息子ロブの歓迎を受けます。美しく成長したペギーの男性関係を案じつつ、すぐには家庭に溶け込めないアルは、気分直しにミリーとペギーを連れて夜の街に繰り出しました。空軍大尉のフレッドは、質素な実家に帰宅すると、妻のマリー(ヴァージニア・メイヨ)は、ナイトクラブで働きながら一人暮らしをしていると聞き、街に出ますが見つかりません。3人はその夜、思い思いに訪ねてきた、ホーマーの叔父ブッチ(ホーギー・カーマイケル)のバーで再会。アルとフレッドは酔い潰れ、ミリーとペギーが二人を連れ帰りました。フレッドがマリーと再会したのは翌日でした。

アルは以前勤めていた銀行に、副頭取として復職。ホーマーは義手をジョークのタネにし、陽気にふるまいますが、内心引け目を感じ、ウィルマの愛情も哀れみと受け取っていました。フレッドはドラッグストアに復職しますが、安月給で以前の部下が上司という環境、他に仕事も見つからないまま貯金を使い果たしてしまいます。ある日、ドラッグストアに買い物に来たペギーを昼食に誘い、別れ際に彼女に強引にキス。ペギーも妻帯者のフレッドを愛し始めてしまい、マリーが収入が激減したフレッドに愛想を尽かしていることに気づくと、家に帰り、両親に二人を別れさせると宣言しました。驚いたアルはフレッドを呼び出し、娘から手を引けと迫ります。フレッドは折れて、ぺギーに別れの電話を掛けることになりました。

ドラッグストアで起きた、ホーマーと客のいざこざに巻き込まれたフレッドは退職。その時ホーマーに、ウィルマに結婚を申し込むよう諭します。ウィルマは、自分がホーマーの重荷になっているので、両親が離れさせようとしていると告げ、ホーマーはいかに障碍者と生活を共にするのが大変かを示しますが、ウィルマは愛で乗り越えられると答え、二人は固く抱き合いました。ある日、フレッドが帰宅すると、マリーが見知らぬ復員兵といるのを目撃し、マリーは悪びれもせず、離婚を言い渡して出ていきます。フレッドは町を出ることにし、飛行場へ向かうと、そこには夥しい数の解体中の軍用機ががありました。機体に上っているところを呼び止められたフレッドは、解体作業員として雇ってくれと頼み込みます。ホーマーとウィルマの結婚式の日、アルの一家やフレッドもホーマーの家に集まりました。ホーマーとウィルマが誓いの言葉を述べ、皆に祝福されている中で、フレッドとペギーは離れたところから見つめ合い、やがて歩み寄ると、二人も抱き合って将来を誓うのでした。



我等の生涯の最良の年

1946年のアカデミー賞を席巻した名作です。3時間近い長さの映画ですが、まったく飽きることなく、最後まで楽しめました。それぞれの人物描写がはっきりしており、演技も撮影も素晴らしい映画だと思います。当時のアメリカの雰囲気も良くわかりました。インパクトがあったのは、たくさんの解体する飛行機が並んでいるところ。平和になればお役御免となり、維持もできないので解体して、民生用の鉄に再生されます。復員兵の立ち場を象徴しています。その機体に自分の姿を重ね合わせ、平和の世の中に貢献する決意をするフレッド。この映画の名場面だと思います。

同じ年に、「素晴らしき哉人生!」が公開されましたが、興行的には失敗し、アカデミー賞でも無冠に終わっています。今ではむしろ評価が逆転しているくらいと思いますが、この映画はやはり当時の世相に受けたのではないかと思います。あくまで、戦争で苦労をした復員兵を讃える映画で、反戦的な思想は時々表現されますが、叩きのめされています。復員兵を前に言う言葉じゃないということはわかりますが、ワイラー監督はどういう立場だったのでしょう。敢えて入れて少しでも主張したかったのか、あるいは叩きのめしたかったのか?このあと、すぐに朝鮮戦争、ベトナム戦争と続いていくベースに、この映画が受けたという世相があったのではとも思いました。

3つの家族の中でも波乱の展開だったフレッドの家族ですが、この女優たちの中では、実はヴァージニア・メイヨが気になっていて、フレッドがなかなか探し当てないので、出現が待ち遠しかったのです。「白熱」で見た彼女が結構好きだったので、再会を楽しみにしていたのでした。部屋は散らかし放題で、あっさり離婚してしまうという遊び人の人妻でしたが、まぁヴァージニア・メイヨはこういうキャラですからねぇ。しかし、私生活では離婚歴のない女優さんで、ハリウッドで珍しいタイプなのですが。という訳で、名作を堪能しつつ、当時の世相を感じた3時間でした。

2020.6/17 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞

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「バンカー・スクワッド ベトナム地下要塞からの脱出」

Amazon Prime特典に新しく出ていたので、ベトナム戦争時代のトンネルに潜ったことがあったので、その興味もあってみてみました。2014年のアメリカ映画で、ジョー・ブラック監督による作品です。相当B級っぽいのは覚悟の上です。

あらすじ
ベトナム北部の紛争地で行動していた米軍の部隊を、突如同じ米軍の集団が襲います。この部隊は消息を絶った特殊部隊でしたが、この隊を率いるタイベリウス(クリストファー・バール)は、ベトナム軍の地下トンネルを奪って潜み、軟弱な行動に対しては、裏切り者として処刑し、部隊に接近するものは、敵味方問わずすべて彼の部隊を脅かす敵として、捕まえては処刑し、指を切り取っていくという行動を行っていました。そして、この部隊を発見した米軍部隊も、本部に探索開始を連絡すると、敢えて撤退するように指示を受けます。

その頃、消えた特殊部隊を探してクリス中尉(マイク・ブラウン)以下4人の米兵のグループが、トンネルの入り口付近に接近すると、特殊部隊が襲います。結果中尉を含む2人が死亡、ハーウィック(Shane Scaccia)は捕虜になり、シェネック(ジェス・ウェーバー)がこれを単独で救出に向かいます。そして、特殊部隊が3人のベトナム女性と1名の米兵を処刑しようとしたとき、シェネックが襲い、ハーウィックと女性の一人キム・リー(サンデー・スイ)を救出しました。

3人はトンネル内に潜入し、特殊部隊の米兵との戦いを始めます。ハーウィックを失いましたが、トンネル内の戦闘で特殊部隊を倒し、外に逃れると、生き残ったタイベリウスがこれをと応え、キム・リーも射殺されました。そこに救助で駆け付けた本部が到着。タイベリウスは倒され、シェネックを本部に連れ帰ります。そして、シェネックと面談した本部は、このことは一切口外しない様に指示し、新たな戦場へと向かわせるのでした。



バンカー・スクワッド ベトナム地下要塞からの脱出

うむ。これはやられましたね。数年に一度の稀に見るグダグダな映画です。ダメ映画というものは、それなりに愛着も湧くものですが、これは全く湧きません。そもそもいきなり背景が良くわからない。この部隊の存在は秘密になっているらしいですが、救出部隊も存在するという、ややこしい関係。そのうえ、秘密を知ったものは、本部でも容赦なく処刑するという、脈絡のないストーリー。途中で発生してしまう、ラブロマンス。

とにかく、前後脈絡なくエピソードを詰め込み、地獄の黙示録のような話を、低予算とチャチなシナリオが作ろうとしたという映画なんでしょうか?とってつけたようなラストも失笑ものでした。ダメ映画でも、まぁ試しに見て見たら?と言う方ですが、これはまぁ、人に勧めると一生恨まれるような映画なので勧めません。せっかく穴を掘って頑張って撮影したのに、大変だったね、ご苦労さん、でも二度とやらないでねという感じです。

映画の話はこれで終わり。私の今住んでいるHCMCの郊外にも、ベトコンの地下基地が観光地として残されています。もともと閉所恐怖症気味かなぁと思っていた私ですが、このトンネルに入って、見事にそうであることが解りました。1度目はその狭いトンネルの中の移動にかなり圧迫感を覚えてトラウマになり、二度目は無理でした。うさぎ跳びのような姿勢で、延々と数十メートルある先の見えないトンネルの中を移動するのは、多少明かりがついているとはいえ、きついです。立って歩けるようなところであれば大丈夫なんですがね…。

2020.3.5 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞

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